三杯もち 菓子司つじや 秋田県大仙市 和菓子なスクチャイ130 2025.10.03
和菓子なスクチャイ130 秋田 > 大仙市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
三杯もち 菓子司つじや 秋田県大仙市


1.三杯もちと出会う
秋田駅前アーケードを歩いているとテント張りのお店の一件で和菓子らしきものを売っている気配がしたので近づいて見た。
大曲から来ている和菓子屋さんで、見るからに吾輩好みで美味しそうな羊羹のような棹状の練り物を、老舗の若大将らしき朗らかで感じの良い男性が売っていた。
ずっしり重い1本が税込1,300円(レシートなしの現金だったので記憶によるので多少違うかもしれない)で、赤あん、白あん、ごまあんの3種類があり、大曲の名物が店舗の若大将から直接ここで買えるとなると買うしかない!ということで何はともあれ買うことにした。
3種類全部欲しかったのだが3棹買うと現金が3,900円なのでほとんど現金を持たない吾輩の財布はほとんどからっぽになってしまうのだった。
それで仕方なしに赤あんと白あんの2本にして2,600円を支払った。
お店の若大将に言いたかったが、クレジットカード払いが可能なら3種類買ってたのに残念なことだった。
是非ともこういう一時的なお店でもクレジットカードや電子マネーで支払えるようにしておいて欲しいものだ。
現金だと吾輩のように出し控える客も多いと思うので、クレジットカードだときっと売り上げも増えるはずだ。
1棹が1,300円もする安くない金額の商品だからなおさらだ。
2.すぐに食べたいが・・・
こういう食べ物はすぐに食べる限る!
ということでその後すぐに列車に乗ってから剥いてかじって食べたい衝動に駆られていたのだが我慢するしかなかった。
なぜかというとこの記事のための写真がうまく撮れないからだ。
特に断面を見せる写真だ。
歯形の付いた食べ物の断面を見せるのは嫌だ。
かと言って、手でちぎれるような食べ物でもない。
真空パックの包みの上からの感触ではもちもち柔らかで、出来立てそのもののようだった。
しかもほんのり温かかったのだ。
そのまま齧って食べると最高に違いない。
そもそも羊羹状の棹のお菓子はお上品に切って皿に載せて食べるよりも、甘党の五代目三遊亭圓楽師のように、バナナのように豪快に剥いてかぶりついて食べるのが占有感(つまり、これは誰にも取られないぞ!という独占感)も加わって最高の味覚となるのだ。
それがわかっているだけに、列車内でほんのり温かい三杯もちを抱きしめて無念を感じていた。
そもそもその時吾輩は八郎潟にあんごま餅を買いに行くために秋田からの普通列車に乗っていたのだ。
その電車はロングシートでとても飲み喰い出来るような雰囲気ではなかった。
ま、帰ってから落ち着いてまな板上でナイフで切って食べるまでのおあずけだ、とその場では諦めたのだった。
3.賞味期限後に・・・
食べたのは賞味期限ギリギリ、というか、正直に言うと賞味期限を過ぎていた。
外出が続いていて写真を撮って食べる時間がなかったのだ。
吾輩は賞味期限を気にしない人間なのでそれはいいのだが、賞味期限後に食べる場合、もしか商品に何か思うところがあっても決して商品や製造元のせいにしてはいけないということは肝に命じている。
しかし商品説明には、作りたてよりも少し日数が経過した方が切りやすくなって食べやすい、というようなことが書かれてあった。
賞味期限切れ後に真空パックを触ってみると、買いたて時の柔らかな感触はなくなっているが、しかしむしろしっかりとした弾力を感じた。
むしろ今の方が食べるのには最適なのではないかと思った。
4.剥いて切断して食べる



想像通りだった。
まったく固くはなく、ナイフは力も入れず、スッと入った。
そして一口食べると、むしろふくよかな弾力としっとりした生地の食感が最高だった。
赤はあんこの風味と甘さが最適で、白はあっさりした白あんの軽い風味と甘さが最高だった。
吾輩は羊羹の歯形が残る固さと濃すぎる甘さよりもこっちの柔らかいぷるぷる生地の方が大好きなのだ。
すなわち吾輩は羊羹よりもういろうの方が好きということなのだが、ういろう派の吾輩にこの「三杯もち」はまさに吾輩の心の的の中心部分を射抜いているのだった。
5.凶も凶とて
ひょんなことで秋田駅前のアーケードで出会った大仙市の銘菓で老舗の張本人である若大将か直接買うことが出来た幸運よ!
ちなみに吾輩今年(2025年)の長野善光寺での初詣で引いたおみくじは「凶」だった。
でも、10月まで生きていて、結構いいこともあるのだった。
凶の中でもまだしも浮かばれる凶かもしれない。
凶も凶とてこの日もええことありやんした。
6.「三杯もち」とは


秋田県大仙市大曲の「菓子司つじや」が製造する「三杯もち」は大正時代から続く同店の看板商品であり、大曲・仙北地方の伝統的な郷土菓子だ。
「三杯もち」は、餅と羊羹の中間のような、非常に独特な食感と風味を持つあんこ菓子なのだ。
見た目は羊羹のようだが口に入れるとまずお餅のような粘りのある食感があり、噛むほどに餡の風味が滲み出て最終的にあんこに変わるという「もっちもち」(地元秋田弁で「ネカネカ」と表現される)の不思議な食感がある。
ういろうや落雁ともその原材料や製法からも異なるのでそれらとは別物だ。
原材料は秋田県産の米粉やもち米、小麦粉、そして上生菓子に使う上質なさらし餡(小豆餡)などを独自の秘伝の配合で練り合わせている。
餡ともち米などを練り合わせる過程で何度も蒸すという手間ひまかけた製造工程によりこの独特の弾力と食感を生んでいるのだという。
仕上げに一本一本手ごねで練り上げ形を整えているのだ。
現在「三杯もち」は主に赤あん(小豆)、白あん、ごまあんの3種類の味で展開しているが、季節や時期により抹茶餡や和三盆なども登場するようだ。
「三杯もち」は日常のお茶請けだけでなく、秋田県内で冠婚葬祭の引き菓子やお土産品として長年愛され続けている郷土菓子なのだ。
7.名称の由来と歴史
「三杯もち」という名前は計量器が普及していなかった創業当時、「米粉を三杯」といったように材料を枡などで計量したことに由来するという説や、郷土菓子「さんばいみそ」という餅菓子がベースになっていることから名付けられた、というような説があるようだ。
大正5年(1916年)に三代目辻弥太郎が大曲仙北地方で食されてきた郷土菓子をベースに和菓子職人の技術を用いて、つじや独自の「三杯もち」を創り出した。
以来、今も変わらぬ製法と味を守り続けているのだ。
いっぺんに「三杯もち」のファンになってしまった吾輩にとって、ずっと最高のお菓子であり続けて欲しい気持ちで一杯だ、・・・いや、一杯では足りないので「三杯だ!」
8.(追記)大曲で買った一口サイズ
その後秋田を旅した(2025/12/01)時、大曲駅のNewDaysで三杯もちの一口サイズを買ったので追記としてここに写真を公開する。







横手駅のNewDaysで買ったのだが、写真のようなひと口サイズが4個入りで税込840円という価格だった。
ひと口の1個が税込210円ということになり、先に秋田駅前通りで買った上の記事記載の棹状のものよりも幾分割高だ。
以上、追記。2025/12/18
(おわり)
