Patent Gold Mining ~レアアース泥回収~
1件の特許公報から、生成AIとTRIZの発明原理を用いて網羅的に「フルスペックの発明アイデア」を提案する試みの連載企画。
~ Lots of Tech Gold lies buried in even a single patent.
Now, this is "Patent Alchemy" —refining hidden tech from the 'gold mine' with TRIZ principles—and guiding to White-Space-fitting ideas using GenAI!~
本記事は、特許第7222763号 海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源揚鉱方法(出願人:古河機械金属株式会社、出願日:2019.3.15)をベースにした独自のアイデア提案です。
~~ 南鳥島沖の深海には世界需要数百年分のレアアース泥が眠っている。2026年、地球深部探査船🚢「ちきゅう」🚢が試験掘削に成功した。かつて戦国時代、火縄銃に使われた黒色火薬💣🔥の原料、硝石(硝酸カリウム)は中国に頼っていたが、江戸時代に入り、徳川幕府が「鎖国令」を敷くと中国からの硝石調達が難しくなった。しかし、花火職人は床下の土から硝石を精製して江戸の夜空を花火で飾った。今、技術者たちは再び「足元の資源」に活路を見出す。国難を乗り越え、資源を自給自足する気概は今も生きている。 ~~
【重要】お断り:記事の中で使う画像は、筆者がGemini/NotebookLMを用いて生成したコンセプトイメージです。既存の製品の現物を示すものではなく、新アイデアの構造を視覚化するための架空の図解です。

さぁ!アイデア発想の準備として特許明細書の分析を進めていきましょう!
1. 課題、請求項1、手段を分析する
まず、元の特許公報に記載された課題、請求項1、手段を抜き出します。
1-1.発明が解決しようとする課題 (Problem to be Solved by the Invention)
【0006】そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、レアアース泥を高い信頼性をもって揚鉱し得る海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源揚鉱方法を提供することを課題とする。
1-2. 請求項1(Claim1)洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、該ライザー管の内部に配管されて洋上から供給される揚鉱用流体を該ライザー管内での前記吐出口に連通する位置の近傍に噴射する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🚢🗾<要約>🗾🚢洋上から送る駆動用流体でねじポンプを回してレアアース泥を持ち上げる第一段と、ライザー管の中へ揚鉱用流体を噴射して流れを助ける第二段を組み合わせ、深海の泥を安定して揚げる装置。
1-3. 解決手段を構成する要素(Elements constituting the means of solution)
請求項1に含まれる「課題を解決する手段」を取り出します。
E[1]: 洋上供給駆動用流体駆動式流体モータ部
E[2]: 流体モータ部連動同軸駆動のねじポンプ部
E[3]: 第一揚鉱部構成用収容ケーシング
E[4]: ケーシング沿設かつねじポンプ吐出口連通のライザー管
E[5]: 吐出口近傍噴射式の揚水導入管
2. 新たな発明アイデアの生成に向けて
AIは、明細書本文が内包する技術的価値から、新しいテーマの方向性を3つ提案しました。
2-1. 新しいテーマの方向性(Direction of the new themes)
DR[1]:揚液のための吐出圧力(揚程)を向上させつつ、機器の大型化・構造の複雑化という制約を克服すること
DR[2]: 水中機器(特に軸シール)への依存を低減しつつ、深海環境下での揚鉱信頼性を向上させること
DR[3]: 圧送流れの脈動・非定量性を抑制して運転の安定性を高めつつ、機器外径の増大を抑えること
2-2.アイデア提案書の草稿として(As a draft of idea proposal)
AIが抽出した「新しいテーマの方向性」に則してTRIZの発明原理を適用して生成したアイデアが、この12個です!
🚩アイデア1 ▶️DR[1]:揚程向上・小型化
発明の名称:
運転状況対応型機能ステージ制御機構を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:深海の海洋資源(レアアース泥)揚鉱に用いる流体モータ駆動ねじポンプおよびライザー管揚鉱を組み合わせた海洋資源揚鉱装置において、揚液の運転状況(掘進深度、レアアース泥性状、流量負荷等)に応じて吐出圧力(揚程)を動的に最適化し、従来固定的であった揚程発生機構を状況適応的に最大化すること。

🟡新しい構成要素:
・可変ステージ制御機構(NE[1][1])
・運転状況検出・ステージ切替制御部(NE[1][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部であって、隣接するステージ間を連通し流体の一部を吐出側へ迂回させることが可能なバイパス流路を有し、当該バイパス流路の開閉状態に応じて実質的に機能するステージ数(アウタロータの1ピッチ=1ステージ)を運転状況に応じて動的に増減可能とする可変ステージ制御機構(NE[1][1])と、掘進深度、レアアース泥性状、及び流量負荷のうち少なくとも一つに応じた検出信号に基づき、前記可変ステージ制御機構に対してステージ数の切替指令を出力する運転状況検出・ステージ切替制御部(NE[1][2])とを備えるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、該ライザー管の内部に配管されて洋上から供給される揚鉱用流体を該ライザー管内での前記吐出口に連通する位置の近傍に噴射する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
