例のコカイン事件の日本駆け込み寺さんの財務及び事業実績まとめ

5月22日
(5/24 数字の誤記修正。5/30 第二弾記事へのリンクを末尾に追加)

皆さんご存じの通り2018年度から始まった東京都の若年被害女性支援事業(以下、若年事業)はいわゆるWBPCの「独占事業」でしたが、2022年度を最後にCであるColaboさんが撤退され、新たな団体が加わりました。
その一つが公益財団法人日本駆け込み寺さん(以下、駆け込み寺)です。

駆け込み寺のことをあまりちゃんと見てこなかったのですが、つい先日発生した目を覆うような悲惨なニュースが世間を賑わせています。

事務局長さんがコカインを所持して逮捕されており、相談者の20代女性にも「市販薬をオーバードーズするくらいならコカインを使えば?」と勧められたらしいです。えらいことです。

金融機関の融資先や補助金の支出先の内、後からコンプラ上の問題を引き起こすような先は、実は融資・補助金の審査段階でも明らかな異常の兆候を見せていることが多いです。
つまり、問題を看過して審査を通してしまうと、金融機関や行政の資金を手元に抱えた状態で爆発してしまうという展開になりがちです。

今回は令和7年度の当該事業に日本駆け込み寺さんが採択される前に事務局長さんが逮捕されたので、若年被害女性支援事業の資金が概算払いで支出された状態で事業が空中分解するようなことにならかったのは不幸中の幸いでした。

では、令和5年度の若年被害女性支援事業の団体選定の審査の時に、「警戒すべき兆候」はなかったんでしょうか?
また、令和5年度の実績を踏まえて行われた令和6年度の審査の時はどうだったのでしょうか?

・・・というところを調査するために情報を集めましたが、分析には少々時間がかかりそうですから、記事を二つに分けます。

とりあえず今回の記事は整理した情報の紹介と簡単な分析だけになります。

特に財務情報の取得の仕方はご存じない方も多いでしょうから、当該問題を調査する方々に対して早く知っていただいた方が良いと思い、取り急ぎ中間まとめの状態で記事を出す次第です。

1、前置き 駆け込み寺はどんな団体か

  • 駆け込み寺は歌舞伎町でなんか総合的なお悩み相談をやっているというふわっとした認識でいいと思います。詳しく知りたい方は皆さんそれぞれ検索してください。

  • その上で、本件を語る上で重要だと思われる属性情報と財務状況についてとりあえずご紹介します。

① 代表者の前歴

  • 代表者さんは過去、婦女暴行を繰り返しなさっていたということを著書で告白されているとのこと。

  • また、活動家になってからも裁判で争っている相手側の弁護士さんに対して、子どもへの加害を想起する脅し文句で威圧するなどの行為も行っておられたことを、同じく著書で告白されているそうです。

  • また2000年には宗教法人の事務局長?として女性を監禁暴行した疑いで逮捕されたということもあったそうです。

  • 2003年の3年前だし、時期的にはこれと符合する感じ?よくわかりませんが。

  • もちろん過去のことであり、更生なさっておられるのだとは思います。

  • ただ、東京都が公金を支出して「権威」を与えるべきかは一考の余地があるかもしれませんね。

  • 何よりも、調べればすぐに出てくるその過去の経緯を踏まえると、暴力が日常の選択肢に入っている荒っぽい人物である(あるいは荒っぽい人物だった)のは明らかであり、仮に更生なさっていたとしても、そのような人物が経営する団体が若年被害女性に信頼されるかどうかは議論の余地がありそうです。

② 財務分析

  • 企業を知るには数字を見るのが一番ですので、数字も見てみましょう。

  • 公益財団法人の貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)は内閣府のサイトから取得可能です。

  • 内閣府に提出されている3期分の財務書類と、若年事業に添付されている財務書類を確認した上でまとめたのが以下。

  • 複数種類の財務資料が確認できることは次の記事で触れるので、とりあえず簡単に分析しましょう。左側に3期連続でまとめているのが内閣府に提出されているデータで、仮に真だとしています。

