見出し画像

【シロクマ文芸部】水色は|エッセイ

水色は
空の中間の色だと思っていた。青よりも優しくて、白よりも冷たい。
春の終わり、冬の名残を少し引きずっているような、あの曖昧な色。

昔、水色の便箋を使っていた。
その上に綴る言葉は、いつも誰かへの未練か、まだ言えなかった「ありがとう」だった気がする。
あの便箋に涙を落とすと、インクがにじんで、文字が水玉模様になった。
まるで言葉が、泣いてるみたいだった。

それでも、水色は嫌いになれなかった。
悲しみを吸い取って、やがて空に戻してくれるからだ。
青に変わるまでの時間を、ちゃんと見届けてくれる色だから。

今も、心が曇った朝は、水色のマグカップで紅茶を飲む。
「大丈夫」って、言葉よりも先に、色がそう言ってくれる気がして。





*下記企画に参加させて頂きました*



次の作品はこちらです↓↓↓


↓↓↓こちらは前回のです


最後までお読みくださり、ありがとうございます😊すず

いいなと思ったら応援しよう!

鈴蘭 読んで下さりありがとうございます!励みになります!