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『沈黙者』 折原一 Nr. 8

2026.6.15~24


新しい本がなくなり、
職場の先輩から、
良さそうなミステリーをお借りする。


折原一、初めての作家。
「○○者シリーズ」のひとつらしい。
表紙裏面の紹介文を見ると、
謎の2つの事件が交錯し、
真実がやがて明らかになるというもの。
はて、どんな感じかな。





~あらすじ~


埼玉県久喜市の田舎で、
凄惨な一家殺人事件が起こる。
殺されたのは、田沼家の4人。


第一発見者の新聞配達員、立花洋輔は、
一人無事だった田沼ありさを、
現場でを見つける。


さらに、時と場所を同じくして、
吉岡家でも殺人事件が起こり、
またしても立花洋輔が、
第一発見者になった。


一方、
万引きと傷害で逮捕された、
ある20代の男が、
自分の名を明かさずに、
起訴され、裁判を受けるという、
奇妙な事件も起こる。


久喜市の事件は難航し、
立花洋輔と田沼ありさは、
事件を解明するために、
動き出す。




~感想(ネタバレ)~


物語の視点がやたらと変わる。
殺人者やら、追跡者やら、
荒巻警部に、立花洋輔に、
名前を明かさない男、その姉。
記者の五十嵐という名前も、
物語の初めと終わりに出てくる。
なんかちょっと読みにくい。

初めの殺人事件の方は、
テンポも良くて面白く読んでいた。


ところが一方の、名前を明かさない
男性の描写が読みにくい。
男性の行動を調べ追っていた、ある人物
(これが五十嵐なのかと思った)
の語りで話が進んで行くのだが、
それが、ものすごく長ったらしい。
刑務所生活など細かい描写が
あまり面白くなくて、飛ばして読んだ。
しかも、逐一傍で見ていたような
言い方が腑に落ちない。



久喜市で起きた殺人事件2つは、
別の人物の犯行だった。


①田沼家殺人事件 ← 吉岡息子の犯行
吉岡夫妻(両親)を殺されたため


②吉岡家殺人事件 ← 田沼繁の犯行
吉岡元刑事に身元を明かされ、
つけ回されたことへの恨み


③名前を明かさない男 ←田沼繁
敬愛する祖母を悲しませないために、
沈黙を守り抜いた
彼の行動を調べ、追い続けたのが、
吉岡元刑事だった


つまり、③の事件が昔に起きて、
それを明かされ恨んだ田沼繁が
②の事件を起こして、
さらに、田沼繁に父を殺された吉岡息子が、
その復讐に、①の事件を起こした。


しかし、発見されるのは、①②③の順。
ちょっと叙述トリックが懲りすぎて、
読む方は混乱する。
ややこしや。


立花洋輔と田沼ありさが、
事件解決に至るのかと思いきや、
2人の描写は突然なくなり、
いつの間にか事件は解決で、
最後唐突にハッピーエンド。
なんか中途半端。


どんでん返しではあったけど、
田沼繁が名前を明かさなかった理由が、
敬愛するおばあちゃんのため、
というのが理解に苦しむ。


どうもいまいち…残念…
という読後感でした。





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