  • まずBS。

R5/3の内閣府提出の方じゃない右側のBSに誤記があったので
5/24に差し替えました。大勢に影響はありません。
  • 特定資産というのはざっくり言うと使途が指定されている財産です。事業が特定されている補助金や使途が指定された寄附金なんかを受領した場合、一般財産と分別してBSに記載されます。

  • 同社の分別ルールはよくわかりませんが、同社は基本的に非営利事業が中心のようですから、深く考えなくてもいいでしょう。

  • R5/3時点では事業規模としては総資産が11百万円あり、主にそれは現預金と差入保証金で構成されています。

  • 資金調達は負債がほとんどなく、寄附金と補助金で賄われていることがわかります。零細規模よりもやや大きい、小規模な慈善事業者としては標準的な構成です。

  • R6/3は初めて東京都の若年事業(R5年度は23,814千円)を受託したということもあって、自己資産も数百万円切り崩して事業に当たられたようです。総資産が11百万円から8百万円に減っています。

  • そしてPL。

  • 経常経費「その他」にまとめてしまいましたが、結構細かい支出が色々と発生しており、またそのバランスもあまり歪さを感じず、意外と言っては失礼ですが、事業自体は真面目にやっておられるように見えました。

参考までに内閣府サイトからR6/3期の経費のみ。
細かいから拡大してね。
  • 賃料が大きいのは歌舞伎町の一等地にビルを複数フロア借りていることから、やむを得ないところではあるでしょう。

  • ただ業務委託費だけは毎年大きな金額が一定額発生しているにもかかわらず、内閣府に提出されている毎年の「収支予算書」にも記載がなく、やや不審です。色々想像はできますが語りません。

  • 総合的にはR6/3に若年事業を受託することになり、これまで20百万円弱だった費用規模が一気に2.5倍の51百万円にまで増えたのが一番印象的です。

  • 「小規模な事業者が無理して単年で事業を急拡大したら、そりゃひずみも出てくるよね」という感じの数字の推移です。

  • また2百万円という人件費の小ささと、R6/3期に若年事業を請け負うまでは法定福利費がほぼゼロである点からは、いわゆる「正職員」が存在していない組織体制だったことが伺えます。

ラーメンはげおじさんの金言
  • 最低限の金銭報酬なしでやりがい搾取的なことをやると、違う形で「報酬」を求める方が紛れ込むのは慈善事業あるあるです。

  • 後出しジャンケン的なインタビューですが、こんな証言もあるそうです。

集英社オンラインの記事より
  • コカインの方は無一文に近いと推定される方だそうで、そんな方が精力的に活動しておられたことについては、もう少し経営者は警戒心を持つべきだったのかなとは思います。

代表者さんのフェイスブックより
  • 「僕は貧乏中年だけど薄給もしくは無給で立場の弱い若年被害女性のために下心なく頑張ります!」的な方にナンバースリーの立場と権限を与えるのは中々のギャンブルです。

  • 似たような話は子ども食堂なんかで特によく聞きますけどね。たまに事件になってますし。

  • こういう体制の団体にこの若年事業を任せた東京都の判断も次の記事で論じたいと思います。

2、令和5年度実績から見る評価

  • 次に、若年事業において駆け込み寺がどのような活動実績を残したかも確認してみましょう。

  • ちなみに事業は7月からスタートしており、第1四半期(1Q)の実績はありません。

① 数値まとめと簡単な分析

  • まず、成果の推移はこんな感じ。

  • 事業の実績として目立つところに色を付けています。

  • 事業の開始期である第2四半期はめっちゃ頑張って2,692回声掛けしたのに、その後半分くらいに抑えてるのは、対象を絞って慎重に声掛けをするようになったということなんでしょうか?

