薬師丸ひろ子の7インチコレクション(9枚)
セーラー服と機関銃

A面「セーラー服と機関銃」
作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
B面「あたりまえの虹」
作詞:小椋佳/作曲:来生たかお/編曲:星勝
映画『セーラー服と機関銃』主題歌、『翔んだカップル』『ねらわれた学園』を経て大ブレイク
セーラー服で機関銃をぶっぱなし 「カ・イ・カ・ン」ってそこばっか、公開当時まだ小学生で観てなく、観たとしても多分ヤクザものが馴染めず、何故か当時うちにあったレコードは来生たかおの方の「夢の途中」、そこばっかで長らく観る機会観ようとする機会もないまま録画はしておいたHDRの中の完璧版をやっと鑑賞、セーラー服のおチビちゃんが慣れない機関銃片手に殴り込みをかけてもはっきりいって隙だらけ、怖くも何ともないリアリティの無さ、荒唐無稽を面白がれず、そこに気持ちが入り込むことはなく、もっと早く観とけば良かったと後悔することはなかったのですが、今やロケ不可能と思われる新宿でのラストシーンで相米慎二らしさを感じ、そもそも主題歌はお前が歌えといって、想定外の「歌手・薬師丸ひろ子」を誕生させたわけだし、世に出る切っ掛けは角川春樹だったものの、結局「薬師丸博子」を「薬師丸ひろ子」にしたのは相米慎二・キティフィルムなのだと
探偵物語

A面「探偵物語」
B面「すこしだけ やさしく」
作詞:松本隆/作曲:大瀧詠一/編曲:井上鑑
83年の夏休み角川映画『探偵物語』と『時をかける少女』の2本立て、映画館でリアルタイムで観た薬師丸ひろ子X原田知世映画はこれだけだった、じゃ渡辺典子(角川三人娘、忘れないで下さい)の映画は観てないのかと言われれば、角川ではないが『積木くずし』を観に行ってたのを思い出した、それもこれも級友に誘われなかったら行かなかった類い、もっとも中学生で1人で映画館に行くという発想がなかった、というかそこまでして映画を観たいと思っていなかった
薬師丸ひろ子は『セーラー服と機関銃』が大ヒットした後、学業優先ということで大学受験のため休業、しかし人気沸騰を冷まさぬよう、その間は今までの主演作を当時まだ珍しかったディレクターズカットである『セーラー服と機関銃完璧版』と『翔んだカップルオリジナル版』というイレギュラーな再映で凌ぐ、そして無事大学に合格し、満を持して新作『探偵物語』が作られたが(合否に関わらず撮影スケジュールは予め決められていた)、そのまま絵に描いたような女子大生というキャラになっており、指詰め、ラブホテル、裸(薬師丸のではない)に喘ぎ声(薬師丸のではない)も厭わず、ラストは松田優作とのディープキスというターゲットのティーンエイジャーには刺激的な内容、まだまだ映画は大人のものであったということなのか、角川も子供向きには作らねー、お子様ランチはいらねー、マーケティングもコンプライアンスも関係ねー、といったところだろうか
その辺を踏まえて、余計な御世話的な話ですが、薬師丸的にはたまたま人気が出てしまい、女優など一生続ける仕事じゃない、今後の人生のためにも大学は出ておきたいという優等生的な考えで、大フィーバー中にも関わらず受験休業したわけだが、結局受かった大学が玉川大学ということで、申し訳ないが、大卒人生にこだわらず、その年齢の時(10代)にしか撮れない映画をもう2〜3本撮ってほしかった、ひと昔前の映画全盛期のスタアであれば、当然そのような仕事量のおかげで後追い世代でも作品数/作風的にも色々楽しめるのだが、その辺が今考えれば非常に勿体なかったかなと
ここでやっと音楽の話になりますが、ロンバケで復活した松本隆+大瀧詠一「風立ちぬ」コンビによって、当初主題歌用に「すこしだけやさしく」が作られたが、薬師丸のイメージと違うとの主張でB面予定だった曲を主題歌用に修正(結果は大ヒット)、「すこしだけやさしく」は「わくわく動物ランド」にまわされることに、ということで、考えてみれば、大学受験にしても主題歌にしても、結構薬師丸の言うこと聞くよね? 周りの大人が「すこしだけやさしく」どころではない、「かなりやさしい」気もするが(人格の尊重)、昔の映画会社専属女優とも昭和の芸能事務所アイドルとも違った特異なポジションによる、なんだかんだのセルフプロデュースっぷり、それ以前と以後の時代と比較してもかなり優遇されていたのではなかろうか
ちゃんと把握してないが、ジャケ違いが少なくとも3種類以上ある
『古今集』より元気を出して/つぶやきの音符

