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franzkafka
【風まかせ文芸部】芸術|本物.長方形.昇天|ショートショート
森の奥に、小さなアトリエがあった。
長方形の窓から差し込む光は、昼も夜も変わらず、静かにキャンバスを照らす。
そこに住むのは、本物の画家。
絵を描くとき、筆先はまるで生き物のように震え、キャンバスの上で昇天する。
色は空気の中に溶け込み、描かれたものはまるで魂を持つかのように光を返す。
森の小道を歩くと、どこからともなく、画家の息遣いと絵の香りが漂ってくる。
その香りに誘われ、私も筆を取り、描きはじめる。
完成の形はない。長方形の窓は、世界と私の間の境界であり、自由の入り口でもある。
本物の芸術は、形ではなく、心の昇天を見せてくれる。
私たちはその瞬間、キャンバスの中に溶け、世界の一部になる。
長方形の窓の向こうには、まだ見ぬ色と光が待っている。
今日もまた、昇天する瞬間を追いかけて、筆を走らせる。
了

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