起き上がり訓練の思考停止構造:「連続的重心移動」と「推進力」を見落とす現場



現状整理:なぜ直線的・分節的訓練が常態化するのか

臨床現場での麻痺患者の起き上がり・立ち上がり訓練は、直線的かつ分節的な手順が標準として扱われやすい。動作を一つずつ止めながら段階的に進めることで、安全性や介助の容易さが担保される一方で、実際の重心移動や推進力といった運動学的要素が軽視される傾向がある。

この背景には複合的な要因がある。まず教育・研修の面では、学生や新人セラピストに「安全第一」「段階的練習の重要性」が強調される。筋力や体幹機能の評価延長として体系化された起き上がり訓練では、重心移動や推進力よりも「支持基底を確保して安全に起こすこと」が優先される歴史的価値観が根付いている。また、SNSや教材動画でも軽症例や静的課題が多く、直線的な手順が「普通」として刷り込まれる構造になっている。

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