A面「元気を出して」
作詞作曲:竹内まりや/編曲:椎名和夫
B面「つぶやきの音符」
作詞:来生えつこ/作曲:南佳孝/編曲:井上鑑
7インチを集めだして発見だったのは本来シングルカットされてないものを入手する喜び、これまた発見するまで存在すらわからない場合が多く、ディスコグラフィ的にはないはずのものがある
薬師丸初のオリジナルアルバムからのリード曲「元気を出して」がA面、続いて『古今集』A面2曲目がB面って上から順番に配置しただけの印象で、熟考したのか疑うが、「元気を出して」は当時アルバムを買ってなかった自分も知ってたくらいだからラジオとかでよくかかってたのかもしれない(そういうメディア向けにこの7インチの意味がある)、強いて言うならB面は如何にもな大貫妙子作「白い散歩道」が良かった、或いはA面と緩急をつけるためにアップテンポな井上鑑作「ジャンヌダルクになれそう」でも面白かったかも
初のオリジナルアルバムということで全部新曲で構成という徹底ぶり、但しそれじゃちょっとハードルが高い(かも?)ということで、初回盤は2枚組仕様、そのスペシャル盤の4曲は前年の大ヒット曲「探偵物語」とそのB面「すこしだけやさしく」、さらにレコード会社が違うのでそのままは収録出来ない大ヒット曲「セーラー服と機関銃」をリアレンジで、だったらそのB面「あたりまえの虹」もリアレンジ収録すればよいかと思うが、流石にヒット曲でもない他社楽曲をこれ以上収録しても仕方ないということで「探偵物語(ストリングス・ヴァージョン)」という水増し感(そもそも当時『古今集』買った人って100%に近い確率でシングル「探偵物語」も持ってると思うだけに)、ただこの時代は初回盤特典みたいな商法はまだまだ珍しかった
ということで最後にブリ返せば、このプロモ7インチのB面は「セーラー服と機関銃(リアレンジ・バージョン)」だったら最高
メイン•テーマ

A面「メイン•テーマ」
B面「スロー•バラード」
作詞:松本隆/作曲:南佳孝/編曲:大村雅朗
薬師丸映画を『家族ゲーム』で一躍有名になった森田芳光監督が撮るということで期待されたが、残念ながら(いやホントに)、それに応えられなかった映画、自分も前年『探偵物語』は映画館に観に行ったが、これは行かなかった(面白そうな気がしなかった、簡単にいえば子供には地味過ぎるというか引きがない内容)、自分だけではなく一般の評価もはっきりいって失敗作というものだろう、昔レンタルで観ただけなので、また観るつもりだが、実は傑作でしたっていうことはないと思う、大袈裟に言えば、ここで薬師丸マジックが終わったといっても過言ではない、別の言い方をすれば、松田優作と共演した『探偵物語』まではアイドル(スタア)期、評価の高かった『Wの悲劇』は本格的な女優への第一歩ということで、その間に挟まれた過渡期の映画となってしまった
と、ここまでは昨年書いたものですが、その間に映画を観直しました、やはり微妙でした、改めて思うに森田芳光と片岡義男の原作の相性が原因かと思いました、角川で薬師丸映画を撮る条件としての片岡義男の原作は小説としてはいいかもしれないが、映画向きではなかったのではないか、或いは森田芳光が自分でオリジナルなり原作を選んでいれば、単純に映画として面白くなったのではないかと、薬師丸ひろ子と森田芳光の組み合わせ、時の勢いがあっただけに勿体無かったです
「セーラー服と機関銃」「探偵物語」の連続オリコン1位からの3枚目のシングルは2位止まりでした、これは曲の問題ではなくジャケの問題、単純にジャケが野村宏伸との2ショットだから、原作本の表紙(中ジャケ参照)或いはサントラ盤の裏ジャケやピンナップのように薬師丸が単独が写ってる写真であえば1位を獲れたと確信しております、もの凄くクダラナイことですが、このレコードの購買層の殆どが10代童貞男子ということを考えれば、もう致し方ないです、それをうっかり映画の宣伝スチールにしてしまったのが敗因だったかと
B面「スロー•バラード」はサブスク未解禁


