からからせんべい(まるやま) 宇佐美煎餅店 山形鶴岡 和菓子なスクチャイ085 2025.08.28
和菓子なスクチャイ085 山形 > 鶴岡
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
からからせんべい(まるやま) 宇佐美煎餅店 山形鶴岡
1.からからと音がしないからからせんべい(≧∇≦)


からからせんべいという名前だが、まずその煎餅を手で持って振ってみても「からから」という音はしなかった。(≧∇≦)
中身が詰まってるんやろね、と逆に期待させてくれるのだった。
これを買ったのは鶴岡駅の木村屋の売店だったので、てっきりこれも木村屋製かと思っていたが、後で見たら「宇佐美煎餅店」と書いてあって、調べたら鶴岡で昭和24年に創業した駄菓子の製造販売会社とのことだ。
2.フォーチュンクッキー
食べられるお菓子の中に何か入っているというので思い出すのは台湾や香港で旧正月頃に売り出されて吾輩も現地で買ったりレストランで出されたことがあるフォーチュンクッキーだ。
アメリカのチャイナタウンのレストランでも配られたことがある。
日本語で言うとおみくじ煎餅と言ったところだろう。
フォーチュンクッキーは掌に載るサイズの折り畳まれた固めのクッキー生地の中に小さな紙片が入っていてそこに英語か中国語で一言何か書いてある。
「オヌシは旅に出ると良し」
などという一言メッセージだ。
3.フォーチュンクッキーの由来は日本の辻占
フォーチュンクッキーの起源は吾輩も長く中国由来と誤解していたが、実は日本なのだ。
参考までにその由来を書く。
以下は『事典・和菓子の世界』岩波書店・中山圭子著・2024年を参照。
紙に占い言葉を書いたものを辻占(つじうら)と言って、原形は奈良時代の「夕占(ゆうけ)」に遡る。
江戸時代には辻占が花街の街頭で売られていたが、その後かりんとうや豆菓子の景品に辻占が使われるようになり、さらに時を経て煎餅の中に辻占を入れる菓子職人や商売人が現れ始めた。これが「占い煎餅」「おみくじ煎餅」の原形になった。
アメリカや香港などの中華料理店でフォーチュンクッキーと呼ばれて使われ始めたのは大正時代に日系移民が「辻占煎餅」を現地に持ち込み、その製法が中国系移民に伝わって誕生した。
現在日本で年間を通じて占い目的の「おみくじ煎餅」や「占い煎餅」として売られているのは京都の伏見稲荷や神奈川の川崎大師の参道、そして新潟県の一部だそうだ。
金沢や加賀地方では新年の縁起物としてに米粉生地に占い紙を入れてつくばね(羽根つきの羽根)の形にしたものが「辻占」の名で出回る。
以上のように、文献によれば煎餅の中に占い紙を入れるというのは確かに日本発祥ということになる。
その占い紙の代わりに少し大きくした煎餅の中におもちゃを入れるようにさらに楽しく発展させたのが庄内地域ということになるかもしれない。
4.鶴岡の大きめのフォーチュンクッキー
今回鶴岡駅で見つけた占いではなさそうな大きめのフォーチュンクッキーは一体何なのだ?と最初疑問に思った。
もっとも中身は占いでないのでフォーチュンクッキーではなくトイクッキーかもしれない。
またはリトルトイクッキーか?
売り場の壁には額縁が架かっていて、その中に小さくて色とりどりの多種多様なおもちゃがたくさん貼り付けられていた。
それがまあなんとも色とりどりで綺麗で可愛かったのだ。
小さい豆粒みたいなおもちゃもあればちょっと大きめのものもある。
「ホンマにこんなん中に入ってんか?」
と思わせるおもちゃもあった。
5.からからせんべいを買ってみた

煎餅自体は写真のナガノのくまのサイズ7.5cmと比べてもわかるように長径8cm程度だ。それで厚みが2-3cm程度に膨らんでいる。
この中にほんとにあの額縁の中のおもちゃのどれかが入ってるのか?
・・・と思い、とりあえず2個買ってきたのだった。
1個税込216円。
化粧箱入りで6個とか10個とか20個入りもあってその方が単価が安くなるのでちょっと食指が動いたが、それでもねぇ、最初からそんなにたくさん買うのもねぇ、と思い留まった。
そもそも自分用だ。
強いて言うなら「ネタ」用だ。
誰かにあげて喜ばせるためではない。
10個も買って1個1個おもちゃを出してひとりで喜ぶ吾輩の図、というのはあんまり絵にならないどころか大いに情けない・・・(≧∇≦)
そもそもそのおもちゃが気に入るかどうかはわからないのだ。
グリコのオマケと一緒で、きっとくだらないおもちゃですぐにゴミになるのだ。
10個や20個もいきなり買ったらそれこそ後悔の元だ。
6.熱に強いおもちゃ?
そもそも何か?
煎餅ということは焼いてるわけだから中は熱に強い物質か?
中でとろけたプラスティックの樹脂が焦げたえも言われぬ悪臭が漂って来そうな気もする。
あのにおいは大嫌いだ。
さすがにそれは勘弁して欲しい。
7.開ける
生地が綺麗に折り畳まれた状態で焼かれた、煎餅というよりクッキー生地に思えた。
黒っぽいのは黒糖のせいだろう。
昔は上等で高価なのが白砂糖で、安い駄菓子用が黒糖だった。
今でこそ黒糖のミネラルが健康にいいとかで黒糖の方がむしろ高価になっている。
それに黒く見えるのはなんとなく焦げたイメージもあって苦いような気もするのだった。
ともあれ、割ってみよう。
固っ!
散らかり系の可能性があるのでテーブルの上にまな板を敷いて慎重に。
8.こんなん出ましたけど〜

