和菓子クリスマスケーキ 香月 山形県西置賜郡飯豊町 和菓子なスクチャイ177 2025.12.23
和菓子なスクチャイ177 山形県 > 飯豊町
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
和菓子クリスマスケーキ 香月 山形県西置賜郡飯豊町


1.香月のインスタグラム
以前記事にした、道の駅飯豊で買った「百合根入り蒸し大納言」のお菓子メーカーで、そのユニークな和菓子を調べた時にインスタグラムを見つけて何とはなくフォローしていたのだ。
ほとんど更新しない香月のインスタグラムだったが、5月以降、7か月ぶりぐらいに突然フィードに現れたのがクリスマスケーキだった。
香月は和洋菓子店なのでクリスマスケーキを作っていても珍しくないが、よく見るとあんこ入りの和菓子と書いてあって吾輩は目が釘付けになった。
見た感じ一般のクリスマスケーキと遜色ないが、これが和菓子だという。
ねりきりや和栗モンブランのクリームで覆った和菓子のケーキで、中身はこし餡とのことだ。
小麦粉も卵も使わないケーキなのだ。
2.和菓子クリスマスケーキの予約
店頭に並んでいて行けば買えるというものではなく、あらかじめ予約が必要な受注生産のようで、その記事を2025/12/22の夜に見た吾輩は、翌日開店時間の9時を待ってさっそく電話してみた。
和菓子ケーキは3種類とも直径11cmの円形がベースで、和栗モンブラン仕立ての方が税込4,000円、ねりきりは税込3,300円とのことであった。
もうひとつ、ラズベリーを練り込んだ羊羹でコーティングをした赤いケーキもありそちらも税込3,300円とのことだ。
この電話で予約したら7時間後の16時には出来上がっているとのことなので吾輩は今日中に自分で取りに行くことにしてねりきりとモンブランを注文した。
てっきり翌日の12月24日のクリスマスイヴか25日のクリスマスの日の受け取りかと思っていたのだが、朝9時過ぎに注文して7時間後の当日中には出来上がっているというのは自店製造の強みだろう。
3.受け取りに行く






ケーキを受け取りに行った時に気づいたのだが、店舗内の脇のガラス窓からペイストリー・クック(pastry cook)のいる厨房が覗けるようになっていた。
隣室の厨房で作った商品を数歩運んで店頭に並べるという新鮮極まりない理想のお菓子屋さんだ。
ケーキを受け取る時に吾輩は販売店員に断面を綺麗に切る方法を訊いたが、店員は数歩脇の厨房に顔を覗かせ、中のペイストリー・クックのひとりに声をかけてい切り方のコツを訊いてくれた。
一般の洋菓子ケーキだと生クリームとスポンジケーキなのでナイフを温めて切るなどと言われているが、吾輩が買ったのは和菓子ケーキで生クリームもスポンジケーキも使っていない。
ペイストリー・クックによると、これはあくまで上生菓子なので、ナイフを水で湿らせて切ると断面がきれい見えるように上手くいくとのことだった。
4.モンブランは和洋折衷
ちなみにモンブランだけは、その上にかけてある和栗クリームに生クリームと洋酒が使われているのでその部分だけは洋菓子だ。
モンブランにするためにそこだけは「洋」で勘弁するしかなさそうだ。
香月ではここ数年毎年販売している和菓子ケーキなのだそうだが、このモンブランだけは今年初めての試みの新商品だそうで、モンブラン好きな吾輩はインスタグラムの宣伝で気になったのだ。
それでまずはモンブランを買うことに決めていたが、本来の和菓子ケーキであるねりきりも買うことにしたのだ。
このねりきりは、正真正銘の上生菓子のでかい版で、これまた上生菓子好きの吾輩の興味を惹くところであった。
それで、4,000円のモンブランと3,300円という吾輩にしては大枚をはたいたのだ。
5.12月7日山形新聞
香月の和菓子ケーキについては12月7日付けの山形新聞に掲載されたようで、その記事の写真も香月のインスタグラムに上がっていた。
その内容によると、「あんこ好きなあなたへ」との題字で、
「白あんと求肥、水あめに加え、粘りのある佃芋(つくねいも)を用いた練り切りあんは、上品な甘さとなめらかな食感が特徴。こし餡を包んで直径11センチの土台を作り、サンタクロースやトナカイをモチーフにしたカラフルな練り切りなどで装飾した。昨年に続きラズベリーを練り込んだようかんで、土台を赤くコーティングしたバージョンも販売する。
今年は新たにモンブラン仕立てのケーキも用意。生クリームに栗のペーストを加えたクリームで土台を覆い、刻んだ栗入りのこし餡と飾り付けられた栗のシロップ煮が味わいのアクセントになっている。(山形新聞12月7日表現句読点ママ)」
