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えむのマイトンさんの創作大賞応募作品ぜんぶ読んだ《感想》


創作大賞の応募作品に感想をくださった方の記事を読み込んでいる。今日はえむのマイトンさんの作品をすべて読んだ。





15年間ずっと変わらないけど、滅多に言わない君への想いを伝えます

こわくてねむれなくなる夜がある。
ホルモンバランスの変化によるものだとわかってはいる。それでも、胸の中に嫌などきどきがあって、最悪の未来ばかり想像してしまう、そういう夜が──。

このエッセイは、マイトンさんが恋人のカナさんから告げられた衝撃的な言葉で幕をあける。
恋人との未来を考えて、マイトンさんが選んだ道とは──。

途中に登場する絵を見るともう泣けてしまった。

このエッセイは、もう5回読んでいる。それくらい響くものがある。わたしが多く語るよりも、まずは読んでみて欲しい。

ねぇパパ。僕の声を聞いてよ

何度読み返しただろう。
お子さんとのある日の昼食を描いたものだ。

声という共通のお題にみんなで取り組んだときの作品だ。よく覚えている。開始直後に公開されてのこのクオリティに驚かされた。

マイトンさんとの付き合いは半年ほどになるけれど、文面やふだんの人との関わりを見ていて思うのは、愛に溢れた人だなぁ、ということ。

顔も知らないわたしたちにとってもこんなに優しく頼もしく接してくださる方なので、ご家族への愛情も深い。

家族の歴史には、晴れの時期、曇りの時期、雨の時期……色々あると思う。
でもどんなタイミングでもマイトンさんはきっと、悩みながらもしっかりと家族を守り、よく見ていくのだろうなと思わされた。



ハッピーバースデーを喜ばない君へ

こちらも息子さんとのエピソード。11歳のお誕生日を迎えた息子さんには、ある不安があった。


ここ、このシーン。共感しか無かった。

でもね、ごめんね。


パパも完璧な人間じゃないんよ。


毎日仕事と、お金のことと、君ら家族のことを考えて、余裕なんてほとんどない。



君の気持ちに気付いていても、して欲しいであろうリアクションを取れていないことがほとんどだと思う。

気持ちには気づいていても、求める対応をしてあげられない。わたしもいっぱいいっぱいだから。そうして夜中に静かになってから、それを後悔することが、よくある。

読んでいると泣けてくる。自分が子どもだった頃、親にほしかったリアクションがもらえなかったことって、きっと誰でもあって。
でも親も人間なんだと気づいたのは、わたしは恥ずかしながら自分が親になってからだったなぁ。


黄金比のオムライス

元カノに「今度オムライス作りに行っていい?」と言われたマイトンさん。小悪魔な彼女に翻弄されるようにして予定が決まる。
すごい。うわてというか、すごい。同性でもドキッとするような女性だ。

オムライスの描写がおいしそう。そうだ、これはフードエッセイだった。

最後まで読み、「なんのはなしですか……?」と口に出していた。フードエッセイ。



初めてのキスの味


3つ年上の先輩、山田さんと、マイトンさんのお話。

これは……どう書いてもネタバレになってしまうから書けないと思った。

甘酸っぱいお話なのかなと思いきや予想外の結末。

あれ、まって。フード部門? フード……部門……???


木曜日と日曜日にマヨネーズを。


ご家庭の事情でひとりで過ごすことが多かったマイトンさん。せつない……。

モノポリーを1人三役でやったり、ノートにロールプレイングゲームを書いたり、キン消しの頂上決戦を開催したり、と1人遊びが得意な子供だった。寂しくないと言えば嘘だった。でも、親の事情を頭でわかってしまうくらいに物分りは良すぎる方だった。

学校に入ったあとのお父さんとの思い出。
こんなに向き合ってくれるのってすごいな。

ダイニングテーブルで2人並んで、一緒に算数の問題を解く。立体の断面図を考える問題では、わざわざ発泡スチロールで立体を作って、針金で断面図を作って見せてくれた。当時はなかなか先に進まないし、鬱陶しいとさえ思っていたが、今思い返すと有難いとしか言えない。