「こんなん出ましたけど〜」
は、白蛇占いの泉アツノ女史の決まり文句で2オクターブ高い音声だ。
ん?
ご丁寧に和紙のような紙に包まれていてさらにご丁寧なことにセロファンテープで留められていた。
オーブンで焼かれたはずなのに紙で包まれているし、焦げはないし、さらにセロファンテープも溶けた形跡がない。
そもそも焦げたプラスティックのえげつないにおいもない。
涼しい平和な顔をして中から紙に包まれたおもちゃがコロンと転がるように登場したのだ。
9.紙を開けると・・・

再度、こんなん出ましたけど〜
スリッパ!!!
しかもぶら下げられるようになっている!
芸が細かい!
花柄だ!
裏面はピンクの靴底!
か、かわいい!!!(≧∇≦)
10.もうひとつも開けてみた


こんなん出ましたけど〜
ネズミ2匹!!!
灰色と茶色!
耳がピンク!
ちゃんとヒゲも生えている!
いや待てよ、もしかしてネコ?
瀬戸物のように見えたがともかく微風で飛んでいきそうなくらい軽かった。
発泡スチロール製なのかもしれない。
あるいは軽い紙粘土か。
ともかくこの2匹のネズミネコも、かわゆい〜!のだった。
11.収集欲を催すおもちゃ
こりゃ簡単にゴミにはならなさそうなおもちゃだ。
集めてどこかに飾りたい気持ちが湧いてくるのだった。
それこそ奥行きのある額縁に貼り付けていって。
・・・それって店舗で飾ってたやつそのまんまやん!
けど、その額縁を思い出すと、かなりの種類のおもちゃが入っていた。
あれだけ種類があるとそりゃ楽しいだろう。
ちいかわのシークレットボックスの8種類ほど、などという少数ではなく、こちらのからから煎餅は50種類かそれ以上あったように思う。
今度行ったら箱買い、別名大人買いするかもしれない。
コレクション欲を掻き立てられるおもちゃだと思い知ったのだった。
12.焦げていない謎
焼いてるはずやのに、なんで中身焦げてないし正常やのん?
生地は焼く前は柔らかいのでおもちゃを入れて折り畳むわな。
それから火を通すわな。
100度くらいでやってんかいな?
そういえば大量メレンゲ作りの時に経験したけど、確か80-100度程度だったはずだ。それでじっくり焼くので時間がかかる。
おそらくそんな程度の温度で低温調理、つまり、ゆっくり焼いてるのではないかと想像するのであった。
13.からからせんべいの作り方
その後の調べで作り方がだいたいわかったので追記する。
まず最初に丸い煎餅を焼く。
薄い煎餅はすぐに焼けるので火から下ろし、その時はまだ生地が柔らかい状態なので、真ん中におもちゃを置き、周囲三方から折り込んでおもちゃを包み込む。
このまま冷めたら煎餅は固まっているという寸法だ。
14.庄内のおばあちゃんの手作り
ちなみにこのお菓子は庄内伝統のお菓子ということで、敢えて山形のおばあちゃんが一個一個手作業で作っているのだそうだ。
山形のおばあちゃんが、出てきたおもちゃで喜ぶ子供たち(そしてたまには吾輩のような成人男性)の笑顔を想像しながら心を込めて作ってくれたんだな、と思うだけで吾輩の胸の内はジーンと温かくなりと感動してココロの隙間を埋められるのであった。
15.煎餅はとても美味しい!
おもちゃの話に始終してしまったが、おもちゃを包んでいた煎餅自体はとてもおいしかった。
黒っぽかったので焦げ気味で苦みがあるのでは?
と危惧していたのだが、そのような苦みは一切なく、ほど良い黒糖の甘味で芳ばしくてとてもおいしい煎餅であった。
これならおもちゃ抜きでも食べたいくらいの煎餅だ。
16.現在の製造販売店
庄内の伝統駄菓子である「からからせんべい」は現在鶴岡市内で4店舗が製造している。
参考までにその店舗を以下に掲げる。
梅津菓子舗・鶴岡市本町2-8-16
菓子の梅安・鶴岡市大西町19-4
大松庵・鶴岡市水沢字行司免43-13
そして今回鶴岡駅木村屋で購入した店舗。
宇佐美煎餅屋・鶴岡市錦町17-30
(おわり)
