〜第42夜〜呼び鈴の鳴る夜
はじめに──
いやぁねぇ……
9月も終わりに近づいてくると、
空気がね……急に“乾く”っていうか、夜の風が妙に静かになるんですよ……。
そんな季節の夜ってね……
“呼ばれてもないのに来るもの”があるんですよ……えぇ。
今夜の話は──
まさに、“呼んでないのに来た誰か”の話なんです……。
これはね、僕の知り合いの独身男性が体験した話なんですよ……。
9月の末、雨上がりの肌寒い夜。
彼はその日、残業で帰宅が遅くなって、
マンションの自室に戻ってきたのが夜10時すぎだったそうでしてね。
シャワーを浴びて、晩酌しながらテレビをぼーっと見てたんですって。
すると──
「ピンポーン……」
……呼び鈴が鳴った。
こんな時間に、誰?って思って、
モニター付きのインターホンを確認したけど──
画面は真っ暗。
映像が壊れたのかと思って、「はい」と返事をしてみるも、応答はなし。
まぁ、酔っ払いのイタズラかな……と思ってたそうですが、
そこからが……妙なんです。
10分後──
「ピンポーン……」
また鳴る。
でも、画面にはやっぱり、何も映らない。
その後、間隔を空けて何度も鳴る。
0時近くまでに、7回。
全部……“姿なき訪問者”。
さすがに気味が悪くなって、チェーンロックをかけたままドアを開けてみたんですって。
──いない。
でもね、足元に……
“濡れた足跡”がひとつ、玄関マットの上に、ポタ……ポタ……
えぇ……
外は雨、止んでましたよ。
マンションの共用廊下に濡れる場所なんて、ないんです。
なのに、誰かがそこに立ってた形跡が……
残ってたんですよ……。
次の日の朝。
郵便ポストに、何か紙が入っていた。
差出人なし。手書きの文字。
それには、ただ一言──
「……きこえた、んだね……」
いやだなぁ……いやだなぁ……
“呼んだ覚えがなくても”……向こうが気づいてしまうこと、あるんですよねぇ……。
🕯あとがき
誰も来ないはずの時間。
鳴るはずのない呼び鈴。
もし、それが“何かの合図”だったとしたら……
気づいてしまったその瞬間から、もうあなたの世界には“居る”のかもしれません。
🔐裏夜話のご案内
でもね……
本当の怖さは、その“あと”なんですよ。
その男が“ある行動”をしたせいで……
“あちら側”との繋がりが、切れなくなってしまったっていうんです……。
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呼び鈴の、その先へ──
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👁🗨 裏夜話
呼び鈴の、その先へ
あの夜から……
彼は“日常の音”に敏感になった。
呼び鈴だけじゃないんです。
冷蔵庫のモーター音、換気扇の回転音……
全部がどこか、“誰かの声”に聞こえてくる。
特に、夜。
家の中にいても、どこからか……**「……ピンポーン……」**って。
最初は気のせいだと思った。
でも、ある夜──
ついに彼のスマホに、**“知らない番号からの着信”**があった。
取った瞬間……音声が流れてきた。
それは呼び鈴の音。
録音されたかのように、繰り返される「ピンポーン……ピンポーン……」
──そして、その音の奥から、聞こえてきたんですよ。
「……今度は……そっち、いくから……」
彼は、震える手で電話を切って、スマホを投げた。
でも、スマホの画面が、勝手に点いたままになってる。
そこに──
ドアの覗き穴の映像が、リアルタイムで映ってた。
彼の部屋に、そんなカメラはない。
なのに、**ドアの前に“誰かが立ってる映像”**が……
笑ってる。
口が開いてる。
でも、音はしない。
ただ──
スマホから、呼び鈴の音だけが鳴り続けてた。
🕯裏あとがき
「気配に気づく」ということは、
“こちらから扉を開けてしまった”のと同じ。
一度気づいてしまえば……
あとは、向こうが“入ってくる”番なんです。
夜中のピンポン。
出る必要はありません。
でも──
「聞こえた」と思ったその時点で、もう遅いのかもしれませんよ……ふふふふ……。
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