Photo by
x4a4n
【シロクマ文芸部】レシートに|エッセイ
タイトル:レシートの余白
レシートに、
今日の時間が残っている。
買ったものの名前。
値段。
日付と時刻。
ただの紙なのに、
その日の断片が、きれいに並んでいる。
何を選んだか。
何を手に取ったか。
そこには、小さな意思の積み重ねがある。
ふと見ると、
思っていたよりも、いろんなものを選んでいる。
必要なものだけじゃなくて、
なんとなく手に取ったものもある。
その“なんとなく”に、
その日の気分が出ている気がした。
レシートは、正直だ。
ごまかしがきかない。
でも同時に、やさしい。
買わなかったものや、
迷って戻したものは、
どこにも書かれていないから。
余白がある。
選ばなかったものの分だけ、
静かな余白が残っている。
その白さが、
どこかほっとする。
すべてを持ち帰る必要はない。
選んだものだけで、
その日は十分に形になる。
レシートを折りたたむ。
ポケットの中で、
かすかな紙の感触が残る。
今日という一日も、
こんなふうに、
必要な分だけを残していけたらいいと思う。
了

*下記企画に参加させて頂きました*
☆次の作品はこちらです↓↓↓
↓↓↓こちらは前回の作品です。
最後までお読み下さり、ありがとうございます😊すず
いいなと思ったら応援しよう!
読んで下さりありがとうございます!励みになります!