蕗羊羹 杉山壽山堂 秋田市 和菓子なスクチャイ251 2026.01.25
和菓子なスクチャイ251 秋田県 > 秋田市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
蕗羊羹 杉山壽山堂 秋田市



1.秋田駅ビルで「蕗羊羹」購入
先日の「雲平」の記事で出てきた杉山壽山堂は別名「元祖秋田諸越本舗」と呼ばれるほど秋田諸越の代表店のひとつだが、吾輩はそのメーカーの「蕗羊羹」というのを見つけたので買ってみた。
税込で324円と、小さいひと口サイズなのにいっちょ前(一人前)の価格だった。
それにしても諸越のメーカーなのに「雲平」を買ったり「蕗羊羹」を買ったりでなかなか主役の「諸越」を買わないという、吾輩も結構な天の邪鬼なのであった。
店員さんに訊いたが、「蕗羊羹」の「蕗」は苦味が効いた「蕗の薹(現地名:バッケ)」を使っているのではなく、成長しきったでかい蕗の茎を使っているとのことだった。
でかい蕗が入っているという時点で、その羊羹にどういう風味があるのかは想像がつかなかった。単に青臭いだけではないの? と思ったりした。
まあ案じているより食べてみればいいのだ。
2.食べた



まずは封を切って中身を見たのだが、写真のように透明感のある緑色だった。
特に香りもないし、ひと口食べても甘いだけであった。
蕗の風味は吾輩には感じられなかった。
味、というより秋田のシンボル「秋田蕗」が入っていて、爽やかな色をした羊羹ですよ〜、というアピールをしたいだけかもしれない。
3.秋田名物の「秋田蕗」
秋田音頭で「雨が降っても傘などいらぬ~」と歌われるほど大きく育つ秋田蕗は、大人の背丈ほどにもなる秋田のシンボルだ。
吾輩が実際に見たのは北海道足寄(あしょろ)のラワン蕗で、秋田蕗と種は同じだ。
足寄現地(足寄駅前)ではツルツル頭が眩しい松山千春の等身大パネルとそれより大きいラワン蕗と並んだ撮影スポットがあったことを覚えている。
秋田ではその巨大な蕗を美味しく食べるために古くから砂糖漬けや塩蔵などの加工技術が発達していた。
杉山壽山堂はこの伝統素材を、いわば洗練された和菓子へと昇華させたのだ。
4.「蕗羊羹」の特徴


蕗羊羹は美しい緑色をしており、視覚的には翡翠(ひすい)のようで非常に涼やかだ。
なめらかな白餡(白手亡豆)ベースの羊羹の中に、細かく刻んだ「蕗の砂糖漬け」が練り込まれているのだそうだ。
噛むたびに蕗特有のシャキッとした食感と山菜ならではの野趣あふれる爽やかな香りが鼻に抜ける・・・とのメーカーの言だが、吾輩にはそれは感じることは出来なかった。
ただ、一般的な小豆の濃い羊羹に比べて、蕗の風味が加わることで後味が非常にすっきりとしているような気がした。
ある意味大人の味わいかもしれない。
宝永二年(1705年)創業の杉山壽山堂が作る重みもあるかもしれない。
「秋田に来たなら秋田のものを」というおもてなしの心が、この一切れに凝縮されているようにも感じた。
秋田藩主佐竹公に仕えた御用菓子司としての誇りが、地元の素材を使うことや練りの丁寧さに現れているのかもしれない。
5.冷やして食べる
メーカーも推奨しているが、少し冷やしてから食べると羊羹の甘みが引き締まり蕗の清涼感がさらに際立つらしいが、吾輩は常温でほぼ一瞬にして食べてしまったのでこの冷蔵方式は試していない。
これから蕗羊羹を買う人はいっぺん試してみてはいかがだろうか。
(おわり)
