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飲食アルバイト50代お局様‼第10話 50代になりたくない

お局2号さん
カウンターにアイスコーヒーが置かれている。これ、持って行った方がいいのかな?でも私が取ったオーダーじゃないし・・・と考えているうちに二号さんがやってきて自分のトレンチにアイスコーヒーを乗せて言う。
「あのさー、なんでドリンク来てんのに持ってかないの?」
うわぁ・・・怒ってる!
やっぱり私が持っていくべきだったんだ。
「あ・・・すみません。私が持っていきましょうか?」と二号さんに聞く。
「あのさー、もうトレンチ乗せちゃったじゃん!私が持って行かなきゃいけなくなっちゃったじゃん!さっさとやってくれないからさー!もういいよ。」乗せちゃった?乗せる前に言ってくれればよかったのに・・・。
あまりの剣幕にすみませんを繰り返す。にしても「じゃん」って・・・。
「あの辺下げ物一杯あるからさー、どんどんスタンバイしちゃって!」
「ほら 拭くもんもいっぱい残ってんじゃん!」洗い場から上がってきたお皿やスプーンを指さしながら言う。それらをしまうお皿の場所やスプーンの場所も私はまだわかっていない。
「ボーっとしてないで自分で考えて動いて!」
二号さんに立て続けに命令口調で怒られる。でも正直言って入ったばかりで何をしていいのかすらわからない新人に自分で考えて動いてはないんじゃないか?暇そうにしてるなと思ったら指示するのが先だと思うんだけど。できれば敬語使ってくれないかな・・・タメ口めっちゃ不愉快なんですけど。
しかしなぜこんなに偉そうなんだ?
この人社長よりも偉そうなんですけど。
一号さんもそうか・・・。この人もお局様だ。一号さんとタイプ違うけど。
副店さんに注意を受けることもあるけど指摘はいたってシンプルだ。この職場に関して言えば日が浅いアルバイトの方が新人の私に対して偉そうにふるまうのだという事に気が付いた。
「おかま拭いて」
洗い場から戻ってきた炊飯器の内窯をふきんで拭くよう二号さんから指示された。
「中もですか?」と尋ねると
「中もだよ!大着しない!」と二号さん。
「別に大着って言うか・・・」質問しようとしただけじゃないですか。このふきんお釜の中拭いていいくらい綺麗なのかわからないし・・・と言いかけて二号さんの顔を見てその後に言おうとした言葉が引っ込んだ。
なんだ?顔がメチャクチャ怖いぞ・・・!

顔が怖すぎて固まる ちなみにコロナなので実際はマスクしてます


びっしりと細かい皺に縁どられた濁り曇ったまなこが微動だにせずまっすぐこちらを見据えている。見えていないマスクの口元が笑いを浮かべている・・・ような気がする。悪意に満ちている。皺や血走り濁った白目が、加齢が、恐怖を底上げしている。情報量ハンパない。コールセンターで怒鳴られたり暴言吐かれたりってこと何度もあったけどこんなに怖くなかった。声だけじゃなくて個性を兼ね備えた本体に怒られるのってこんなに怖いんだ・・・
「ハ・ハハ・・・ですよねっ。りょうかいでーす・・・へへ・フフッ」私は愛想笑いしながらへこへこ頭を細かく下げた。
まだ入って一週間なのにこんなに怒られなきゃいけないんだ。一か月早く入った先輩に・・・。
それと同時に歳をとることにネガティブな感情が湧き起る。
この人一体いくつなんだろう?
私もいつかこんな風になるのか。
嫌だ。50代になりたくない。
たいして優しくもなく恐怖を与える2号さんは自分に危害を加えるフォルダーに分類された。
(つづく)


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