あっぱれだんご かぶき屋 秋田県横手市 和菓子なスクチャイ172 2025.12.01
和菓子なスクチャイ172 秋田県 > 横手市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
あっぱれだんご かぶき屋 秋田県横手市
1.横手にてお菓子屋訪問
横手駅から徒歩圏内で横手焼きそばを食べ、その後市の施設「かまくら館」まで歩いて氷点下10度の冷凍室内のかまくらを体験してもまだ時間があったのでそこの観光案内の窓口で和菓子情報を仕入れた。
何と周辺に3軒もの古くからのお菓子屋があり、そのどれもが徒歩ですぐの場所だった。
一軒目(小松屋本店)では「昆虫スイーツ」というこれまた珍しいケーキやチョコレートを売っていた。
和菓子ではないので記事にはしないが、そこで食べた昔ながらのミルクアイス「アイスドリアン」は素朴でねっとりと食感が本当にドリアン風でとても美味しかった。しかしこれは和菓子ではなさそうなのでここでは割愛する。
※なお、後に書いたこちらの記事でアイスドリアンの写真とともに小松屋本店のことを紹介した。
2.熊対策の「かぶき屋」
その後、2軒目の「かぶき屋」という和菓子店に行った。


まず、入り口に「熊対策のため自動ドアの電源が入ってないから手で開けるか横の押し戸から入って」との張り紙があった。
一瞬にして背筋が寒くなり怖くなって、吾輩は素早く店内に入った。
すぐに店主と思われるおばちゃん(女将さんであろうが、ここでは親しみを込めて勝手ながらおばちゃんと呼ばせていただく)が出てきてくれたので、さっそく熊のことを訊いてみた。
吾輩が入った時は自動ドアは稼働していたのだが、おばちゃんによると出没している朝夕は電源を切るのだそうだ。
すぐそこの川沿い(横手川)に熊の目撃情報が絶えず、熊の足取りが詳しくわかるほどに時間経過と共にたくさんの人の目撃情報が挙がっているらしい。
ニュースで言うところの「犯人の足取りは複数の人たちに目撃されております!」ってなところだそうな。
「クマダス」というのがあるんですよ!
とおばちゃんはどちらかと言うと嬉しそうな感じに言った。
秋田県内での目撃情報を地図上に表したインターネットサイトだ。
吾輩も秋田市内の情報をそれで確認したことがある。
おばちゃんは「クマダス」なのよ「クマダス」!
となんだか嬉しそうに言うのだった。
3.かぶき屋の「花見だんご」
さて、熊はともかく団子だ。
市役所の観光案内所の人から聞いたところでは、かぶき屋では「花見だんご」が有名だが春の花見の時期だけの季節販売とのことだった。
しかしかぶき屋のおばちゃんによると、最近季節外れでもどうしても花見だんごが食べたいと言うお客さんが多いので、冷凍の5本入りと10本入りをいつでも売れるようにしているとのことだ。
自然解凍すれば普通に食べられるそうなので吾輩は5本入りを買うことにした。
もともと花見だんごは時期的に買えないと諦めていたので幸いだった。
冷凍の5本が保冷バッグに入れてあり、さらに中にも保冷剤が入っていて税込430円だった。

(※この花見団子は別記事で紹介予定)
4.かぶき屋の「あっぱれだんご」
次に表に幟が立っている「あっぱれだんご」だ。
これは年中販売していて今もショウケースに並んでいた。
吾輩は4種類を1本ずつ、合計4本買った。
1本税込100円で合計400円だった。
あいにく店内では食べる場所はないので後で列車の中ででも食べようと思った。
ただ、持ち歩くとパックにきれいに並べて入れてくれたせっかくの見栄えが崩れるかもしれないので、おばちゃんに断って店舗内の椅子に商品を置いて写真を撮らせてもらった。