なお、モンブランに使われる栗は和栗とのことだ。
吾輩は基本的に栗は和栗と決めているので、このたび香月のモンブランを買う気になったのだ。
6.食べる
6.1.ねりきりの和菓子ケーキ





正真正銘上生菓子の拡大版で、これだけ大きな上生菓子を食べられるというだけで感激だ。
果物ナイフで恐る恐る切断したが、案外うまくいった。
上に載っているデコレーションも、中に忠実にこし餡が入っているのであった。
吾輩はフォークではなく箸で食べた。その方が食べやすいからだ。
しっとりしたねりきりで箸でもたやすく切ることができ、口中さっぱりと程良い甘さでいくらでも食べられるあきらかな上等の生菓子だ。
実は吾輩自身はクリスマスや誕生日にわざわざケーキを準備して食べず、いつでもどこでも食べたいときに食べる人間だが、今回はクリスマスというタイミングでこのような珍しい和菓子ケーキを食べることができて幸運だった。
しかも、和菓子だ。
いくら食べやすいと言っても、がばがばホールをいっぺんには食べることはできない。
いや、食べようと思えば食べられるのであるが、そのあたりは上生菓子の規律に従って、自分自身も上品にふるまってしまうのだ。
ちなみに言うと一般の洋菓子ケーキだと、ホールを一人でパクパクといっぺんに全部食べたことが何度もある。
糖分と脂肪分は相当な量だと思うが、ともかく洋菓子のケーキは上生菓子と違って規制がかからないので本能の思うまま食べ続けてしまうのだ。
(あるいはもしかしたら脳内の悪魔中枢がもっと喰え!もっと喰え!とけしかけるのかもしれない)
しかしながらこの和菓子ケーキは土台が直径11㎝とやや小ぶりながら、一回に食べる分量としては一般の上生菓子の分量程度で充分満足なのである。
逆にそれ以上の大きさや数をいっぺんに食べるのは気が引ける。
結果的に、この洋菓子ケーキは何度も何度も一般の上生菓子程度の小切れを食後や食間の甘味として食べるのだった。
消費期限は製造日を含めて4日間だ。
和菓子ケーキのホール2個分を小分けにして食べるのにちょうどいい期間で、つまり4日間も楽しめるのだ。
しかも洋菓子ケーキほど糖分と脂肪分は気にしなくていいという精神衛生上も好ましい状態で食べ続けることができる。
こし餡からは不溶性食物繊維を摂取することができる。
繰り返すが、一回に食べる分量は一般的な上生菓子程度で十分満足だ。
健康上も和菓子ケーキ万歳!と言いたくなる瞬間なのだ。
6.2.モンブランの和菓子ケーキ





モンブランの和菓子ケーキは先に書いたように上に載せてあるクリーム部分がどうしても一般のモンブランのクリームと同じように生クリームや洋酒を含んだ洋風になってしまっている。
しかし、それ以外は練り切りであり、中身はこし餡であり、しかもそのこし餡の中には刻んだ和栗が入っているという上生菓子の豪華版だ。
このモンブラン和菓子ケーキを食べるときもナイフで一般的な上生菓子程度の大きさに切ってからいただく。
これで充分だし、一般の上生菓子同様、ゆっくりと少量ずつ味わうわけだ。
モンブランが大好きな吾輩にとっては、上に載っている和栗クリームがまぎれもないモンブランという点も大いに歓迎で、下部の和菓子ケーキを食べつつ、上部の和栗クリームをペロペロと舐めるというまさに洋の良さと和の良さを二重取りしたような気分になるのであった。
ねりきりよりもモンブランが高いわけはその素材によるところが大きいと思われるが、食べる方にしてみれば洋の良さと和の良さをいっぺんに味わえるという極楽浄土的な気分を味わえる点でその価格差はしごく妥当だと納得するのであった。
考えてみてもわかるが、上生菓子を食べながらケーキなどの洋菓子を同時に食べるなんて普通は考えられないし、ありえないだろう。
しかし、その「夢」を実現できるのが、香月の「モンブラン和菓子クリスマスケーキ」だ。
まさに吾輩にとっては「夢」がかなえられたクリスマスの出来事なのだ。
これまでクリスマスなど一切無視していた人生だったが、生まれて初めて素晴らしいクリスマスを迎えられたような気がしたのだった。
7.香月「和菓子クリスマスケーキ」の特徴
香月は地元の飯豊町や置賜地方では非常に有名で、毎年この時期になると「和菓子屋さんが作る本気のクリスマスケーキ」として話題になる。
香月のクリスマスケーキは、一般的なスポンジと生クリームのケーキではなく和菓子の伝統技法を駆使して作られた「巨大な上生菓子」のような作りになっている。
素材は主に「練り切り(ねりきり)」と「餡」で、まるで工芸菓子のような美しさで食べるのがもったいないほどの完成度だ。
8.なぜ人気があるのか?
