Patent Gold Mining ~船舶の燃料供給システム~
1件の特許公報から、生成AIとTRIZの発明原理を用いて網羅的に「フルスペックの発明アイデア」を提案する試みの連載企画。
~ Lots of Tech Gold lies buried in even a single patent.
Now, this is "Patent Alchemy" —refining hidden tech from the 'gold mine' with TRIZ principles—and guiding to White-Space-fitting ideas using GenAI!~
本記事は、特許第7222763号 船舶の燃料供給システム(出願人:デウ シップビルディング アンド マリン エンジニアリング カンパニー リミテッド、出願日:2020.1.23)をベースにした独自のアイデア提案です。
~~ かつて世界シェア4割を誇った日本の造船業🚢は、中国・韓国との競争激化、事業規模の差、人材不足という「三重苦」に直面し、現在は8%に低迷している。この状況を打開すべく、高市政権は17の投資戦略分野の一つに「造船」を指定した。重油からアンモニアや水素へ転換するゼロエミッション船舶は、ホルムズ海峡封鎖による油価高騰を背景に次世代技術としての期待が大きい。すでに2024年8月には国産エンジンを搭載した世界初の商用アンモニア燃料タグボート⚓ 魁 ⚓が竣工🎉。大型外航船での実証運航を経て、2028年までの商業運航開始を目指す。 ~~
【重要】お断り:記事の中で使う画像は、筆者がGemini/NotebookLMを用いて生成したコンセプトイメージです。既存の製品の現物を示すものではなく、新アイデアの構造を視覚化するための架空の図解です。
さぁ!アイデア発想の準備として特許明細書の分析を進めていきましょう!
1. 課題、請求項1、手段を分析する
まず、元の特許公報に記載された課題、請求項1、手段を抜き出します。
1-1.発明が解決しようとする課題 (Problem to be Solved by the Invention)
【0013】本発明は、これらの中からすでに陸上で100年以上使用され、生産/貯蔵/輸送/供給のすべてを含む供給チェーン(Supply Chain)が十分に検証された化学物質であるアンモニアを利用し、今後、強化される船舶の温室効果ガス排出の規制に対応可能な、環境に配慮した船舶の提供を技術的課題とする。
1-2. 請求項1(Claim1) 船舶の燃料供給システムであって、 エンジンと、 前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、 前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクとを備え、 前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、 前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器をさらに備え、 前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、 前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、 前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード及び 前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、 船舶の燃料供給システム。
🚢🛟<要約>🚢🛟エンジンと第1燃料(重油または液化天然ガス)タンクとアンモニアタンクを備え、排気ガス中のCO2を分析器で検出し、検出値に基づき、第1燃料のみ、アンモニアのみ、または両者の混合燃料をエンジンに供給する運転モードを自動選択し、CO2排出を抑制しながら最適な燃料で船舶を駆動する燃料供給システム。
1-3. 解決手段を構成する要素(Elements constituting the means of solution)
請求項1に含まれる「課題を解決する手段」を取り出します。
E[1]: 第1燃料アンモニア選択混合駆動用エンジン
E[2]: 第1燃料貯蔵用燃料貯蔵タンク
E[3]: アンモニア貯蔵用アンモニア貯蔵タンク
E[4]: 排気ガス中温室効果ガス検出用温室効果ガス分析器
E[5]: 検出数値基準運転モード選択制御機能
2. 新たな発明アイデアの生成に向けて
AIは、明細書本文が内包する技術的価値から、新しいテーマの方向性を2
つ提案しました。
2-1. 新しいテーマの方向性(Direction of the new themes)
DR[1]:既存の燃料供給システムへの追加投資・改編を最小限に抑える効果を維持しつつ、温室効果ガス検出値に応じた精密な燃料供給制御のための計測・制御構成の複雑化を抑制すること
DR[2]: 還元剤(アンモニア)貯蔵・供給システムの稼働率(利用率)を向上させつつ、SCR装置がNOx排出規制地域でのみ使用されるという運用上の制約を克服すること
2-2.アイデア提案書の草稿として(As a draft of idea proposal)
AIが抽出した「新しいテーマの方向性」に則してTRIZの発明原理を適用して生成したアイデアが、この12個です!
🚩アイデア1 ▶️DR[1]:構成維持×精密制御
発明の名称:複数貯蔵形態対応アンモニア貯蔵タンクを備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 既存の燃料供給システムの構成を、運転状況に応じて可変的に再配置可能な構造とすることで、大規模な改編を伴わずに機能拡張が可能な燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・複数貯蔵形態対応アンモニア貯蔵タンク(NE[1][1])
・貯蔵部選択判定部(NE[1][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを、アンモニア水として貯蔵する第1貯蔵部と、尿素として貯蔵し必要に応じて加水分解することによりアンモニアを生成する第2貯蔵部とを有する複数貯蔵形態対応アンモニア貯蔵タンク(NE[1][1])と、前記燃料供給システムの運転モード及び要求されるアンモニア供給量に基づいて、前記第1貯蔵部及び前記第2貯蔵部のいずれから前記エンジンへアンモニアを供給するかを判定し、判定結果を前記複数貯蔵形態対応アンモニア貯蔵タンクへ供給する貯蔵部選択判定部(NE[1][2])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器をさらに備え、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、アンモニア貯蔵タンクを、アンモニア水を貯蔵する第1貯蔵部と、尿素として貯蔵し加水分解してアンモニアを得る第2貯蔵部とを併せ持つ複数貯蔵形態対応アンモニア貯蔵タンク(NE[1][1])とし、貯蔵部選択判定部(NE[1][2])が、温室効果ガス分析器の検出値に基づいて決定される運転モード、及び要求されるアンモニア供給量に応じて、第1貯蔵部・第2貯蔵部のいずれからエンジンへアンモニアを供給するかを判定する。これにより、燃料貯蔵タンクやエンジン、温室効果ガス分析器を含む既存の燃料供給システムの構成そのものは変更することなく、アンモニアの供給元選択の幅のみを運転状況に応じて拡張できる。したがって、アンモニア供給モードが継続する運航状況では第1貯蔵部を、アンモニア需要が変動しコンパクトな備蓄が有利な運航状況では第2貯蔵部を選択するなど、既存構成を維持したまま燃料供給システムの機能拡張が可能となる。貯蔵形態の切替は既存のアンモニア貯蔵タンクの内部構造の一部として実現されるため、燃料貯蔵タンクや温室効果ガス分析器の構成に手を加える必要もない。