可変ステージ制御機構(NE[1][1])と運転状況検出・ステージ切替制御部(NE[1][2])の組み合わせにより、ねじポンプ部は、掘進深度が深く高い揚程が必要な局面では機能ステージ数を増加させて吐出圧力を適正に維持し、逆に浅い掘進深度や低負荷運転の局面では機能ステージ数を減少させて不要なエネルギー消費と機械的負荷を抑制することができる。流体モータ部からの駆動力を、可変ステージ制御機構が機能ステージ数の増減へと変換し、ケーシング内で安定的に保持しながら動作させることで、従来固定的であったステージ構成では実現できなかった、運転状況に応じたエネルギー消費の低減、機械的負荷の低減、および適正揚程の維持を同時に達成する。すなわち、運転状況に応じた吐出圧力の動的最適化という課題を、運転状況検出・ステージ切替制御部による運転状況検出と可変ステージ制御機構による機能ステージ数切替という因果的な組み合わせによって直接的に解決する。物理的なステージ構造(ロータの条数・ピッチ)自体は変更しないため、構造の大型化・複雑化を伴わずにこれらの効果を実現できる。
🔵実施例:海洋資源揚鉱装置において、ねじポンプを構成する第二インナロータおよび第二アウタロータが軸方向に形成する各ステージの境界部分に、隣接するステージ間を連通し流体の一部を吐出側へ迂回させることが可能なバイパス流路を設けることで、可変ステージ制御機構(NE[1][1])を実現する。バイパス流路の開閉状態に応じて、実質的に機能するステージ数を変更し、吐出圧力を制御する。バイパス流路を開放した場合には、流体の一部が当該バイパス流路を介して下流側へ迂回するため、当該ステージは実質的な昇圧作用を行わず、機能ステージ数が減少した状態となる。バイパス流路が全閉の場合は全ステージが直列に機能し最大吐出圧力(揚程)が得られ、一部を開放することで機能ステージ数を減じ、消費エネルギーおよび機械的負荷を抑制した低圧運転が可能となる(アウタロータの1ピッチ=1ステージ)。ロータ自体の条数・ピッチといった物理的なステージ構造は変更せず、バイパス流路の開閉のみによって機能ステージ数を切り替えるため、構造の大型化・複雑化を伴わない。運転状況検出・ステージ切替制御部(NE[1][2])は、駆動軸の回転負荷、掘進深度に応じた圧力センサ出力、または揚鉱される混合物の粘度・密度に相関するトルク変動を検出し、その検出結果に基づいてバイパス流路の開閉弁へ切替指令を出力する。海洋資源回収船からの遠隔操作、または装置内に搭載した制御基板による自律判断のいずれによっても切替制御が可能である。運転開始時は掘進深度が浅く駆動負荷も小さいため、バイパス流路を一部開放して機能ステージ数を抑えた省エネルギー運転を行い、掘進深度が水深5000m以上まで進行し要求揚程が増大した段階で、運転状況検出・ステージ切替制御部がこれを検知してバイパス流路を順次閉止し、機能ステージ数を増加させて必要な吐出圧力を確保する。この結果、単一の装置構成のまま、浅深度での試験運転から水深5000m以上の本格揚鉱まで、一貫して安定的かつエネルギー効率良く運用することが可能となる。
🚩アイデア2 ▶️DR[2]:水中機器依存低減
発明の名称:可変容量蓄圧式駆動流体平滑化機構を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
揚鉱動作全体を流体駆動によって一層均一かつ柔軟に実現し、深海高圧環境下における揚鉱動作の信頼性状態をさらに高い水準で安定化させること。

🟡新しい構成要素:
・可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[2][1])
・油圧制御式供給圧力調整部(NE[2][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体の圧力脈動を吸収するアキュムレータ室、および作動油の給排によって該アキュムレータ室の有効容量を可変に調整する容量制御用サーボ弁を有する可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[2][1])、および該可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構の下流側における供給圧力を検出し、検出した供給圧力に基づいて前記容量制御用サーボ弁への油圧指令を生成する油圧制御式供給圧力調整部(NE[2][2])を有し、これらによって平滑化された駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、該ライザー管の内部に配管されて洋上から供給される揚鉱用流体を該ライザー管内での前記吐出口に連通する位置の近傍に噴射する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[2][1])と油圧制御式供給圧力調整部(NE[2][2])の組み合わせにより、流体モータ部へ供給される駆動用流体の圧力脈動が、固定容量の蓄圧器では対応しきれない運転条件(脈動振幅・周波数の変化)に対しても、有効蓄圧容量の能動調整によって的確に吸収・平滑化される。これにより、駆動軸の回転駆動力が時間的に安定し、ねじポンプ部が受け取る駆動トルクの変動が抑制されるとともに、圧力変動に起因する各摺動部・軸受部の機械的負荷およびシール部の疲労が軽減される。油圧制御式供給圧力調整部が供給圧力と脈動状況を検知して有効容量を継続的に最適化するという因果的な組み合わせにより、深海高圧下という圧力変動の影響を受けやすい環境下でも、揚鉱動作の信頼性状態を一層安定的に維持できる。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、駆動流体導入管と流体モータ部のキャビティ入口部との間に、気室と背圧室とを可撓性隔膜で隔てたアキュムレータを設け、背圧室に作動油を導入・排出可能な容量制御用サーボ弁を接続することで、可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[2][1])を実現する。背圧室への作動油の導入量を増減させることで、気室側の実効的な蓄圧容積を運転状況に応じて拡大・縮小できる。蓄圧器の下流側に設けた圧力センサの検出値を参照し、圧力脈動の振幅が大きい局面では容量制御用サーボ弁を制御して有効蓄圧容量を増大させ、脈動が小さい局面では容量を縮小して応答遅れを抑える油圧制御式供給圧力調整部(NE[2][2])を設ける。この結果、洋上ポンプ由来の圧力脈動が、固定容量の蓄圧器では吸収しきれない広範な運転条件下でも的確に平滑化され、第一インナロータおよび第一アウタロータが画成する複数のキャビティには、時間的に安定した圧力の駆動用流体が順次導入されるようになる。これにより回転駆動力の変動(トルクリップル)が抑制され、深海の高圧環境下における長期的な運転信頼性が向上する。
