Patent Gold Mining ~二足歩行ロボット~
1件の特許公報から、生成AIとTRIZの発明原理を用いて網羅的に「フルスペックの発明アイデア」を提案する試みの連載企画。
~ Lots of Tech Gold lies buried in even a single patent.
Now, this is "Patent Alchemy" —refining hidden tech from the 'gold mine' with TRIZ principles—and guiding to White-Space-fitting ideas using GenAI!~
本記事は、特許第7133533号 二足歩行ロボット、および二足歩行ロボットの制御方法(出願人:本田技研工業株式会社、出願日:令和1年11月11日)をベースにした独自のアイデア提案です。
~~ ロボット制御技術は、いまやフィジカルAIとして注目を集めています。2000年に誕生したホンダのASIMOは、世界初の本格的な二足歩行ロボットとして登場し、鉄腕アトムを思わせる愛らしい姿で日本のロボット技術の圧倒的な存在感を世界に示しました。そして今、DXと生成AIで出遅れていた日本がお家芸のフィジカルAIで世界に再挑戦する! 夢よ再びだ‼️ ~~
【重要】お断り:記事の中で使う画像は、筆者がGemini/NotebookLMを用いて生成したコンセプトイメージです。既存の製品の現物を示すものではなく、新アイデアの構造を視覚化するための架空の図解です。

さぁ!アイデア発想の準備として特許明細書の分析を進めていきましょう!
1. 課題、請求項1、手段を分析する
まず、元の特許公報に記載された課題、請求項1、手段を抜き出します。
1-1.発明が解決しようとする課題 (Problem to be Solved by the Invention)
【0006】 しかしながら、3リンクの二足歩行の直感的な仮想制約設計は、非特許文献3に開示されているが、5リンク以上の扱いについての設計手法が確立されていない。
【0007】 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、5リンクの二足歩行制御を行うことができる二足歩行ロボット、および二足歩行ロボットの制御方法を提供することを目的とする。
1-2. 請求項1(Claim1)胴体と、二つの脚部と、変換部と、制御部と、を備え、前記二つの脚部は、歩行に応じて遊脚と立脚が交互に入れ替わるものであり、前記二つの脚部の重心から前記立脚の先端部までの長さがrcomであり、前記重心から前記遊脚の先端部の長さがrfootであり、前記重心から前記立脚の先端部をつないだ線と地面との間の角度がθcomであり、前記重心から前記立脚の先端部をつないだ線と前記重心から遊脚の先端部をつないだ線との間の角度がθfootであり、前記重心から前記立脚の先端部をつないだ線を前記重心よりも胴体側に延長した線と前記胴体の間の角度がθtrunkであり、xはジョイント座標で二足を記述する状態ベクトルであり、zはFLIP表現で二足を記述する状態ベクトルであり、h・(x)は[Lfh1(x)、…、Lfh4(x)]T(Lfh1(x)はhi(x)(iは1から4の整数)をf(x)でリー微分することを表し、Tは転置行列を表す)であり、前記変換部は、システム方程式を次式のように設定し、【数1】(数式:イメージ番号000035)前記変換部は、次式を用いて部分線形システムを線形システムに変換し、η1をθcom[rad]に設定し、η2をθ・com[rad/s]に設定し、【数2】(数式:イメージ番号000036)前記制御部は、変換された前記線形システムを用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成して、前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🤖👨🏻<要約>👩🏻🤖二足歩行ロボットの姿勢や脚の動きを、胴体と2本の脚の位置関係を状態として線形モデルに変換し、そのモデルに基づいて歩行を制御し、さらにその間でフィードバック制御を行う二足歩行ロボット 。
1-3. 解決手段を構成する要素(Elements constituting the means of solution)
請求項1に含まれる「課題を解決する手段」を取り出します。
E[1]: 二足歩行ロボットの胴体構造体
E[2]: 遊脚・立脚となる二つの脚部構造
E[3]: 遊脚と立脚の交互切替制御機構
E[4]: 重心基準による脚部先端・胴体間の角度長さ関係構造
E[5]: ジョイント座標状態ベクトルによるシステム方程式設定処理機能
E[6]: 部分線形システムを線形システムへ変換する座標変換処理機能
E[7]: 線形システムに基づく歩行運動指示生成・制御機能
E[8]:変換部・制御部間のフィードバック制御伝達機能
2. 新たな発明アイデアの生成に向けて
AIは、明細書本文が内包する技術的価値から、新しいテーマの方向性を4つ提案しました。
2-1. 新しいテーマの方向性(Direction of the new themes)
DR[1]: 二足歩行ロボットの出力追従精度を向上させつつ、重心規制を省略した簡易モデルによる表現能力の制約を克服すること
DR[2]: 二足歩行ロボットの関節剛性可変性による歩行適応性・振動抑制性能を向上させつつ、計算負荷および設計の複雑性による制約を克服すること
DR[3]: 二足歩行ロボットにおいて作動不足である絶対角度の制御性を向上させつつ、アクチュエータ配置上の構造的制約を克服すること
DR[4]: 多関節・多節を有する二足歩行ロボットのモデル表現・制御能力を向上させつつ、単純化モデルの表現力不足による制約を克服すること
2-2.アイデア提案書の草稿として(As a draft of idea proposal)
AIが抽出した「新しいテーマの方向性」に則してTRIZの発明原理を適用して生成したアイデアが、この12個です!
