見出し画像

Q:タンダってなんですか?

A:タンダ(tanda)とは、アルゼンチンタンゴの曲をテーマにそって3、4曲ひとまとめにしたものです。タンダ形式はダンスパーティでよく使われ、タンダとタンダの間にコルティーナ(=カーテン、すなわち幕間)という短い休憩をはさんで音楽が続きます。音楽は主にタンゴ(4拍子)、バルス(3拍子)、ミロンガ(2拍子)の3種類で、タンゴのタンダが2つ続いたら次はバルスのタンダ、そしてまたタンゴのタンダが2つ続いてミロンガ、という構成が多いように思います。

このような音楽の構成は、ダンスパーティで録音した曲が使われるようになってから慣例化しました。生演奏が主流だった昔はもっと柔軟で、呼ばれた楽団はタンゴ以外にも、フォックストロットやスウィングなど、お客が踊りたい音楽をとりまぜて演奏したそうです。いまもタンゴだけでなく、エレクトロ、チャカレラ、ロックンロールなどのタンダがまじるパーティもあります。(タンゴのダンスパーティについてもう少し詳しくはコチラ

タンダを組み立てていくのはいうまでもなくタンゴDJ。ほとんどのTDJはタンゴを踊り、タンゴ音楽全般に深い知識を持っているだけでなく、どこでどの音楽をかければダンスフロアが盛り上がるか、といったことも熟知しているすごい人たちです。今日は誰それがTDJだから踊りに行こう、というふうにファンががっちりついてる人もいて、TDJはタンゴシーンの隠れた人気者、ということもできます。

さて、下の動画はそういうTDJの視点からみたダンスフロアの様子。場所はベルギーのブリュッセル、2023年のFritKotタンゴマラソンの最後の2つのタンダ。長時間踊った後なので、参加者の間には顔見知り気分も漂い、フロアの雰囲気もリラックスしていていい感じ。最後の2タンダだよ~! という声に反応して、最後にあの人と踊っておきたい、この人ともう一度踊りたい、と疲れにもめげず、みんなまた動き出す。

タンダ1曲目の『Café Dominguez』のイントロが、さあ最後のチャンスだよ、といわんばかりで、パートナーを迎えに行くリーダーたちもぴょこひょこ小走りだったりするのがカワイイ。フォロワーたちも笑顔で、冗談なんかいいながら応じている余裕も花丸。やがてゆっくりロンダ踊りの輪ができ、D'agostino タンダが回りだす。

そして、短いコルティーナ、「ラストタンダ~~」の声に、えwwそんなー、と文句をいいながらも Romantica Milonguera の歌声に溶け込んでいく踊り手たち……。なんか見てるだけでも幸せな気分になりますね~💕。

パーティーを生かすも殺すもTDJ次第。ダンサーがそうであるように、彼らも長い時間をかけてタンゴ音楽とダンスフロアのダイナミクスを学びます。TDJ向けのワークショップなどもあちこちで開催されていて、これはこれで「沼」な世界😅。

「初めてよそのコミュニティでDJしたときにね、定石に(タンダを)タンゴ、タンゴ、ミロンガ、ってかけたら、ミロンガでだーれも踊らなくて焦ったよー」

というのはあるアマチュアTDJ氏。へぇ~、それはそこではミロンガが人気なかったからですか?

「いや、できたばかりコミュニティだったから、(踊り方がタンゴと少し違う)ミロンガを踊れる人がいなかったんだ。あれは焦ったなー」

TDJにとって、曲の背景や意味を考え抜いて構成したタンダは作品。でも誰も踊らなければ意味がない。いまはベテランとなり、タンダの構成や音楽の種類にも「こうでなければ」というようなこだわりがなくなった、という彼。コミュニティのようすや、踊りに来ている人たちの様子で音楽をどんどん調整していくのだそうです。

なるほど、ただプレイリストを流しているわけじゃないから、毎回忙しそうなんですね。でも、時々DJ席から抜けだしてますよね……👀mirada次はワタシと踊ってくれないかなぁ。
©Rico Unno, 2026, CC BY-ND


◀️かかる音楽かからない音楽 ▶️どこかできいたことありますよ… 

いいなと思ったら応援しよう!