5.店を退出するときに「熊に気をつけて」
店を退出する時におばちゃんに「熊に気をつけてくださいね」と吾輩は言ったのだが、おばちゃんは、
「気をつけてもねぇ〜、出たら終わりだしねぇ〜。どうやって気をつけたらいいもんだかねぇ〜」
と困ったような少し笑ったような表情で言うのだった。
おっしゃる通りで街中でもいきなり出てくる熊に対しては、確かに気をつけるも何もあったもんじゃないだろう。
「熊の現場」に住んでいる人たちは切実なる恐怖だ。
早朝や夕方暗くなってからの外出は控える、川っ淵には近寄らない・・・などなどの自衛策はあるかもしれないが、日々の生活では熊を避けるために行動を規制してばかりもおれない。
まったく不自由で息が詰まるような恐怖の中で生活しているのだ。
市役所がそばにある横手市の中心部でこうなのだ。
「クマダス」を見るとすごい量の目撃情報がありますよ〜、とおばちゃんは言った。
おばちゃんが「クマダス」と言うときにはなぜか必ず少し笑ったような顔になるのだった。
吾輩は持っていたナガノのくまのぬいぐるみをおばちゃんに見せて「これも熊ですけどね」と言ってみたらおばちゃんは「ああらカワイイ!」と言って笑った。
こんなカワイくてちっちゃい熊なら1ダースでも2ダースでもいっぺんに出てきて欲しいくらいだ。
まあともかくもう少ししたら薄暗くなる時間帯なので、ここから駅まで20分程度、吾輩も怖くなってきたのでそろそろおいとますることにする。
「それでは熊にはくれぐれも気をつけて・・・」
と吾輩は再度言ってしまったのだが、おばちゃんも再度、
「気をつけてもねぇ〜、出たら終わりだしねぇ〜。どうやって気をつけたらいいもんだかねぇ〜」
と言った。
おっしゃる通りだ!
どうやって気をつければいいんだろうか。
日々の普通の生活ではどうしても気をつけようもない場面があるのだ。
6.ミルクせんべいのような半額のお菓子発見
・・・と、レジ脇に半額の文字があるお菓子があった。
薄っぺらいせんべいのようなお菓子だった。
駄菓子のミルクせんべいのようで吾輩好みで実に美味そうだ。
しかも賞味期限はおばちゃんが言うほどすぐでもなく、まだ先だった。
吾輩には全然問題なく、2包みとも半額なのでその2包みを買うことにした。
この方はもともと1包み税込750円のようで、半額なので2包を合計750円で買った。
7.横手駅まで歩かねば・・・
さて、そろそろ行かねば冬の早い夕暮れ時間が迫って来ていて熊出没要注意時刻になってしまう。
吾輩はおばちゃんに、
「それではそろそろ行きますね。お元気で、熊にはお気をつけて・・・」
あっ! また言ってしまった! と反省するや否や、おばちゃんはすかさず、
「気をつけてもねぇ〜、出たら終わりだしねぇ〜。どうやって気をつけたらいいもんだかねぇ〜」
おばちゃんは半笑いになりながらまたしても3度目の同じ言葉を繰り返すのだった。
そもそも吾輩が3度も同じことを言ってしまったからだ。
まるで吉本新喜劇やん!
これじゃ永遠に繰り返すだけやん!(≧∇≦)
おばちゃんは何だか楽しそうに笑っているのだった。
深刻な問題には違いないが、「クマダス」のカワイイ言葉の響きでニヤッとしたり、気をつけようがない!と繰り返し言って笑ったり、気持ちだけでもユーモアを忘れず笑顔になっているのが唯一の救いかもしれないと思った。
8.恐ろしい「熊タイム」
さあ、本当に行かねば薄暗い熊タイムになりかねない。
狙われるのは吾輩だ。
笑っている場合ではない。
「駅まで歩くの? そうねぇ、歩くと30分はかかるかもねぇ〜」
とおばちゃんは言った。
何だか嬉しそうな表情をしているのだった。
9.列車内「あっぱれだんご」を食べた






さっそく帰りの列車内で「あっぱれだんご」の封を解いて食べた。
見た感じ、団子の生地にちょっと焦げ目がついているのが見るからに美味そうだ。
吾輩は齧りついた。
柔らかで、程よい甘さで、風味高いそれぞれの餡!
うまい!
うますぎて誰もが「あっぱれ!」と叫ぶからこの名前がついたのかもしれないな、などと思いながら止まることなく5本をいっぺんに食べ尽くしてしまった。
「花見だんご」も食べようとしたのだが、こちらはまだ冷凍で固まっていた。
ま、慌てずに帰ってからゆっくりといただこうと思った。
なお、「花見だんご」と「ミルクせんべいのようなお菓子」については別記事に書く予定だ。
10.銘菓処「かぶき屋」について
「かぶき屋」は大正8年(1919年)に創業した、100年以上の歴史を持つ横手市の老舗和菓子店だ。
現在は婦気大堤の本店や工場店のほかオンラインショップも展開しており地元横手の「味」を今に伝えている。
店内には季節ごとの上生菓子や特産のりんごを使ったお菓子、干柿を使った「あんころ柿」など多種多様な和菓子が並ぶ。
11.よこて名物「あっぱれだんご」
その名の通り食べた人が「あっぱれ!」と言ってしまうような美味しさを目指して作られた看板商品だとのことだ。
由来は江戸時代の「大坂冬の陣」における逸話がきっかけで、横手城主戸村義国が敵方の槍の先に刺された餅を動じることなく平らげたという度胸の良さを称え、地元で「あっぱれ餅」を売り歩く風習があった。
それを「かぶき屋」2代目店主が現代風の団子として復活させたのが始まりとのことだ。
白い団子を香ばしく炙り焼きにし、そこに秘伝のタレや餡を絡めている。
その焦げ目がまた視覚的にとても旨そうなのだ。
味の種類はしょうゆだれ(みたらし)、ごまだれのほか、あんこ、ずんだなどがある。
吾輩が行ったときはしょうゆだれ(みたらし)は売り切れで、その代わりいもあんが最後の1本だけあった。
それぞれのあんのどの団子も香ばしい焼き目とタレの相性が抜群で「横手っ子のソウルフード」として長年親しまれているのだ。
(おわり)