🔵実施例:
複数貯蔵形態対応アンモニア貯蔵タンク(NE[1][1])は、アンモニア水を貯蔵する第1貯蔵部と、尿素を貯蔵するとともに加水分解機構を備えた第2貯蔵部とを有し、いずれの貯蔵部からエンジンへアンモニアを供給するかを切り替える切替弁を備える。貯蔵部選択判定部(NE[1][2])は、燃料供給システムの運転モード(第1燃料供給モード、アンモニア供給モード、混合燃料供給モードのいずれか)と、要求されるアンモニア供給量とを取得し、これらに基づいて切替弁の開閉状態を決定する信号処理部として構成される。例えば、アンモニア供給モード又は混合燃料供給モードが長期間継続すると判定された場合には、貯蔵部選択判定部は、既にアンモニア水として貯蔵されている第1貯蔵部からの供給を継続するよう切替弁を制御する。一方、アンモニア需要が一時的である、又は今後の運航区間でアンモニア供給量の変動が見込まれると判定された場合には、尿素を貯蔵する第2貯蔵部側へ切り替え、必要に応じて加水分解機構を作動させてアンモニアを生成し、生成されたアンモニアをエンジンへ供給する。第1貯蔵部・第2貯蔵部はいずれも常設されており、切り替わるのはアンモニアの供給元であって、貯蔵されている物質そのものが変化するわけではない。このように、複数貯蔵形態対応アンモニア貯蔵タンクに併設された二つの貯蔵部を、運転モード及び要求供給量に応じて切替弁により選択的に利用することで、燃料貯蔵タンク、エンジン、温室効果ガス分析器といった既存の構成要素の配置や構造を変更することなく、船舶の運航形態に応じたアンモニア供給運用の幅を広げることができる。切替弁及び貯蔵部選択判定部は、既存のアンモニア貯蔵タンクに付加する形で実装されるものであり、燃料供給システム全体を刷新する場合と比較して、改修範囲をアンモニア貯蔵タンク周辺に限定できる点で実用上の価値が高い。
🚩アイデア2 ▶️DR[1]:構成維持×精密制御
発明の名称:検出値応動仲介機構を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 既存の燃料貯蔵タンク・エンジン間の燃料供給経路に、検出・制御機能を担う仲介要素を追加するだけで、既存構成を改変せずに機能拡張可能な燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・検出値応動仲介型燃料供給ライン部(NE[2][1])
・着脱可能なモジュール保持部(NE[2][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器と、前記燃料貯蔵タンクと前記エンジンとを接続する燃料供給ライン上に設けられ、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に応じて前記第1燃料の供給量を調整する仲介ユニットを含む検出値応動仲介型燃料供給ライン部(NE[2][1])と、前記仲介ユニットを前記燃料供給ライン上に着脱可能に保持する着脱可能なモジュール保持部(NE[2][2])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、燃料貯蔵タンクとエンジンとを接続する既存の燃料供給ラインに、温室効果ガス分析器の検出値に応じて第1燃料の供給量を調整する検出値応動仲介型燃料供給ライン部(NE[2][1])を、着脱可能なモジュール保持部(NE[2][2])により着脱可能に保持させる。これにより、燃料貯蔵タンク自体の貯蔵構造やエンジン、アンモニア貯蔵タンクといった既存構成要素を変更することなく、検出値に応じた精密な燃料供給制御機能のみを追加できる。したがって、既存の燃料供給システムの基本構成を維持するという構造面での制約を満たしながら、温室効果ガス検出値の変化に対する追従性という機能面の要求を両立させることができる。既存の気化器や燃料温調用ヒーターについても位置・構成の変更を要しないため、検出・制御機能の追加に伴う設計変更の範囲を仲介ユニット周辺に限定でき、さらに保持部が着脱可能であることから、点検・交換時にも既存の燃料供給ラインを恒久的に改変する必要がなく、大規模な改編を伴わずに機能拡張可能な燃料供給システムが実現される。
🔵実施例:
燃料貯蔵タンクとエンジンとを接続する既存の燃料供給ラインの途中に、着脱可能なモジュール保持部(NE[2][2])を介して検出値応動仲介型燃料供給ライン部(NE[2][1])が組み込まれる。検出値応動仲介型燃料供給ライン部は、温室効果ガス分析器で検出された数値を受け取り、当該数値に応じて自らが備える流量調整弁の開度を調整することで、燃料供給ラインを流れる第1燃料の供給量を微調整する信号処理・弁体からなる構成とする。着脱可能なモジュール保持部は、燃料供給ラインの任意の位置に検出値応動仲介型燃料供給ライン部を保持するクランプ機構を有し、配管を切断することなく外周から挟み込んで検出値応動仲介型燃料供給ライン部を固定する。固定用のボルトを緩めることで、検出値応動仲介型燃料供給ライン部を燃料供給ラインから取り外し、点検・交換又は撤去することができ、既存の気化器及びヒーターはそのままの位置・構成で維持される。運転モードが第1燃料供給モード又は混合燃料供給モードである場合、検出値応動仲介型燃料供給ライン部は温室効果ガス分析器の検出値に応じて供給量を微調整した第1燃料を気化器側へ送る。運転モードがアンモニア供給モードである場合には、検出値応動仲介型燃料供給ライン部は流量調整弁を全閉に近い状態に維持し、アンモニア供給ライン側からの燃料供給を優先させる。検出値が短時間で変化するような運航状況では、検出値応動仲介型燃料供給ライン部は一定の周期で検出値を取得し直し、そのつど流量調整弁の開度を更新することで、供給量の調整を継続的に行う。このように、既存の燃料供給ラインに検出値応動仲介型燃料供給ライン部及び着脱可能なモジュール保持部を追加するのみで、燃料貯蔵タンク自体の構造やエンジンの構成を変更することなく、温室効果ガス検出値に応じた供給量の微調整機能を実現できる。追加される構成は検出値応動仲介型燃料供給ライン部及び着脱可能なモジュール保持部にとどまり、気化器・ヒーター・アンモニア供給ライン等の既存構成はそのまま流用されるため、既存の燃料供給システム全体を刷新する場合と比較して、改修範囲を燃料供給ライン上の局所的な追加にとどめることができる。
🚩アイデア3 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:還元剤兼用運転モード制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 還元剤貯蔵・供給システムを構成する要素に、還元剤供給以外の複数の機能を同時に担わせることで、システム全体の稼働率を高めた燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・燃料還元剤兼用運転モード制御機能(NE[3][1])