🚩アイデア3 ▶️DR[2]:水中機器依存低減
発明の名称:均圧分配マニホールドを備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
揚鉱動作全体を流体駆動によって一層均一かつ柔軟に実現し、深海高圧環境下における揚鉱動作の信頼性状態をさらに高い水準で安定化させること。

🟡新しい構成要素:
・均圧分配マニホールド(NE[3][1])
・噴射圧分配調整部(NE[3][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、該ライザー管の内部に配管され、洋上から供給される揚鉱用流体が導入される共通圧力室を内部に画成し、該共通圧力室内で前記揚鉱用流体の圧力を均一化する均圧分配マニホールド(NE[3][1])、および該均圧分配マニホールドの前記共通圧力室に連通し前記吐出口に連通する位置の近傍において周方向および軸方向に分散配置された複数の噴射口への流量を微調整する噴射圧分配調整部(NE[3][2])を有する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
均圧分配マニホールド(NE[3][1])と噴射圧分配調整部(NE[3][2])の組み合わせにより、共通圧力室によって各噴射口への供給圧力のばらつきが抑制されるため、各噴射口からの噴射状態が均一化される。これにより、従来の単一噴射口では生じていた局所的な高流速域(噴流)が緩和され、レアアース泥を含む混合物との混合がより均一に行われる。局所的な圧力集中に起因する配管内壁の偏摩耗が抑制されるとともに、噴流の乱れに由来する圧送流れの脈動が低減し、より定常的な揚鉱流れが得られる。噴射圧分配調整部が個々の噴射口の加工誤差・流路抵抗差をさらに補正することで、共通圧力室による供給圧力均一化効果が安定的に発揮され、深海高圧下における揚鉱動作の安定性および長期的な信頼性が向上する。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、揚水導入管の下端近傍、すなわちねじポンプ部の吐出口に連通する位置の内部に、各噴射口の合計流路断面積に対して十分大きな断面積を有する共通圧力室(プレナム室)を画成することで、均圧分配マニホールド(NE[3][1])を実現する。洋上から供給される揚鉱用流体は、まず当該共通圧力室に導入され、パスカルの原理により圧力室内のほぼ全域で均一な圧力となった上で、共通圧力室に連通する複数の噴射口を介して吐出口近傍へ導かれ噴射される。各噴射口へ至る流路の途中には、個別に絞り量を調整可能な絞り弁を配置し、これらを一体的に制御する噴射圧分配調整部(NE[3][2])を設け、加工誤差等に起因する各噴射口間の流量偏差を補正する。運転中、揚鉱用流体は共通圧力室での液圧均一化を経てから各噴射口へ分配されるため、共通圧力室による供給圧力の均一化効果が噴射口の個数・配置によらず維持され、掘削されたレアアース泥を含む混合物との接触面積が拡大するとともに、局所的な高流速噴流による配管内壁の偏摩耗や、噴流乱れに起因する圧送流れの脈動が緩和される。この結果、レアアース泥の揚鉱に伴う圧送流れがより定常的かつ安定したものとなり、深海の高圧環境下における揚鉱動作の信頼性が長期的に維持される。
🚩アイデア4 ▶️DR[3]:脈動抑制・外径維持
発明の名称:差圧制限型均等化機構を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
圧送経路内のエネルギー差(圧力差・速度差)に起因する過大な脈動を抑制することで、圧送流れの脈動・非定量性をさらに抑制し、より高水準の定常流状態を実現すること。

🟡新しい構成要素:
・差圧制限型均等化流路(NE[4][1])
・差圧応動式リリーフ弁(NE[4][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部であって、該流体モータ部が備える複数のキャビティのうち隣接するキャビティ間を連通する均等化流路、および該均等化流路上に設けられ両キャビティ間の差圧が予め定めた閾値を超えた場合にのみ開弁して前記差圧を前記閾値以下に制限する差圧応動式リリーフ弁を有する差圧制限型均等化流路(NE[4][1])、を有する流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、該ライザー管の内部に配管されて洋上から供給される揚鉱用流体を該ライザー管内での前記吐出口に連通する位置の近傍に噴射する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
差圧制限型均等化流路(NE[4][1])と差圧応動式リリーフ弁(NE[4][2])の組み合わせにより、通常運転時に回転駆動力を生む隣接キャビティ間の基本的な圧力差は保持されるため駆動トルクの低下を招くことなく、脈動に起因して一時的に生じる過大な差圧のみが閾値以下に制限される。これにより、ねじポンプ部へ伝達される駆動トルクの過大な変動(ピーク)が抑制され、圧送流れの脈動・非定量性がさらに抑制されて、より高水準の定常流状態が得られる。差圧応動式リリーフ弁が受動的(機械式)に作動するため、回転位相との能動同期制御を要する構成に比べて実装難度・故障要因が低減され、深海の高圧環境下における長期的な運転信頼性が向上する。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、流体モータ部を構成する第一インナロータと第一アウタロータとの対向空間に軸方向の複数個所に画成される各キャビティのうち、軸方向に隣接する2つのキャビティ間を連通する流路を設け、当該流路上にばね荷重で閉方向に付勢されたポペット弁を配置することで、差圧制限型均等化流路(NE[4][1])と差圧応動式リリーフ弁(NE[4][2])を実現する。通常運転時、隣接キャビティ間の圧力差はポペット弁のばね設定値以下であるため弁は閉止状態を維持し、回転駆動力を生む基本的な圧力差はそのまま保持される。第一インナロータの回転に伴い各キャビティの容積が周期的に変化することで、瞬間的に差圧が設定閾値を超えた場合にのみポペット弁が自動的に開弁し、高圧側のキャビティから低圧側のキャビティへ流体の一部が移動して差圧超過分が緩和される。回転位相に応じた能動的な弁制御を必要としない受動的な機構であるため、深海用流体モータ内部への実装が容易である。この結果、通常運転時の駆動トルクを維持したまま、脈動に起因する過大なトルク変動のみが抑制され、駆動軸を介してねじポンプ部へ伝達される回転駆動力が安定し、ライザー管へ送られる混合物の圧送流れの脈動・非定量性が抑制されるとともに、機械的な振動・衝撃荷重が軽減され、深海の高圧環境下における長期的な運転信頼性が向上する。
