【再現レシピ】おうちでバスク気分!サン・セバスチャンに行けない人のための「絶品ピンチョス四選」
はじめに
前回の記事「【美食の街】パリからすぐ。何度でも通いたい、サン・セバスチャンで溺れるバル巡りの旅」では、50以上のたくさんの「スキ」をいただき本当にありがとうございます。
世界一の美食の街、サン・セバスチャンのバル巡り。あのカウンターにずらりと並ぶピンチョス、是非行ってみたいという方も多いのではないでしょうか。
「行ってみたいけれど、すぐにはスペインに行けない!」 「あのバスクのバル空間を、自宅でも味わいたい!」
そんな読者の皆さんのために、今回は私がパリの老舗百貨店ル・ボン・マルシェの食品館にかつて存在したタパス・バーで出会い、その美味しさに感動して自宅で何度も再現している「究極のピンチョス(タパス)4選」のレシピを公開します。
どれも素材を組み合わせるだけで「本場のバル」の味が完成します。日本でも手に入りやすい「あのスパークリングワイン」を用意して、おうちでバスク旅行気分を味わってみませんか?
おうちバルを格上げする名脇役:スペインの泡「カヴァ」
本場バスクでは微発泡白ワイン「チャコリ」が定番ですが、日本で探すのはちょっと大変ですよね。 そこで、おうちバルを最高に引き立ててくれるのが、スペインの伝統的なスパークリングワイン「カヴァ(Cava)」です。
特におすすめなのが、日本でもスーパーなどで手軽に見つけられる「フレシネ・コルドン・ネグロ」。あのスタイリッシュな黒いボトルの泡です。 キリッとした爽やかな辛口の泡が、生ハムの上質な脂やシーフードの旨味を極上に引き立て、一口ごとに口の中をリフレッシュしてくれます。これを冷やしておけば、準備は万端です!

1.マトリモニオ(アンチョビとカタクチイワシの酢漬けのトースト)
スペイン語で「結婚」を意味する伝統のピンチョス。塩気のある茶色いアンチョビと、酸味のある白いイワシの酢漬けが口の中で出会うことで「最高の夫婦(相性)」になります。

【材料(4枚分)】
バゲット:スライス4枚
アンチョビ(カタクチイワシの油漬け):4枚
ボケロン(カタクチイワシの酢漬け):4枚(※輸入食材店などで手に入ります)
完熟トマト:1/2個(すりおろす、あるいは細かく刻む)
ニンニク:1/2片、あるいはチューブ入りのおろしニンニク
エキストラバージンオリーブオイル:適量
【作り方】
パンを焼く: バゲットをカリッと焼き、生のニンニクの断面を表面に軽くこすりつけて香りを移します。
トマトを塗る: すりおろしたトマトにオリーブオイル少々を混ぜ、パンの表面に薄く塗ります。
「結婚」させる: アンチョビ1枚とボケロン1枚を、美しく並べて(または少し交差させて)のせます。
仕上げ: 上から美味しいオリーブオイルをたらりと回しかければ完成!
2.アーティチョークとセラーノ生ハムの冷製ピンチョス
フランスの初夏の味覚「アーティチョーク」と、スペイン名物「ハモン・セラーノ」を組み合わせた、パリのボン・マルシェらしい小粋な一品。アーティチョークのほろ苦さと、生ハムの脂の甘みが溶け合います。

【材料(4本分)】
バゲット:スライス4枚
ニンニク:1/2片、あるいはチューブ入りのおろしニンニク
アーティチョーク(オイル漬け、または水煮の瓶詰・缶詰):4個(芯の部分)
ハモン・セラーノ(生ハム):4枚
エキストラバージンオリーブオイル、黒コショウ:各少々
ピンチョス用のピック(または竹串):4本
【作り方】
下準備: アーティチョークは水分を軽く切ります。生ハムはふんわりとリボン状に丸めておきます。
パンを焼く: バゲットをカリッと焼き、生のニンニクの断面を表面に軽くこすりつけて香りを移します。
串に刺す: ピックに「アーティチョーク」→「丸めた生ハム」の順にまっすぐ刺して固定します。
仕上げ: お皿に並べ、上からオリーブオイルを回しかけ、黒コショウをパラパラと振って完成です。
3. アスパラガス、イベリコ生ハム、そしてマスタードソース
みずみずしいアスパラガスと、極上のイベリコ豚の生ハムを贅沢に組み合わせたピンチョス。ピリッと酸味の効いた特製マスタードソースが、全体をディープで洗練された味に引き締めます。