🚩アイデア1 ▶️DR[1]: 出力追従×簡易モデル
発明の名称:歩行指令補正機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 二足歩行ロボットの出力追従動作の結果を継続的に入力側へ反映し、追従精度そのものをさらに高めること。

🟡新しい構成要素
・追従誤差学習型歩行指令補正機能(NE[1][1])
・誤差履歴解析・補正量更新部(NE[1][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、変換部と、制御部と、誤差履歴解析・補正量更新部とを備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記誤差履歴解析・補正量更新部は、前記二つの脚部の歩行運動における目標軌道と実際の歩行結果との追従誤差を歩行周期ごとに算出して誤差履歴として蓄積し、当該誤差履歴に応じて補正量を歩行周期ごとに更新し、前記制御部は、変換された前記線形システムを用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成するとともに、前記誤差履歴解析・補正量更新部が歩行周期ごとに更新する前記補正量を継続的に取り込んで前記指示に上乗せし、補正後の歩行運動の指示を生成する追従誤差学習型歩行指令補正機能を有し、前記補正後の歩行運動の指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造、システム方程式設定機能、座標変換処理機能に加え、制御部に追従誤差学習型歩行指令補正機能(NE[1][1])を追加し、新設した誤差履歴解析・補正量更新部(NE[1][2])と連携させることで、従来のフィードバック制御伝達機能による変換部・制御部間の状態授受に加えて、複数歩行周期にわたる誤差履歴に応じて更新される補正量を継続的に制御部へ取り込む経路を新たに形成する。単一周期内の瞬時誤差にのみ反応する比例・微分的補正と異なり、NE[1][2]が誤差履歴に応じて補正量自体を歩行周期ごとに更新するため、線形システムに基づく指示生成だけでは吸収しきれなかった残差的な追従誤差が、歩行の繰り返しに伴って段階的かつ適応的に低減される。さらに、この学習的な補正は、システム方程式設定・座標変換の処理系列やSLIPモデルに基づく制御構造そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造・制御器をそのまま維持した状態で導入でき、追加される演算は誤差履歴の蓄積・補正量の更新という比較的軽量な処理にとどまり、計算負荷の増加を抑えながら出力追従精度を段階的に向上させることができる。なお、誤差履歴からどのような指標を算出し、どのような規則で補正量を更新するかは、後述する実施例に示すとおり種々の具体的態様を採用可能であり、権利範囲を特定の解析手法・更新規則に限定するものではない。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、新たに誤差履歴解析・補正量更新部(NE[1][2])を備える。座標変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。誤差履歴解析・補正量更新部は、あらかじめ設定された目標歩行軌道と、実際に得られた出力h(x)との差分を歩行周期ごとに算出し、直近数周期分(例えば直近5周期分)の誤差履歴として時系列に蓄積する。誤差履歴に応じた補正量の更新は種々の態様で実施可能であるが、例えば、蓄積された誤差履歴から複数周期分の誤差の平均値である平均誤差、周期を重ねても残存する定常誤差成分、及び周期ごとの誤差のばらつきを示す周期偏差をそれぞれ算出し、今周期の平均誤差が前周期の誤差より減少していなければ、補正量(補正ゲインまたは補正項)をあらかじめ定めた増分Δだけ増加させ、減少していれば現在の補正量を維持するという更新規則を採用してもよい。制御部のコントローラは、変換された線形システムを用いて歩行運動の指示を生成する際、誤差履歴解析・補正量更新部が歩行周期ごとに更新する補正量を継続的に取り込み、既存の指示値に上乗せする追従誤差学習型歩行指令補正機能(NE[1][1])を実行する。制御ベクトル生成部は、補正後の指示値を用いて制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、複数周期にわたる誤差履歴に応じて補正量が漸次適応・更新されるため、重心規制を含まない簡易なFLIPモデルを維持したまま、実機の非線形性やモデル化誤差に起因する追従誤差を歩行周期ごとに段階的かつ適応的に低減できる。多様な歩行状況でもモデル構造を複雑化させず追従精度を高められ、比較的小規模な追加要素で実現できるため、二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、歩行安定性・製品競争力の向上に資する産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア2 ▶️DR[1]: 出力追従×簡易モデル
発明の名称:中間座標変換機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 二足歩行ロボットの出力追従動作を、中間的な表現・伝達要素を新たに導入することでより高度かつ一義的に実現すること。

🟡新しい構成要素
・追従特化型中間座標生成機能(NE[2][1])
・中間座標対応指令変換部(NE[2][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、追従特化型中間座標生成機能(NE[2][1])を有する変換部と、中間座標対応指令変換部(NE[2][2])と、制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記追従特化型中間座標生成機能は、前記出力関数の相対次数およびデカップリング行列に基づく前記線形システムへの変換に加えて、前記立脚の先端部を基準とした遊脚先端位置に関する拡張中間変数を算出し、前記中間座標対応指令変換部は、前記拡張中間変数を前記制御部が利用可能なジョイント座標側の指令差分に変換し、前記制御部は、変換された前記線形システムおよび前記指令差分を用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造、システム方程式設定機能に加え、座標変換処理機能に追従特化型中間座標生成機能(NE[2][1])を追加し、新設した中間座標対応指令変換部(NE[2][2])と連携させることで、従来は相対次数・デカップリング行列に基づく座標変換のみで生成していた線形システムに、遊脚先端位置に関する拡張中間変数という新たな中間表現を介在させた上で制御部に指令として伝達する経路を新たに形成する。これにより、出力誤差の発生要因を座標変換段階(デカップリング行列に起因する誤差)と指令生成段階(遊脚先端位置に起因する誤差)とに分離して個別に扱うことが可能となり、単独の座標変換では一義的に表現しきれなかった追従動作が、中間変数を介した段階的な変換によってより高精度かつ一義的に実現される。両誤差要因を切り分けて扱えることで、デカップリング行列に関する設計パラメータと遊脚先端位置に関する補正パラメータとをそれぞれ独立に調整・保守できるという設計上の利点も得られる。さらに、この中間変換段は既存のシステム方程式設定・線形化処理そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造・制御器を維持したまま導入でき、拡張中間変数の算出および指令差分への変換という比較的軽量な処理の追加にとどまるため、計算負荷の増加を抑えながら出力追従動作の高度化と設計変更箇所の明確化を同時に図ることができる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部に追従特化型中間座標生成機能(NE[2][1])を、変換部と制御部との間に中間座標対応指令変換部(NE[2][2])を備える。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。追従特化型中間座標生成機能は、これに加えて、立脚の先端部を基準とした遊脚先端位置rfootおよびθfootから、目標軌道に対する遊脚先端の相対変位を表す拡張中間変数ξを歩行周期内で連続的に算出する。中間座標対応指令変換部は、算出された拡張中間変数ξを、ジョイント座標q1~q4側で解釈可能な指令差分Δqに変換し、座標変換段の出力とは独立した補助的な指令経路として制御部へ供給する。制御部のコントローラは、変換された線形システムを用いて、中間座標対応指令変換部から供給される指令差分Δqを反映して歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、座標変換のみで一体的に扱われていた出力追従処理が、デカップリング行列に基づく変換と拡張中間変数に基づく指令差分生成という二段階の処理に分離されるため、遊脚先端位置に起因する追従誤差要因を座標変換誤差と切り分けて個別に補正しやすくなり、重心規制を含まない簡易なFLIPモデルを維持したまま出力追従動作をより高度かつ一義的に実現できる。既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みに比較的小規模な中間変換段を追加するのみで実現できるため、平地・凹凸地・階段昇降等の多様な歩行状況にも適用しやすく、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業用・案内用等の二足歩行ロボットの追従精度・製品競争力の向上に資する産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア3 ▶️DR[2]: 剛性可変で振動抑制
