【簡単あらすじ】ある閉ざされた雪の山荘で(微ネタバレ)【東野圭吾/講談社文庫】
『 やれやれ、揃いも揃って甘い連中だ 』
劇団の演出家によって集められた7人の劇団員が
一人・また一人と姿を消す。
舞台のための演出なのか、それとも。
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『はじめに』
彼岸に入り、ついに過ごしやすい・秋らしい気候になってきました。
こうなると、ふろ上がりから寝る前のちょっとした時間などでの読書が大変捗ります。
「読書の秋」と昔から言われていますが、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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劇団「水滸」の開催したオーディションに合格した七人の劇団員たちは、水滸の舞台演出家・東郷陣平からの手紙により、ペンション『四季』に集められた。
その後ペンションに届いた東郷からの指示は、
「今回の舞台の台本は大まかなものしか作っていない。
今君たちがいるペンションは、記録的な大雪で外部との連絡が取れない状況にあり、そしてペンション内では予想外のアクシデントに遭う。
各人がそのペンションで起こった出来事へどのように対応するのか・その時の各人の心の動きなどが、脚本や演出に反映される。
もし、電話を使用したり・外部の人間と接触を持ったりしたならばその時点で、オーディションの合格を取り消す」
というものだった。
不可解な指示だったが、以前から東郷の演出は奇抜なものが多く、劇団員たちはしぶしぶながらも指示に従うことになる。
翌日の朝、ペンションの一室には、
「設定の第二」として、劇団員の一人が殺され・その劇団員の死体の状況が書かれた紙
が床に落ちていた。
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本作は、クローズドサークルに良くある舞台設定である「物理的密室」な状況では無く、
実際には(物理的には)閉じ込められているわけでは無く、いつでも逃げ出したり・外部と連絡を取ったりすることは出来るが、そのことによるデメリットのことを考えたことよって出来た(心理的な)密室
によるクローズドサークル作品です。
本作巻末の解説にもあるのですが、(ネタバレもありますので、読了前に読む場合にはお気を付けください)読み進めるにつれて以前読了しました「仮面山荘殺人事件」と
似たような感覚に襲われます。
(もちろん、内容や展開は全く違います)
ですので、この二作品はセットで読了して欲しいのですが、個人的には、
「仮面山荘殺人時間」の読了後に、本作「ある閉ざされた雪の山荘で」を読了することをおすすめします。
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トリックや真相が明らかになった後に読み返すことで、
どこに伏線が散りばめられていたのか
どこでミスリードさせられたのか
などについて理解が深まる小説が大好物なのですが、本作もそれにぴったり当てはまるものでした。
これは本当の殺人事件なのか・それとも演出なのか。
そして、劇団員のみ(=殺人事件等に関しては素人)が登場する作品だからこその、ラスト数ページの展開。
私はこの流れ(終わり方)はとても好きです。
1996年に第1刷が発行されているのですから約三十年前の作品なのですが、表現や内容に全く古さを感じません。
そして2023年に第101刷が発行されていますので、大変長いスパンで売れ続けているのが良く分かります。
時代を超えて、全く色褪せることの無い名作です。
映画化も行われ、シリーズ最新作も発売されたマスカレードシリーズ
とはまた違った魅力のある、東野圭吾さんの初期作を皆さんもご一読ください。
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