あわぜんざい 梅園河原町店 京都市中京区 和菓子なスクチャイ220 2026.02.04
和菓子なスクチャイ220 京都府 > 京都市中京区
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
あわ(粟)ぜんざい 甘党茶屋梅園河原町店 京都市中京区


1.甘党茶屋「梅園」河原町店に行く
「月ヶ瀬」で実に美味しい粟ぜんざいの体験をした吾輩はその翌日、そこの店員さんに教えられた店舗「甘党茶屋 梅園(うめぞの) 河原町店」に行ってみた。
お昼12時過ぎのお昼ご飯時でもあるせいか店内には客が1人しかおらず、その客もすぐに食べ終わったようで出て行ったので吾輩1人になった。
この店は甘味処で昼食用の食事メニューはないので昼食時は逆に空いているのだ。
2.確実に「粟(あわ)」ぜんざいか?
吾輩はメニューに「あわぜんざい」を確認してからそれを注文した。
梅園でも「あわぜんざい」があるのはここ河原町店のみで、最初どの支店にあるのかうろ覚えだった吾輩はここに来る前に念のために電話で「あわぜんざい」があることを確認していたのだった。
そして、失礼ながら店内でも確実に「粟」であるかを確認させてもらった。
店員さんは店主に確認してくれたようで、もちろん「粟」だとの回答を得た。
こんなことを訊くのは、「あわぜんざい」と言いつつ「黍(きび)」を使っている東京の「みはし」や東京浅草の「浅草梅園」のような甘味処もあるからだ。
「黍(きび)」が悪いわけではないが、「粟ぜんざい」というからには本物の「粟(あわ)」を使ってもらいたいだけなのだ。
3.「あわぜんざい」との対面

「梅園」での「あわぜんざい」は税込1,320円だ。
「梅園」では、客が他にいなくても「あわぜんざい」は注文から少々待たされることになる商品のようで、店員さんは注文の客には必ずそのように断るのだった。
吾輩は急いでないのでむしろ慌てずに丁寧にゆっくりと準備してくれて良いと店員さんにお願いした。
しばらくして運ばれて来た念願の「あわぜんざい」は、蓋を開けるとそのお茶椀の中でこし餡が光沢を帯びてドーム型に盛り上がっていた。
その時点で最高の眺めだった。
4.隠れている「粟もち」

この中にはきっと「粟もち」が入っているのだ。
餡に隠されて見えないのがまたもどかしくて良いのだ。
箸をそっと差し入れると、黄色い粒々の粟もちが現れた。
粟(あわ)は縄文時代から食べられていた痕跡が見つかっている日本の最古の穀類なのだ。
現代の今ここで粟の良さが見直されてきているのだが、いかんせん育生が大変なのだそうだ。
食べたくても生産量が少ないので今や貴重な食べ物と言っていいだろう。
あんこの中に黄色い粟もちを箸で感じた時は、あたかも考古資料を発掘した時のような感動があった。
前日の「月ヶ瀬」では最初から粟もちがあんこの傍から顔を出していたが、あれはあれでとても風情があった。
いずれにしても、見るだけでこんなに幸福感が得られる粟もちの存在は偉大だと思う。
黄色の色がいいではないか。
箸で摘む時の粒々感がいいではないか。
そして食べる時に感じる魚卵が弾けるような粒々感がやっぱりいいではないか。
その粟もちの感触が繊細なこし餡と融合して得も言われぬ味わいになるのだ。
それは一般の餅やおはぎなどでは無理な話だ。
粟もちでないと務まらない絶妙な組み合わせなのだ。
吾輩はしばらくこの「あわぜんざい」に没頭し、震えるほどに感動していた。
5.梅園の「粟ぜんざい」


前回紹介した「月ヶ瀬」の粟ぜんざいと並び、梅園の粟ぜんざいも冬の京都を代表する甘味だ。
梅園の粟ぜんざいも「月ヶ瀬」の粟ぜんざい同様に、もち粟の粒感がしっかりと残っており、噛むほどに粟の滋味が広がった。
ほどよく炊き上げられた「こしあん」がたっぷりとかかっており、粟餅のわずかな苦味とあんの甘みが、口の中で熱々に溶け合った。
添えられている自家製の山椒の効いた塩昆布がまたとても美味しく、別注文したいくらいだったので店員さんに訊いたのだがメニューにもなくぜんざいを注文した時のみ添えられるものだとのことだ。
その塩昆布が濃厚な甘さの合間に絶妙な塩気を与えてくれ、最後の一口まで飽きさせないのだった。
6.甘党茶屋 梅園 河原町店
京都の「甘党茶屋 梅園(うめぞの)」の、特にその原点である河原町店は、京都の繁華街で歩き疲れた人たちを優しく迎え続けてきた名店だ。
創業は昭和2年(1927年)で、三条河原町を少し下がったところにある河原町店は梅園の「本店」であり、創業当時からの雰囲気を最も色濃く残している。
決して広いお店ではないが、1階の細長い空間には昭和の喫茶文化と和の情緒が同居しており、使い込まれた木のテーブルや椅子が独特の安心感を与えてくれている。
現在は三代目の店主が伝統を守りつつ、京都駅ビルへの出店や「うめぞの CAFE & GALLERY」といった新しい業態も展開し伝統を現代に繋いでいるが、「あわぜんざい」があるのは本店の河原町店だけだ。
(おわり)
