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未来の自分に向けた目標設計 ― FLP③

前回までは、FLPの初期段階である「FLPセットアップ」についてお話ししました。

FLPは、単にビジネスを立ち上げる場ではなく、“自分の学び方”を根っこから見直していく時間です。過去の経験や成功パターンにしがみつくのではなく、まっさらな状態で、もう一度ゼロから手を動かしてみる。うまくいくか分からない。正解もない。だけど、だからこそ、本当に必要な学びが見えてくる。このプロセスは、思った以上に地味で、しんどくて、でもちゃんと向き合えば、じわじわと確かな手応えを残してくれます。これから始まるFLPは、そんな“試行錯誤の連続”です。自分の手で事業を動かしながら、問いを立て、施策を打ち、学びを深めていく。その一歩目として、まずはFLPにおける「目標設定」から入っていきましょう。


3. FLP目標の設定 

FLPおける目標設定とは単なる数字や行動の計画ではありません。それは、自身の「学びの方向性」と「変容の軸」を定める極めて重要な行為です。つまり、目標は"自分がどのように変わるか"を定めるための出発点でもあります。
多くの実践者は、既存の自分の強みや得意な領域に頼って行動を開始しがちですが、それでは本質的な変化が起こりにくく、結果として「現状の自我を強化しただけ」に終わってしまうこともあります。そのような事態を避けるためにも、FLPのDay1を迎えるにあたって、どのような変容を目指し、どんな成果を得たいのかをしっかりと⾔語化しておくことが⼤切です。

FLPの目標期間 

FLPを修了するまでに要する期間を設定します。後述の通り、FLPでは多⾯的な要素を統合的に実践するため、短期間での修了は非常に難しいものとなります。 おおよそ12-24ヶ月で目標期間を設定し、腰を据えて学び飛ばしがないように実践していくことが求められます。
FLPの目標6要素 — 成果と変容を統合するフレーム FLPにおける目標は、単にKGI(最終成果指標)としての利益を目指すものではありません。以下の6つの要素をバランスよく設定し、互いに関連づけながら取り組むことが求められます。

FLPの目標6要素

1. 圧倒的成果(Remarkable Result)

資本主義下における株式会社をエントリーとした産業創造リーダーの初期実践であるFLPの中核には「圧倒的成果」があります。事業における「成果」は主に「営業利益(率・額)」で設定をします。これは単なる売上ではなく、「コストを引いた後に残る真の価値」を表します。陳腐なプロダクトにおいて高収益を実現するためには、既存プレイヤーがやっていない試行錯誤を通じて、強いオペレーションとそれを体現する組織を作り、競争優位性を作り上げます。その結果指標が「営業利益」として表れます。
「圧倒的」の目安としては、同様のプロダクトを営む競合の営業利益率の2〜3倍を目指すことが推奨されます。

2. 学習変容(Learning Transformation)

FLPにおいては成果を出すだけでなく、同時に自身の「学習の癖」を変容**させることも目標に盛り込みます。
*:「学習」とは、「できないことをできるようにする」を指します。
**:「変容」とは、知識を得ることではなく、自分の行動様式が変わることを指します。

IFDで紡ぎ出した「芯を食ったらしさ」に紐づく「学習の癖」は、過去から報酬が回ってい るがゆえに飛びつきたくなるコンフォートゾーンの「慣れ」と、過去から罰を感じていたが故に避け続けてた・無視してきた「不慣れ」に分解できます。一般的には自分が得意な「慣れ」ていることに傾倒し、「不慣れ」は無視したり他者にアウトソースすることで避け続け、既存の自我を強化することを繰り返します。幼少期は「慣れ」も「不慣れ」もなく、広く学習の対象としているのですが、誰も環境における経験・体験から報酬と罰との組み合わせで学習の癖が形成されていきます。

FLPでは、こういった学習の癖に囚われることなく赤ちゃんのように広く深く学ぶことが求められます。日々の実践を通じて「慣れ」「不慣れ」をしなやかに変容させ「学習領域」を拡張していくのです。

「慣れ」は引き続き安易に飛びつくのではなく、メンバーの学習をサポートしたり、組織知になるよう一般化することで他者や組織を通じた実践になるよう学びの次元を引き上げる目標を設定します。一方、「不慣れ」は放っておくと自己正当化しながらやらない理由を探し先延ばしにしがちです。FLPを通じて実践しどこまで「できること」が広がっていることが望ましいかをイメージし目標設定しましょう。

3. リーダーシップ(Leadership)

FLPでは5-10人の圧倒的成果を創出するチームを作り、次の責任者にデリゲーションすることをゴールとしています。FLPにおけるリーダーシップの目標は、どのようなチームを作りどのようにデリゲーションしているかの状態、またデリゲーションのための仕組み化・一般化や、自身の人巻き込みや人向き合いの癖の修正を目標として設定します。
社会と共創する熟達のリーダーシップジャーニーはリーダーである実践者の自己実践から始まります。まずは自分の実践を通じて圧倒的成果を体現し、それを一般化したものを、他者が実践できるよう支援・育成しチーム・組織に圧倒的成果を体現するオペレーションや学習姿勢を移植して行きます。

4. インサイト(Insight)

日々の実践から得られるインサイトを施策やアクションに昇華し圧倒的成果に跳ね返します。また、エントリープロダクトに収まりきらず滲み出た結果としてネクストプロダクトの立案にもつながります。このようなインサイトの活用をリーダーが体現し、チームにも移植していくことを通じて作り上げたい状態を目標設定します。

5. 時間管理(TDM)

FLPの学習を最大化するためには、時間の使い方を意図的にデザインすることが大切です。具体的には、自分の行動一つひとつが圧倒的な成果にどう貢献しているかが見えるような目標設定を行います。 一般的なタイムマネジメントのように、労働時間を制限したり、生産性を上げることだけにフォーカスしてしまうと、本来の成果とのつながりが見えにくくなってしまう点に注意が必要です。 FLPでは、初心者マインドを持ちながら、探索と作り込みに取り組むことが求められます。そのため、自分の時間の使い方の癖に気づき、どう改善していきたいかに敏感になることが重要です。 まずは、FLPの学習サイクルを日常に習慣化し、正しい時間の使い方とコンディションの管理を行うことから始めましょう。

6. コンディショニング(Conditioning)

自己変容・学習変容をともなう実践は、過去の習慣やコンフォートゾーンから外に出る(現状維持バイアスに抗う)行為であり、少しずつ時間をかけ足場をかける必要があります。急激な変化や焦りは精神的・身体的に負荷をかけることにつながります。だからこそ、「ご機嫌」な状態で学び続けられるように、自分自身の状態を見つめ、整えることが重要となります。


ここまでFLPの目標設定についてご紹介しました。
次回はFLPの過程で用いるツールについてご紹介します。


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