・還元剤要求量取得部(NE[3][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるとともに、窒素酸化物選択接触還元装置へ還元剤として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器と、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンの運転モードを決定するとともに、前記アンモニア貯蔵タンクから前記窒素酸化物選択接触還元装置への還元剤としてのアンモニアの供給要否及び供給量を決定する燃料還元剤兼用運転モード制御機能(NE[3][1])と、排気ガス中の窒素酸化物濃度に基づいて還元剤としてのアンモニア要求量を取得し、前記燃料還元剤兼用運転モード制御機能へ供給する還元剤要求量取得部(NE[3][2])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、運転モード選択制御機能を、温室効果ガス分析器の検出値に基づき第1燃料供給モード等の運転モードを決定する機能に加え、排気ガス中の窒素酸化物濃度等に基づいてアンモニア貯蔵タンクからSCR装置への還元剤供給の要否・供給量も決定する燃料還元剤兼用運転モード制御機能(NE[3][1])とし、還元剤要求量取得部(NE[3][2])が排気ガス中の窒素酸化物濃度から還元剤要求量を取得して燃料還元剤兼用運転モード制御機能へ供給する。これにより、専用の還元剤供給制御系統を新設することなく、既存の運転モード制御機能に還元剤供給決定機能を統合できる。エンジン・燃料貯蔵タンク・温室効果ガス分析器といった既存構成の変更を最小限に抑えながら、アンモニア貯蔵タンクに、エンジン燃料としての供給に加えて還元剤としての供給という役割を同時に担わせることができ、還元剤貯蔵・供給システムの稼働率(利用率)を高めることができる。専用の還元剤供給系統を新設する場合に比べ、追加構成を抑えつつ稼働率を向上できる点も特長である。
🔵実施例:
燃料還元剤兼用運転モード制御機能(NE[3][1])は、温室効果ガス分析器で検出された数値に基づいて第1・第2制御バルブの開閉・開度を決定する処理に加え、窒素酸化物分析器等から取得される排気ガス中の窒素酸化物濃度に基づく還元剤要求量を受け取り、アンモニア貯蔵タンクからSCR装置へ供給するアンモニアの要否・供給量を決定する処理部として構成される。還元剤要求量取得部(NE[3][2])は、窒素酸化物分析器で検出された窒素酸化物濃度を取得し、あらかじめ定められた許容値との比較結果に応じて、還元剤として必要なアンモニア量を燃料還元剤兼用運転モード制御機能へ出力する。窒素酸化物濃度が許容値を上回ると判定された場合には、還元剤要求量取得部はその超過分に応じた還元剤量を算出し、燃料還元剤兼用運転モード制御機能へ供給する。エンジンに燃料としてアンモニアを供給する運転(アンモニア供給モード又は混合燃料供給モード)が行われている期間中であっても、還元剤要求量取得部から還元剤の要求があれば、燃料還元剤兼用運転モード制御機能はアンモニア貯蔵タンクからSCR装置への還元剤供給を並行して決定する。この場合、燃料還元剤兼用運転モード制御機能は、エンジン燃料として必要な供給量と還元剤として必要な供給量との双方を勘案して、アンモニア貯蔵タンクからの総供給量を決定する。このように、アンモニア貯蔵タンクは、エンジン燃料としての供給と、SCR還元剤としての供給という二つの用途を、同一の燃料還元剤兼用運転モード制御機能の下で担うことができる。還元剤要求量取得部を既存の燃料還元剤兼用運転モード制御機能に接続するのみで済むため、還元剤専用の制御系統を別途新設する場合と比較して、追加構成を抑えつつ還元剤貯蔵・供給システムの利用率を高めることができる。
🚩アイデア4 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:供給先動的切替型運転モード制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 還元剤貯蔵・供給システムの供給先を運転状況に応じて動的に切り替え可能とすることで、システムの稼働率を高めた燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・供給先動的切替型運転モード制御機能(NE[4][1])
・供給先切替判定部(NE[4][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるとともに、窒素酸化物選択接触還元装置へ還元剤として供給可能なアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器と、前記アンモニア貯蔵タンクから供給されるアンモニアの供給先を、前記エンジン又は前記窒素酸化物選択接触還元装置のいずれかに、運転状況に応じて切り替える供給先動的切替型運転モード制御機能(NE[4][1])と、窒素酸化物排出規制の有無及び還元剤としてのアンモニア要求量を判定し、判定結果を前記供給先動的切替型運転モード制御機能へ供給する供給先切替判定部(NE[4][2])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、運転モード選択制御機能を、アンモニア貯蔵タンクから供給されるアンモニアの供給先を、エンジン又はSCR装置のいずれか一方に、運転状況に応じて切り替える供給先動的切替型運転モード制御機能(NE[4][1])とし、供給先切替判定部(NE[4][2])が、窒素酸化物排出規制の有無及び還元剤要求量を判定して供給先動的切替型運転モード制御機能へ供給する。切り替わるのはアンモニアの供給経路であって、アンモニアという物質自体が変化するわけではない。これにより、エンジン・燃料貯蔵タンク・温室効果ガス分析器といった既存構成の変更を最小限に抑えながら、規制の有無に応じてアンモニア貯蔵タンクから供給されるアンモニアの供給先をエンジン側とSCR側との間で切り替えることができ、規制地域外においてもアンモニア貯蔵・供給システムを遊休させることなく活用できるため、還元剤貯蔵・供給システムの稼働率(利用率)を高めることができる。供給先の切替は既存の制御バルブ機構を用いて実現されるため、専用の追加設備を要しない。
🔵実施例:
アンモニア貯蔵タンクからのアンモニア供給ラインには、供給先をエンジン側とSCR装置側とに切り替える供給先切替弁が設けられる。供給先動的切替型運転モード制御機能(NE[4][1])は、供給先切替判定部(NE[4][2])から得られる窒素酸化物排出規制の有無及び還元剤要求量の判定結果に基づいて、供給先切替弁の開閉状態を制御し、アンモニアの供給先をエンジン側又はSCR装置側のいずれか一方に切り替える。供給先切替判定部は、船舶の現在位置がNOx排出規制地域内であるか否か、及び窒素酸化物分析器等から得られる還元剤要求量を取得し、これらに基づいて供給先切替弁の切替タイミングを供給先動的切替型運転モード制御機能へ出力する。規制地域内でありNOx低減が必要と判定された場合には、供給先切替弁はアンモニアの供給先をSCR装置側へ切り替える。規制地域外である場合には、供給先切替弁はアンモニアの供給先をエンジン側へ切り替え、SCR装置側への供給を停止する。規制地域への出入りが頻繁な航路を運航する場合には、供給先切替判定部が船舶位置情報の変化に応じて繰り返し判定を行い、そのつど供給先切替弁の状態を更新する。窒素酸化物分析器による検出値が許容値付近で変動する場合も、還元剤要求量の再取得に応じて供給先切替弁の切替判定が随時更新される。このように、アンモニア貯蔵タンク、エンジン、SCR装置といった既存の構成要素自体は変更せず、供給先切替弁及び供給先切替判定部を追加するのみで、規制の有無という運用状況に応じてアンモニアの供給先をエンジン側とSCR側との間で切り替えることができる。追加される構成は供給先切替弁及び判定部にとどまるため、還元剤専用の追加設備を新設する場合と比較して、改修範囲を限定しつつ稼働率向上を図ることができる。
