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purleymay
【シロクマ文芸部】月の味|初恋.マグロ.凱旋門|ショートショート
海沿いの町に、マグロ漁師の少年・ルカがいた。
ある晩、彼は凱旋門のようにそびえる古い岩の下で、不思議な少女に出会った。
「ねぇ、月の味って知ってる?」
少女は銀色の髪を揺らして、笑った。
「そんなの、塩っぱくて冷たいだろ?」
「ちがうよ。ちょっと切なくて、甘いの」
その夜、ルカは初めて少女に恋をした。
海に映る月を見ながら、彼女はひと切れのマグロを差し出した。
「これ、月の味がするよ」
ルカは半信半疑で口にした。
ほんの少し鉄のような、でも涙の味にも似ていた。
翌朝、少女はいなくなっていた。
残されたのは、凱旋門の下に置かれたマグロの骨と、
空に浮かぶ真ん丸な月の笑顔だけ。
ルカはそれ以来、どんな魚を釣っても、
あの夜の味には二度と出会えなかった。
それが、彼の初恋の味──
そして、月の味だった。🌙🐟💫
了

*下記企画に参加させて頂きました*
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