”Wの悲劇”よりWoman

A面「Woman "Wの悲劇"より」
B面「冬のバラ」
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
映画『Wの悲劇』主題歌(同時上映『天国にいちばん近い島』)
松田聖子「赤いスイートピー」と並んで、松本隆+呉田軽穂コンビとしてはコレとツートップ(2大名曲)と断言、誰が?皆が、そしてそれに異論なく自分も、しかしそれとてリリースされた瞬間からそうなったわけでもなく、長年の評価の蓄積による或る種の結論且つ総意なのである
『セーラー服と機関銃』が大ヒットして時の人となった薬師丸ひろ子をキティレコードから獲得するべく東芝EMIは動いた、どう動いた?
チーム薬師丸が早朝始発で角川春樹の自宅まで行き、家の周りを掃除、角川春樹がご苦労さんと出てきて金の入った封筒を渡す、気に入られてアッサリと薬師丸ひろ子の移籍が決まる、なんじゃそりゃ?
東芝EMI移籍後は松本隆に託される、まずははっぴいえんどでも切込隊長をやらされた(「春よこい」「12月の雨の日」)大瀧詠一との「探偵物語」、続いて松田聖子のパターンだと「風立ちぬ」→「赤いスイートピー」でユーミンとなるのだが、角川映画/片岡義男原作ということで南"スローなブギにしてくれ"佳孝との「メイン・テーマ」を挟み、満を持してユーミンとの「Wの悲劇」という流れ
映画『探偵物語』は当時映画館で鑑賞したが、翌年の『Wの悲劇』は観に行かなかったので(特に理由ナシ)、30年後くらいにやっと鑑賞、世間的には作品としても役者としても「Wの悲劇」の方が評価が高いが、個人的には薬師丸ひろ子は中央線に住んでる貧乏劇団員というより(まーそのギャップ、体当たり演技が評価されたのだと思うが)、やはり港区北青山出身なこともあり、お手伝いさんがいる大邸宅に住んでる「探偵物語」の方が個人的にはしっくりきます
なお、三田佳子と薬師丸ひろ子の共演といえば、デビュー作『野生の証明』の後に出演したテレビドラマ「装いの街」がある

あなたを•もっと•知りたくて

A面「あなたを•もっと•知りたくて」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:武部聡志
B面「天に星. 地に花.」
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:新川博
85年3月に角川から独立、5枚目のシングルは初めて映画と関係のない曲になり、自ら出演した民営化されたばかりのNTTのCMソング、作詞は引き続き松本隆、作曲は独立一発目がしくじらないように?手堅く筒美京平先生
リアルタイムの記憶では、この頃すでに「セーラー服と機関銃」時のようなフィーバーは遠い昔のこととなっていたので、自分も殆ど関心がなく、この辺から90年代初頭に歌手活動を一旦休止するまでのファンというのは、それでも残った固定ファン、その比較的チケットが取りやすかっただろうと思われる時期のコンサートに行っておけば良かったなと今更(初のコンサートツアーは87年)
『花図鑑』より紅い花、青い花/紫の花火

A面「紅い花、青い花」
作詩/松本隆 作曲/細野晴臣 編曲/細野晴臣・越美晴・小西康陽
B面「紫の花火」
作詞:松本隆/作曲:薬師丸ひろ子/編曲:松任谷正隆
86年6月9日リリースのサードアルバム『花図鑑』(松本隆プロデュース)のプロモオンリーシングル、このアルバムからはシングルカットが1枚もない、しかしメディアプロモ用には7インチが作られた、そこまでするならそのままリリースすればいいと考えるのだが、もしかしてタイアップをつけようとしてつかなかったとか、最初から頑なにシングル無しのアルバム勝負というコンセプトだったのかもしれない
んで、シングルは出さないけれども、メディア向けの一推し曲として選ばれたのが、細野晴臣の曲だったということだが、であればB面も同じく細野曲の「透明なチューリップ」にしましょうよと、どちらかというとそちらの方が人気なような気もするし... しかし薬師丸自身の作曲という「紫の花火」があるので、それをアピールしたい事情もわからなくはない
『花図鑑』の細野提供2曲はアレンジを越美晴と小西康陽にほぼ任せているが、時期的にはFOE後に足を骨折したのが理由のような気が勝手にしてます、本来自分がやるはずだった仕事を2人に振った的な
ステキな恋の忘れ方

