みたらし団子とみつ豆 梅園河原町店 京都市中京区 和菓子なスクチャイ226 2026.02.04
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※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
みたらし団子とみつ豆 梅園河原町店 京都市中京区



1.注文した

梅園河原町店で「あわぜんざい」を食べて大満足したことを数日前に書いたが、その時「あわぜんざい」を食べ終わってから引き続いて梅園の看板商品である「みたらし団子5本」を注文したのだ。
ついでだから「みつ豆」とのあわせ(税込1,050円)にした。
「みつ豆」は白蜜にした。
2.「みたらし団子」

2.1.価格

お金の話はできるだけしたくはないが、そこは無視できない現実だ。
美味しいからと言って法外な値段のものは嫌いだ。
その点、梅園の団子は一本が税込110円だ。
場所と店によっては外国人を含む観光客相手の価格している店も多い京都の中心部にありながら、この価格は至極妥当で納得の良心的価格だ。
2.2.四角いみたらし団子
梅園の団子は丸ではなく「四角(俵型)」だ。
これには2つの大きな理由がある。
丸い団子だと火に当たる面積が限られるが、四角いことで網に接する面が広くなり、あの絶妙な「おこげ」を均一につけることができるのだ。
また、四角い形状は表面積が広いため、とろみの強いタレをしっかりと抱き込む。
「最後の一口までタレと一緒に味わってほしい」という職人の工夫が詰まった形なのだ。
尤も吾輩は食べ終わった後の皿に着いていたタレまでみつ豆用のスプーンを使って最後の最後まで掬い、できるだけ残さずに全部味わった。
2.3.タレの秘密 「醤油」が主役の京風
多くのみたらし団子は「甘さ」が立っているが、梅園のタレは言うなれば「醤油の香ばしさ」が際立っている。
だから大人向けの味なのだ。
創業以来、甘すぎず、それでいてコクのある秘伝のタレを守り続けている。
食べた瞬間に、まず醤油のキリッとした風味が鼻に抜け、その後に追いかけてくる上品な甘みを感じる。
これが、何本でも食べられてしまう「後を引く味」の正体だ。
2.4.「竹串」のこだわり
梅園の団子をよく見ると、串が少し短めで、小さめで四角い団子がぎゅっと詰まっている。
これは、着物を着た人でも「口を大きく開けすぎずにおちょぼ口で品よく食べられるように」という、京都らしい配慮からこのサイズになったと言われているようだ。
3.みつ豆

