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王さまのエッセイは、五感泥棒?

▼この企画に応募していただいた、えむのマイトンさんのエッセイに感想を書きます。

▼ネタバレせずに読みたい方は、まずマイトンさんのエッセイをどうぞ!

▼エッセイの紹介。本文より引用

たけのこの里で育った、たけのこボーイの、たけのこ愛を聞いて欲しい。
たけのこブルース(ええ声で)



マイトンさんのエッセイを1度目に読んだとき、春のにおいがする文章だと思った。

春のにおいといっても色々あるけれど、花とかじゃなくって、おいしそうなにおい。
和食のテイスト。
画面の向こうからふわっと広がってくるのは、出汁の香り……?


特に好きなのはこの一文。

春先になると地元は、たけのこを湯掻く独特の香りで満たされる。

地元が"たけのこで有名"なところからはじまり、そのたけのこにまつわるエピソード、そして好きな料理とつながっていく。


3度目に読んで思ったのは、目の前でテレビを見ていたような感覚

マイトンさんの文章のなかでも、ご家族が登場するものは、不思議といつもこういう感覚になる。

感情移入するのではなく外側から見ているのだけれど、目の前で上映されているワンシーンをみるようなリアルさと満足感。

わかりやすい文章というのは無機質になりがちなのだけれど、マイトンさんの場合、淡々としながらも五感に迫ってくるような文章で、そのひみつはどこにあるのだろうと考えながら読んでいる。



6回目に読んだときは、おなかが鳴った
たけのこを食べたくなる3つの料理が描写されているせいだ。

食べてないのに、口のなかにたけのこごはんの味わいが広がるような錯覚さえ覚えた。


マイトンさんのお雑煮や天ぷらの記事を読んだ時も思ったけれど、とにかく料理の描写がおいしそう。

ちなみにわたしが好きな"料理"の文章は、がんばれば再現できるものだ。

実用書作家の性なのかもしれない。
美しいフルコースの描写を読むよりも、手元で再現できそうな家庭の味に心惹かれる。

マイトンさんのお母さまの味までは再現できないけれど、たけのこごはんをつくるときは、具材を同じにしてみたいなと思った。



学生時代、バイト先のおねえさまに立派な土付きのたけのこをいただいたことがある。

20歳だったわたしは、自炊の経験値も低く、調べてきちんとやってみたつもりなのに、おいしくできなかったことだけを覚えている。

その記憶があるから、たけのこごはんはいつも、素を買ってしまう。


愛媛のメーカーが出しているのか、たけのこ水煮とじんわり優しい味の出汁に「松山あげ」が入っているのが特徴。

松山あげは愛媛の油揚げなのだけれど、ふわっととろけるような感じ。
『ほろほろ崩れる鶏肉』と近そう。


むかし、料亭の総料理長さんとおはなしする機会があった。

そのとき教えてもらった、炊き込みご飯をおいしくするコツが「あぶらのあるもの」を入れることなのだそう。

旨みやコクが出るのだという。
鶏肉や油揚げが入った炊き込みご飯がおいしいのは、そういうわけなのだろう。

この「松山あげ入りの素」も、ほかの素よりもおいしく感じられた。


8回目に読み終えたあと。
タケノコボーイの"ええ声"が脳内をループしている

まだ失敗が怖い。大きくてりっぱなたけのこだからこそ、失敗した時の反動は大きい。
でも、今年は思い切ってたけのこを買ってみようか…… 。


最後に。今回何より驚いたのは、速さと質の両立。
マイトンさんがこの企画に参加してくださるというコメントを見て、特典のシートをお送りしてから1時間足らずで公開されていた。

それなのに粗さは一切なく、最初から最後まで暖かくおいしそうで、しかもところどころに面白さがしのばされている。

何より、この短い文章の中に、たくさんのマイトンさんらしい言葉・表現が埋め込まれてるところがまたすごいんです。震えます。

たけのこブルース
たけのこリレー
たけのこのベストフレンド

わたしが文章を書くときに、どうしても不得手でできないと思っていること。それが面白さなんです。
性格やセンスによるものなのかなぁ、どうしても身につけられずにいるものだから、憧れます。

今回のエッセイも、言葉選びからほんのちょっとした"間"など、読めば読むほど、噛みごたえのあるたけのこみたいに沁みてきます。

素敵な作品を、ありがとうございました!


10回目に読み終えたあと。真夜中。AM3:35。"たけのこごはん"のお口になってしまって困った。

2時間だけねむり、午前中のハードな予定を終えて気絶するような昼寝から目覚めたわたしはいま、昼寝後特有の頭痛にさいなまれているのだけれど、スーパーに行くべきかとても迷っている。

モノカキングダム王者でもあるマイトンさんの文章は、五感のすべてに訴えかけて、わたしにたけのこを食べさせようとしていたのだった。


▼最後に、マイトンさんのおすすめ記事3つを紹介します。

モノカキングダムという、参加者同士がこれは!と思う記事を2本だけ選んで投票する企画がありました。その中で1位になった作品です。わたしも投票しました。まずはここから、読んでみてほしいです。

わたしがはじめて読んだマイトンさんの記事。
崎陽軒に行きたくなります。子どものころ、関東旅行でよく食べた記憶があります。残念ながら四国には一店舗もない。

マイトンさんの描く家族の様子がとても好きです。淡々と綴っているのにじゅわっと胸にしみこんでいく。お仕事は理系なのに文章も書ける、オールマイティさに憧れます。


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三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡

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