🚩アイデア5 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:継続稼働型運転モード制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 還元剤貯蔵・供給システムを、NOx排出規制の有無にかかわらず継続的に稼働させることで、システムの稼働率を高めた燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・継続稼働型運転モード制御機能(NE[5][1])
・常時供給量調整部(NE[5][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるとともに、窒素酸化物選択接触還元装置へ還元剤として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器と、窒素酸化物排出規制の有無にかかわらず、前記アンモニア貯蔵タンクから前記窒素酸化物選択接触還元装置への還元剤としてのアンモニアの供給を継続的に行わせる継続稼働型運転モード制御機能(NE[5][1])と、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアの要求量と、前記窒素酸化物選択接触還元装置への還元剤としての常時供給量とのバランスに応じて、当該常時供給量を調整する常時供給量調整部(NE[5][2])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、運転モード選択制御機能を、NOx排出規制の有無にかかわらずアンモニア貯蔵タンクからSCR装置への還元剤供給を継続的に行わせる継続稼働型運転モード制御機能(NE[5][1])とし、常時供給量調整部(NE[5][2])がエンジン燃料としての要求量と常時供給量とのバランスを調整する。これにより、エンジン・燃料貯蔵タンク・温室効果ガス分析器といった既存構成の変更を最小限に抑えながら、従来NOx排出規制地域でのみ稼働していたSCR還元剤供給系統を規制地域外でも継続的に稼働させることができ、還元剤貯蔵・供給システムの稼働率(利用率)を高めることができる。エンジン燃料としての要求量が変動する場合であっても、常時供給量調整部が両者のバランスを調整するため、エンジン燃料としての供給を圧迫することなく還元剤系統を稼働し続けられる。また、規制地域への出入りのたびに還元剤供給を停止・再開する必要がなくなるため、切替に伴う応答遅れも生じにくい。
🔵実施例:
継続稼働型運転モード制御機能(NE[5][1])は、NOx排出規制地域内であるか否かにかかわらず、アンモニア貯蔵タンクからSCR装置へアンモニアの一部を常時供給し続けるよう、供給バルブの開度を制御する。常時供給量調整部(NE[5][2])は、エンジンの燃料として要求されるアンモニア量と、SCR装置への常時供給量との合計が、アンモニア貯蔵タンクの供給能力の範囲内に収まるよう、両者の配分比率を調整する。エンジン側の燃料要求量が増加した場合には、常時供給量調整部はSCR側への常時供給量を、あらかじめ定めた下限値まで減少させる。エンジン側の燃料要求量が低い運航状況では、常時供給量調整部はSCR側への供給量をあらかじめ定めた上限値まで増加させることもできる。規制地域外においても、少量ながらアンモニアがSCR装置側へ継続的に供給されるため、窒素酸化物分析器による監視は規制地域内外を問わず継続され、規制地域への進入時に還元剤供給量を速やかに増加させることができる。エンジン側とSCR側の要求量の合計がアンモニア貯蔵タンクの供給能力を一時的に上回ると見込まれる場合には、常時供給量調整部はあらかじめ定めた優先順位に従っていずれか一方への供給量を抑制する。継続稼働型運転モード制御機能自体の判定ロジックは変更せず、常時供給量調整部からの調整結果を反映するのみである。このように、アンモニア貯蔵タンク、エンジン、SCR装置といった既存の構成要素自体は変更せず、常時供給量調整部を追加するのみで、規制の有無にかかわらずSCR還元剤系統を継続稼働させることができる。追加される構成は常時供給量調整部にとどまるため、還元剤専用設備を新設する場合と比較して、改修範囲を限定しつつ稼働率向上を図ることができる。
🚩アイデア6 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:機能休止・復帰型運転モード制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 還元剤貯蔵・供給システムの機能を、NOx排出規制が不要な状況では他の機能に切り替え、必要な状況では還元剤供給機能を復帰させることで、稼働率を高めた燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・機能休止・復帰型運転モード制御機能(NE[6][1])
・規制発生検知・復帰トリガ部(NE[6][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるとともに、窒素酸化物選択接触還元装置へ還元剤として供給可能なアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器と、窒素酸化物排出規制が不要な状況では、前記アンモニア貯蔵タンクから前記窒素酸化物選択接触還元装置への還元剤としての供給機能を休止させて前記エンジンへの燃料供給に集中させ、窒素酸化物排出規制が必要な状況となった場合には当該還元剤としての供給機能を復帰させる機能休止・復帰型運転モード制御機能(NE[6][1])と、窒素酸化物排出規制の発生及び解除を検知し、検知結果を前記機能休止・復帰型運転モード制御機能へ供給する規制発生検知・復帰トリガ部(NE[6][2])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、運転モード選択制御機能を、規制不要状況では還元剤供給機能を休止しエンジン燃料側にアンモニアを集中させ、規制発生時には還元剤供給機能を復帰させる機能休止・復帰型運転モード制御機能(NE[6][1])とし、規制発生検知・復帰トリガ部(NE[6][2])が規制の発生・解除を検知して機能休止・復帰型運転モード制御機能へ供給する。これにより、エンジン・燃料貯蔵タンク・温室効果ガス分析器といった既存構成の変更を最小限に抑えながら、規制が不要な期間はアンモニアをエンジン燃料として最大限活用し、規制発生時には速やかに還元剤供給へ切り替えることができ、還元剤貯蔵・供給システムの稼働率(利用率)を高めることができる。休止・復帰の切替は既存の制御バルブの開閉制御を用いて実現されるため、専用の追加バルブを要しない。規制地域への出入りが多い航路であっても、休止・復帰の判定を都度行うことで、規制の有無に応じた供給形態を維持でき、燃料貯蔵タンクの構成にも影響を及ぼさない。
🔵実施例:
規制発生検知・復帰トリガ部(NE[6][2])は、船舶の現在位置に基づいてNOx排出規制地域への進入・退出を検知し、検知結果を機能休止・復帰型運転モード制御機能(NE[6][1])へ出力する。規制地域外にあると判定されている間、機能休止・復帰型運転モード制御機能はSCR装置への還元剤供給を停止し、アンモニア貯蔵タンクからのアンモニアをエンジンの燃料供給に優先的に割り当てる。規制地域への進入が検知されると、機能休止・復帰型運転モード制御機能は還元剤供給機能を復帰させ、窒素酸化物分析器等で検出される窒素酸化物濃度に応じてSCR装置への供給量を決定する。規制地域からの退出が検知されると、機能休止・復帰型運転モード制御機能は還元剤供給を再度停止し、アンモニアの供給をエンジン燃料側に戻す。この休止・復帰の切替は、既存の第1・第2制御バルブの開閉・開度制御によって実現され、専用の追加バルブを新設する必要はない。規制地域の境界付近を航行する場合には、規制発生検知・復帰トリガ部が船舶位置の変化を継続的に監視し、境界通過のたびに休止・復帰の判定を更新することで、還元剤供給機能の状態を運航状況に追従させる。境界付近での判定のばらつきを抑えるため、判定にはあらかじめ定めた余裕距離を設けることもできる。休止中であっても、窒素酸化物分析器による監視自体は継続され、復帰の判断材料として利用される。このように、アンモニア貯蔵タンク、エンジン、SCR装置といった既存の構成要素自体は変更せず、機能休止・復帰型運転モード制御機能及び規制発生検知・復帰トリガ部を追加するのみで、規制の有無に応じて還元剤供給機能を休止・復帰させることができる。追加される構成は当該2要素にとどまるため、還元剤専用の追加設備を新設する場合と比較して、改修範囲を限定しつつ稼働率向上を図ることができる。
🚩アイデア7 ▶️DR[1]:構成維持×精密制御
発明の名称:変動追従型温室効果ガス分析器を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 既存の燃料供給システムの基本構成を維持しつつ、温室効果ガス検出値の変化に応じて制御構成を動的に変化させることで、検出値変動に対する追従性を高めた燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・変動追従型温室効果ガス分析器(NE[7][1])
・検出値変動履歴保持部(NE[7][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスの検出数値を取得するとともに、直近の検出数値の変化履歴に基づく変化パターンに応じて制御指令値を補正して出力する変動追従型温室効果ガス分析器(NE[7][1])と、前記直近の検出数値の変化履歴を保持し、前記変動追従型温室効果ガス分析器へ供給する検出値変動履歴保持部(NE[7][2])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記燃料供給システムの運転モードは、前記変動追従型温室効果ガス分析器から出力される制御指令値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、温室効果ガス分析器を、検出数値に加えて直近の変化履歴に基づく変化パターンに応じて制御指令値を補正して出力する変動追従型温室効果ガス分析器(NE[7][1])とし、検出値変動履歴保持部(NE[7][2])が直近の検出値変化履歴を保持して変動追従型温室効果ガス分析器へ供給する。これにより、エンジン・燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・運転モード選択制御機能といった既存構成の変更を最小限に抑えながら、検出数値が急激に変動する運航状況においても、変化パターンを踏まえた指令補正により、運転モードや混合比率の決定が検出値変動に追従しやすくなる。検出方式自体は既存の温室効果ガス分析器の仕組みを維持するため、既存構成の全面的な置き換えを要しない。検出数値が安定している通常運航時には補正量が抑えられるため、平常時の制御挙動が損なわれることもなく、変動時・平常時のいずれにおいても既存の運転モード制御の枠組みをそのまま利用でき、追加構成も分析器周辺に限定される。
🔵実施例:
変動追従型温室効果ガス分析器(NE[7][1])は、排気ガス中の温室効果ガスの検出数値を取得する検出部に加え、検出値変動履歴保持部(NE[7][2])から直近の検出数値の履歴を取得し、検出数値の変化速度及び変化の方向性を変化パターンとして判定する処理部を備える。検出値変動履歴保持部は、一定時間分の検出数値を時系列で保持し、新たな検出数値が得られるたびに履歴を更新して変動追従型温室効果ガス分析器へ供給する。保持される履歴の期間は、想定される運航状況の変化速度に応じてあらかじめ設定される。変動追従型温室効果ガス分析器は、検出数値そのものに基づく制御バルブ開度指令に、変化パターンに応じた補正量を加算又は減算した上で、補正後の制御指令値を出力する。例えば、検出数値が短時間で上昇する傾向にあると判定された場合には、補正量を加算して早めにアンモニア供給側の開度を増加させる指令を出力し、検出数値が安定している場合には補正量をゼロとして検出数値のみに基づく指令を出力する。検出数値が短時間で上昇と下降を繰り返すような運航状況では、変動追従型温室効果ガス分析器は変化パターンの判定結果に応じて補正量を随時更新し、その都度の制御指令値に反映させる。補正量の上限・下限をあらかじめ設定しておくことで、過度な補正による制御の不安定化も避けられる。このように、既存の温室効果ガス分析器に検出値変動履歴保持部を追加し、検出数値の処理に変化パターンに応じた補正機能を持たせるのみで、第1・第2制御バルブ及び運転モード選択の仕組み自体は変更することなく、検出値変動に対する追従性を高めることができる。追加される構成は履歴保持部及び補正処理機能にとどまるため、既存の制御バルブ・配管構成を刷新する場合と比較して、改修範囲を分析器周辺に限定できる。
🚩アイデア8 ▶️DR[1]:構成維持×精密制御
発明の名称:仲介変換型運転モード選択制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 既存の構成を維持したまま、検出値に基づく制御を仲介する要素を導入することで、温室効果ガス検出値に応じた精密な制御が既存構成の制約を受けずに実現される燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・仲介変換型運転モード選択制御機能(NE[8][1])
・検出値仲介変換部(NE[8][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器と、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値を、制御指令として用いるのに適した形式に仲介的に変換する検出値仲介変換部(NE[8][2])と、前記検出値仲介変換部により変換された数値に基づいて、前記エンジンの運転モードを決定する仲介変換型運転モード選択制御機能(NE[8][1])とを備え、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記燃料供給システムの運転モードは、前記仲介変換型運転モード選択制御機能によって、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、運転モード選択制御機能を、温室効果ガス分析器の検出値を検出値仲介変換部(NE[8][2])により仲介的に変換した上で運転モードを決定する仲介変換型運転モード選択制御機能(NE[8][1])とする。これにより、エンジン・燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・温室効果ガス分析器といった既存構成の変更を最小限に抑えながら、検出値の形式や特性が既存の運転モード決定処理の制約を受ける場合であっても、仲介変換部を介することで精密な制御を実現しやすくなる。温室効果ガス分析器自体の検出方式を変更する必要がないため、既存構成への影響を局所的な範囲にとどめることができる。将来的に温室効果ガス分析器の検出方式が更新された場合であっても、検出値仲介変換部側の変換処理を調整するだけで対応でき、仲介変換型運転モード選択制御機能本体への影響を抑えられる。検出値仲介変換部と仲介変換型運転モード選択制御機能とを分離して構成できるため、それぞれの改良や保守も独立して行いやすくなる。