生クリームやバターを使っていないため、脂っこいものが苦手な人や普段から健康を意識している人でも最後まで美味しく食べられる。
洋菓子が主流のクリスマスにおいて食卓に和菓子のホールケーキが並ぶインパクトは非常に大きく、ソーシャルメディア映えはもちろん、唯一無二の存在感で家族や友人との会話も弾むだろう。
9.職人技の結晶
店主がひとつひとつ手作りしているため大量生産ができない。
そのため完全予約制で販売され、地元のファンにとっては冬の特別な楽しみとなっている。
10.香月菓子店
香月(こうげつ)菓子店については以前の「百合根入り蒸し大納言」の記事も参照して欲しいが、お店は飯豊町の椿地区(大正橋の近く)にあり、地域の人々に長く愛されている老舗だ。
クリスマス以外でも誕生日の「和菓子バースデーケーキ」や、季節の練り切り、地元産の素材を使ったお菓子などが人気だ。
「和菓子のホールケーキ」自体はクリスマス以外でも誕生日用として相談に乗ってくれるお店だ。
もし今年のクリスマスに間に合わなくても、他のお祝い事で検討してみるのもいいかもしれない。
11.全国の和菓子ケーキ
果たして全国でこのような和菓子ケーキが他にあるのかどうかを当日店員さんに訊いてみたところ、当の店員さんは他に知らないと言っていた。
そこで、あくまでインターネット上での情報だが吾輩が少し調べてみると、和菓子の技法(練り切り、羊羹、きんとんなど)を駆使した「和菓子クリスマスケーキ」を製造販売する店舗は以下のように日本各地にあるころがわかった。
洋菓子のような生クリームやスポンジの代わりに、あんこや餅、寒天などを使ってクリスマスを表現したお菓子は、甘さ控えめで見た目も芸術的なため近年非常に人気が高まっているようだ。
代表的なお店や購入できる場所を以下に書くが、あくまでインターネットから抽出した情報で吾輩自身が直接店舗に確認したわけではないので、もし実際に買う場合は直接店舗に確認することを勧める。
11.1.鶴屋吉信(京都・本店ほか全国の百貨店)
京都の老舗だが、季節の行事を大切にしており、クリスマス時期には練り切りで作ったリースやツリーをあしらった特別な和菓子を販売する。
ケーキの形をした大きな「きんとん」や、クリスマスモチーフの上生菓子セットがある。
11.2.亀屋良長(京都)
伝統を守りつつ、バレンタインやクリスマスに革新的な和菓子を出すことで知られている。
クリスマス限定の「スライスようかん」や和風のデコレーションを施した創作菓子が登場することがある。
11.3.船橋屋(東京・亀戸)
くず餅で有名な老舗だが、クリスマス限定の「くず餅プリンのクリスマスデコレーション」や、あんみつをリースに見立てたものなどを展開することがある。
11.4.出雲 お菓子処 坂根屋(島根)
「和菓子屋が作るクリスマスケーキ」として、あんこのフラワーデコレーションを施したケーキなどをオンラインでも積極的に販売している。
全て和菓子の素材(あんこ、求肥、羊羹)で作られた本格的なケーキ風和菓子である。
11.5.宗家 源吉兆庵 クリスマス上生菓子
サンタやトナカイの形の練り切り
個包装で配りやすく見た目が非常に可愛い。
和菓子創作ケーキ詰め合わせ
小さな和菓子をホールケーキ状に並べたもので切り分けの手間がなく、色々な味が楽しめる。
あんフラワー クリスマスケーキ
白あんを絞って花やツリーを作ったケーキで、見た目は洋風のデコレーションケーキだが味は本格和菓子。
(おわり)