【材料(4本分)】
バゲット:スライス4枚
アスパラガス(グリーンまたはホワイト):4本(瓶詰のホワイトアスパラでもOK)
ハモン・イベリコ(イベリコ生ハム):4枚
<特製マスタードソース>
ディジョンマスタード、マヨネーズ:各大さじ1
オリーブオイル:小さじ1、レモン汁:小さじ1/2、ハチミツ:2〜3滴、塩・コショウ:少々
【作り方】
アスパラの準備: 生のアスパラは硬めに茹でるか香ばしく焼き、冷まして5〜6cmにカットします(瓶詰なら水気を拭き取ってカット)。
ソースを作る: マスタードソースの材料をすべてボウルに入れ、なめらかになるまで混ぜます。
パンを焼く: バゲットをカリッと焼き、特製マスタードソースを断面に塗ります。
組み立て: バゲットの上に生ハムとアスパラを重ねて載せ、ピックに刺した生ハムで固定します。
4.エビを添えたロシア風サラダ
スペインのバルを訪れて、これを頼まない人はいないほどの超定番。日本のポテサラに少し似ていますが、ツナの旨味が効いているのが特徴です。そこに贅沢にエビ(Gamba)をのせるのがボン・マルシェ流。

【材料(4本分)】
エビ(大きめのむきエビなど):4尾(白ワイン大さじ1を加えたお湯でさっと茹でて冷ます)
ジャガイモ(大1個):皮をむき、茹でやすい大きさに切る
固ゆで卵(1個):黄身の部分は、細かく刻む。白身の部分はおろし金ですりおろす(ラぺする)。
ツナ缶(1缶):しっかり油を切る
マヨネーズ(大さじ3〜4)、塩、白コショウ:少々
スライスしたバゲット:4枚
【作り方】
サラダを作る: 茹で上がったジャガイモをボウルに入れ、熱いうちにフォークなどでざっくりと粗めに潰します(少しゴロゴロ感が残るくらいがベスト!)。
具材を合わせる: 潰したジャガイモの粗熱が取れたら、ゆで卵(黄身)、油を切ってほぐしたツナを入れます。
仕上げ・組み立て: マヨネーズを加え、全体がぽってりとなめらかに一体化するまで和え、塩・コショウで味を調えて冷蔵庫で冷やします。
エビをのせる: カリッと焼いたバゲットの上に、冷えたサラダをこんもりとのせ、その上に茹でたエビをのせて、すりおろしたたまごの白身をかければ完成です。
おわりに:レシピに縛られず、あなただけのおうちバルを
今回ご紹介した4つのピンチョスは、どれも酸味、塩気、旨味のバランスが計算された、ワインが止まらなくなるラインナップです。
でも、一番大切なのはレシピをきっちりと守ることよりも、自分のお好みに応じて自由にアレンジすること!

「ロシア風サラダのジャガイモをあえてざっくり潰して、エビのプリプリ感を主役にしてみよう」 「カヴァの代わりに、キリッと冷えたビールに合わせてみようかな」
そんな風に、その日の気分や手に入った食材に合わせて、あなただけの「最高の一皿」を作ってみてください。それこそが、サン・セバスチャンの料理人たちが大切にしている「自由でオープンな美食の精神」そのものです。
お気に入りの器にピンチョスを並べ、冷えたフレシネのグラスをパチパチと弾けさせれば、そこはもうあなただけの特別なバル。
今度の週末は、ぜひおうちで心地よい美食の風を感じてみては如何ですか。
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