発明の名称:接地衝撃緩衝機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 二足歩行ロボットにおいて、歩行中に生じ得る衝撃・振動をあらかじめ緩衝する措置を講じることで、より安定した歩行状態を実現すること。

🟡新しい構成要素
・衝撃予測型フィードバック緩衝伝達機能(NE[3][1])
・位相変数モデル予測部(NE[3][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、変換部と、位相変数モデル予測部(NE[3][2])と、衝撃予測型フィードバック緩衝伝達機能(NE[3][1])を有する制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記位相変数モデル予測部は、目標軌道の生成に用いられる位相変数sおよびその時間変化率を、変換された前記線形システムのη1およびη2から算出し、当該線形システムの動特性に基づいて、前記位相変数sが接地に対応する既定値に到達するまでの残り時間を予測し、前記衝撃予測型フィードバック緩衝伝達機能は、前記位相変数モデル予測部が予測した前記残り時間に基づき、接地衝撃が生じる前に、前記変換部と前記制御部との間で伝達される制御指令に緩衝的補正をあらかじめ付加し、前記制御部は、前記緩衝的補正が付加された前記制御指令を用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造、システム方程式設定機能、座標変換処理機能に加え、フィードバック制御伝達機能に衝撃予測型フィードバック緩衝伝達機能(NE[3][1])を追加し、新設した位相変数モデル予測部(NE[3][2])と連携させることで、従来は目標軌道生成のみに用いられていた位相変数sおよび線形システムの状態量η1・η2を、接地タイミングの予測材料としても積極的に活用する経路を新たに形成する。単なる遊脚・立脚の切替状態という離散的情報からの経験的な予測ではなく、線形システムの既知の動特性に基づき位相変数sの到達時間を短時間先まで見積もるモデル予測的な手法を採用することで、接地予測の精度と、元の座標変換・フィードバック線形化理論との技術的整合性が高まる。これにより、衝撃発生後の事後的な補正では吸収しきれなかった歩行の振動・不安定化が、事前の緩衝的補正によって未然に抑制される。さらに、この予測・緩衝処理は、システム方程式設定・座標変換の処理系列そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造・制御器をそのまま維持した状態で導入でき、追加される演算は位相変数の予測および緩衝的補正の付加という比較的軽量な処理にとどまり、計算負荷の増加を抑えながら歩行の安定性を向上させることができる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部と制御部との間に位相変数モデル予測部(NE[3][2])を、制御部に衝撃予測型フィードバック緩衝伝達機能(NE[3][1])を備える。座標変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。位相変数モデル予測部は、目標歩行軌道の生成に用いられる位相変数sと、線形システムのη1・η2から算出される当該位相変数sの時間変化率とを用い、既知の線形システムの動特性に基づいて、位相変数sが接地に対応する既定値s_contactに到達するまでの残り時間を短時間先まで予測する。衝撃予測型フィードバック緩衝伝達機能は、予測された残り時間が所定のしきい値以下になったと判定すると、変換部と制御部との間で伝達される制御指令に、接地衝撃を緩和する方向の緩衝的補正をあらかじめ付加する。制御部のコントローラは、変換された線形システムおよび緩衝的補正が付加された制御指令を用いて歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、遊脚・立脚の切替状態のみに基づく経験的な予測と異なり、既存の位相変数および線形システムの動特性に基づくモデル予測的な接地タイミング推定によって、重心規制を含まない簡易なFLIPモデルを維持したまま、接地時の衝撃・振動を歩行周期ごとに未然に抑制でき、既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みに位相変数モデル予測部という比較的小規模な追加要素を組み込むのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア4 ▶️DR[2]: 剛性可変で振動抑制
発明の名称:適応フィードバックゲイン伝達機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 二足歩行ロボットの物理パラメータ(剛性等)を変更することで、より安定した振動のない歩行状態を実現すること。

🟡新しい構成要素
・適応フィードバックゲイン伝達機能(NE[4][1])
・振動レベル評価部(NE[4][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、変換部と、振動レベル評価部(NE[4][2])と、適応フィードバックゲイン伝達機能(NE[4][1])を有する制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記振動レベル評価部は、前記二つの脚部の歩行運動における振動の程度を歩行周期ごとに評価し、前記適応フィードバックゲイン伝達機能は、前記線形システムに対しあらかじめ設計された複数の状態フィードバックゲイン行列を保持しており、前記振動レベル評価部が評価した前記振動の程度に応じて前記複数の状態フィードバックゲイン行列の中から一つを選択して切り替えることにより、前記二つの脚部の実効的な動特性である見かけの剛性および減衰特性を変更するとともに、選択した状態フィードバックゲイン行列を、前記変換部と前記制御部との間で、前記状態ベクトルおよび制御ベクトルに加えて動的に授受し、前記制御部は、変換された前記線形システムおよび選択された前記状態フィードバックゲイン行列を用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造、システム方程式設定機能、座標変換処理機能に加え、フィードバック制御伝達機能に適応フィードバックゲイン伝達機能(NE[4][1])を追加し、新設した振動レベル評価部(NE[4][2])と連携させることで、従来は状態ベクトルzおよび制御ベクトルuのみを対象としていた変換部・制御部間の授受に、あらかじめ設計された複数の状態フィードバックゲイン行列から選択されたゲイン行列という新たな伝達対象を加える経路を新たに形成する。状態フィードバックゲイン行列を切り替えることで、脚部を物理的に改造することなく、脚部の実効的な動特性である見かけの剛性・減衰特性を制御則の観点から変更でき、可変剛性ジョイント等の機構を新設する場合と実質的に同様の振動抑制効果を、既存の制御理論の枠内で得ることができる。ゲインをその都度演算により再設計するのではなく、あらかじめ複数用意された行列から選択・切替する構成であるため実装が容易であり、選択されるゲイン行列自体は事前にLQR等の既存の状態フィードバック設計手法により検証済みのものを用いることができ、制御の安定性を担保しやすい。さらに、この構成は、システム方程式設定・座標変換の処理系列そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造をそのまま維持した状態で導入でき、追加される演算は振動レベルの評価およびゲイン行列の選択・授受という比較的軽量な処理にとどまり、計算負荷や機構設計の複雑化を抑えながら、振動のない安定した歩行状態を実現することができる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部と制御部との間に振動レベル評価部(NE[4][2])を、当該間の伝達経路に適応フィードバックゲイン伝達機能(NE[4][1])を備える。