第六話 同級生|新しい春
第三章 ユウ先輩編
第六話 「同級生」
授業が終わると、
「ラウンジ行こっか♪」
ユリがいつものように声をかける。
「今日は空いてるかな?」
ナナが周りを見渡す。
私たちは窓際の席に荷物を置いた。
「ねぇ。」
ユリが笑う。
「噛み神教授、今日も絶好調だった!」
「何回噛んでた?」
「数えてないけど、途中で先生自身も笑ってた。」
「それはもう公認だね(笑)」
ナナもくすっと笑った。
「おつかれー。」
「ここ、いい?」
振り向くと、
合宿で同じ班だったショウタが立っていた。
「入場料100円になります!」
「なんでやねん!」
ユリとショウタのやりとりに、
思わず笑ってしまった。
合宿以来、
サークルでも顔を合わせることが増えて、
ショウタとは自然と話すようになっていた。
よく笑うし、明るくて、
誰とでもすぐ仲良くなる。
気づけば、
四人でラウンジにいる時間が増えていた。
「あ。」
ふいにショウタが窓の外を見たまま言う。
「ん?」
「あれ。」
視線の先を見る。
キャンパスを歩くユウ先輩の姿があった。
友達と笑いながら歩いている。
気づけば、
その姿を目で追っていた。

ユウ先輩が校舎の角を曲がり、
姿が見えなくなる。
「行っちゃった。」
思わずつぶやいた。
「ん?」
ユリは窓の外を見たものの、
「誰かいた?」
と首をかしげる。
「ううん。」
私は慌てて笑った。
ナナも鏡を見ながら、
リップを塗り直していた。
でも、
ショウタだけは、私を見て笑った。
「リオ。」
「ん?」
「……分かりやす。」
「え?」
「いや、なんでもない。」
私は首をかしげる。
その言葉の意味を知るのは、
もう少し先のことだった。
第七話へ続く