🔵実施例:
検出値仲介変換部(NE[8][2])は、温室効果ガス分析器から出力される検出数値を、仲介変換型運転モード選択制御機能(NE[8][1])が処理しやすい形式(例えば、あらかじめ定めた制御指令値のレンジに対応する数値)に変換した上で、仲介変換型運転モード選択制御機能へ出力する。仲介変換型運転モード選択制御機能は、検出値仲介変換部から受け取った変換後の数値に基づいて、第1・第2制御バルブの開閉・開度を決定し、第1燃料供給モード、アンモニア供給モード又は混合燃料供給モードのいずれかを実現する。温室効果ガス分析器自体の検出方式や出力形式に変更が生じた場合であっても、検出値仲介変換部における変換処理を調整するのみで、仲介変換型運転モード選択制御機能側の処理内容を変更する必要がない。仲介変換型運転モード選択制御機能は、変換後の数値の形式があらかじめ定めたレンジに収まることを前提として設計されているため、検出値仲介変換部が異なる特性の分析器に対応した変換処理を行う限り、仲介変換型運転モード選択制御機能本体を再設計する必要はない。検出値仲介変換部と仲介変換型運転モード選択制御機能とは、あらかじめ定めた数値レンジを介して接続されるインターフェースを有しており、両者の間で個別に保守・調整を行うことができる。このように、温室効果ガス分析器と仲介変換型運転モード選択制御機能との間に検出値仲介変換部を追加するのみで、双方の既存構成自体は変更することなく、検出値に応じた精密な制御を実現できる。追加される構成は検出値仲介変換部にとどまるため、温室効果ガス分析器又は仲介変換型運転モード選択制御機能のいずれかを刷新する場合と比較して、改修範囲を仲介変換部の追加に限定できる。
🚩アイデア9 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:燃料還元剤兼用供給制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 還元剤貯蔵・供給システムに、NOx排出規制の有無にかかわらず利用可能な別の機能を付与することで、規制地域限定運用という運用上の制約を受けずに稼働できる燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・燃料還元剤兼用供給制御機能(NE[9][1])
・供給量超過分判定部(NE[9][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記アンモニア貯蔵タンクから前記エンジンへ供給される前記アンモニアのうち、前記エンジンにおける消費予定量を超える分を、供給前に窒素酸化物選択接触還元処理用の還元剤供給経路へ分配する燃料還元剤兼用供給制御機能(NE[9][1])と、前記アンモニア貯蔵タンクから前記エンジンへ供給される前記アンモニアの量が前記消費予定量を超えるか否かを判定し、判定結果を前記燃料還元剤兼用供給制御機能へ供給する供給量超過分判定部(NE[9][2])と、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器をさらに備え、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、アンモニア貯蔵タンクからエンジンへ供給されるアンモニアのうち、エンジンにおける消費予定量を超える分を、供給前に還元剤供給経路へ分配する燃料還元剤兼用供給制御機能(NE[9][1])を設け、その超過分の有無を供給量超過分判定部(NE[9][2])が判定する。分配の対象は、あくまでエンジンへ供給される前の段階で消費予定量を超えると判定された分であり、燃焼後に生じる未燃アンモニアや排気側へ排出される分を回収するものではない。これにより、NOx排出規制がない海域を航行中であっても、消費予定量を超える分のアンモニアを還元剤経路へ振り向けることができ、還元剤貯蔵・供給システムが規制地域限定運用という運用上の制約を受けずに稼働できる。燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジンは、それぞれ従来の貯蔵・駆動機能を維持し、構造自体に変更はない。温室効果ガス分析器による検出値に基づく運転モード選択も従来どおり維持されるため、既存の三モード切替構造への影響はない。供給量超過分判定部は、消費予定量との比較のみを判定対象とするため、既存の燃料供給制御と独立して分配動作を実行できる。
🔵実施例:
燃料還元剤兼用供給制御機能(NE[9][1])は、アンモニア貯蔵タンクからエンジンへ向かう供給経路上に設けられ、供給量超過分判定部(NE[9][2])による判定結果に基づいて、供給予定のアンモニアのうちエンジンにおける消費予定量を超える分を、供給前に窒素酸化物選択接触還元処理用の還元剤供給経路へ分配する。供給量超過分判定部は、エンジンの運転状態から消費予定量を求め、アンモニア貯蔵タンクから供給される予定のアンモニア量と比較して、超過分の有無及びその量を判定し、燃料還元剤兼用供給制御機能へ判定結果を供給する。燃料還元剤兼用供給制御機能が分配の対象とするのは、エンジンへ供給される前の段階で消費予定量を超えると判定された分のみであり、エンジンで燃焼された後に生じる未燃アンモニアや排気側へ排出される分を対象とするものではない。エンジンは、供給量超過分判定部の判定結果にかかわらず、消費予定量に相当するアンモニアを従来どおり受け取って駆動されるため、燃料供給・駆動動作自体に変更はない。燃料還元剤兼用供給制御機能と供給量超過分判定部とは、あらかじめ定めた数値情報を介して接続されるインターフェースを有しており、両者の間で個別に保守・調整を行うことができる。このように、燃料還元剤兼用供給制御機能と供給量超過分判定部とを追加するのみで、既存の燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジン・温室効果ガス分析器の構成自体は変更することなく、規制の有無に左右されない還元剤供給機能を実現できる。追加される構成は供給量超過分判定部にとどまるため、還元剤貯蔵・供給システム全体を刷新する場合と比較して、改修範囲を限定できる。
🚩アイデア10 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:供給対象動的切替制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 還元剤貯蔵・供給システムの供給対象を、NOx排出規制の有無という運用条件に応じて動的に切り替えることで、規制地域限定運用による稼働停止を回避できる燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・供給対象動的切替制御機能(NE[10][1])