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。振動レベル評価部は、θcomおよびθfootの歩行周期内での変動幅を歩行周期ごとに算出し、当該変動幅の大きさから歩行運動における振動の程度を「低」「中」「高」の三段階に評価する。適応フィードバックゲイン伝達機能は、線形システムη1,η2に対しLQRにより事前に設計された三種類の状態フィードバックゲイン行列K1、K2、K3をあらかじめ保持しており、振動レベル評価部の評価結果が「低」であればK1を、「中」であればK2を、「高」であればK3を選択する。K1、K2、K3はそれぞれ異なる比例・微分要素の重み付けで設計されており、K1・K2・K3のいずれを選択するかにより、脚部が目標軌道からのずれに対して示す実効的な剛性および減衰特性(見かけ上のばね定数・粘性減衰係数に相当する応答特性)が歩行状況に応じて変化し、その結果として脚部の振動が抑制される。選択されたゲイン行列は状態ベクトルzおよび制御ベクトルuに加えて変換部と制御部との間で歩行周期ごとに授受される。制御部のコントローラは、変換された線形システムおよび選択された状態フィードバックゲイン行列を用いて歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、脚部を物理的に改造することなく、既存の状態フィードバック制御理論の枠内でゲイン行列を切り替えるのみで、見かけ上の剛性・減衰特性を変化させ振動を抑制でき、重心規制を含まない簡易なFLIPモデルを維持したまま、平地・凹凸地・階段昇降等の多様な歩行状況において安定した歩行状態を実現できる。既存のフィードバック制御伝達機能に振動レベル評価部という比較的小規模な追加要素を組み込むのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア5 ▶️DR[3]: 絶対角度の作動不足
発明の名称:逆算型絶対角度制御機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 二足歩行ロボットの絶対角度を、直接制御ではなく動作・座標の向きを逆転させた考え方により、より効果的に制御すること。

🟡新しい構成要素
・逆方向座標生成機能(NE[5][1])
・目標絶対角度軌道保持部(NE[5][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、目標絶対角度軌道保持部(NE[5][2])と、逆方向座標生成機能(NE[5][1])を有する変換部と、制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記目標絶対角度軌道保持部は、θcomについてあらかじめ定められた目標軌道を保持し、前記逆方向座標生成機能は、前記部分線形システムを前記線形システムに変換する際に用いられるヤコビアン行列であって、線形独立性が保証された前記ヤコビアン行列の逆行列を算出し、前記目標絶対角度軌道保持部が保持する前記目標軌道と現在のθcomとの偏差に前記逆行列を作用させることで、これに対応するジョイント座標側の調整量を算出し、前記制御部は、変換された前記線形システムおよび前記調整量を用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造、システム方程式設定機能に加え、座標変換処理機能に逆方向座標生成機能(NE[5][1])を追加し、新設した目標絶対角度軌道保持部(NE[5][2])と連携させることで、従来はジョイント座標xから状態ベクトルzへの一方向の変換のみを行っていた座標変換処理に、目標とするθcom軌道からジョイント座標側の調整量を、ヤコビアン逆行列を偏差に作用させることで直接算出するという逆方向の変換経路を新たに形成する。既存のCanonical_TK[8]が保証するヤコビアン行列の線形独立性を、順方向変換だけでなく逆方向の調整量算出にも積極的に利用する点が特徴であり、最適化計算のような反復的な探索を要さず、前記逆行列を偏差に作用させる行列演算により調整量を算出できるため、実装及び計算負荷の観点で優れる。これにより、絶対角度θcomのように直接駆動できない作動不足自由度についても、順方向の座標変換のみに依拠する場合に比べて、目標軌道により即した指令をジョイント座標側で直接導出でき、制御部が生成する歩行運動の指示がより効果的なものとなる。さらに、この逆方向の座標生成処理は、システム方程式設定の処理そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造・制御器をそのまま維持した状態で導入でき、計算負荷の増加を抑えながら絶対角度の制御性を高めることができる。
🔵実施例:二足歩行ロボットは、胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部に目標絶対角度軌道保持部(NE[5][2])および逆方向座標生成機能(NE[5][1])を備える。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。この座標変換は、出力関数h(x)のヤコビアン行列J(Lfh1(x)等から構成されるデカップリング行列を含む)が線形独立であることを前提として成立しており、当該ヤコビアン行列は正則で逆行列J-1が存在する。目標絶対角度軌道保持部は、θcomの目標軌道を歩行周期にわたって保持する。逆方向座標生成機能は、当該逆行列J-1を算出し、保持されたθcomの目標軌道と現在のθcomとの偏差Δθを、Δq=J-1Δθという形で当該偏差に前記逆行列を作用させることにより、目標軌道を実現するために必要なジョイント座標q1~q4側の調整量Δqを、反復的な最適化計算を要さずに算出する。制御部のコントローラは、変換された線形システムを用いて算出された調整量Δqを反映して歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、作動不足である絶対角度θcomについて、既存の座標変換に用いられるヤコビアン行列の線形独立性という技術的前提をそのまま活用して調整量を低演算負荷で算出でき、重心規制を含まない簡易なFLIPモデルを維持したまま、絶対角度の制御性をより効果的に高めることができる。既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みに目標絶対角度軌道保持部という比較的小規模な追加要素を組み込むのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア6 ▶️DR[4]: 多関節モデル表現力
発明の名称:歩行条件適応型モデル切替機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 多関節・多節を有する二足歩行ロボットの運動表現・制御を、歩行状況に応じて可変的に調整し、より高精度に実現すること。

🟡新しい構成要素
・歩行条件適応型システム方程式設定機能(NE[6][1])
・可変次元座標変換機能(NE[6][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、歩行条件適応型システム方程式設定機能(NE[6][1])および可変次元座標変換機能(NE[6][2])を有する変換部と、制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義:元の特許と同じ)を備え、前記歩行条件適応型システム方程式設定機能は、検出された歩行条件に応じて、システム方程式の前提条件をあらかじめ用意された複数のモードの中から選択して設定し、前記可変次元座標変換機能は、選択された前記モードに応じて、部分線形システムを線形システムに変換する際のη1およびη2のパラメータ構成を再構成し、【数1】【数2】前記制御部は、再構成された前記線形システムを用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造に加え、システム方程式設定機能に歩行条件適応型システム方程式設定機能(NE[6][1])を、座標変換処理機能に可変次元座標変換機能(NE[6][2])を追加することで、従来は単一支持相を前提とした固定的なシステム方程式・座標変換のみを行っていた変換部に、平地・凹凸地・斜面・階段等の歩行条件に応じて運動方程式の前提条件および線形システムのパラメータ構成そのものを切り替える経路を新たに形成する。