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【高校生の就活】求人倍率27倍でも安心できない理由と必要な準備とは?

こんにちは、キャリアコンサルタントの桜川りえです。
7月に入り、高校生の就職活動もいよいよ本格的に動き出しました。
私自身も6月から工業・農業・商業高校などで面接指導を担当し、ちょうど今日も模擬面接で生徒の皆さんと向き合ってきたところです。

実は、深刻な人材不足の中、求人倍率が高いからといって、決して安心できる状況ではないのが現場のリアル。
今回は、求人倍率の高さの裏にある課題や、今だからこそ必要な準備についてキャリアコンサルタントが解説します。

就職活動を控えるお子さんを持つ保護者の方、進路指導に関わる皆さま、ぜひご覧ください。

工業高校の求人倍率「27倍」という現実

先日、新聞で大きく報じられた「工業高校新卒の求人倍率が27倍」というニュース。これは、生徒一人ひとりに対して27社もの企業から求人があるという、驚異的な数字です。

少子化による若手人材の不足、そして高い技術力を持つ工業高校生への期待の表れと言えるでしょう。

実際に、多くの企業が高校生の採用に積極的で、「ぜひ良い生徒さんを」という声が数多く寄せられています。選択肢が多いこと、そして社会から求められているという事実は、生徒さんにとって大きな自信となるはずです。

しかし、この華やかな数字の裏側で、決して見過ごすことのできない課題に直面しています。


進路指導の現場で見えてきた「もったいない」現実

私は進路アドバイザーとして、多くの高校生の面接指導や先生方へのアドバイスをさせていただいています。

様々な現場を見ている中で、求人倍率の高さとは裏腹に、いくつかの共通した課題が見えてきます。

「なぜこの会社なのですか?」に答えられない
「あなたの強みは何ですか?」と聞かれて言葉に詰まる
敬語の使い方や入退室のマナーがおぼつかない

彼らが一生懸命であることは、ひしひしと伝わってきます。しかし、志望動機を尋ねると、「親に勧められたから」「家から近いから」といった理由に留まってしまったり、自己PRがうまくできなかったりするケースが少なくありません。

これは決して、生徒さんたちの能力が低いからではないのです。むしろ、とても素直で真面目な生徒さんばかりです。
では、なぜこのような「もったいない」状況が生まれてしまうのでしょうか。


「準備不足」が招く、残念なミスマッチ

その大きな原因の一つが、大学生の就職活動と比較した際の、圧倒的な「準備期間の短さ」にあります。

大学生は、3年生の夏頃から約1年をかけて、インターンシップに参加し、自己分析を深め、業界研究や企業研究にじっくりと時間を費やします。

一方で高校生の場合、夏休みの短期間で職場見学に行き、基本的に1社へ応募、そして9月には採用試験が始まるという、非常にタイトなスケジュールで就職活動を行わなければなりません。

この時間的な制約の中で、「自分は何が得意で、何に興味があるのか」「その会社でどんな風に活躍したいのか」を深く掘り下げるのは、大人でも至難の業です。

結果として、「なんとなく」で会社を選んでしまい、入社後に「こんなはずじゃなかった…」というミスマッチが起こりやすくなります。これが、若者の早期離職につながる大きな要因の一つなのです。

せっかく掴んだ内定も、社会人生活のスタートでつまずいてしまっては、本人にとっても企業にとっても、そして何よりサポートしてきた周囲の大人にとっても、悲しい結果となってしまいます。


家庭と学校でできる、未来への「種まき」

では、この現状に対して、私たち大人は何ができるのでしょうか。
特別なことではありません。日々のコミュニケーションの中に、未来への「種まき」のヒントが隠されています。

1. 「なぜ?」を問いかける

「この会社、面白そうだね。どんなところに興味を持ったの?」「この仕事のどんな部分が、あなたに向いていると思った?」など、一つ一つの選択に対して「なぜ?」と優しく問いかけ、本人の言葉で語る練習を促してみてください。

これは、面接で最も重要となる「志望動機」を深める最高のトレーニングになります。

2. 面接の「定番質問」を繰り返す

「あなたの長所と短所は?」「高校生活で頑張ったことは?」といった定番の質問は、いわば自己分析のアウトプットです。

食卓での会話などで、クイズのように気軽に問いかけてみましょう。何度も繰り返すうちに、自分の言葉でスラスラと答えられるようになります。

3. 「働く」ことへの意識づけ

高校生の就職活動は、ゴールではありません。社会人としての長い人生の、大切なスタートラインです。

求人票の「給与」や「休日」など福利厚生だけでなく、「どんな人たちが働いているのか」「どんな想いで製品やサービスを提供しているのか」といった、企業の「内側」にも目を向けるよう促すことが、本質的な企業研究につながります。


まとめ:求人倍率に安心せず、未来のための準備を

「求人倍率27倍」という数字は、間違いなく高校生にとって大きなチャンスです。
しかし、それは「どこでもいいから就職できる」という意味ではなく、「自分に合った会社をじっくり選べるチャンス」と捉えるべきです。

高校生の就活は、保護者の皆様、そして先生方のサポートが不可欠です。
本人が自分の足でしっかりと社会への一歩を踏み出せるよう、内定の先にある「働く未来」を見据えた準備を、今から少しずつ始めていきませんか。

その小さな積み重ねが、ミスマッチや早期離職を防ぎ、お子さんや生徒さんたちが自分らしく輝けるキャリアを築くための、何よりの土台となるはずです。


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