A面「ステキな恋の忘れ方」
作詞作曲:井上陽水/編曲:武部聡志
B面「不思議よセ•ラ•ヴィ」
作詞:安井かずみ/作曲:加藤和彦/編曲:武部聡志
映画『野蛮人のように』(85年12月14日公開)主題歌、加えて東芝テレビCMソング
薬師丸映画でも『野蛮人のように』や『紳士同盟』以降になると近所のTSUTAYAに置いてなかったりするので、観るのも一苦労、で映画の方は角川からの独立第1弾ということでしたが、友達(太川陽介など)が遊びに来た時も花火、敵と応戦するのも花火ということで花火しか印象に残らなかった作品、『セーラー服と機関銃』の方がよっぽど野蛮だったかなと、残念ながら独立関係なく人気も下降気味で「ステキな恋の忘れ方」(今回書くまでタイトルも「野蛮人のように」だと思っていた)もオリコン1位をとれず(最高4位)、興行成績は邦画年間2位だったようですが、それは同時上映のビーバップのおかげという説もあるようで... いやディスるのが目的ではないのですが(念のため)
B面「不思議よセ・ラ・ヴィ」は陽水ではなく、加藤和彦作曲なことから、もしかして映画主題歌のコンペに負けた?とか勘ぐってしまう(因みに映画本編の音楽は加藤和彦)、わざわざ単なるB面用の書き下ろしとは思えない、さらに翌86年のアルバム『花図鑑』の予約特典は「不思議よセ・ラ・ヴィ」のソノシート、しかもこれが映画『野蛮人のように』完成記念フェスティバル(国技館)のLIVEヴァージョンということで、本来であればヒット曲の「ステキな恋の忘れ方」のLIVEヴァージョンである方が自然なのだが、何故改めて「不思議よセ・ラ・ヴィ」を推すのか、薬師丸がこっちの方が好きだったとか?

紳士同盟


A面「紳士同盟」
作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童/編曲:武部聡志
B面「ハードデイズ ラグ」
作詞:阿木燿子/作曲:梅林茂/編曲:武部聡志
86年12月13日公開映画『紳士同盟』主題歌
「ささやきのステップ」を飛ばして8枚目のシングル、ここへきて阿木燿子+宇崎竜童コンビというのがちょっとなとは思います、どうしても山口百恵時代のイメージが強いのでフレッシュな感じがしないというか、松本隆じゃないんだ?的な、でも変わってて印象に残る曲なのは武部聡志のアレンジも良かったのかもしれません
角川から独立後、リアルタイムの記憶では関心がなかったこともあり(「ささやきのステップ」は耳にしたこともない)、人気はかなり落ち着いていたのでは?と思ってましたが、オリコン2位だったそうで、初動の勢いはまだあったようで
映画は令和になってからやっと観た次第、コメディの難しさを感じましたが、Wikipediaによると当初相手役は明石家さんまがやる予定だったとか、逆にそれは無くなって良かったと思います、テレビで面白い人を映画で使えば面白いわけでもない、特に原作/脚本がきっちりしてる映画でアドリブで面白い人を起用してもうまくいくとは限らない、実際問題『いこかもどろか』は今となっては誰も話題にしない、かといって時任三郎がハマっていたとは思えず、じゃー誰か?となると困った時の真田広之になってしまいますが...
『紳士同盟』でもって『翔んだカップル』からのアイドル期はひと段落ついた印象、次回作『ダウンタウン・ヒーローズ』は大学卒業後の1年8ヶ月後に公開されました
「ささやきのステップ」を飛ばして、このシングルを手に入れた理由の1つにB面が「ハードデイズラグ」だったというのがあります、「ごきげんよう」でお馴染みの音が入ってるので... でも一応『紳士同盟』の挿入歌でもあります