フィードバック制御伝達機能は、このモード切替情報を変換部・制御部間で伝達する既存の基盤として機能する。これにより、単一のモデル構造のみでは表現しきれなかった多関節・多節の運動が、歩行状況に応じたモード切替によってより高精度に表現・制御される。あらかじめ複数のモードを用意しておき状況に応じて選択する構成であるため、状況ごとに個別のモデルを新規構築する場合に比べて設計・検証の負担も抑えられ、モードの追加・調整によって適用範囲を段階的に拡張しやすいという保守性の利点も得られる。さらに、この構成は、重心基準の幾何構造そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造の骨格を維持した状態で導入でき、追加される演算はモード選択および再構成という比較的軽量な処理にとどまり、計算負荷の増加を抑えながら多様な歩行状況への適応性を高めることができる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部に歩行条件適応型システム方程式設定機能(NE[6][1])および可変次元座標変換機能(NE[6][2])を備える。歩行条件適応型システム方程式設定機能は、センサの検出値から推定される路面状況(平地/凹凸地/斜面/階段)に応じて、単一支持相を前提とするシステム方程式h(x)の前提条件を、あらかじめ用意された複数のモード(例えば平地モード・不整地モード・階段モード)の中から選択して設定する。可変次元座標変換機能は、選択されたモードに応じて、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出する際のη1(θcom)、η2(θ・com)のパラメータ構成、具体的には可変長倒立振子の長さ基準rcomに相当するパラメータを、モードごとに追従的に再構成する。例えば階段モードでは、平地モードよりも短いrcom基準値を用いることで、段差による重心高さの変化を線形システム側で吸収しやすくし、不整地モードでは、凹凸に応じてrcom基準値を歩行周期ごとに微調整する。制御部のコントローラは、再構成された線形システムを用いて歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、モード切替情報とともに変換部へフィードバックする。この構成により、単一支持相を前提とする固定的なモデル構造のみに依拠する場合と異なり、歩行条件に応じてシステム方程式・座標変換の前提条件自体を切り替えられるため、平地・凹凸地・階段昇降等の多様な歩行状況において、多関節・多節の運動をより高精度に表現・制御できる。モード切替は、あらかじめ設計・検証された少数のモードの中からの選択にとどまるため、任意の歩行条件に個別対応する複雑な汎用モデルを構築する場合に比べて、実装及び検証の負担が小さい。既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みにモード選択・再構成という比較的小規模な処理を追加するのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア7 ▶️DR[4]: 多関節モデル表現力
発明の名称:反復学習型歩行制御機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 多関節・多節を有する二足歩行ロボットの運動制御結果を継続的に入力側へ反映し、表現・制御能力そのものをさらに高めること。

🟡新しい構成要素
・反復学習型歩行指示生成機能(NE[7][1])
・歩行周期実績記憶部(NE[7][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、変換部と、歩行周期実績記憶部(NE[7][2])と、反復学習型歩行指示生成機能(NE[7][1])を有する制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記歩行周期実績記憶部は、直前の歩行周期における前記二つの脚部による歩行運動の指示および実際の歩行結果を、歩行周期内の時系列データとして記憶し、前記反復学習型歩行指示生成機能は、前記歩行周期実績記憶部が記憶する複数歩行周期分の前記時系列データを用いて、次周期に前記制御部が生成する前記歩行運動の指示自体を反復的に更新し、前記制御部は、変換された前記線形システムおよび前記反復学習型歩行指示生成機能が更新した前記指示を用いて前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造、システム方程式設定機能に加え、歩行運動指示生成・制御機能に反復学習型歩行指示生成機能(NE[7][1])を追加し、新設した歩行周期実績記憶部(NE[7][2])と連携させることで、従来は単一周期内の状態量のみに基づいて生成していた歩行運動の指示に、複数歩行周期にわたる指示・結果の時系列実績を反映して指示自体を反復的に更新する経路を新たに形成する。歩行運動が周期的な繰り返し動作であるという性質を積極的に利用し、反復学習制御的な手法により、周期ごとに同様に生じる再現性の高い誤差成分を、単一周期内のフィードバックのみでは解消しきれない範囲まで漸次低減できる。単発の誤差に反応する補正とは異なり、複数周期にわたる時系列データそのものを学習則に用いるため、周期性を有する外乱・モデル化誤差に対する低減効果が累積的に得られやすい。座標変換処理機能は、各周期の線形システムをNE[7][1]へ供給する既存の基盤としての役割を維持する。さらに、この構成は、システム方程式設定・座標変換の処理系列そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造・制御器をそのまま維持した状態で導入でき、追加される演算は周期実績の記憶および指示の反復更新という比較的軽量な処理にとどまり、計算負荷の増加を抑えながら多関節・多節運動の表現・制御能力を高めることができる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部と制御部との間に歩行周期実績記憶部(NE[7][2])を、制御部に反復学習型歩行指示生成機能(NE[7][1])を備える。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。歩行周期実績記憶部は、k番目の歩行周期において生成された歩行運動の指示uk(t)と、実際に得られた出力h(x)との時系列データを、位相変数sによって正規化された歩行周期内の時刻を軸として記憶する。反復学習型歩行指示生成機能は、記憶された直前周期の指示uk(t)および誤差の時系列ek(t)を用い、次周期の指示をuk+1(t)=uk(t)+L・ek(t)(Lは学習ゲイン作用素)という反復学習則に従って歩行周期ごとに更新する。制御部のコントローラは、変換された線形システムおよび反復学習型歩行指示生成機能が更新した指示uk+1(t)を用いて歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、単一周期内のフィードバックのみでは解消しきれなかった、歩行周期ごとに再現性高く生じる誤差成分が、周期を重ねるごとに反復的に低減されるため、重心規制を含まない簡易なFLIPモデルを維持したまま、多関節・多節を有する二足歩行ロボットの運動表現・制御能力を段階的に高めることができる。平地・凹凸地・階段昇降等、周期構造が類似する歩行状況が継続する場合に特に効果を発揮しやすい。既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みに歩行周期実績記憶部という比較的小規模な追加要素を組み込むのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア8 ▶️DR[1]: 出力追従×簡易モデル
発明の名称:局面適応型ZMP評価機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 出力追従動作の目的を維持したまま、重心規制を含まない簡易モデル構造による表現上の制約を、モデル自体を動的に切り替え可能とすることで緩和すること。

🟡新しい構成要素
・ZMP近似量算出機能(NE[8][1])
