自由といっても限られた自由度の中でのことなんだけれど、そういう枠があるから面白いってこともアルゼンチンタンゴではあって
踊ること=自由、っていうのは素敵なイメージですが、現実世界では思わず「不」をつけたくなっちゃうときもありますよね。2、3ステップを知っていれば一晩中楽しく踊れるダンスもあるのに、このアルゼンチンタンゴというやつ、はっきりいってその「不」自由度は2倍、いや3倍、え、10倍ですか😅。
(タイトル写真 by Preillumination SeTh)
一向に上手くいかないステップを練習しながら、なによ、ダンスの経験がなくても踊れます、じゃなかったのぉ、と思ったことも数知れず。やっとのことでミロンガ・デビューにこぎつけても、そこでまた押し寄せる「不」自由の波また波。
……誘うのはミラーダとカベセオだけだよね?
……アブラソ、オープンはダメなんだったっけ?
……膝より高いボレオはナシだよね?
これもダメあれもダメ、と思うとダンスも委縮するし、精神衛生上もよろしくない。よし、カベセオより手間はかかるけど、さりげなくバーで話しかけて踊りに誘う・誘われることにしよう😏。アブラソは居心地悪くない範囲で臨機応変ってことで👍。動きの大きさ関係も、これぐらいの込み具合なら臨機応変かな🤔? そういえば、あれは遠い昔、あるマエストロがブエノスアイレスのとあるディープなミロンガに連れて行ってくれた時のこと……。
ひとりでは輝けない
「今日は混んでるからね、大きい動きはナシ」
わかりました~! えっと、こういうトラディショナルなミロンガでの Dos & Don'ts は……と頭のなかで反芻ながら緊張気味に踊り始めて数曲目、混みあったロンダを緩急自在ながれるように進むマエストロのリードに、さすがの音楽性と安心感だわ~💕とウットリしていたら、急に動きがすっと細くなって、タン、ビビッ! 彼はピスタを囲むテーブル席の方に向かって踏み出すと、シャープなボレオをマークしました。油断していたわたしの脚は止める間もなくマークどおり派手にあがってしまい大慌て😱。しまった! でもこういう動きはナシなんじゃなかったの? 素知らぬ顔で踊り続けるマエストロに文句もいえず、まわりの顰蹙をかったんじゃ……とおそるおそるテーブル席の方に目をやると、そこにはマエストロの旧知らしきゴージャス熟女タンゲーラが、お取り巻きとともに嫣然と微笑んで座っておられました。な~んだ、オトモダチへのご挨拶だったのか😅(いらん冷や汗かいちゃったよ)。まあしかし、ピスタがどんな混み具合であろうとかすりもせず、自分が観せたいところで魅せるところなど、彼らはホントに自由自在。
……でもですね、彼らの作り出す瞬間がこんなに輝くのは、他のみんながちゃんとロンダのあれこれに気をつけて、音楽を聴いて、かつ楽しみながら踊っているからこそ、ってトコもあるとも思いませんか? 例えば、あそこで踊っている彼。すっと立ち止まっただけのポーズが、うねるように流れていくロンダを背景にして、 Javier Rodríguez ばりにノーブルにみえるじゃないですか……(💕次ミラーダしてみよう)。そう考えると、ミロンガでのいろいろな Dos & Don'ts は制約っていうより、皆がそれぞれ輝くチャンスを持つための枠組っていえないこともないかもしれませんね~。そんな生き生きしたミロンガで展開する会話のような、Lunaと Javier のおしゃれなダンスをどうぞ🌹
©2025 Rico Unno, CC BY-ND
