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春になったらやりたいことを、今やってみる。


この春、下の子が小学生になる。
それ自体は喜ばしいけれど、憂うつなのが4月いっぱいの時間の使い方だ。

学童に通わせていないため、わたしの仕事時間は、子どもがいない時間だけなのだけれど、上の子が入学したときはふた月ものあいだ、ほぼ仕事をできずにいた。
卒園した3月半ばから5月半ばまで。


子どもの通う小学校では、4月末まで1年生は給食がない状態だった。

当時のタイムスケジュール:
7時半 学校へ送り帰宅。(往復40分超)
9時  息子を幼稚園へ送り帰宅。
─ ひとりの時間 ─
11時  娘の迎え(ふたたび往復40分超)
15時半 息子の迎え
16時~ 習い事や夜家事
22時~ ひとりの時間にしたいけど寝落ち

こんなふうに、たった2時間しか仕事にあてられる時間がなかったのである。

給食がはじまった数日後、連休に突入。ゴールデンウィーク明けは両親が1週間滞在していてあちこち連れて行ったので、まる2ヵ月間ほぼなにもできなかった。
そんな中で毎日更新とコラムの仕事を続けるのは至難の業だった。本来なら、不安な子どもをサポートしなければいけないし、いろいろしてあげたかった。それなのに自分自身がいっぱいいっぱいで追い詰められていた気がする。



(また、あの時期がやってきてしまう……)



美容院でそういう話題になったとき、美容師さんがなにげなく言った。

「小学校の近くに喫茶店とかあればいいんですけどねえ。短時間で迎えなのもしんどいけど、そもそも2往復するってめちゃくちゃしんどいですね」

(喫茶店……その手があった……!)

すぐ近くではない。けれども、徒歩圏内に喫茶店やカフェがあったはずなのだ。ママ友に誘われてモーニングに行ったことがある。でもパソコンをしやすい環境ではない。

(でも大事なのはたぶん、仕事をすることというより、ひと息つく時間なんじゃないのかな)

そんなことを思った。一旦家にもどる時間をなくし、喫茶店でゆっくり本を読んで、気持ちを切り替えるみたいなことができたら、もっとずっとらくなのではないだろうか。

それにふたりとも小学生になったんだから、目を離せない赤ちゃんとちがって、帰宅後にひとりで書斎で仕事をしても大丈夫なはずである。



そこで、実際にやってみることにした。

思い立ったのが真夜中で、せっかくねむかったのに目が冴えてしまう。わたしは喫茶店を検索し、メニューを見て、なにを頼むか決めた。



きょうは、すこし冒険したい気分だったから、ふだんはしない色の組み合わせをしてみた。コーディネートのなにが苦手かって、色合わせのセンスがないことなのである。

けれども、ベージュとピンクを組み合わせた配色を見て、似たような色があったな、と思ったので試してみたら、これがとても良かった。ベージュのトップスに、くすんだスモーキーなピンクの、フロントがジッパーになっているIラインのスカート。
このごろは、クローゼットを寒色だけに転生させているので、迷った末に、黒いショートブーツと、黒いベロア調のくたっとしたバッグを持っていくことにする。イヤリングは、揺れるんだけど華奢じゃなく、ちょっとごつめのモードな感じで、黒色。


前にママ友と行ったとき、自転車を置く場所がなくて困ったので、歩いてみる。学校からはじゃっかん遠く感じた。でも、天候さえよければ歩くのは苦にならないタイプだから、まったく気にならない。

今日はほんとうに寒くって、朝方は雪が降っていた。去年を含めてもこの冬はじめての雪だと思う。
歩いているうちに、身体はほかほかしてくるんだけど、露出した顔や手はきいんと冷えていくという不思議な感覚に陥った。



喫茶店の駐車場はいっぱいだった。

入口の扉を開けると、カランと澄んだ音が鳴る。
今日はパソコンをするわけでもないので、カウンター席ではなく、奥まった場所にあるふたりがけの席を選んだ。同じようにひとりで来ているひとたちが座っている。

わたしはそっと腰を下ろし、メニューを眺めた。
昨夜決めていたけれど、もう一度だけ迷って、ピザトーストを選んだ。注文を終えると、バッグの中からメモ帳とスマホを取り出す。

右手のほうにメモ帳を広げ、Kindleで本を読んでいく。
今週は「美」について考えたり調べたりするのがテーマなので、そういったテーマの本をもくもくと読んでいく。



「ん?」

読みかけの本の表紙にもどった。

「タイトルはやっぱり服のことだ」

けれども全5章のうち、服について書かれたのが1章しかなく、その後は今の気分では楽しめずに読んだ。

(電子書籍の実用書が読みたいときって、アルゴリズムですすめられて気になったときと、あとは知りたいことがあるときな気がする)

ちょうど届いたカフェオレを口もとに持っていく。苦。でもすっきりとした香りのいい珈琲だ。お砂糖をちらりと横目で見つつ、ダイエット中なので諦めた。

(知りたいことがあって読んだのに、それが書いてないと、なんかめちゃくちゃ腹が立つかも)

改めて読者目線に立って、それでいて著者目線も交えて本を読んでいくと、さまざまな「これは引っかかるポイント」みたいなものが見つかったので、メモ帳にどんどん書き取っていく。


2時間ほどの滞在で、3冊の本を読み、10ページほどメモを書き終えた。

(パソコンがなくても、できることっていろいろあるなあ……)



そうしてそのまま、スーパーやドラッグストアといった生活必需品を買いに向かった。

(学校がはじまったあとも、この流れはいいかもしれない)


今日のタイムスケジュール:
7時半 娘、登校
9時  息子を幼稚園へ送り、喫茶店へ。
11時  スーパーやドラッグストアで買い出し
12時  家の片づけや掃除
13時  仕事
15時半 娘帰宅/息子の迎え
16時  習い事
18時  夕飯づくり
19時  夕飯
20時  半身浴1時間
21時  習い事や片づけ、そうじ
23時  今


ふだんから思っていることなのだけれど、「場所」を変えたり、時間を区切るとすごく一日の時間の流れが整う。

ひとり時間にそうじや片づけをするのが、ものすごく損をしているみたいできらいなのだけれど、マリカーをしながらやると、進みが遅い代わりに楽しくできる。


理想の4月のタイムスケジュール:
7時半 子どもたち、登校
8時  喫茶店へ (PCを使わずにできる仕事や読書)
10時  スーパーやドラッグストアへ
11時  息子の迎え


時間割が、見えてきた。
もちろん、15日くらいはあるだろうから、毎日カフェに行くのはお金がかかる。お金がかからないパターンも含めてもうすこし考えたいものだ。



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三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡

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