Fly Me to The Moon チョコ羊羹ファンタジア 長門屋 福島県会津若松市 和菓子なスクチャイ291 2026.04.26
和菓子なスクチャイ291 福島県 > 会津若松市
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
Fly Me to The Moon チョコ羊羹ファンタジア 長門屋 福島県会津若松市

(会津長門屋)

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<序>
「香木実(かぐのきのみ)」を購入した会津若松の長門屋の店内で吾輩は、目的の「香木実」を目にする手前で大きな液晶ディスプレイに映されたそれはそれは幻想的な断面のゼリーのようなお菓子の動画に惹きつけられた。
なんじゃこれは!?
ディスプレイの下には2種類のそのお菓子の箱が山積みになっていて、価格は税込3,500円と良い値段である。
「香木実」は一番奥のキャッシャーのところにあるショウカウンターに並んでいたので、まさにその場でその支払いをしようとしていたところだ。
店内に他の客がいなかったことが幸いで、店員のおねえさんにあの神秘的な断面のゼリー状のお菓子についてに訊いてみたのだ。
おねえさんのフットワークは軽く、ヒラリとカウンター外に出て来て吾輩を促し、液晶ディスプレイのところで動画を見ながら説明してくれた。
おねえさんはとても親切で優しかった。
ま、商売やから当然やけどね。(≧∇≦)
優しい営業おねえさんの話によると、このファンタジアというゼリーの固まりみたいなお菓子は要は羊羹の一種で、国産の果物やチョコレートを使ったゼリーで断面の模様を描いていて、しかも金太郎飴のようにどこを切っても同じ断面ではなく、5-7等分に切るとその断面があたかもパラパラ漫画のような動きを見せるとのことだった。
その透明なゼリーの部分は背後からの光を通して、夕焼け空のような明かりの中に飛ぶ鳥と月が実に幻想的に浮かぶのだ。
鳥は羽ばたき、月は満ち欠けをする。
いやはやそのまま飾っておきたい芸術品さながらのお菓子だ。
その姿に血迷った吾輩は、いや、魅せられた吾輩は、その羊羹を買うことに決定した。
ええい! ゲージュツに3,500円払おうではないか!
・・・
2種類あって、吾輩はしばし迷ったが、結局涼しい時期しか作らないというチョコレート主体の方を選んだ。
チョコレートが入っているので、高温になる季節は溶ける恐れがあるので作らないとのことだ。
おねえさんは「こちらはもうすぐ無くなるのです・・・」と言った。
吾輩も今しか手に入らないとか限定とかに弱い、単細胞の小市民だ。
本当は最初からあんこが基調の方が美味しそうに思えていたのだったが、今回はおねえさんの提案でチョコレートの方を買うことにした。
あんこの方は年中作っているとのことだ。
ちなみにあんこの方もお値段が同じで、断面のデザインも基本的には同じだ。
・・・
さらにその後、おねえさんと別のコーナーに移動した吾輩はXXXXXも買った。
XXXXXは今は秘密だが、それも和菓子なので後日紹介するつもりだ。
・・・
・・・と、言うことで、この日、吾輩は結構散財してしまったのだった。
ま、それだけの価値があるもんやからええんやけどね。(≧∇≦)
1.「Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア」

(会津長門屋)