・追従精度要求判定部(NE[8][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、追従精度要求判定部(NE[8][2])と、ZMP近似量算出機能(NE[8][1])を有する変換部と、制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義:元の特許と同じ)を備え、前記追従精度要求判定部は、前記二つの脚部による歩行運動において高い追従精度が要求される局面であるか否かを判定し、前記ZMP近似量算出機能は、前記重心、前記立脚の先端部および前記遊脚の先端部に基づく4変数の幾何関係から、ゼロモーメントポイントの近似位置を表す補助状態量を算出し、前記変換部は、前記4変数の幾何関係に基づきシステム方程式を設定するとともに、次式を用いて部分線形システムを線形システムに変換し、η1をθcom[rad]に設定し、η2をθ・com[rad/s]に設定し、【数1】【数2】前記制御部は、変換された前記線形システムを用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成するにあたり、前記追従精度要求判定部により高い追従精度が要求される局面であると判定された場合には、前記補助状態量を参照して前記指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構に加え、重心基準の幾何構造にZMP近似量算出機能(NE[8][1])を追加し、新設した追従精度要求判定部(NE[8][2])と連携させることで、従来は重心規制を含まない4変数の幾何関係のみに基づいて設定されていたシステム方程式の枠組みをそのまま維持しつつ、高い追従精度が要求される局面でのみゼロモーメントポイントの近似位置という補助状態量を制御部側の指示生成時の参照情報として供給できる経路を新たに形成する。補助状態量をシステム方程式・座標変換の対象に組み入れるのではなく、制御則側の評価指標として参照するにとどめる構成であるため、Canonical_TK[6]が定める4変数のみに基づく状態方程式の枠組みそのものは変更されず、元発明が採用する重心規制を含まない簡易化の設計思想との整合性が高い。座標変換処理機能・歩行運動指示生成・制御機能はいずれも既存の処理をそのまま維持する。これにより、常に補助状態量を評価に用いる場合に比べて通常時の演算負荷を抑えつつ、追従精度が要求される局面に限って評価情報を補うことができ、出力追従動作の目的を維持したまま、簡易モデル構造による表現上の制約を局面に応じて動的に緩和できる。追加される演算は局面判定およびZMP近似量の算出という比較的軽量な処理にとどまる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部にZMP近似量算出機能(NE[8][1])を、追従精度要求判定部(NE[8][2])を備える。変換部は、従来と同様にrcom、rfoot、θcom、θfootの4変数の幾何関係のみに基づきシステム方程式h(x)を設定し、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。ZMP近似量算出機能は、これとは別に、重心の水平位置xcomおよびその加速度xcom・・、重心高さzcom、重力加速度gから、近似的なゼロモーメントポイントの位置xZMP≒xcom-(zcom/g)・xcom・・を歩行周期ごとに算出する。追従精度要求判定部は、目標軌道と直近の歩行結果との追従誤差、または経路情報(狭路・段差近傍等)に基づき、高い追従精度が要求される局面であるか否かを判定する。制御部のコントローラは、変換された線形システムを用いて歩行運動の指示を生成するにあたり、高精度局面であると判定された場合には、算出済みのxZMPが支持多角形からの余裕に相当する評価指標としてどの程度小さいかを参照し、余裕が小さいほど重心を支持多角形の中心寄りに戻す方向の補正を当該指示に加える。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、システム方程式・座標変換の処理自体は従来の4変数表現のまま変更されないため、重心規制を含まない簡易化という元発明の設計思想を保ちつつ、狭路・段差近傍等の高追従精度が要求される局面でのみZMP近似量を評価指標として制御則に反映でき、出力追従動作の目的をより確実に達成できる。既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みに追従精度要求判定部という比較的小規模な追加要素を組み込むのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア9 ▶️DR[2]: 剛性可変で振動抑制
発明の名称:位相連動型代表剛性切替機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 安定した歩行状態の実現という目的を維持したまま、複雑な剛性プロファイル設計を単純なパラメータ変更に置き換えることで設計・計算負荷を軽減すること。

🟡新しい構成要素
・単純パラメータ化脚部剛性構造(NE[9][1])
・剛性パラメータ設定部(NE[9][2])
🔴【請求項1】胴体と、剛性パラメータ設定部(NE[9][2])と、単純パラメータ化脚部剛性構造(NE[9][1])を有する二つの脚部と、変換部と、制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記剛性パラメータ設定部は、前記遊脚と前記立脚の交互切替の状態を含む歩行状態に応じて、あらかじめ定められた複数の代表剛性パラメータのうちのいずれか一つを選択し、前記単純パラメータ化脚部剛性構造は、前記二つの脚部の関節剛性を、歩行位相ごとに連続的に変化する剛性プロファイルによってではなく、前記剛性パラメータ設定部が選択した前記複数の代表剛性パラメータのうちのいずれか一つのみによって規定し、前記制御部は、変換された前記線形システムを用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、重心基準の幾何構造、システム方程式設定機能、座標変換処理機能、歩行運動指示生成・制御機能に加え、二つの脚部構造に単純パラメータ化脚部剛性構造(NE[9][1])を追加し、新設した剛性パラメータ設定部(NE[9][2])と連携させることで、従来は歩行位相ごとに連続的に変化する複雑な剛性プロファイルとして個別に設計されていた関節剛性を、歩行状態に応じてあらかじめ用意された複数の代表剛性パラメータのいずれか一つを選択するだけの単純な構成に置き換える経路を新たに形成する。連続的なプロファイルの設計・調整には専門的な検証工程を要する場合が多いのに対し、少数の代表パラメータのみを扱う本構成では、設計・検証すべきパラメータ数が大幅に削減される。これにより、安定した歩行状態の実現という目的を維持したまま、剛性プロファイル設計に伴う設計工程および計算負荷を軽減できる。代表剛性パラメータの数は2つに限られず、歩行状態の区分数に応じて3以上に拡張することも可能であり、要求される制御性能と設計・検証負荷とのバランスに応じて選択の自由度を確保できる。さらに、この構成は、システム方程式設定・座標変換の処理系列そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造・制御器をそのまま維持した状態で導入でき、追加される演算は剛性パラメータの選択という比較的軽量な処理にとどまる。
🔵実施例:胴体、変換部、制御部に加え、二つの脚部に単純パラメータ化脚部剛性構造(NE[9][1])を、これとは別に剛性パラメータ設定部(NE[9][2])を備える。剛性パラメータ設定部は、遊脚・立脚の交互切替の状態を含む歩行状態を参照し、あらかじめ定められた複数の代表剛性パラメータの中からいずれか一つを選択する。単純パラメータ化脚部剛性構造は、各関節の目標剛性を、歩行位相に応じて連続的に変化させる複雑なプロファイルとしてではなく、選択された代表剛性パラメータのいずれか一つの値のみによって規定する。最も基本的な実施態様では、立脚期であれば立脚用剛性パラメータKsupportを、遊脚期であれば遊脚用剛性パラメータKswingを選択する(Ksupport>Kswing)が、これに限られず、例えば立脚初期・立脚中期・立脚後期・遊脚期のように歩行状態をより細かく区分し、Ksupport1、Ksupport2、Ksupport3等、3以上の代表剛性パラメータの中からいずれか一つを選択する構成としてもよい。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。制御部のコントローラは、変換された線形システムを用いて歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき、単純パラメータ化脚部剛性構造が規定する剛性の下で制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、歩行位相ごとに細かく変化する剛性プロファイルを個別に設計・検証する必要がなく、必要な代表剛性パラメータのみを設計すればよいため、安定した歩行状態の実現という目的を維持したまま、設計工程および計算負荷を大幅に軽減できる。既存の遊脚・立脚切替機構をそのままトリガとして利用でき、新たなセンサや判定ロジックを追加する必要がないため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業用・案内用等の二足歩行ロボットの設計効率・製品競争力の向上に資する産業上の利用価値を有する。
