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ベトナムを大好きになった旅

3月に訪れたベトナムでの記憶をここに残したい。


帰りのフライトを待つ空港は、いつもどこか寂しく、どこかまた戻って来たいと思わせる懐かしさがある。6日間滞在したベトナムも今日が最後だ。

「世界を君のもとへ」の企画について

今回の企画は、小学校や孤児院に日本の学生が訪問し、交流をする事がメインの目的だった。しかし、渡航の直前に、政治的な問題で小学校でのワークショップ開催・見学が共に難しくなり、授業を行う予定を断念。ベトナムの田舎暮らしを体験しながら、ゆっくりと過ごす時間になった。

Ben Tre(ベンチェ)

サイゴンから高速バスで2時間半。ココナッツで有名なベンチェに到着した。ナタデココが加工されている工場ーといっても普通の家くらいの大きさなのだがーからは独特な匂いが漂ってくる。ベトナムの人はこの衛生環境の悪さを知っているからナタデココを食べないらしい。。
今日から4日間は、企画の代表であるブイのおばあちゃん家とおじさん家にお世話になる。

朝食とシャンプー

地元の人たちが仕事や学校の前に食べにくるという食堂で、フォーをいただいた。出汁の効いたスープと柔らかい麺が体に染み渡る。

そして、シャンプーをしに斜め前にある美容院へ。
3回くらい泡立てて洗ってを繰り返し、最後にはしっかりと頭皮+肩のマッサージをしてくれた20分コースなのにたったの100円強(30,000ドン)
慣習的に、お家には暖かいお湯が出るシャワーがないため、ここには毎日お世話になった。ベトナムの人々も同じようにシャンプーをしてもらいにくるそうだ。

シャンプー!


ベンチェ滞在数日目になって慣れてきたとき、1人でお店まで歩いて行って身振り手振りでシャンプーをお願いしたことがあった。その次の日はいつものお店が定休日だったらしく、泊まらせてもらっているお家の人(英語は通じない)に別のお店に連れて行っていただいた。どちらの時も、言葉が通じない人たちと関わることがほとんどなかった私の中では思い通り伝わっているか不安で、いきなり髪を切られるような全く想像していないことをされるのがとても怖かった。simも登録していなかったので、道端に取り残されたら歩いて帰るしかなかった。

それでも、私は信じてみることにした。
伝わっていると願い、成り行きに任せても上手くいくことを。

実際、私はスマホに頼らず色んなことをできるように訓練してきたと思う。中学生になって父のお下がりのスマホを持たせてもらったものの、2年以上は回線を契約していなかった。そのおかげか、地図を読めるようになり、待ち合わせの連絡は確実に住ませておく習慣がつきWifiの画面を見せればベトナムの人は回線のパスワードを教えて(数字を言われてもわからないので入力して)くれるし、電話する身振りをすれば代わりにかけてたぶんだけど説明してくれる。不確実なGoogle翻訳に頼るよりよっぽど効率がいい。
こうする習慣が正解だとは思わないけど、スマホがない時代の旅人を体験できるようで、そんな力を身につけたいなと思う。

大満足の夜ご飯


驚いたのは、ベトナムではどこでも、こんな田舎の地元民向けの小さなお店でも、Wifiを使わせてもらえることだ。シャンプーの美容院や半分外になっているカフェでもお店の人に聞くと快く教えてもらえた。日本ではネットワークがあってもお客さんには厳しいところが多いから、観光客側からすると不便だなと感じた。

川下りツアー

チベット高原から東南アジアを流れるメコン川の下流を船で下り、川の間にできた島を訪れるツアーに参加した。ガイドさんが一人ついてくれ(ベトナム語のみ対応だったが)移動のたびにのる屋形船はプライベートだったのにも関わらず、一人たったの1500円弱(250ドン)!
はちみつたっぷりの紅茶をいただいたり、ココナッツのクレープや雷おこしのようなお菓子を作る体験をしたり、

クレープを焼く様子

馬車に乗ったり、
たくさんのフルーツをいただいたり。

左下は干し柿のような味がする


帰りの船ではカラオケ大会をした。メコン川は細かい泥の粒子が水中に舞って、自然な濁りだったがゴミや油が浮いているような汚さはなかった。随時大きな貨物船とすれ違い、川縁にはエビの養殖プラントが見られた。

孤児院を訪れて

今回のメインイベントであった孤児院への訪問。ここはお寺が運営しているところだ。
妹が保育園のお友達と作った折り紙、道中で調達したお菓子を渡した。興味津々で折り紙を手に取る子どもたち。ベトナム語が話せない私は、笑顔で簡単な折り方を見せてあげることしかできなかった。それでも彼らが目を輝かせながら折り紙を手に取り、自分で折り直したりしている様子は、全く知らない世界を見た時と同じ目をしていた。

家庭料理とか

ブイのおばあちゃんちでいただいたご飯。えびを勧めてくださった。

ベトナムで一般的なカフェ。
夜のジューススタンドでフレッシュなフルーツジュースを楽しむ

ジューススタンド

1回150円でアトラクションに乗れる遊園地。夜に行ったら貸切状態だった。


サイゴン(ホーチミン)

