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第1回(全10回)/100日・1億円・M&A。 「え、そういう話だったんですか。」

連載「100日で、会社が売れた」全10本 / 第1 回

これは、2025年秋から100日間、幻冬舎の編集者でビジネスインフルエンサーの箕輪厚介さんと、マレーシア在住の起業家・恵島良太郎さんが挑んだ「1億円M&A」プロジェクトに、私がスタッフとして横から参加し、見ていたことを書いている連載です。

「会社を売る」という話を聞くと、どんな場面を思い浮かべるでしょうか。

たぶん、密室です。

誰がいくらで何を売るか、決まるまで誰にも見せない。それが当たり前です。

でも、このプロジェクトは違いました。

最初から最後まで、開いていたんです。マレーシアの自宅から事業家がオンラインで参加し、都内にいる著名なビジネスインフルエンサーがスマホ片手にプレゼンを聞く。買い手候補も、業界のキーパーソンも、画面の向こうから次々と意見をくれる。

しかも、100日で1億円。

1,000万円を、100日で10倍にする。そういう計画でした。


と、いきなり言ってみたものの、これ、最初からそういう話だったわけではないんです。

私がこのプロジェクトに参画したのは、2025年。初夏を過ぎた頃に声をかけてもらって、7月の途中から8月に入ったあたりで本格的に動き出しました。

そのとき、恵島良太郎さんと、エンジニアの本木拓海さんは、4月くらいから一つのサービスを作っていました。SNSの公開データとAIを使って、企業が会いたい人を見つけ出す、というツールです。地道に設計して、地道に開発して、そろそろリリースに向けて準備したい——そういうタイミングで、私が拾ってもらいました。

恵島さんとは、トライアスロンを通じて同じチームの仲間でした。2019年に私が独立してから、恵島さんが関わるプロジェクトに、ジョインする形で何度かご一緒したことがあります。久しぶりに「面白いのやってるんだけど、入る?」と声をかけてもらって、私は素直に「ラッキー」と思いました。

何より、面白そうだったんです。


ところが。

走り出してすぐに、ミッションが書き換わりました。

そのとき、箕輪厚介さんが、自身のYouTubeチャンネル「箕輪厚介の1億円チャレンジ」で、半年で1,000万円を1億円にできるかという公開チャレンジをやっていました。投資や馬券で運用していた原資が、500万円くらいまで目減りしていた頃です。

それをYouTubeで見ていた恵島さんが、箕輪さんに声をかけました。

「そのまま放っておくとゼロになりますよ。その500万円、こっちに出してください。一緒にこの事業を、1億円にしましょう」

——とまで直球で言ったかは知りませんが、提案の中身はそういうことです。マレーシアの自宅から、画面越しに、都内のインフルエンサーに事業の話を持ち込んだ。それが、今ちょうど私がジョインしたばかりの事業でした。

その瞬間に、目標が「100日で1億円のM&A」になりました。

地道にサービスを育てて、ゆっくりリリースする、という空気は、文字通り消えました。100日後に、サービスごと1億円で売る。そのための材料を、全部、100日のうちに揃える。しかも、その全過程をYouTubeで公開する。

「えっ」と思いました。

正直、最初は飲み込みきれませんでした。でも、恵島さんはマレーシアの自宅から、いつも通りの顔でオンラインミーティングに入ってきます。箕輪さんはスマホ片手に、移動の合間でも、ミーティングに顔を出してきます。拓海さんは「それならできると思います」と、いつも通り淡々と返事をします。

——あ、これ、もう走ってるんだ。

そう気づいた頃には、私の足も動いていました。


通常、M&Aは密室で進みます。誰が手を挙げているか、いくら出すと言っているか、それは交渉の最後の最後まで誰にも見せない。それが普通です。

でも、このプロジェクトは、最初から最後まで開いていました。

恵島さんはマレーシアから事業のプレゼンをし、箕輪さんは「これ、いくらで売れると思う?」と業界のキーパーソンに直接ぶつけていきます。ビジネスインフルエンサー、M&A界の重鎮、AI領域の第一人者、SNS事業の実戦経験者——錚々たる10人が、画面の向こうから次々と現れて、サービスの設計に切り込みを入れてくれました。

その全部が、YouTubeで公開されていきました。

私はその現場で、走り回っていました。プロダクトをテストし、感想を返し、法人設立の段取りをし、メールの動線を組み、Webページを作り、面談フォームを設置し、プレゼン資料を直し続けました。

何ひとつ、密室ではありませんでした。


100日後、Social Reachというサービスは、時価総額1億円の評価を受けて、株式売却が決まりました。落札者は、才式祐久さん。豊かなビジネスキャリアを持つ起業家です。

——でも、そこにたどり着くまでの100日間が、本当はこの連載の本体です。

ミッションが書き換わった日の戸惑いも、マレーシアと東京と松戸を同時につないで進む不思議な日常も、画面越しに次々と現れる業界の人たちの言葉も、直前まで資料を触り続けたヘトヘトな夜も、オークション当日の手探りな空気も、懇親会で生ビールを半分飲んだあたりで急に湧いてきた、ある一つの感情も。

全部、書きます。

100日でサービスを売った話を、最初から書いていきます。


▼ この連載に登場するサービスについて
Social Reach(ソーシャルリーチ)は、SNSの公開データとAIを組み合わせて、営業・採用のターゲットリストを自動生成し、一人ひとりへのアプローチ文面まで自動作成するB2Bツールです。
https://social-reach.tech/
※この連載は、このサービスを100日でM&Aした記録です。

👉 連載「100日で、会社が売れた」(マガジン)


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