売上を上げられる人は多い。でも続けられる人が少ない理由
経営を続けているとなかで、実にいろんな人を見てきた。
一時的に大きな売上を作った人、急成長したように見えた人、短期間で話題になった人。
でもその多くが、数年後には縮小しているか、事業をやめている。
反対に派手さはないけれど、10年・15年と安定して利益を出し続けている人もいる。
両者の違いが何かを考えたとき、ひとつの共通点に気づいた。
長く続けられる人は、資金管理能力が異常に高いということ。
売上を上げることと事業を続けることは別の話
売上を一時的に上げられる人は、実は多い。
私の周りにいた人たちも、ほとんどが一度は大きく売上を伸ばした経験を持っている。商品がヒットした、広告がうまくハマった、タイミングが良かった。理由はそれぞれだが、「あの時期は良かった」という話は誰でも持っている。
問題は、それを継続できるかどうかということ。
売上と利益を順調に継続的に何年間も上げ続けられる人は、周りを見ていても本当に少ない。
・マーケティングが得意な人
・商品選定のセンスがある人
・交渉力がある人
・運に恵まれた人
経営に必要なものは多々あるが、それらがあっても長く続かないケースがある。
逆に突出した才能があるわけではないのに、地味に長く続いている人もいる。
その差はどこにあるのか。
長く続く人に共通していること
10年以上事業を続けている人と話すと、ある種の共通点がある。
数字に対して、異様に几帳面だ。
毎月の利益がきちんと出ているかを数字で確認する。出ていなければ、価格・広告・商材選定のすべてを見直す。「なんとなく利益が出ている気がする」で動かない。必ず数字で確認してから判断する。
これを当たり前のようにやり続けているのが、長続きする人の特徴だ。
言葉にすると簡単に聞こえるが、意外とちゃんとできている人は本当に少ない。
資金管理能力が高い人の行動パターン
具体的にどういう行動をしているか、いくつか書いておくと
毎月利益を数字で確認している
売上ではなく利益を見る。売上が伸びても利益が薄ければ意味がないことを知っている。
月次で数字を確認する習慣が身についていて、異変があればすぐに気づく。「先月より売上が落ちた」より「先月より利益率が下がった」に敏感だ。
いい意味でケチだ
余計なことには一切コストをかけない。
売上が上がっても、それをそのまま支出に回さない。オフィスを広げる・スタッフを増やす・設備投資をするといった判断を、感情ではなく数字でする。「売上が上がったから」という理由だけでは動かない。
使うべきところには使う。
「なんとなく経費にしてしまう」という感覚がない。
調子が良いときに調子に乗らない
売上がいい時期に、支出を一気に増やさない。
好調な時期ほど、次の不調に備えて資金を厚くしておく感覚がある。「今がいい時期」というのは、裏を返せば「いつか悪い時期が来る」ということだと分かっている。
私の経験から言っても、事業がうまくいっているときほど、判断が緩くなりやすい。いい意味で疑い深くいられる人が、長く続く。
利益が出ない状態を長く放置しない
赤字が続いているのに「そのうち戻るだろう」と様子を見続けるのが、一番危険なパターンだ。
資金管理能力が高い人は、利益が出ない「状態」に対して敏感で、早めに原因を特定して手を打つ。撤退の判断も含めて、感情ではなく数字で決める。
なんでも経費にすることの危うさ
少し具体的な話をすると、経費の使い方ひとつで利益率はかなり変わる。
事業をやっていると「これも経費にできる」という場面が多く出てくる。節税という観点では正しいが、それが「会社のお金を使う理由」になってしまうと話が変わる。
必要な支出と、なんとなく使ってしまう支出は別物だ。でも両方とも「経費」という言葉で同じ扱いになりやすい。
資金管理が得意な人は、ここを分けて考えている。
この支出は利益につながるか。つながらないなら削れるか。その問いを常に持っている。
当たり前に聞こえるかもしれないが、売上が順調なときにこれをやり続けるのは思いのほか難しい。
運も実力のうち、という話
経営に必要なものとして「運」を挙げた。
半分は本当にそう思っている。市場のタイミング・仕入れ先との縁・競合の動き、コントロールできない要素は確実にある。
ただ、運が良い状態が続くと思って経営すると、必ずどこかで足元をすくわれる。
うまくいっている理由が「自分の実力」なのか「運とタイミング」なのかを冷静に分けて考えられる人が、長く続く。
運が良い時期に資金を積み上げておけば、運が悪い時期に耐えられる。資金管理能力とは、結局のところ「いつか来る悪い時期のための準備」だと思っている。
まとめ
売上を一時的に上げることと、事業を長く続けることは別のスキルだ。
長く続く人は、派手な才能より地味な習慣を持っている。
・毎月、利益を数字で確認する
・余計なコストをかけない
・好調なときほど慎重に動く
・利益が出ない状態を放置しない
当たり前のことばかりだ。でも当たり前のことを当たり前にやり続けることが、実は一番難しい。
自分自身、それができていなかった時期があったからこそ、余計にそう思う。
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