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〜第59夜〜「旧校舎の放送室」

🕯️ はじめに

いやぁねぇ……学校っていうのは、不思議な場所ですよ……。
昼間は子どもたちの声で賑やかなんだけど、夜になると急に “違う顔” を見せる……えぇ……。

今日はね、
私の友人から聞いた話を、ひとつ……。

その友人、学校の先生をしておりましてね。
部活の指導やらで夜遅くまで残ることが多いんですけど……
その学校には 古い旧校舎 が残っていたんですよ。

もう授業では使っていない。
電気も暗くてね、物置みたいになってるんですけど……。

ある晩、そこで……
“ありえない放送” が流れたんだそうです。

そう……
誰もいないはずの放送室から……ね……。


🎒 本編

友人のS先生が夜の見回りをしていた時のことなんですよ。
新校舎から旧校舎へと続く渡り廊下を歩いていると、
突然──

📡 「……ァ……聞こえますか……」

そんな声が、かすかに流れてきたんです。

「えっ?」
S先生、思わず足を止めましてね。

だっておかしいんです。
旧校舎の放送設備はとっくに電源が落ちている。
そもそもブレーカー自体が落ちてるはずなんです。

それなのに──

📡 「……誰か……いますか……」

声が、はっきりしてくるんですよ。

ゾワァ……っと鳥肌が立ったそうです。

慌てて職員室に戻ろうとした、その時……
背中のほうからね……

📡 「先生……返事してください……」

――“先生” って、誰のことなんでしょうねぇ……。

恐る恐る振り返ると、
旧校舎のほう、真っ暗な廊下が奥へ奥へと続いてましてね。

でも、声は……
その一番奥にある 旧放送室 から聞こえてくる。

S先生、怖いながらも確認しないといけないと思ったんでしょうね……
職業柄ってやつですよ……。

手に持っていた懐中電灯をつけて、旧校舎へ足を踏み入れたんです。

ギィ……ギィ……
古い床板が鳴る。

放送室の前まで来ると、
扉が半開きになってる。
ゆら……ゆら……微妙に揺れてるんですよ。

誰かが、さっき触ったみたいに……。

そこでまた……声が。

📡 「……返事……してよ……」

S先生、覚悟を決めて扉を開けたんです。

――その瞬間。

真っ暗な部屋の中で、
放送用のマイクだけが、ゆらゆら……揺れていたんですよ。

まるで 誰かが話した後、手を離したみたいに……。

ゾッとしたS先生はすぐに電灯をつけました。
でも、誰もいない。

マイクの電源も入っていない。
アンプのランプも消えている。

じゃあ……
あの放送は、誰が?

S先生が部屋を出ようとした時、後ろから──

📡 「……届いた……ありがとう……」

声が聞こえたそうです。

ただね……
その日は、
ちょうど “ある生徒の命日” でもあったそうで……。

その生徒、
放送委員だったんだそうですよ……えぇ……。



📝 あとがき

学校という場所は、多くの “思い出” が積もる場所です。
嬉しいことも、悲しいことも……
その全部が、何かの形で残ってしまうのかもしれません。

友人のS先生、
「二度と旧放送室には近づかない」と言っておりましたが……
それでもあの日の “ありがとう” は、
どこか救われるような響きだった……と、そう言っておりました。

あなたの学校にも、
もしかすると “誰かの声” が、まだ残っているかもしれませんねぇ……えぇ……。



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