🚩アイデア5 ▶️DR[3]:脈動抑制・外径維持
発明の名称:自己調整式液圧噴射機構を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
圧送作用を流体(液圧)主体でより均一化することで、脈動・非定量性を抑制した安定流動状態を一層高度に実現すること。

🟡新しい構成要素:
・自己調整式液圧噴射機構(NE[5][1])
・液圧応動式流量調整弁(NE[5][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、該ライザー管の内部に配管され、前記吐出口の近傍における前記ライザー管内の流体圧と揚鉱用流体の供給圧との差圧に応じて弁体が液圧的に変位し噴射口の開口面積を調整する液圧応動式流量調整弁(NE[5][2])を有する自己調整式液圧噴射機構(NE[5][1])を備えた揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
自己調整式液圧噴射機構(NE[5][1])と液圧応動式流量調整弁(NE[5][2])の組み合わせにより、ライザー管内で生じる圧送流れの脈動的な圧力変動に対し、噴射圧力が供給圧とライザー管内圧力との差圧に液圧的かつ即時に追従して変化するため、噴射流体とライザー管内流動との間に生じるエネルギー差(圧力差・速度差)が抑制される。電子制御方式に比べ応答遅れのない圧力追従が実現し、圧送流れの脈動・非定量性がさらに抑制されて、より高水準の定常流状態が得られる。液圧応動式流量調整弁が純粋に機械的な差圧駆動で作動するため、深海の電子機器信頼性に依存せず、長期的な運転安定性が向上する。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、揚水導入管内の噴射口の直前に、揚水導入管内圧力(供給圧)を一方の受圧面で受け、ライザー管内圧力を他方の受圧面で受けるピストン状の弁体を配置し、両者の差圧に応じて弁体がばねに抗して軸方向に変位することで噴射口の開口面積を連続的に変化させる液圧応動式流量調整弁(NE[5][2])を設ける。この弁体と噴射口とにより自己調整式液圧噴射機構(NE[5][1])を実現する。ライザー管内の圧送流れに脈動が生じライザー管内圧力が上昇し、供給圧との差圧が減少した場合には、弁体がばね側に押し戻されて開口面積が減少し噴射流量が抑制される。逆に、ライザー管内圧力が低下して差圧が増大した場合には、弁体が変位して開口面積が増大し噴射流量が増加する。なお、揚鉱の主たる圧送力はねじポンプ部が担い、本機構は噴射口近傍における噴射流とライザー管内流動との局所的な整合を図る補助機構として機能するため、噴射流量は局所的な流動状態に応じて調整される。このように、電子的な検出・演算・制御を介さず、差圧のみによって噴射流量がライザー管内の流動状態に即応的に追従するため、噴射流体とライザー管内流れとの間のエネルギー差が抑制され、レアアース泥を含む混合物の圧送流れがより定常的な状態に維持される。
🚩アイデア6 ▶️DR[2]:水中機器依存低減
発明の名称:
流体スイッチング素子式揚水導入機構を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
深海高圧下での信頼性維持の目的を保持したまま、水中機器への依存という制約を、流体(液圧・気圧)を用いた柔軟かつ均一な作動方式に置き換えることで解消すること。

🟡新しい構成要素:
・流体スイッチング素子(NE[6][1])
・切替安定化流路(NE[6][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される流体が導入される共通供給路と、該共通供給路に連通し可動部品を有さず流体の壁面付着効果によって前記共通供給路からの流体を、前記流体モータ部へ至る駆動用流体路と、前記揚水導入管の噴射口へ至る揚鉱用流体路とへ自励的に交互に振り分ける流体スイッチング素子(NE[6][1])、および該流体スイッチング素子の切替周波数を安定化する切替安定化流路(NE[6][2])とを有する揚水導入管と、該駆動用流体路を通じて供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
流体スイッチング素子(NE[6][1])と切替安定化流路(NE[6][2])の組み合わせにより、共通供給路から供給される流体の駆動用流体路(S1)・揚鉱用流体路(S2)への振り分けが、可動部品を一切用いることなく流体力学的作用のみによって自励的に行われる。これにより、深海高圧環境下で摩耗・固着・シール劣化の要因となり得る可動部品(弁体・アクチュエータ等の水中機器)への依存が解消され、装置の長期信頼性が向上する。切替安定化流路の内部形状を想定される流量・圧力条件に応じて設計することで、当該設計範囲内において切替周波数が安定に維持され、水中機器への依存低減という目的を保持したまま柔軟かつ均一な作動方式が実現される。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、洋上から供給される流体を導入する共通供給路の下流に、駆動用流体路(流体モータ部へ至る)と揚鉱用流体路(揚水導入管の噴射口へ至る)の2つの出口ポートと、各出口ポートへの流れを交互に誘導する帰還流路とを内部形状のみで形成した流体スイッチング素子(NE[6][1])を設ける。共通供給路から供給された流体は、コアンダ効果により一方の出口ポート側の側壁に付着して流出し、その一部が帰還流路を通じて流入口近傍に戻ることで、流れの付着壁面を他方の側壁へと反転させる。この自励的な壁面付着反転の繰り返しにより、可動部品を用いることなく駆動用流体(S1)と揚鉱用流体(S2)とが交互に導入される。帰還流路の断面積・長さは、想定される供給流量・圧力範囲におけるレイノルズ数を踏まえて設計され、当該設計範囲内で切替周波数を安定させる切替安定化流路(NE[6][2])として機能する。この結果、従来の可動弁による切替構造で問題となり得た摩耗・固着・シール劣化のリスクを負うことなく、S1・S2の交互切替による導入圧力低減効果が、設計された運転条件の範囲内において長期的に維持される。