暖かい「あわぜんざい」、そして、焼きたての熱い「みたらし団子」を食べ終えた吾輩は、さらに冷たいみつ豆を食べた。
周囲に漂う焼き団子の香ばしい香りに包まれながら食べる冷たいみつ豆は、まさに至福の食べあわせだったような気がした。
3.1.寒天
梅園のみつ豆の主役とも言える「寒天」には当然店としてのこだわりがある。
梅園の寒天は、口の中で「スッ」と消えるような独特の食感がある。
多くの老舗がそうであるように、梅園でも厳選された天然の糸寒天を使用している。
粉寒天では出せない、天草本来のほのかな磯の香りと、濁りのない透明感が特徴だ。
梅園の寒天は、決して硬すぎず、かといって柔らかすぎない絶妙な弾力を持っている。
これは、一緒に添えられる「もちもちの白玉」や「あんこ」などとの食感のコントラストを計算し尽くした結果だ。
さらに寒天の味を左右するのは水で、京都の豊かな地下水文化を背景に、雑味のない純な味わいに仕上げているとのことだ。
今回の吾輩は白蜜を選んだが、黒蜜の方はコクがあるのに後味が非常に軽やかなのだそうだ。
黒蜜を寒天にたっぷりとかけても、寒天自体の風味を殺さず、最後まで飲み干せるような「上品な甘さ」を目指して作られているとのことだ。
3.2.「みつ豆」と「みたらし団子」との意外な関係
実は吾輩のように梅園で「みつ豆とみたらし団子のあわせ」を頼むのは、非常に理にかなった食べ方なのだそうだ。
焼き立て熱々の「みたらし団子」と、キリッと冷えた「みつ豆」という温度差がお互いの美味しさを引き立てるわけだ。
さらに団子の醤油の塩気とみつ豆の甘さ、この味の変化の往復は、甘党にはたまらない贅沢な体験なのだ。
3.3.白蜜
ところで多くの人が「みつ豆=黒蜜」というイメージを持っているかもしれないが、白蜜を選ぶことで初めて見えてくる「あんみつの本質」があるそうな。
白蜜でみつ豆を食べる醍醐味は、ごまかしの効かない「素材の純度」を楽しめる点にある。
黒蜜だと隠れがちな、天草から作った寒天本来のわずかな海の香りが、白蜜だとふわっと鼻に抜ける。
梅園の透明度の高い寒天が、白い蜜をまとうことでキラキラと宝石のように輝く。
見た目の清涼感は白蜜が圧倒的のようだ。
梅園のような歴史ある甘味処が白蜜を用意しているのは「寒天の質に絶対の自信がある」という証でもあろう。
醤油の風味が強い「みたらし団子」と一緒に食べた場合、黒蜜だと口の中が少し重くなりがちだが、白蜜なら後味がスッキリしているため交互に食べても味が濁らないという効果もあるようだ。
白蜜は上質な砂糖を丁寧にアクを取りながら煮詰めて作るため、実は黒蜜を作るよりも手間がかかることもあるという。
あれこれ書いてしまったので、これから行く人は黒蜜を選ぶか白蜜を選ぶかを迷うかもしれない。
何度か行けるなら黒蜜を白蜜の両方を試してみてその違いを楽しんでみたらいいと思う。
今度は吾輩は黒蜜で食べてみるかもしれない。
4.少し未練を残すということ
常に完璧を求めるよりも、少しばかり置き忘れをしたような気分でいた方が、次回の訪問の楽しみになってまた行きたいという原動力になるものだ。
今回、吾輩はみつ豆に「白蜜」を選んだので「黒蜜」は未経験だ。
さらに他の種類のぜんざいや「志るこ」などの甘味も試してみたかったが、さすがにいっぺんには食べられなかった。
それらを心残りにして一旦去って、また次回に来る原動力にするつもりだ。
5.客層
平日の昼間だったが、店内には地元人と思われる手持ち荷物の少ない高齢の女性や男性、また近所の主婦とおぼしき女性などがそれぞれ1人でやってきて、座るや否や注文していた。
その後、美味しそうに団子やぜんざいを無言で食べて、食後は数分程度の休憩か、トイレに行く程度の時間で去って行くのだった。
食後も延々とスマートフォンをいじり倒して長居するような客は吾輩が観察した限りいなかった。
みんな忙しい最中の束の間に休息に来ているようだった。
なぜこのように他の人の行動が細かく言えるかというと、吾輩はあわぜんざいとみたらし団子とみつ豆を食べたからで、他の人のよりも3倍ほど長居していたからである。
客は皆大人しく、目の前の食べ物をこよなく愛している人たちで、目的は明らかに「食べること」なのだった。そのように、ここにいる人達の目的は皆ほぼ一致しているのがわかるのだった。
そしてそのような店内の雰囲気は、「食べることに集中したい」吾輩が大いに好むところであった。
6.「梅園河原町店」の建物に刻まれた歴史
河原町店は昭和2年の創業当時の面影を色濃く残している。
店内は間口が狭く奥行きが深い京都特有の町屋造り、つまり「鰻の寝床」のような長細い造りだ。
店内にある使い込まれたテーブルや椅子は、何十年もの間、京都の人々や修学旅行生、そして多くの文化人たちを見守ってきた。
あの少し狭い空間の中で他者と身を寄せ合って甘味を食べるのが、河原町店の醍醐味なのかもしれない。
(おわり)