・運用条件判定部(NE[10][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記アンモニア貯蔵タンクから前記エンジンへ供給される前記アンモニアのうち前記エンジンにおける消費予定量を超える分の供給先を、NOx排出規制の有無に応じて、前記エンジンへの供給経路と、窒素酸化物選択接触還元処理用の還元剤供給経路との間で切り替える供給対象動的切替制御機能(NE[10][1])と、NOx排出規制の有無を含む運用条件を判定し、判定結果を前記供給対象動的切替制御機能へ供給する運用条件判定部(NE[10][2])と、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器をさらに備え、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、アンモニア貯蔵タンクからエンジンへ供給されるアンモニアのうち、エンジンにおける消費予定量を超える分の供給先を、NOx排出規制の有無に応じてエンジン側と還元剤供給経路側との間で振り分ける供給対象動的切替制御機能(NE[10][1])を設け、その振り分け判断を運用条件判定部(NE[10][2])が担う。運用条件判定部は、船舶の航行海域が変わるたびに規制の有無を判定し直すため、供給対象動的切替制御機能は運用条件に応じて振り分け先を逐次変更できる。これにより、規制の有無という運用条件が変化しても、還元剤貯蔵・供給システムの供給対象を都度切り替えることで稼働を継続でき、規制地域限定運用による稼働停止を回避できる。燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジンは従来どおりの貯蔵・駆動機能を維持し、構造自体に変更はない。温室効果ガス分析器による検出値に基づく運転モード選択も従来どおり維持されるため、既存の三モード切替構造への影響はない。運用条件判定部は、供給対象切替の要否のみを判定対象とするため、既存の燃料供給制御と独立して振り分け動作を実行できる。
🔵実施例:
供給対象動的切替制御機能(NE[10][1])は、アンモニア貯蔵タンクからエンジンへ向かう供給経路上に設けられ、運用条件判定部(NE[10][2])による判定結果に基づいて、供給予定のアンモニアのうちエンジンにおける消費予定量を超える分の供給先を、前記エンジンへの供給経路と窒素酸化物選択接触還元処理用の還元剤供給経路との間で振り分ける。運用条件判定部は、船舶が航行する海域におけるNOx排出規制の有無を含む運用条件を判定し、供給対象動的切替制御機能へ判定結果を供給する。供給対象動的切替制御機能は、NOx排出規制が適用される運用条件では超過分の供給先を還元剤供給経路側とし、規制が適用されない運用条件では供給先の振り分けを行わずにエンジン側への供給のみを継続する。燃料貯蔵タンク及びアンモニア貯蔵タンクは、供給対象動的切替制御機能の設置にかかわらず従来の貯蔵機能を維持し、温室効果ガス分析器による検出値に基づく第1燃料供給モード、アンモニア供給モード及び混合燃料供給モードの選択も従来どおり行われる。供給対象動的切替制御機能と運用条件判定部とは、あらかじめ定めた判定結果を介して接続されるインターフェースを有しており、両者の間で個別に保守・調整を行うことができる。このように、供給対象動的切替制御機能と運用条件判定部とを追加するのみで、既存の燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジン・温室効果ガス分析器の構成自体は変更することなく、運用条件の変化に応じて供給先を振り分けられる還元剤供給機能を実現できる。追加される構成は運用条件判定部にとどまるため、還元剤貯蔵・供給システム全体を刷新する場合と比較して、改修範囲を限定できる。
🚩アイデア11 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:還元剤経路循環維持制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 還元剤貯蔵・供給システムがNOx排出規制地域以外でも継続的に有用な作用を発揮するよう構成することで、規制地域限定運用という状態拘束を解消した燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・還元剤経路循環維持制御機能(NE[11][1])
・循環量管理部(NE[11][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記アンモニア貯蔵タンクと窒素酸化物選択接触還元処理用の還元剤供給経路とを接続する経路において、NOx排出規制地域の内外を問わず前記アンモニアの一部を循環させ、前記還元剤供給経路内における滞留を防止する還元剤経路循環維持制御機能(NE[11][1])と、前記エンジンにおける燃料としての必要量を確保しつつ、前記還元剤経路循環維持制御機能による循環量を管理し、管理結果を前記還元剤経路循環維持制御機能へ供給する循環量管理部(NE[11][2])と、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器をさらに備え、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、アンモニア貯蔵タンクと還元剤供給経路とを接続する経路において、NOx排出規制地域の内外を問わずアンモニアの一部を循環させる還元剤経路循環維持制御機能(NE[11][1])を設け、その循環量を循環量管理部(NE[11][2])が管理する。規制地域外では還元剤としての消費自体は発生しないため還元剤を送り続ける意味はないが、循環維持機能はあくまで還元剤供給経路内でのアンモニアの滞留・偏在を防ぐための少量循環にとどめており、規制地域に進入した際に還元剤供給経路が滞留のない状態で速やかに機能できるようにする。これにより、還元剤貯蔵・供給システムは、規制地域外でも配管の滞留防止という有用な作用を継続的に発揮でき、規制地域限定運用という状態拘束が解消される。燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジンは従来どおりの貯蔵・駆動機能を維持し、構造自体に変更はない。温室効果ガス分析器による検出値に基づく運転モード選択も従来どおり維持されるため、既存の三モード切替構造への影響はない。循環量管理部は、エンジン側の必要量を確保した上での少量循環のみを管理対象とするため、既存の燃料供給制御と独立して循環動作を実行できる。
🔵実施例:
還元剤経路循環維持制御機能(NE[11][1])は、アンモニア貯蔵タンクと窒素酸化物選択接触還元処理用の還元剤供給経路とを接続する経路に設けられ、NOx排出規制地域の内外を問わず、アンモニアの一部を還元剤供給経路内で循環させる。循環量管理部(NE[11][2])は、エンジンにおける燃料としての必要量を確保しつつ、還元剤経路循環維持制御機能による循環量を管理し、管理結果を還元剤経路循環維持制御機能へ供給する。還元剤経路循環維持制御機能は、循環量管理部が管理する範囲内で、規制地域外では滞留防止に必要な最小限の量を循環させ、規制地域内では還元剤としての実消費に応じた供給に切り替える。燃料貯蔵タンク及びアンモニア貯蔵タンクは、還元剤経路循環維持制御機能の設置にかかわらず従来の貯蔵機能を維持し、温室効果ガス分析器による検出値に基づく第1燃料供給モード、アンモニア供給モード及び混合燃料供給モードの選択も従来どおり行われる。還元剤経路循環維持制御機能と循環量管理部とは、あらかじめ定めた循環量情報を介して接続されるインターフェースを有しており、両者の間で個別に保守・調整を行うことができる。循環したアンモニアは、還元剤供給経路の末端からアンモニア貯蔵タンク側へ戻る還流経路を通じて、再び循環に供される。循環量管理部が管理する循環量は、エンジン側への供給量に優先して配分されることはなく、エンジンにおける燃料としての必要量を確保した上での余剰分の範囲内で設定される。このように、還元剤経路循環維持制御機能と循環量管理部とを追加するのみで、既存の燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジン・温室効果ガス分析器の構成自体は変更することなく、規制地域の内外を問わず還元剤供給経路を良好な状態に維持できる機能を実現できる。追加される構成は循環量管理部にとどまるため、還元剤貯蔵・供給システム全体を刷新する場合と比較して、改修範囲を限定できる。
🚩アイデア12 ▶️DR[2]:還元剤稼働率向上
発明の名称:還元剤機能休止・復帰制御機能を備えた船舶の燃料供給システム
発明が解決しようとする課題 NOx排出規制地域外で還元剤供給機能を一時的に他機能に転換し、規制地域に入った際に還元剤供給機能を復帰させることで、規制地域限定運用という制約を受けずに運用可能な燃料供給システムを提供すること

🟡新しい構成要素
・還元剤機能休止・復帰制御機能(NE[12][1])
・規制地域進入検知部(NE[12][2])
🔴【請求項1】
船舶の燃料供給システムであって、エンジンと、前記エンジンに燃料として供給される第1燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、前記エンジンに燃料として供給されるアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンクと、前記アンモニア貯蔵タンクから前記エンジンへ供給される前記アンモニアのうち前記エンジンにおける消費予定量を超える分について、NOx排出規制地域外では窒素酸化物選択接触還元処理用の還元剤供給経路への分配を休止して前記エンジンへの供給に充て、規制地域内では前記還元剤供給経路への分配を復帰させる還元剤機能休止・復帰制御機能(NE[12][1])と、NOx排出規制地域への進入及び当該規制地域からの退出を検知し、検知結果を前記還元剤機能休止・復帰制御機能へ供給する規制地域進入検知部(NE[12][2])と、前記エンジンは、前記第1燃料と前記アンモニアとが選択的に供給され、または前記第1燃料及び前記アンモニアを混合した燃料が供給されて、駆動され、前記エンジンから排気ガスが排出される排気ガス排出ライン上に設置されて、前記排気ガス中に含まれる温室効果ガスを検出する温室効果ガス分析器をさらに備え、前記燃料供給システムの運転モードは、前記温室効果ガス分析器によって検出された数値に基づいて、前記エンジンに前記第1燃料のみを供給する第1燃料供給モード、前記エンジンに前記アンモニアのみを供給するアンモニア供給モード、及び前記エンジンに前記第1燃料及び前記アンモニアを混合して供給する混合燃料供給モードのうち、いずれか1つの運転モードが選択されて運転されることを特徴とする、船舶の燃料供給システム。
🟢期待される効果:
本発明では、アンモニア貯蔵タンクからエンジンへ供給されるアンモニアのうち、エンジンにおける消費予定量を超える分について、NOx排出規制地域外では還元剤供給経路への分配を休止してエンジンへの供給に充て、規制地域内では分配を復帰させる還元剤機能休止・復帰制御機能(NE[12][1])を設け、その切替タイミングを規制地域進入検知部(NE[12][2])が検知する。これにより、還元剤貯蔵・供給システムは、規制地域外では超過分アンモニアを燃料として有効活用する一方、規制地域内に進入した際には速やかに還元剤機能を復帰させることができ、規制地域限定運用という制約を受けずに運用可能となる。燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジンは従来どおりの貯蔵・駆動機能を維持し、構造自体に変更はない。温室効果ガス分析器による検出値に基づく運転モード選択も従来どおり維持されるため、既存の三モード切替構造への影響はない。規制地域進入検知部は、規制地域の進入・退出という切替トリガのみを検知対象とするため、既存の燃料供給制御と独立して機能の休止・復帰を実行できる。
🔵実施例:
還元剤機能休止・復帰制御機能(NE[12][1])は、アンモニア貯蔵タンクからエンジンへ向かう供給経路上に設けられ、規制地域進入検知部(NE[12][2])による検知結果に基づいて、NOx排出規制地域外では供給予定のアンモニアのうちエンジンにおける消費予定量を超える分の還元剤供給経路への分配を休止し、当該超過分をエンジンへの供給に充てる。規制地域進入検知部は、船舶がNOx排出規制地域へ進入したこと及び当該規制地域から退出したことを検知し、検知結果を還元剤機能休止・復帰制御機能へ供給する。還元剤機能休止・復帰制御機能は、規制地域進入検知部から規制地域への進入を示す検知結果を受けると、休止していた還元剤供給経路への分配を復帰させ、退出を示す検知結果を受けると、再び分配を休止してエンジンへの供給に充てる。燃料貯蔵タンク及びアンモニア貯蔵タンクは、還元剤機能休止・復帰制御機能の設置にかかわらず従来の貯蔵機能を維持し、温室効果ガス分析器による検出値に基づく第1燃料供給モード、アンモニア供給モード及び混合燃料供給モードの選択も従来どおり行われる。還元剤機能休止・復帰制御機能と規制地域進入検知部とは、あらかじめ定めた検知結果を介して接続されるインターフェースを有しており、両者の間で個別に保守・調整を行うことができる。このように、還元剤機能休止・復帰制御機能と規制地域進入検知部とを追加するのみで、既存の燃料貯蔵タンク・アンモニア貯蔵タンク・エンジン・温室効果ガス分析器の構成自体は変更することなく、規制地域の内外に応じて超過分アンモニアの用途を切り替えられる還元剤供給機能を実現できる。追加される構成は規制地域進入検知部にとどまるため、還元剤貯蔵・供給システム全体を刷新する場合と比較して、改修範囲を限定できる。
3.まとめ
横軸:最適化の対象(燃料 vs. 排ガス) と、
縦軸:ハードウェア(構造的 vs. 動的制御) の
2軸平面上に、アイデア1~アイデア12をプロットしてみました。
あくまで概念上のプロットですが、それぞれのアイデアをヒントに発明の進展の方向性をざっくりと掴むことができるのではないでしょうか。

今回のアイデア創出に利用したTRIZの発明原理は次の5個です。
※アイデア番号の並びとは一致しておりません。
TRIZ-6.汎用性(Universality)
TRIZ-15.動特性(Dynamics)
TRIZ-20.有用作用の継続(Continuity of Useful Action)
TRIZ-24.仲介者(Mediator)
TRIZ-34.廃棄と再生(Discarding and Recovering)
発明アイデアを出すには経験、偶然、ひらめきといった不確実な要素が含まれ、発想の壁を越えるのは容易ではありません。MODE・CREATE は、ゼロからのアイデア創出(0⇒1)ではなく、1件の特許公報を起点に発明アイデアを生む(1⇒♾️)、生成AIとTRIZの思考フレームを活用して人の発想の壁を超えたイノベーションを起こします。