🚩アイデア7 ▶️DR[3]:脈動抑制・外径維持
発明の名称:
局所エネルギー差解消型ライザー管構造を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
圧送流れの安定状態の実現という目的を保持したまま、機器外径の増大という制約要因を、エネルギー差(圧力差)を局所的に解消する設計によって、外径拡大を伴わずに緩和すること。

🟡新しい構成要素:
・局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[7][1])
・局所圧力均等化部材(NE[7][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置され、前記吐出口から吐出される混合物の流れと揚水導入管から噴射される揚鉱用流体の流れとが合流する位置の内壁に、両流れの速度差を緩和する向きに断面積が漸次変化するように形成された局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[7][1])、および該局所エネルギー差解消型ライザー管構造の下流側に設けられ合流後の流れの周方向の偏りを補正する局所圧力均等化部材(NE[7][2])を有するライザー管と、該ライザー管の内部に配管されて洋上から供給される揚鉱用流体を該ライザー管内での前記吐出口に連通する位置の近傍に噴射する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[7][1])と局所圧力均等化部材(NE[7][2])の組み合わせにより、ねじポンプ吐出流と揚鉱用流体噴射流とが合流する箇所で運転条件に応じて生じ得る速度差・圧力分布差に起因する局所的な乱れが、固定形状の整流ガイド部によって緩和される。可動部品を用いない構造であるため能動的な制御や追加のアクチュエータを要さず、機器外径を拡大することなく合流部の流れの乱れが抑制される。これにより圧送流れの脈動・非定量性がさらに抑制され、より高水準の定常流状態が得られるとともに、局所的な乱流に起因する配管内壁の局所摩耗も軽減され、深海の高圧環境下における長期的な運転信頼性が向上する。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、ライザー管の内壁のうち、ねじポンプ部の吐出口から吐出される混合物の流れと、揚水導入管の噴射口から噴射される揚鉱用流体の流れとが合流する位置に、上流側から下流側に向かって断面積が滑らかに変化するテーパ状の整流ガイド部を一体形成することで、局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[7][1])を実現する。整流ガイド部の下流側には、周方向に複数の開口を配置した整流板からなる局所圧力均等化部材(NE[7][2])を設ける。運転中、ねじポンプ部から吐出される混合物の流れと揚水導入管から噴射される揚鉱用流体の流れとは、掘進深度・流量負荷等の運転条件に応じて相対的な速度差および圧力分布差を有する場合があり、両者が単純に合流すると当該速度差・圧力差に起因して局所的な乱流が生じ得るが、整流ガイド部の漸次的な断面積変化がこの速度差を緩和し、局所圧力均等化部材が合流後の周方向の流れの偏りをさらに補正する。この結果、ライザー管の外径を拡大することなく、合流部における圧送流れの乱れが抑制され、レアアース泥を含む混合物の圧送流れがより定常的な状態で洋上まで維持される。
🚩アイデア8 ▶️DR[3]:脈動抑制・外径維持
発明の名称:液圧駆動型局所可撓圧送補助部を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
圧送流れの安定状態を維持したまま、機器外径増大という制約を、流体圧のみによる柔軟な圧送機構へ置き換えることで、外径を拡大せずに緩和すること。

🟡新しい構成要素:
・液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[8][1])
・自励式差圧シーケンス弁機構(NE[8][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管であって、前記吐出口の近傍の一部区間の内壁を構成する管軸方向に並んだ複数の可撓性隔壁と、各可撓性隔壁の背面側にそれぞれ画成された圧力室とを有する液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[8][1])、および隣接する前記圧力室間に設けられ、一の圧力室の圧力上昇を検知して隣接する下流側圧力室への流体圧導入を開始させるとともに、当該下流側圧力室の背圧上昇を検知して前記一の圧力室からの流体の排出を開始させる自励的な差圧応動弁の連鎖からなる自励式差圧シーケンス弁機構(NE[8][2])を有するライザー管と、該ライザー管の内部に配管されて洋上から供給される揚鉱用流体を該ライザー管内での前記吐出口に連通する位置の近傍に噴射する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[8][1])と自励式差圧シーケンス弁機構(NE[8][2])の組み合わせにより、ライザー管の吐出口近傍の限定区間において、洋上から供給される流体圧を駆動源とし、差圧応動弁の連鎖によって自励的に生成される蠕動的な補助圧送力が発生する。これにより、ライザー管の大部分の構造・外径を変更することなく、また外部の電子的なタイミング制御を必要とせずに、長距離揚鉱時に不足しがちな圧送力が局所的に補助され、圧送流れの安定状態が維持される。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、ライザー管のうち、ねじポンプ部の吐出口近傍の一部区間の内壁を、管軸方向に並んだ複数の可撓性隔壁(ゴム膜等)で構成し、各可撓性隔壁の背面側に圧力室を画成することで、液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[8][1])を実現する。