  • 第4四半期からはSNSでも活動を始めたご様子ですね。

  • また第4四半期は声掛け1,378回に対して面談件数898件という驚異のリーチ率を叩きだしています。SNSや電話・メール等からの呼び込みが少々あった可能性はありますし、ご高名な駆け込み寺さんにわざわざ相談に来られる方も中にはおられるでしょうが、それにしても、、、

  • その割に他機関への連携回数、自立支援回数等は他の四半期とあまり変わらず、ちょっと整合性が取れない気がします。

  • また、居場所支援が短期8人+長期1人=計9人に過ぎなかったというのもかなり寂しいです。居場所事業に約7百万円を投じているのですが、事業実施期間のほとんどの日でシェルターには空気を住まわせていたようです。人件費って何に使ったんでしょうね。

  • 次に右側の事業費の推移です。

  • どの団体も第4四半期に金を使いまくるという状況は変わらないんでしょうか。特に給与が倍々に伸びているのが目を引きます。

  • まあ面談件数とSNS事業が第4四半期に増えてるんで、給与が大きく伸びているのはそこの手間だと考えればいいのか?本当か?

  • R6/3期の法定福利費1,143千円から概算できるメインスタッフ3人の給与は合計で約9百万円程度です。駆け込み寺の総給与が約17百万円で、アルバイトスタッフ給与が約8百万円くらいと考えると法外な金額でもない気はしますが、、、

  • それと、私の目を引いたのは「更新料」の費目です。

通期報告書の内、アウトリーチ事業の例。
他の事業にも「更新料」の費目あり。
  • 更新料は一般的には全契約期間にわたって効果が及ぶ費用なので、固定資産等と同様に単年の事業費として全額を計上するのは不適当です。ちゃんと事業実施期間で按分したのかな?

  • 例の返金騒動を踏まえると東京都がそこまで気を回せるとは思えませんし、駆け込み寺さんもこう言っては何ですが経理が疎漏な様子ですから、大丈夫でしょうか?心配です。

  • 自立支援事業の賃料・更新料は第2四半期だけ大きくなっているので、少なくともここには更新料が入っていそうな気がします。

② 定性情報

  • 数字でわかるのは上記程度であり、本質的に重要なのは、やはりどのように業務に取り組んでいたかということになります。

  • もちろん実際の業務姿勢はその様子を目にしないとわからないのですが、、、

ヤフーニュースの記事
代表者(玄氏)インタビューと思しき部分より
TBSニュースの記事の共同代表者(清水氏)
インタビューと思しき部分より
  • 若年被害女性等支援事業では広く関係機関と連携しなければならないはずですが、その事業の趣旨とは真逆に、どうも警察機関をシャットアウトしておられた様子が見受けられます。

  • 信頼関係を壊したくないなら警察との面談に立ち会わせてもらうなり、色々とやりようありそうなものですが、、、

  • 百歩譲って独自事業として営んでおられた頃ならそれも結構でしょうが、公費で事業を営みながら官憲を締め出して自分たちだけの「聖域」を作るのは、本来は都の指揮下で事業実施を任されている過ぎない立場で被支援者の個人情報を握り込んでいたcolaboと似た構造の問題を抱えているということで、かなりよろしくないと思います。君たちそのcolaboの代わりに入ったんじゃなかったっけ?

3、まとめ

  • 以上の通り、私が結果論でケチをつけているだけでもなさそうな、違和感がある定性・定量情報が存在しています。

  • 別に私はこの問題において既に大ダメージを負っている駆け込み寺さんを貶めたいわけではなく、どちらかというと前々から東京都の審査のやり方が杜撰過ぎると思っていましたので、その検証の取っ掛かりに使うために本件をまとめました。

  • 情報を整理すると結構見るべきポイントが見えてきたと思いますので、近日中に追加記事を出したいと思います。

以上

第二弾記事はこちら


いいなと思ったら応援しよう!