戦争博物館

今日の朝までいたベンチェは、激戦地だったという。たくさんの爆弾が落とされてできた水たまりがそこらじゅうにあって、でもその多くが今は埋め立てられて土地が嵩上げされているそうだ。

教科書に載っている写真も見かけた。けれど、それ以上に、衝撃的な写真が多すぎて、そしてそれらの存在を想像していなかったことに気がついて、私たちが知り得る情報がどれほど限られたものなのかを考えるようになった。アジアの歴史を、私たち日本人は日本の教科書でしか学ぶことができない。ベトナムは、太平洋戦争でも日本によって利用された戦地だったにも関わらず、ベトナム戦争で反対の声をあげていた日本人の作品が、博物館に入ってすぐのところにあったのは驚きだった。

私の高校も、ベトナム戦争に触発されて始まった学生闘争によって、自由な今の校風を手に入れたのだから、関わりは深いのかもしれない。
日本人は言うまでもなく、アジア系の観光客は数えるほどしかすれ違わなかった。積極的に暗い部分の歴史を見ようとしない国民性は、受けてきた教育によって作られているのだろうか。

Pizza 4P's

ずっと憧れていたピザ屋さん。インドでは予約が取れず、発祥の地ベトナムで最初に食べられることになって嬉しい。日本人のご夫婦がベトナムで始めた、こだわりの詰まったピザ屋さんだ。

入った瞬間からモダンな建物が印象的で、お冷が出てきたり、席まで丁寧に案内されたりするところ一つ一つが日本的なおもてなしを感じさる。フレッシュなチーズが美味しくて、たくさんの野菜があったのも嬉しかった。

ベンチェのフォー屋さんで食べていたような野菜は、野菜らしい特有の苦味があって、それはそれでクセになる味なのだけれど、日本でよく食べるような、どんな料理にも合うシンプルな味になった野菜は安心感があった。本来の味が失われていることは悲しいけれど、時代に合わせて自然のものも変化していくべきなのだろうか。

旅のまとめ

弟と旅して

今回の旅は3歳下の弟も一緒に行った。
ご飯美味しいけどたまに唐辛子入ってて辛い。東南アジアの強い臭い。衛生環境は目を瞑るしかない。照り続ける陽射し。わからない言葉が飛び交うetc…これだけでも疲れるのに、機嫌いい時だけハイテンションで話しかけてくるくせに、スマホばっか見て文句の多い弟がどこへ行くのにもついてきて。

今まで私は、私が居心地の良い旅しかしてこなかっただなぁって。安全が守られてる親とか学校のか、自由を得られるひとりだったら旅先の大人とか年上の友達とかに甘えながら。
でもさ、いま考えると海外が久しぶりな弟が小さいことに興奮したり、インターンとかの話で盛り上がってる私たちについていけなくてゲームしちゃう気持ちもわかる。
もっと小さくて面倒だった私たちをスリランカとかフィリピンの孤島とかに連れて行ってくれた両親は本当にすごい。
私自身が楽しみ尽くすだけじゃなくて、誰かを気遣うっていう労力がいることも負担に思わないくらいの、心の余裕をつくれるようになりたい。今年はそんな旅をしてもいいかも。

場所選び

都市と田舎はもちろん違う。
都市の中でもストリートによって雰囲気は全然違う。
それが身に染みて感じる1週間だった。ホーチミンでは歌舞伎町と渋谷を混ぜたような有名な通りにホテル(中は過ごしやすかった)が面していて、社会科見学の気分だった。クラブの爆音が鳴り響いて、朝4時ごろに空が明るくなって音が静まるまで寝付けなかった。

ホーチミンの景色


貴重な体験ができて、ある意味忘れられない夜になったけれど、フライトではすごく疲れてすぐに寝落ちすることになった。到着も朝の1時というハードなスケジュールだったのでその後の1日はゆっくり寝ていなければならなかった。

ともに旅する人たち

今まで私は、家族旅行か、ひとりで行って先々で友達に会うか、という旅が多かった。ベトナムへは友達と(ベトナムで初対面がほとんどだったが)訪れることができ、本当に良い経験になった。ベトナム語しか通じず、ローカルな場所での体験をコーディネートしてしてくれた、「世界を君のもとへ」のプロジェクト代表のブイをはじめとした、ともに時間を過ごしてくれたみんなへの感謝を伝えたい。

みんなと


ひとり旅では難しい、感動をその場で共有することや、旅の中で変化していく感情を外に出していくことは誰かがいなければ、できないことだったと思う。そして、ひとりより人といることが大好きな私にとっては、誰かと旅をすることは、思うように行かない局面を乗り越える力を身につけ、価値観の違う人たちの希望を合意形成し、ハンデのある人を思いやるような学びがあるだけでなく、何より愉しくて、ワクワクすることだと知った。

これからも、人に出逢い、地域に感動するために旅をしたい。


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