隣接する圧力室同士の連結部には、上流側圧力室の圧力が設定値まで上昇したことを検知して開弁し下流側圧力室への流体圧導入を開始するパイロット作動弁、および下流側圧力室の背圧上昇を検知して上流側圧力室の排出弁を開放する構成からなる自励式差圧シーケンス弁機構(NE[8][2])を設ける。洋上からほぼ一定の流体圧が供給されている状態でも、最上流の圧力室が加圧されて可撓性隔壁が管内側へ膨出すると、その圧力上昇がパイロット信号として隣接する下流側圧力室の弁を開放し、当該下流側圧力室が加圧される。これと同時に、下流側圧力室の背圧上昇が上流側圧力室の排出弁を開放し、上流側圧力室は減圧されて隔壁が復元する。この差圧応動弁の連鎖が管軸方向に順次繰り返されることで、外部からの電子的なタイミング制御を用いることなく、圧力室間で自励的な進行波状の蠕動動作が生成される。この結果、ライザー管の大部分の構造・外径を変更することなく、局所的な区間においてねじポンプの主たる圧送作用を補助する蠕動圧送力が付加され、長距離揚鉱時における圧送流れの安定状態が維持される。
🚩アイデア9 ▶️DR[3]:脈動抑制・外径維持
発明の名称:柔軟流体圧送式揚水導入機構を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
圧送流れの安定状態を維持したまま、機器外径増大という制約を、流体圧のみによる柔軟な圧送機構へ置き換えることで、外径を拡大せずに緩和すること。

🟡新しい構成要素:
・柔軟流体圧送式揚水導入機構(NE[9][1])
・圧送均一化補助部(NE[9][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、該ライザー管の内部に配管され、先端部に、内部を流れる揚鉱用流体の動圧に応じて弾性変形することにより実効的な噴射口断面積が変化する可撓性ノズル部を有する柔軟流体圧送式揚水導入機構(NE[9][1])、および該可撓性ノズル部の変形量を所定の範囲内に規制する規制部材を有する圧送均一化補助部(NE[9][2])を備えた揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
柔軟流体圧送式揚水導入機構(NE[9][1])と圧送均一化補助部(NE[9][2])の組み合わせにより、揚水導入管の外径・噴射口径を拡大することなく、流量変動時にはノズルが自ら実効断面積を収縮させて噴射速度を高め、流量低下時には断面積が復元して過大な絞りを回避する。電子的な制御や可動部品を用いる複雑な機構を要さず、機器外径の増大を伴わずに噴射状態が運転条件に応じて自己調整され、圧送流れの安定状態が維持される。規制部材が変形量を一定範囲に制限することで、繰り返し変形による疲労や過大な振動的変形(フラッター)も抑制され、深海高圧下における長期的な信頼性が確保される。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、揚水導入管の先端の噴射口部を、耐圧性エラストマー材料からなる薄肉の可撓性ノズル部として構成することで、柔軟流体圧送式揚水導入機構(NE[9][1])を実現する。可撓性ノズル部の外周側には、周方向に間隔をあけて配置した固定形状の規制リブを設け、可撓性ノズル部が内側へ変形できる量を一定範囲に制限する圧送均一化補助部(NE[9][2])を構成する。運転中、揚水導入管内を流れる揚鉱用流体の流量が増大すると、可撓性ノズル部が揚鉱用流体の動圧に応じて弾性変形し、流路中心側へわずかに撓むことで実効的な噴射口断面積が縮小し、噴射速度が高まる。流量が低下した場合には、可撓性ノズル部が弾性復元力によって元の形状に戻り、噴射口断面積も復元する。この可撓性ノズルの自己収縮・復元は、規制リブによって過大な変形を防止された範囲内で生じるため、噴射状態の急激な変動やノズルのばたつきが抑制される。この結果、揚水導入管の外径を拡大することなく、運転条件に応じた噴射速度の自己調整が可能となり、圧送流れの安定状態が維持される。
🚩アイデア10 ▶️DR[2]:水中機器依存低減
発明の名称:
可変容量蓄圧機構および流体スイッチング素子を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
揚鉱動作全体を流体(液圧・気圧)駆動によって一層均一かつ柔軟に実現するとともに、水中機器への依存という制約を、流体(液圧・気圧)を用いた柔軟かつ均一な作動方式に置き換えることで解消し、深海高圧環境下における揚鉱動作の信頼性状態を高い水準で安定化させること。

🟡新しい構成要素:
・可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[10][1])
・流体スイッチング素子(NE[10][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される流体が導入される共通供給路と、該共通供給路に連通し可動部品を有さず流体の壁面付着効果によって前記共通供給路からの流体を駆動用流体路と揚鉱用流体路とへ自励的に交互に振り分ける流体スイッチング素子(NE[10][2])、および該流体スイッチング素子の切替周波数を安定化する切替安定化流路を有する揚水導入管と、
前記駆動用流体路を通じて供給される流体の圧力脈動を吸収するアキュムレータ室、および作動油の給排によって該アキュムレータ室の有効容量を可変に調整する容量制御用サーボ弁を有する可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[10][1])、および該可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構の下流側における供給圧力を検出し、検出した供給圧力に応じて前記容量制御用サーボ弁を制御する油圧制御式供給圧力調整部を有し、これらによって平滑化された流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[10][1])・油圧制御式供給圧力調整部により、駆動用流体の圧力脈動が運転条件に応じて能動的に平滑化され、揚鉱動作全体の均一化・柔軟化が図られる。