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【風まかせ文芸部】大掃除|エッセイ



大掃除をしていると、いつも思う。
埃よりも厄介なのは、心の汚れだ。

床を拭けば、雑巾は正直に黒くなる。
でも心は違う。
拭いたつもりでも、残っている。
見ないふりをしてきた言葉、飲み込んだ怒り、
「まあいいか」で積み重ねた諦め。

因果応報なんて、子どもの頃は単純なルールだと思っていた。
悪いことをすれば悪いことが返ってくる、
いいことをすれば報われる――そんな教科書的なやつ。

大人になって分かった。
因果応報は、もっと静かで、もっと遅い。
しかも、誰にも見えない形でやってくる。

「見えざるピンクのユニコーン」みたいだ。
存在を証明できないのに、
いないとも言い切れない。
信じる人には確かに見えて、
信じない人には永遠に見えない。

心の汚れも、たぶん同じだ。
あると信じて向き合わなければ、掃除は始まらない。

大掃除で部屋が軽くなるように、
心も、少しずつ手放していくしかない。
完璧に真っ白にはならなくてもいい。
今年の埃を、今年のうちに気づくだけでいい。

それだけで、
来年は少し、歩きやすくなる。


見えざるピンクのユニコーン(IPU)は、無神論や宗教批判の分野で用いられる思考実験で、信仰の論理を風刺する哲学的な問題である。


*下記企画に参加させて頂きました*


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