🚩アイデア10 ▶️DR[3]: 絶対角度の作動不足
発明の名称:アクチュエータ役割動的再配分機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 絶対角度の制御性向上という目的を維持したまま、アクチュエータ配置上の構造的制約を、制御対象の可変的な再構成によって緩和すること。

🟡新しい構成要素
・アクチュエータ役割可変配分構造(NE[10][1])
・歩行位相判定部(NE[10][2])
🔴【請求項1】胴体と、歩行位相判定部(NE[10][2])と、アクチュエータ役割可変配分構造(NE[10][1])を有する二つの脚部と、変換部と、制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記歩行位相判定部は、現在の歩行位相を判定し、前記アクチュエータ役割可変配分構造は、前記二つの脚部が備える4つの駆動関節による駆動役割であって、各関節に対するトルク配分比、優先的に駆動される関節、および各関節に対する重み係数の少なくとも一つを含む前記駆動役割を、前記歩行位相判定部が判定した前記歩行位相に応じて動的に再配分し、作動不足である絶対角度θcomの間接的な補償に協調的に寄与させ、前記変換部は、システム方程式を次式のように設定し、前記変換部は、次式を用いて部分線形システムを線形システムに変換し、η1をθcom[rad]に設定し、η2をθ・com[rad/s]に設定し、前記制御部は、変換された前記線形システムおよび前記アクチュエータ役割可変配分構造による再配分後の駆動役割を用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、重心基準の幾何構造に加え、二つの脚部構造にアクチュエータ役割可変配分構造(NE[10][1])を追加し、新設した歩行位相判定部(NE[10][2])と連携させることで、従来は固定的に割り当てられていた4つの駆動関節(q1~q4)の駆動役割を、歩行位相に応じて動的に再配分できる経路を新たに形成する。ここでいう駆動役割の再配分とは、各関節のトルク配分比、優先的に駆動される関節、および各関節に対する重み係数の少なくとも一つを、歩行位相に応じて変更することを意味し、これら3要素は単独で変更してもよく、組み合わせて変更してもよい。システム方程式設定処理機能は、この再配分された駆動役割を反映した運動方程式を設定する既存の基盤として、歩行運動指示生成・制御機能は再配分後の指令を生成する既存の基盤として、それぞれ機能する。これにより、直接駆動できない絶対角度θcomという作動不足自由度についても、追加のアクチュエータを設けることなく、既存の4つの駆動関節のトルク配分・優先度・重み付けを歩行位相に応じて変えるだけで、間接的な補償に協調的に寄与させることができる。アクチュエータの新設や配置変更を伴わないため、機構自体は簡素なまま制御性を高められる点が利点であり、機構設計の変更を伴う対策に比べて開発コスト・重量増加の観点でも有利である。特定の関節に負荷が偏ることを避け、歩行位相ごとに負荷を分散できる点も副次的な利点として挙げられる。
🔵実施例:胴体、変換部、制御部に加え、二つの脚部にアクチュエータ役割可変配分構造(NE[10][1])を、これとは別に歩行位相判定部(NE[10][2])を備える。歩行位相判定部は、遊脚・立脚の交互切替の状態および歩行周期内での経過時間から、現在の歩行位相(例えば立脚初期・立脚中期・立脚後期・遊脚期の4区分)を判定する。アクチュエータ役割可変配分構造は、判定された歩行位相に応じて、股関節・膝関節等に対応する4つの駆動関節q1~q4のトルク配分比、優先的に駆動される関節、および各関節に対する重み係数の少なくとも一つを、あらかじめ定められた組み合わせの中から選択することにより、駆動役割を歩行位相ごとに動的に再配分する。例えば、立脚初期には股関節のトルク配分比および重み係数を高めて股関節を優先的に駆動される関節とし、立脚後期には足関節のトルク配分比および重み係数を高めて足関節を優先的に駆動される関節とすることで、絶対角度θcomの間接的な補償への寄与度を歩行位相ごとに切り替える。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。制御部のコントローラは、変換された線形システムおよび再配分後の駆動役割を用いて歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、作動不足である絶対角度θcomの制御性向上という目的を維持したまま、新たなアクチュエータを追加することなく、既存の4つの駆動関節のトルク配分・優先度・重み付けを歩行位相に応じて再構成するのみでアクチュエータ配置上の構造的制約を緩和できる。歩行位相の区分数や配分比率を調整するのみで適用対象を拡張できるため、平地・凹凸地・階段昇降等の多様な歩行状況にも展開しやすい。既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みに歩行位相判定部という比較的小規模な追加要素を組み込むのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。なお、トルク配分比・優先的に駆動される関節・重み係数は、同時に変更してもよく、いずれか一つのみを変更してもよい。
🚩アイデア11 ▶️DR[3]: 絶対角度の作動不足
発明の名称:仮想重心角処理型座標変換機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 絶対角度の制御性向上という目的を維持したまま、アクチュエータ配置上の構造的制約を、中間的な座標変換要素の導入によって分離・解消すること。

🟡新しい構成要素
・作動不足角度分離中間構造(NE[11][1])
・中間変数統合部(NE[11][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、中間変数統合部(NE[11][2])と、作動不足角度分離中間構造(NE[11][1])を有する変換部と、制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定(【数1】):元の特許と同じ)を備え、前記作動不足角度分離中間構造は、前記部分線形システムを前記線形システムに変換する際に用いられる4つの変数のうち、作動不足であるθcomに関する幾何関係を、他の直接駆動可能な変数群から分離した独立の仮想重心角として定義し、当該仮想重心角に対して振幅制限処理およびフィルタ処理の少なくとも一方を適用し、前記中間変数統合部は、前記振幅制限処理および前記フィルタ処理の少なくとも一方が適用された後の前記仮想重心角を、前記変換部が利用可能な形に再統合し、前記変換部は、再統合された前記仮想重心角を含む変数群を用いて次式により部分線形システムを線形システムに変換し、η1をθcom[rad]に設定し、η2をθ・com[rad/s]に設定し、【数2】前記制御部は、変換された前記線形システムを用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、
二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、システム方程式設定機能に加え、重心基準の幾何構造に作動不足角度分離中間構造(NE[11][1])を追加し、新設した中間変数統合部(NE[11][2])と連携させることで、従来は4変数として一体的に扱われていた幾何関係のうち、作動不足であるθcomに関する部分を独立した仮想重心角として分離し、これに対して振幅制限処理やフィルタ処理といった独立の調整を施した上で、座標変換処理機能が利用可能な形に再統合してから座標変換を行う経路を新たに形成する。作動不足自由度とそれ以外の直接駆動可能な変数群とを一体のまま扱う場合、θcomに関する誤差や外乱の影響を他の変数から切り離して抑制することが難しいのに対し、仮想重心角として分離したことで、上限・下限のクリッピングによる異常値の排除や、ノイズ成分を除去するフィルタ処理を、他の変数群の定義や座標変換処理そのものに影響を与えずに個別に適用できる。振幅制限処理・フィルタ処理は、いずれか一方のみを適用してもよく、両方を適用してもよい。これにより、絶対角度の制御性向上という目的を維持したまま、作動不足自由度に起因する制約を、ロバスト性を高めつつ緩和できる。分離された仮想重心角に対する処理内容は他の変数群と独立に調整できるため、将来的な設計変更や別モデルへの応用の際にも変更範囲を局所化しやすいという保守性の利点も得られる。