『舞妓さんちのまかないさん』最終巻から、ひとくちカツサンドとパンの耳ラスク―お台所から、エールをこめて
こんにちは、レシピのしおりです。
今回はちょっと息抜き。漫画の中の料理をピックアップします。
漫画『舞妓さんちのまかないさん』の最終巻が、つい先日発売されました。わたしも5年以上にわたって単行本で追いかけてきた、大切なシリーズです。
今回はこの漫画の中から、最終巻にも登場した思い出の料理、カツサンドとラスクを作りました。

『舞妓さんちのまかないさん』って、どんな漫画?
📘 書籍情報
書名:舞妓さんちのまかないさん (30)
著者:小山 愛子
出版社:小学館(発売日:2025年6月12日)
ページ数:144ページ
ISBN:978-4098541232
▶ くわしく見る(Amazon)
舞台は京都の花街。舞妓さんを夢見て青森からやってきた幼馴染の女の子、キヨとすみれが主人公です。
舞妓さん見習いの「仕込みさん」としての生活を始めたふたりですが、キヨの方は舞妓さんになるのは難しいと判断され、青森に帰るよう促されてしまいます。
一方、すみれは百年にひとりの逸材といわれるほどの才能を発揮。本人の努力家な性格もあり、めきめきと成長していきます。
キヨはひとり青森に帰るかと思われましたが、ある出来事をきっかけに、舞妓さんたちが住まう「屋形」の台所を預かる「まかないさん」としてごはんを作る仕事をはじめることに。
すみれをはじめとした舞妓さんたちを、毎日の食事で支えていく立場になります。
途中からはふたりの幼馴染・健太も京都に移り住み、舞妓さんたちの仕事や京都の日常、そして3人と周囲の人間模様を描いていきます。
この漫画に惹かれたきっかけは「舞妓さん」についての描写のあざやかさと、女の子たちの日常のコントラストでした。
美しい着物を着てお座敷をまわる舞妓さんも、屋形という家に戻れば10代の女の子としての生活が待っていて、喜びや悩みもたくさんあって。
その2つの面が、やさしいタッチの絵でいきいきと描かれています。
華やかな表の面だけでなく、厳しいおけいこのシーンや途中で離脱する子のエピソードなども丁寧に描かれているのが印象的で、今までふんわりとしか知らなかった舞妓さんへの解像度をぐんと上げてくれました。
そして、舞妓さんたちを支えるキヨちゃんのごはんのおいしそうなこと!
京都だからおばんざい中心かと思いきや、からあげや焼きそば、グラタンなど、わたしたちの身近な料理がほとんどで、親近感を覚えた回数は数しれず。
読んだあとに「今日は同じものを作ろう」と献立の参考にしたことも何度もありました。
きょうの「レシピのしおり」
今回、この記事を書くにあたり、1巻から最終巻までを通して読み直したのですが、読めば読むほどしおりをはさむ場所に迷ってしまいました。
「キヨとすみれの故郷・青森のイカメンチやひっつみ、みそ大根のおにぎりがいいかな?」
「いやいや、京都ならではの料理がいい、澄んだだしのおうどんやういきゅうトーストも魅力的!」
などと終わらない脳内会議をした結果、「カツサンド」を作ることに決めました。
「カツサンド」の初出は2巻。キヨとすみれがまだ仕込みさんだったころに、先代のまかないさんが作ってくれたのが最初です。
京都ならではの料理ではありませんが、お化粧をした舞妓さんが食べるため、唇のお紅が取れないように小さなひとくちサイズに切るのが屋形流。
その後、すみれのお店出しなど大切な場面で登場し、最終巻でも描かれた思い出の料理です。

漫画ではカツを揚げるところからスタートしましたが、今回はお惣菜のカツを使いました。

まずは食パンの耳を切り落とします。一般的なサンドイッチは最後に耳を落としますが、ある事情で今回は先にやりました。

フライパンで軽くパンの片面を炙って、ほんのりと焼き色をつけておきましょう。

焼いていない面にバターを塗り、千切りキャベツとカツを重ねて、ソースをたっぷりかけたら…。

もう一枚のパンを乗せてラップで包み、しばらく寝かせてなじませます。

寝かせている間に、パンの耳でラスクを作りました。このラスクは、キヨちゃんが幼馴染のすみれと健太に繰り返し作ったメニューで、特に健太を励ます時のおやつとして繰り返し登場するんです。
カツサンドを作るなら、ラスクも一緒に!と決めていました。

個人的な思い出ですが、このパン耳のおやつはわたしが子どもだった頃に母がよく作ってくれたもので、漫画で最初に見た時に「同じだ!」と嬉しい気持ちになったのを覚えています。

さて、ラスクを作っている間にカツとパンもしっとりとなじみました。ひとくちサイズに切って盛り付けましょう!

できあがったのがこちらです…が、盛り付けている途中でカツサンドが崩れてしまい、漫画のようにはきれいに盛り付けられませんでした。
そういえばわたし、カツサンドを作った回数は両手の数ほどで、いつもは3分割(漫画でいうところの『仕込みさん用』の大きさ)だったのでした。
先代のまかないさんもキヨちゃんも、数えきれないほどたくさんのカツサンドを作ってきたからこそ、きれいに盛り付けられるんですものね。
わたしが9分割の舞妓さんサイズをきれいに仕上げられるようになるには、まだまだおけいこが必要なようです。キヨちゃんを目標に頑張ります!
料理だけでなく、舞妓さんのお仕事、京都という土地に根ざした生活。
『舞妓さんちのまかないさん』は、そんなさまざまな側面から楽しめる物語です。
ドラマやアニメにも展開されたので、すでに内容をご存じの方も多いかもしれませんね。
最終巻は、はじまりから何度目かの春を迎えた京都が舞台。すみれと健太に大きな節目が訪れます。
キヨちゃんはいつも通り、屋形で毎日のごはんを作りながら、ふたりにお台所から料理のエールを送ります。
この「いつも通り」を続けるのって、実はとてもむずかしいこと。一番のんびりしているようでいて、本当は一番すごいのはキヨちゃんなんですよね。
シリーズをずっと追ってきた方ならきっと見覚えがある料理もたくさん出てきて、今までの総仕上げにふさわしい1冊です。
個人的には、最後の「おまけまんが」がとても良かったので、本誌で読んでいた方にもぜひ単行本でもう一度味わってほしいなと思いました。

📘 書籍情報のおさらい
書名:舞妓さんちのまかないさん (30)
著者:小山 愛子
出版社:小学館(発売日:2025年6月12日)
ページ数:144ページ
ISBN:978-4098541232
▶ くわしく見る(Amazon)
📚 『レシピのしおり』これまでの記事一覧はこちら
👉 https://note.com/recipe_shiori/all
📘 掲載中のレシピ本一覧はこちら
👉 https://note.com/recipe_shiori/n/n67d1d69ad46c
💼 お仕事のご依頼について
このnoteでは、料理系のライターが趣味で楽しみながら、気になるレシピ本を紹介しています。
もし内容を気に入ってくださった編集・制作関係の方がいらっしゃいましたら、
下記のページに活動概要と連絡先をまとめていますのでご一読ください。
➡︎ 「仕事依頼について」を読む
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!いただいたチップはレシピ本の購入に使わせていただきます📚️