流体スイッチング素子(NE[10][2])・切替安定化流路により、駆動用流体と揚鉱用流体の導入切替から可動部品(水中機器)が排除され、水中機器依存の低減が図られる。両機構は流体モータ部(E1)と揚水導入管(E5)という異なる箇所に独立に作用するため、互いの機能を損なうことなく、揚鉱動作全体の均一化・柔軟化という主目的と、水中機器依存の低減という制約緩和とを一つの装置で同時に達成する。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、流体モータ部の駆動流体導入管とキャビティ入口部との間に、気室と背圧室とを可撓性隔膜で隔てたアキュムレータを設け、背圧室に作動油を導入・排出可能な容量制御用サーボ弁を接続することで、可変容量蓄圧式流体供給平滑化機構(NE[10][1])を実現する。背圧室への作動油の導入量を増減させることで、気室側の実効的な蓄圧容積を運転状況に応じて拡大・縮小できる。蓄圧器の下流側に設けた圧力センサの検出値を参照し、圧力脈動の振幅が大きい局面では容量制御用サーボ弁を制御して有効蓄圧容量を増大させ、脈動が小さい局面では容量を縮小して応答遅れを抑える油圧制御式供給圧力調整部を設ける。この結果、洋上ポンプ由来の圧力脈動が、固定容量の蓄圧器では吸収しきれない広範な運転条件下でも的確に平滑化され、回転駆動力の変動(トルクリップル)が抑制される。
これとは独立に、揚水導入管側では、洋上から供給される流体を導入する共通供給路の下流に、駆動用流体路(流体モータ部へ至る)と揚鉱用流体路(揚水導入管の噴射口へ至る)の2つの出口ポートと、各出口ポートへの流れを交互に誘導する帰還流路とを内部形状のみで形成した流体スイッチング素子(NE[10][2])を設ける。共通供給路から供給された流体は、コアンダ効果により一方の出口ポート側の側壁に付着して流出し、その一部が帰還流路を通じて流入口近傍に戻ることで、流れの付着壁面を他方の側壁へと反転させる。この自励的な壁面付着反転の繰り返しにより、可動部品を用いることなく駆動用流体(S1)と揚鉱用流体(S2)とが交互に導入される。帰還流路の断面積・長さは、想定される供給流量・圧力範囲におけるレイノルズ数を踏まえて設計され、当該設計範囲内で切替周波数を安定させる切替安定化流路として機能する。
両機構はそれぞれ独立した箇所(流体モータ部側・揚水導入管側)に設けられ、互いの動作に干渉しないため、駆動用流体の圧力脈動平滑化という主目的の解決と、水中機器依存の解消という制約緩和とが、一つの海洋資源揚鉱装置内で同時に実現される。
🚩アイデア11 ▶️DR[3]:脈動抑制・外径維持
発明の名称:差圧制限型均等化流路および局所エネルギー差解消型ライザー管構造を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
圧送経路内のエネルギー差(圧力差・速度差)を積極的に解消することで圧送流れの脈動・非定量性をさらに抑制するとともに、機器外径の増大という制約要因についても、エネルギー差を局所的に解消する設計によって外径拡大を伴わずに緩和し、より高水準の定常流状態を実現すること。

🟡新しい構成要素:
・差圧制限型均等化流路(NE[11][1])
・局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[11][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部であって、該流体モータ部が備える複数のキャビティのうち隣接するキャビティ間を連通する均等化流路、および該均等化流路上に設けられ両キャビティ間の差圧が予め定めた閾値を超えた場合にのみ開弁して前記差圧を前記閾値以下に制限する差圧応動式リリーフ弁を有する差圧制限型均等化流路(NE[11][1])を有する流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置され、前記吐出口から吐出される混合物の流れと揚水導入管から噴射される揚鉱用流体の流れとが合流する位置の内壁に、両流れの速度差を緩和する向きに断面積が漸次変化するように形成されるとともに下流側に流れの周方向の偏りを補正する整流部材を有する局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[11][2])を有するライザー管と、該ライザー管の内部に配管されて洋上から供給される揚鉱用流体を該ライザー管内での前記吐出口に連通する位置の近傍に噴射する揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
差圧制限型均等化流路(NE[11][1])により、流体モータ部の隣接キャビティ間で脈動由来の過大な差圧ピークのみが制限され、駆動トルクを維持したまま圧送流れの脈動・非定量性が抑制される。局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[11][2])により、ねじポンプ吐出流と揚鉱用流体噴射流との合流部における局所的な乱れが機器外径を拡大せずに緩和される。両機構は流体モータ部(E1)とライザー管(E4)という異なる箇所に独立に作用するため、駆動源側の脈動抑制と、合流部側の局所乱れ抑制とが相乗的に働き、圧送流れ全体としてより高水準の定常流状態が、機器外径を拡大することなく実現される。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、流体モータ部の軸方向に隣接するキャビティ間を連通する流路上に、差圧応動式リリーフ弁としてばね荷重で閉方向に付勢されたポペット弁を配置することで差圧制限型均等化流路(NE[11][1])を実現する。通常運転時、隣接キャビティ間の圧力差はポペット弁のばね設定値以下であるため弁は閉止状態を維持し、回転駆動力を生む基本的な圧力差はそのまま保持される。第一インナロータの回転に伴い各キャビティの容積が周期的に変化することで、瞬間的に差圧が設定閾値を超えた場合にのみポペット弁が自動的に開弁し、高圧側のキャビティから低圧側のキャビティへ流体の一部が移動して差圧超過分が緩和される。