さらに、この構成は、システム方程式設定の基本的な処理そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造の骨格を維持した状態で導入できる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部に作動不足角度分離中間構造(NE[11][1])を、変換部内に中間変数統合部(NE[11][2])を備える。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定する。作動不足角度分離中間構造は、座標変換に用いられるrcom、rfoot、θcom、θfootの4変数のうち、作動不足であるθcomに関する幾何関係を、rcom、rfoot、θfootという直接駆動に近い変数群から切り離し、独立した仮想重心角ξとして定義する。作動不足角度分離中間構造は、さらに、あらかじめ定めた上下限値によりξをクリッピングする振幅制限処理、およびξの高周波ノイズを除去するローパスフィルタ処理の少なくとも一方をξに適用する。中間変数統合部は、処理後の仮想重心角ξを、他の変数群と組み合わせて座標変換に利用可能な形へ再統合する。変換部は、再統合された変数群を用いて座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。制御部のコントローラは、変換された線形システムを用いて歩行運動の指示を生成する。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、作動不足であるθcomに関する取り扱いを他の直接駆動可能な変数群から独立に分離し、クリッピングやフィルタ処理といった調整を個別に施した上で座標変換に利用できるため、センサ誤差や外乱に起因するθcomの異常値・ノイズが座標変換全体に伝播することを防ぎつつ、絶対角度の制御性向上という目的を維持したままアクチュエータ配置上の構造的制約を緩和できる。仮想重心角ξに対する処理内容を調整するのみで他の変数群への影響を抑えられるため、平地・凹凸地・階段昇降等の多様な歩行状況への展開時にも変更範囲を局所化しやすい。既存の座標変換・フィードバック制御の枠組みに仮想重心角の分離・処理・再統合という比較的小規模な処理を追加するのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。なお、振幅制限処理およびフィルタ処理は、必要に応じていずれか一方のみを適用してもよい。
🚩アイデア12 ▶️DR[4]: 多関節モデル表現力
発明の名称:モデル化誤差指標伝達機能を有する二足歩行ロボットおよびその制御方法
発明が解決しようとする課題 多関節運動の表現・制御能力向上という目的を維持したまま、単純化モデルの表現力不足を、結果の継続的フィードバックによって補償すること。

🟡新しい構成要素
・モデル化誤差指標伝達機能(NE[12][1])
・モデル化誤差指標算出部(NE[12][2])
🔴【請求項1】胴体と、二つの脚部と、変換部と、モデル化誤差指標算出部(NE[12][2])と、モデル化誤差指標伝達機能(NE[12][1])を有する制御部と、を備え、基本構成(二つの脚部の遊脚・立脚の交互切替、rcom・rfoot・θcom・θfoot・θtrunkの定義、状態ベクトルx・zの定義、h・(x)の定義、前記変換部によるシステム方程式の設定および【数1】【数2】を用いた線形化、η1・η2の設定:元の特許と同じ)を備え、前記モデル化誤差指標算出部は、前記状態ベクトルxおよび前記線形システムの状態ベクトルzから、前記部分線形システムによる簡易モデル表現と実際の多関節挙動との乖離の程度を表すモデル化誤差指標を算出し、前記モデル化誤差指標伝達機能は、算出された前記モデル化誤差指標を、前記変換部と前記制御部との間で、前記状態ベクトルおよび制御ベクトルに加えて継続的に伝達し、前記制御部は、変換された前記線形システムおよび伝達された前記モデル化誤差指標を用いて前記二つの脚部による歩行運動の指示を生成し、当該指示により前記二つの脚部による歩行運動を制御し、前記変換部と前記制御部の間でフィードバック制御を行う、二足歩行ロボット。
🟢期待される効果:本発明では、既存の胴体、二つの脚部、遊脚・立脚の交互切替機構、重心基準の幾何構造に加え、フィードバック制御伝達機能にモデル化誤差指標伝達機能(NE[12][1])を追加し、新設したモデル化誤差指標算出部(NE[12][2])と連携させることで、従来は状態ベクトルzおよび制御ベクトルuのみを対象としていた変換部・制御部間の授受に、簡易モデル表現と実際の多関節挙動との乖離の程度を表すモデル化誤差指標という新たな伝達対象を加える経路を新たに形成する。システム方程式設定処理機能はモデル化誤差指標算出のためのx側情報を、座標変換処理機能はz側情報を、それぞれ提供する既存の基盤として機能する。これにより、単純化モデルでは捉えきれない多関節・多節の挙動との乖離を継続的に定量化し、その情報を制御部の指示生成に反映できるため、単純化モデルの表現力不足を、モデル自体を複雑化することなく結果の継続的フィードバックによって補償できる。乖離の大きさに応じて指示側の挙動を調整する構成であるため、モデルを常に高精度化しておく必要がなく、通常時は簡易モデルによる低演算負荷を維持できる点も利点である。さらに、この構成は、システム方程式設定・座標変換の処理系列そのものを変更するものではないため、既存のモデル構造をそのまま維持した状態で導入でき、追加される演算はモデル化誤差指標の算出および伝達という比較的軽量な処理にとどまる。
🔵実施例:胴体、二つの脚部、変換部、制御部に加え、変換部と制御部との間にモデル化誤差指標算出部(NE[12][2])を、当該間の伝達経路にモデル化誤差指標伝達機能(NE[12][1])を備える。変換部は、センサが検出した検出値からジョイント座標の状態ベクトルxを求め、システム方程式h(x)を設定するとともに、座標変換によりFLIP状態ベクトルzを算出し、η1をθcom、η2をθ・comに設定する。モデル化誤差指標算出部は、状態ベクトルxから多関節構造を考慮して算出される実際の重心運動と、FLIP状態ベクトルzが表す簡易モデル上の重心運動との差分のノルムを、モデル化誤差指標δとして歩行周期ごとに算出する。モデル化誤差指標伝達機能は、算出されたモデル化誤差指標δを、状態ベクトルzおよび制御ベクトルuに加えて、変換部と制御部との間で歩行周期ごとに継続的に伝達する。制御部のコントローラは、変換された線形システムを用いて算出する際、伝達されたモデル化誤差指標δが所定のしきい値を超えるほど大きい場合には指示に保守的な補正(動作速度の抑制、歩幅の縮小等)を加え、δが小さい場合には通常の指示をそのまま用いる。制御ベクトル生成部は、当該指示に基づき制御ベクトルuを算出し、変換部へフィードバックする。この構成により、単純化モデルでは捉えきれない多関節・多節の挙動との乖離を継続的に定量化し、モデル構造自体を複雑化することなく、乖離の大きさに応じた指示の調整を通じて多関節運動の表現・制御能力を補償できる。平地・凹凸地・階段昇降等、多関節挙動が複雑化しやすい歩行状況において特に効果を発揮しやすく、乖離が小さい平常時には通常の低演算負荷を維持できる。既存のフィードバック制御伝達機能にモデル化誤差指標算出部という比較的小規模な追加要素を組み込むのみで実現できるため、既存の二足歩行ロボット制御システムへの追加実装が容易であり、産業上の利用価値を有する。
3.まとめ
横軸:フィードバック的補償⇔フィードフォワード的適応 と、
縦軸:数理モデル⇔物理特性と、動的応答性⇔静的受動性 の
2軸平面上に、アイデア1~アイデア12をプロットしてみました。
あくまで概念上のプロットですが、それぞれのアイデアをヒントに発明の進展の方向性をざっくりと掴むことができるのではないでしょうか。

今回のアイデア創出に利用したTRIZの発明原理は次の6つです。
※アイデア番号の並びとは一致しておりません。
TRIZ-11.事前緩和(Beforehand Cushioning)
TRIZ-13.逆転(The Other Way Round)
TRIZ-15.動特性(Dynamics)
TRIZ-23.フィードバック(Feedback)
TRIZ-24.仲介者(Mediator)
TRIZ-35.パラメータ変化 (Parameter Changes)
発明アイデアを出すには経験、偶然、ひらめきといった不確実な要素が含まれ、発想の壁を越えるのは容易ではありません。MODE・CREATE は、ゼロからのアイデア創出(0⇒1)ではなく、1件の特許公報を起点に発明アイデアを生む(1⇒♾️)、生成AIとTRIZの思考フレームを活用して人の発想の壁を超えたイノベーションを起こします。
