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えっ、それでお金になるの?──マネタリーベースの不思議な世界|やさしい“お金の話”6

第6回|お金が生まれる“一滴目”

前回は、
政府の「使います」という合図が、
社会にお金を流し出すスタートになる
という話をしました。

その合図のスイッチとなるのが、国債
では、ここからどうやって
“本物のお金”が生まれるのでしょう?


舞台は「日本銀行」

ここで登場するのが、
「日本銀行(にっぽんぎんこう、以下、日銀)」
です。

ふつうに暮らしていると
あまり馴染みがないかもしれませんが、
この日銀、じつはすごい存在なんです。

なぜなら、日銀には
「お金を生み出す力」があるからです。
銀行の銀行でもあり、
日本円の“発行元”でもあります。


日銀当座預金というエネルギー

市中銀行(=民間の銀行)はそれぞれ、
日銀に「当座預金(とうざよきん)」
という特別な口座を持っています。

これは、
銀行専用の“中央のお財布”のようなもので、
ふつうの人が使う預金とはまったく別のものです。

そして――
日銀はこの当座預金に、
“お金のエネルギー”を注ぎ込んでおきます。

といっても、どこかから
お金を運んでくるわけではありません。
金庫から札束を移すようなものでもありません。

ただ、記録するだけ。
「○○銀行の当座預金に、100億円つくります。」と。

その数字が書き込まれた瞬間、
それまでどこにも存在していなかったお金が、
“ある”ものとして、この世に立ち上がります。

お金の世界では、これを「マネタリーベースの供給」と呼びます。
それはまるで、何もなかった場所に、そっと光がともるような瞬間です。

ただし――この日銀当座預金は、“そのまま”では私たちが使えるお金ではありません。

あくまで、経済に出ていく前の“原始のエネルギー”のようなもの。
この力が、どこに、どう流れ込むかによって、はじめて「使えるお金」として社会に現れます。


お金の一滴が生まれるとき

そして――
この「原始のエネルギー」みたいなお金が、
実際に社会で使えるお金に変わるきっかけになるのが、国債です。

政府が国債を出して、
それを市中銀行が日銀当座預金で買うと、
そのぶんのお金が政府の口座に移されます。

すると、今まで“原始のエネルギー”だったお金が、
人やモノを動かすための、ほんとうのお金として使えるようになります。

給料や公共事業、補助金など、
わたしたちの暮らしにつながるお金は、
こうして「エネルギー」から「お金の一滴目」へと姿を変えて、社会に流れていくのです。


政府の「使います」の合図のあと、
→日銀が民間の銀行の当座預金にエネルギーを注入する
→民間の銀行が当座預金を使って国債を買う
→ 政府の口座にお金が入り
→ 社会にお金の“一滴目”が流れ出す

この流れの中で、わたしたちの暮らしにつながる“最初のお金”が生まれるのです。

(※実際の国債の購入や支出にはさまざまなケースやステップがありますが、ここでは「マネタリーベースの供給」という構造をわかりやすく伝えるために、代表的な流れを簡略化しています。)


「記録」だけど、たしかにお金

ここで動くお金は、
現金の札束ではなく、すべて数字上の記録です。

でも、記録とはいえ、
この数字があるからこそ、
給料が支払われ、買い物ができ、
社会が回っていきます。

「えっ、それって本当にお金なの?」
と思うかもしれませんが、
今の時代、ほとんどのお金は
数字としての存在なんです。


わからなくても、だいじょうぶ

「結局、誰が何をどうしてるの?」
と感じた方――
その感覚、大正解です。

正直に言うと、
わたし自身もまだまだ勉強中です。
この仕組みをここまで説明できたのは、
ChatGPTにたくさん助けてもらいながら、
少しずつ理解を深めてきたからです。

だから今は、
「なんとなく、そういう仕組みなんだな」
くらいで十分です。
細かい仕組みやルールが全部わからなくても、
ぜんぜん問題ありません。

大事なのは、

お金は“政府の支出”をきっかけに生まれてくる。

そのために、
「国債」「日銀」「当座預金」という
ちょっと珍しい道具たちが活躍してるんだな、
ということだけ覚えてもらえたら、
それで十分なんです。


でも、ここでふと思いませんか?

「国債って、結局“借金”じゃないの?
それって、ちゃんと返さなきゃダメなんじゃ…?」

次回は、その“借金のゆくえ”について
ゆっくり考えていきましょう。

※今回のシリーズでは、政府支出を出発点とする「お金の流れ」にしぼってお話しています。
実際には、銀行が貸し出しを通じてお金を生み出す「信用創造」という仕組みもありますが、そちらは別の機会に紹介できればと考えています。
まずは「政府→日銀→社会」への流れを、やさしく整理していくことを目的にしています。


📚 このシリーズでは、「お金の仕組み」をできるだけわかりやすく伝えています。
最初から読みたい方は、マガジンの一覧からどうぞ。


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