季子ごよみ(秋・栗)三英堂 島根松江 和菓子なスクチャイ104 2025.09.09
和菓子なスクチャイ104 島根 > 松江
※くまの身長は7.5cm。大きさの参考に。
季子ごよみ(秋・栗)三英堂 島根松江



1.三英堂の「季子ごよみ(秋・栗)」
松江の老舗和菓子店「三英堂」が製造する「季子ごよみ(きこごよみ)」は日本の美しい四季をテーマにした季節限定の和菓子シリーズで、2025/09/16現在栗を使った「秋」が販売中だ。
2. 「季子ごよみ(秋・栗)」の特徴



2.1.外観
淡い茶色や黄土色をしたふわふわの生地に赤や緑色の琥珀糖と刻んだ栗がちりばめられている。
それはまるで紅葉の時期の野山や秋の落ち葉が舞う道を思わせる風情のある見た目だ。
2.2.食感
「季子ごよみ」シリーズ全体に言えることだが、見た目からは想像できないマシュマロのようにふわふわとした淡雪生地が特徴なのだ。
見た目は落雁なので吾輩も最初はカリッとかじる印象を持った。
しかしながら口に入れるとふわふわし、ほろほろと溶けるような柔らかい食感と琥珀糖のシャリシャリとした歯ごたえが同時に楽しめるのだった。
なお琥珀糖とは寒天質を乾燥させた透明感のある干菓子の一種でいろいろな色をつけている場合が多い。
2.3.味と風味
香ばしさを出すために麦粉を生地に加えているようで、確かに素朴で香ばしい風味が口の中に広がった。
また、ちりばめられた栗の優しい甘さや琥珀の存在とそのほんのりとした甘さが全体の味を引き立てているのであった。
甘さを主張するようなお菓子ではなく甘さはほんのり程度の控えめで上品な味わいだ。
なお、ついていた葉っぱ形の薄い干菓子2枚は子供の頃に近所に来ていて夢中になった「型抜き」を思い出す薄さと形と色だったので味もそれを予想していた。
吾輩は型抜き以前に型抜きの味自体が好きだったのだ。
しかしながらこの葉っぱは「型抜き」とは大違いで、本体と同じ原材料の柔らかなメレンゲ生地を圧縮したようなものであった。
2.4.形状と用途
小さなサイコロ状にカットされており、一口サイズで食べやすく、お茶請けに最適に感じた。
日本画のように綺麗でかわいらしい見た目と持ちやすい箱の大きさ、そして上下表裏を気にせずに持ち運べることから、ちょっとした手土産としても人気があるようだ。
2.5.販売期間
「季子ごよみ(秋・栗)」については毎年9月から11月末までの期間限定商品だ。
3.「季子ごよみ」シリーズ
今回紹介した「秋(栗)」以外には、この他に「春(桜葉)」「夏(生姜)」「冬(柚子)」があり、それぞれ異なる味と見た目で四季の移り変わりを表現している。
「季子ごよみ」の四季シリーズは、松江の豊かな自然や風情を感じさせる目にも舌にも美味しい季節の和菓子と言えるだろう。
4.購入
島根県アンテナショップ(日比谷しまね館)にて税込918円で購入。
5.(参考)松江の老舗和菓子店「三英堂」
5.1.三英堂の主要銘菓
参考情報だが、松江の老舗和菓子店「三英堂」の主要な銘菓は以下の通りだ。
・菜種の里(なたねのさと)
・山川(やまかわ)
・季子ごよみ(きこごよみ)
春:桜葉
夏:生姜
秋:栗(ここで紹介)
冬:柚子
・朝汐(あさしお)
松江を代表する饅頭で吾輩の和菓子シリーズでは未出だ。
そのうち紹介するつもりだ。
上記の和菓子はいずれも松江の茶の湯文化と深く結びついておりお抹茶のお供としても親しまれている。
5.2.三英堂の歴史
松江の和菓子店「三英堂」は昭和4年(1929年)に創業した100年近い歴史を持つ老舗だ。
初代の創業者は松江の和菓子界で「風流堂」と並ぶ老舗で修行を積み、その技術を基に独立して三英堂を創業した。
5.3.不昧公の精神を引き継ぐ
松江が「御茶処」「菓子処」として栄えた背景には、大名茶人松平治郷(不昧公)の存在がある。不昧公は形式やしきたりにとらわれない自由な茶の湯を提唱した。
三英堂もこの精神を受け継ぎ伝統を守りながらも独自の創意工夫を凝らした和菓子作りを目指しているのだ。
5.4.三英堂の商品
三英堂は不昧公が好んだとされる「菜種の里」や「山川」も製造販売している。
これらの和菓子は松江の茶の湯文化を今に伝える三英堂の看板商品となっている。
なお「山川」については三英堂だけでなく風流堂と彩雲堂も製造販売しており、特に「山川」については最初に復刻した風流堂が他の菓子店にその製造方法を伝えたとされている。
その「山川」のように、松江ではお菓子の製造方法を特定の菓子店が占有することなく他の菓子店にも伝えることが昔から行われており、他には「若草」も同様で、彩雲堂、風流堂、三英堂がそれぞれ独自のこだわりをもって製造販売している。
5.5.比較的新しい三英堂
このように三英堂は松江の老舗の中では比較的新しい部類に属すが、伝統的な技術と革新的な精神を兼ね備えた和菓子店として松江の和菓子文化の一翼を担っている。
(おわり)