わたしも、そういえば勉強をみてくれたり、作文の指導をしてくれたのは父だったと思い出した。はじめてコンクールに出したのは小学生のときで、父にいくら教えてもらってもさっぱり書けず。
学校の文集も"いい文章"を書く人だけが作文を掲載されるなか、わたしは6年間、その他大勢の"詩"だったっけ。

だれかの思い出を知ることは、自然な対比によって、自分の忘れていた過去も思い出せるのがいいですよね。マイトンさんの記事を読むといつもいろんなことを思い出します。


タイトルの意味が回収される。木曜日と日曜日のメニューだ。

日曜日の朝は、父が仕事前に朝ごはんを作ってくれることがあった。

「いつものでええか?」と言って、こちらが答える前から準備が始まる。ポークウインナーを手でちぎって雑にフライパンへ投入する。少しあたためたら、そこへ卵をひとつ割り入れて、冷ご飯をドーンと入れる。

適当に混ぜたら味付けはマヨネーズ。
そこに、黒胡椒をガリガリ。

マヨご飯! 
読んでいてちょっと驚いたのだけれど、夫が義父につくってもらった料理と似ていた。ごはんは入れないんだけど、ウインナーと卵を炒めて、味付けはマヨネーズ。黒胡椒。ごはんは別添えで。

紆余曲折を経て、現在のお話。終盤が素敵なので読んでみて欲しい。

何度も書いているけれど、マイトンさんが描く、家族の風景が好きだ。


路地裏で遊ぼう

そんなnoteの街には、#なんのはなしですか というハッシュタグで創作を楽しむ人々がいる。


通称『路地裏』

わたしも去年、路地裏に迷い込んだ。そうしなければ今ごろ筆を折っていただろう。そう思うくらい、内面のつらさがあった。

創作大賞に挑戦するにあたって、
小説のお知らせなどをするようになった結果……
Instagramでは50人以上、
Xでは30人以上のフォロワーさんが消えていった。

今までいた現実世界はそう。役に立つ発信をしない著者に価値は無い。シビアだ。

でも路地裏ではどんなことも否定されない。
それがありがたく居心地が良くて、書くことを楽しめている。

路地裏のメンバーが作品を持ち寄った電子書籍が今年刊行された。わたしもそこに寄稿させていただいており、この電子書籍出版をおもに進めてくれた中のおひとりがマイトンさんなのである。

読みながら改めて感謝の気持ちでいっぱいになった。


週末探偵とヴィータバンドの影

”人生初の2万字超え”とのこと。理系のマイトンさんが書くミステリー小説ということでとても気になっていた。

謎を解いていく過程で、メインキャラクターの過去にも触れられる展開がわくわくする。

薬学の専門家であるマイトンさんの作品だから、そのあたりも本格的でたのしい。
昔ミステリーを書こうとして毒の本を色々買ったが挫折してしまったわたしからすると監修してほしいくらいだ。

はじめての長めの作品だとは思えないくらい、丁寧に描かれ、構成もしっかりしていて安心して読める作品だった。


すべて読み終えて感じたマイトンさん作品の魅力

愛とユーモアに溢れている

マイトンさんのどんなテーマを描くときも、たっぷりの愛情を感じる。静かに描かれているのに、温かく、ユーモアも溢れている。
この両方が共存するのがとても不思議であり、マイトン構文の魅力なのだと思う。

おなかがすく!

さまざまなジャンルの作品を書かれているが、フードエッセイも推したい。個人的に好きなのは、ご家族の思い出と共に紹介されるものだ。
おいしそうなわくわく感と、家族のストーリーを一気に摂取できて満足感が高い。
(フードエッセイ……?というものもありましたが😂)

自然と引き込まれる

読み手に謎や違和感を残しながら進むタイプの文章もあるけれど、マイトンさんの文章は気づくと最後まで連れていかれている。
水のようだと思った。そこにあって当たり前のような。書き手として読んだとき、これが本当にすごい。

特に現代は読みものがたくさんあって、すこしでもつまらないと"離脱"されてしまいがち。インパクトのある言葉を使っているとかではないのに読ませる力があるのはすごいと思う。嫉妬してしまいそう!



マイトンさん、素敵な作品たちでした。楽しく読めました!

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三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