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羊羹としては非常に高価な一品だ。
しかし、それだけの価値がある「動く芸術」とも言えるお菓子だ。
この羊羹が誕生した背景には、老舗の伝統を未来へ繋ごうとする熱いドラマと、驚くべき緻密な仕掛けがあったのだ。
1.1.開発の背景:老舗の「起死回生」の一手
震災後の挑戦: 東日本大震災後、福島県全体が風評被害に苦しむ中、長門屋の6代目女将とその家族は「和菓子に馴染みのない若い世代や世界中の人に、会津の技術を知ってほしい」と決意した。
「羊羹は地味でどこを切っても同じ」という常識を打ち破り羊羹の概念を覆す、切るたびに景色が変わるという「絵画のような羊羹」という前代未聞のコンセプトが生まれた。
1.2.「月と鳥」が動く魔法の仕掛け
5〜7等分に切り進む中で景色が変化するのは、職人が「層ごとに少しずつ異なるパーツ」を積み重ねているからだ。
1.3.月の満ち欠け
羊羹の中に埋め込まれた三日月形のゼリー(錦玉羹)が、切り進むごとに少しずつ形を変え、最後には満月になる。
また、切る順番によっては満月が次第に欠けていく風情を表す。
1.4.鳥の羽ばたき
三日月の上を飛ぶ青い鳥も切る場所によって羽の角度が微妙に変わり、まるでパラパラ漫画のように鳥が月に向かって羽ばたいていく様子を表現している。
1.5.背景の移ろい
背景の山並みも、よく見ると夕焼けから夜へと色が深まっていくようなグラデーションが施されているような気がする。
1.6.味の多重奏(和と洋の融合)
ここが肝心なのだが、絵画やアイディアだけで評判を得ようとしているのではなく、味の組み合わせと変化がとても良いのであった。
この美味しさならデザインはともかく3,500円が納得なのだった。
見た目だけでなく「とても美味しい今風の羊羹」と感じられたのは、計算された多層的な味わいによるものだ。
1.7.和洋折衷の素材
あんこの方は上層下層が会津の伝統的な「小豆羊羹」だそうだが、こちらは吾輩は今回は買っていないので味はまだわからない。ちなみにあんこの中にはクランベリー、国産の鬼くるみ、レーズンが散りばめられているのだそうだ。
吾輩が買ったチョコレートの方は、上層がイチゴチョコ羊羹だ。
そういえば子供の時に食べたアポロチョコレートの上の部分が甘酸っぱいいちごチョコの味だった。それを思い出す味だった。
そして、そのイチゴチョコ部分にアクセントとしていちごとりんごの小さい果肉が散りばめられている。
そして中層(透明部分)はシャンパンのような風味の「錦玉羹(きんぎょくかん)」だ。
下部のチョコレートが強い小豆部分と、中央のフルーツやシャンパン風味が強い部分で味わいがガラリと変わるため、一切れの中で少しずつ味の変化を確かめながら食べると楽しいのだ。
1.8.ペアリングの広がり
伝統的な羊羹は日本茶が定番だが、このファンタジアは「紅茶」や「ワイン」、「ウィスキー」との相性が非常に良く設計されているとのことだ。
1.9.名前の由来と世界的な評価
商品名の「Fly Me to The Moon」は、有名なジャズのスタンダードナンバーから取られている。
「私を月まで連れていって」というロマンチックな願いが、和菓子という枠を超えて世界に伝わるようにと名付けられた。
この羊羹の圧倒的な美しさは世界でも認められ、国際的なデザイン賞である「グッドデザイン賞」なども受賞している。
2.切り方

(会津長門屋)

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(会津長門屋)
長門屋の店員の優しいおねえさんが教えてくれたのだが、断面の美しさを損なわずに鳥や月の輪郭をくっきりと出すために切るポイントは、「刃の温度」と「刃の動かし方」にあるとのことだった。
2.1.冷やす
この羊羹には、シャンパン風味のゼリー(錦玉羹)とチョコレートと小豆、そしてリンゴといちごのドライフルーツが複雑に組み込まれているため、常温だとゼリー部分が柔らかく、切る際に刃に吸い付いて断面が乱れやすくなるのだそうだ。
冷蔵庫でしっかりと冷やして全体を固めることで、チョコレート羊羹とゼリーの境界線が崩れず、鳥の羽などの細かい部分までシャープに切り出すことができるとのことで、吾輩もそうした。
2.2.刃は温める
さらに、プロの和菓子職人も実践する方法だが、冷やした羊羹に対して包丁だけを40度前後のお湯で温め、水分を拭き取ってから刃を入れる。
刃先のわずかな熱が、羊羹の表面(特にゼリー部分)を微細に溶かしながら進むため、吸い付くような抵抗がなくなり、滑らかな断面になる。
2.3.切る
切り方は 「一方向に引き切る」のが鉄則だ。
パンを切る時のように前後に細かく動かすのは厳禁だ。
刃の根元から先までを大きく使い、「手前にスッと一度で引き切る」のが最も綺麗に切るコツなのだ。
一度切るごとに、包丁に付いた餡やゼリーを濡れ布巾で拭き取ると、次の断面に余計な色が混ざらない。
2.4.1cmの厚みで切るのも一考
おねえさんは最初「5〜7等分」が無難と言ったが、あえて「1cm程度の厚さ」に切ってみるのも面白いのだそうだ。
ゼリー部分の透明感が際立ち、光にかざした時にステンドグラスのような美しさをより強く感じることができるらしい。
2.5.切り分ける「方向」
この羊羹は「月が満ちていく」物語があるため、左側から切るか、右側から切るかで、最初に現れる景色が変わる。
物語を最初(三日月)から順に楽しみたい場合は、パッケージの説明に従って、鳥が月に向かっていく方向から切り進めてみると良いらしい。
吾輩の場合、切って気付いてみたらどうも月が欠けていく方向になってしまったが、これも並べる順番を反対にしたら欠けた月が満月になっていくことになるので、切ってしまった後でも並べ方で変えられるので大騒ぎすることはないのだ。
ただ、右左の差はある。
吾輩の場合は左が月だが、裏から見たら右が月になる。
一応裏表の両方の撮影をしておけばよかったのだが、吾輩は左が月だけの撮影しかしていなくて、あまりにもおいしいものだから、3,500円也をすっかり食べてしまってもう影も形もないのである。
写真よりも喰い気というわけだった。(≧∇≦)
(おわり)