これとは独立に、ライザー管のうちねじポンプ部の吐出口から吐出される混合物の流れと、揚水導入管の噴射口から噴射される揚鉱用流体の流れとが合流する位置に、上流側から下流側に向かって断面積が滑らかに変化するテーパ状の整流ガイド部を一体形成することで局所エネルギー差解消型ライザー管構造(NE[11][2])を実現する。整流ガイド部の下流側には、周方向に複数の開口を配置した整流板からなる整流部材を設ける。運転中、ねじポンプ部から吐出される混合物の流れと揚水導入管から噴射される揚鉱用流体の流れとは、運転条件に応じて両流れの速度差および圧力分布差が変化する場合があり、両者が単純に合流すると局所的な乱流が生じ得るが、整流ガイド部の漸次的な断面積変化がこの速度差を緩和し、整流部材が合流後の周方向の流れの偏りをさらに補正する。
両機構はそれぞれ独立した箇所(流体モータ部側・ライザー管合流部側)に設けられ、互いの動作に干渉しないため、駆動源における脈動ピークの抑制と、合流部における局所的な乱れの抑制とが、一つの海洋資源揚鉱装置内で同時に実現される。
🚩アイデア12 ▶️DR[3]:脈動抑制・外径維持
発明の名称:自己調整式液圧噴射機構および液圧駆動型局所可撓圧送補助部を備えた海洋資源揚鉱装置
発明が解決しようとする課題:
圧送作用を流体(液圧)主体でより均一化することで脈動・非定量性を抑制した安定流動状態を一層高度に実現するとともに、機器外径増大という制約についても、流体圧のみによる柔軟な圧送機構へ置き換えることで外径を拡大せずに緩和すること。

🟡新しい構成要素:
・自己調整式液圧噴射機構(NE[12][1])
・液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[12][2])
🔴【請求項1】:
洋上から供給される駆動用流体によって駆動される流体モータ部と、該流体モータ部の下部に設けられて該流体モータ部によって駆動されるねじポンプ部と、をケーシング内に有する第一揚鉱部と、
前記第一揚鉱部の前記ケーシングに沿って配置されて前記ねじポンプ部の吐出口に連通するように配置されるライザー管であって、前記吐出口の近傍の一部区間の内壁を構成する管軸方向に並んだ複数の可撓性隔壁と、各可撓性隔壁の背面側にそれぞれ画成された圧力室とを有する液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[12][2])、および隣接する前記圧力室間に設けられ自励的な差圧応動弁の連鎖からなる自励式差圧シーケンス弁機構を有するライザー管と、
該ライザー管の内部に配管され、前記吐出口の近傍における前記ライザー管内の流体圧と揚鉱用流体の供給圧との差圧に応じて弁体が液圧的に変位し噴射口の開口面積を調整する自己調整式液圧噴射機構(NE[12][1])を備えた揚水導入管と、を有する第二揚鉱部と、を備えることを特徴とする海洋資源揚鉱装置。
🟢期待される効果:
自己調整式液圧噴射機構(NE[12][1])により、噴射流とライザー管内流動との局所的な速度・圧力の不整合が液圧的に即応抑制される。液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[12][2])により、ライザー管の吐出口近傍で外径を拡大しない蠕動的な補助圧送力が付加される。両機構は揚水導入管(E5)とライザー管(E4)という異なる箇所に独立に作用するため、噴射点における局所整合と、圧送経路における補助圧送とが相乗的に働き、圧送流れ全体としてより高水準の定常流状態が、機器外径を拡大することなく実現される。
🔵実施例:
海洋資源揚鉱装置において、揚水導入管内の噴射口の直前に、揚水導入管内圧力(供給圧)を一方の受圧面で受け、ライザー管内圧力を他方の受圧面で受けるピストン状の弁体を配置し、両者の差圧に応じて弁体がばねに抗して軸方向に変位することで噴射口の開口面積を連続的に変化させることで自己調整式液圧噴射機構(NE[12][1])を実現する。ライザー管内の圧送流れに脈動が生じライザー管内圧力が上昇し、供給圧との差圧が減少した場合には弁体がばね側に押し戻されて開口面積が減少し噴射流量が抑制され、逆に差圧が増大した場合には開口面積が増大して噴射流量が増加する。揚鉱の主たる圧送力はねじポンプ部が担い、本機構は噴射口近傍における噴射流とライザー管内流動との局所的な整合を図る補助機構として機能する。
これとは独立に、ライザー管のうちねじポンプ部の吐出口近傍の一部区間の内壁を、管軸方向に並んだ複数の可撓性隔壁(ゴム膜等)で構成し、各可撓性隔壁の背面側に圧力室を画成することで液圧駆動型局所可撓圧送補助部(NE[12][2])を実現する。隣接する圧力室同士の連結部には自励式差圧シーケンス弁機構を設ける。自励式差圧シーケンス弁機構は、上流側圧力室の圧力が設定値まで上昇したことを検知して開弁し下流側圧力室への流体圧導入を開始するパイロット作動弁、および下流側圧力室の背圧上昇を検知して上流側圧力室の排出弁を開放する弁とから構成される。最上流の圧力室が加圧されて可撓性隔壁が管内側へ膨出すると、その圧力上昇がパイロット信号として隣接する下流側圧力室のパイロット作動弁を開放し、当該下流側圧力室が加圧される。これと同時に、下流側圧力室の背圧上昇が上流側圧力室の排出弁を開放し、上流側圧力室は減圧されて隔壁が復元する。圧力室間の差圧応動弁の連鎖作用により、自励的に進行波状の蠕動動作が生成される。
両機構はそれぞれ独立した箇所(揚水導入管の噴射口・ライザー管の吐出口近傍区間)に設けられ、互いの動作に干渉しないため、噴射点における局所的な速度・圧力の整合と、ライザー管内での補助的な蠕動圧送とが、一つの海洋資源揚鉱装置内で同時に実現される。
3.まとめ
横軸:動的・自律的 ⇔ 静的・構造的 と、
縦軸:動力源の最適化 ⇔ 流動安定化 の
2軸平面上に、アイデア1~アイデア12をプロットしてみました。
あくまで概念上のプロットですが、それぞれのアイデアをヒントに発明の進展の方向性をざっくりと掴むことができるのではないでしょうか。


今回のアイデア創出に利用したTRIZの発明原理は次の3つです。
※アイデア番号の並びとは一致しておりません。
TRIZ-12.等ポテンシャル(Equipotentiality)
TRIZ-15.動特性(Dynamics)
TRIZ-29.空気圧・水圧構造(Pneumatics and Hydraulics)
発明アイデアを出すには経験、偶然、ひらめきといった不確実な要素が含まれ、発想の壁を越えるのは容易ではありません。MODE・CREATE は、ゼロからのアイデア創出(0⇒1)ではなく、1件の特許公報を起点に発明アイデアを生む(1⇒♾️)、生成AIとTRIZの思考フレームを活用して人の発想の壁を超えたイノベーションを起こします。
