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空席の王 ──奴隷だった俺が最強の仲間を召喚して世界を支配するまで㉔

第二十四章

“王座覚醒”

レインの指先が。

最後の席へ、
触れた。

瞬間。

世界が、
止まった。

──ドクン

鼓動。

それだけが響く。

風も。

悲鳴も。

戦場の轟音すら消えた。

まるで。

世界そのものが、
“王”を見ている。

黒き玉座が、
ゆっくり脈動する。

──ゴゴゴゴゴ……

空席達が光る。

紫。

黒。

深淵。

その全てが、
レインへ流れ込んでいく。

「がっ……!!」

激痛。

頭が割れる。

脳が焼ける。

視界が紫へ染まる。

そして。

記憶が、
完全に開いた。

──崩壊した世界。

──燃える空。

──砕ける星。

──死んでいく神々。

その中央。

黒き玉座へ座る、
“王”。

孤独の王。

そして。

その王は。

レイン自身だった。

「……ぁ」

息が止まる。

全部。

見えてしまった。

自分が何者なのか。

なぜ空席が存在するのか。

なぜ仲間達が、
自分へ忠誠を誓うのか。

その全て。

空席。

それは。

“最後まで王の隣に残った者達”。

滅びゆく世界で。

壊れた王を、
最後まで支え続けた怪物達。

ゼルヴァ。

フェルグラード。

ノクス。

エルシア。

皆。

王と共に、
世界の終わりを見た。

だから。

空席へ座る資格を持つ。

だが。

最後の席だけは違った。

誰も座れなかった。

なぜなら。

そこは。

“王自身の席”だった。

レインの瞳が、
大きく揺れる。

その時。

終末の瞳が、
激しく震えた。

──ギャァァァァァァ!!!!

初めて。

“恐怖”を見せる。

無数の白い“手”が、
狂ったように暴れ始める。

世界が崩れる。

空が落ちる。

終末が加速する。

だが。

もう遅かった。

レインの背後。

黒き玉座が、
完全覚醒する。

──ゴォォォォォォ!!!!

空間爆裂。

紫雷が世界を走る。

兵士達が吹き飛ぶ。

神聖院船団が崩壊する。

それでも。

レインだけは、
静かだった。

ゆっくり。

最後の席へ座る。

瞬間。

空席達が、
一斉に跪いた。

フェルグラード。

ゼルヴァ。

ノクス。

エルシア。

ルミアまでもが。

身体が勝手に、
膝を折っていた。

絶対王権。

魂そのものが、
“王”へ従っている。

ルミアが震える。

「……レイン」

だが。

返事はない。

王座へ座ったレインは、
静かに空を見上げていた。

紫の瞳。

以前とは違う。

もっと深い。

もっと冷たい。

そして。

どこか、
酷く悲しかった。

終末の瞳が叫ぶ。

《なぜ戻った》

《王よォォォォォ!!!!》


世界震動。

無数の白い“手”が、
王へ向かって殺到する。

だが。

レインは動かない。

ただ。

静かに右手を上げた。

──ピタッ

その瞬間。

全ての白い“手”が停止した。

空中で。

完全に。

終末の瞳が、
初めて絶望する。

《ありえない》

《空席の王は終わったはずだ!!》


レインは、
静かに口を開く。

その声は。

以前の少年の声ではなかった。

もっと深い。

もっと重い。

まるで。

“世界そのもの”が喋っているみたいだった。

「……終わってない」


紫雷。

空間崩壊。

黒き王権。

完全解放。

レインは、
ゆっくり立ち上がる。

玉座の背後。

無数の空席達が、
一斉に光を放った。

そして。

王は。

終末を見上げながら、
静かに告げる。

「今度こそ」

「お前達を終わらせる」

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