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noriyukikawanaka
【3つのお題に空想のひらめきを第29回】星を落とす仕事.逆さまの街.最後の祈り|ショートショート
タイトル:祈りを軽くする夜
俺は星を落とす仕事をしている。
夜空からこぼれそうになった光を、静かに拾い上げる。
逆さまの街では、人々は空を踏みしめて歩いている。
屋根は下に、影は上に、祈りだけが行き場を失って漂っていた。
星が多すぎると、願いは重くなる。
だから俺は箒星に乗って、余分な光を掃き集める。
落とされた星は、音もなく街の奥――彼方へ沈んでいく。
最後の祈りを聞いたのは、もうずいぶん前だ。
「どうか、忘れられますように」
それは叶えられた願いだった。
今夜も星を一つ落とす。
祈りを軽くするために。
街が、ちゃんと眠れるように。
箒星は静かに弧を描き、
俺はまた、逆さまの街をあとにした。
おしまい

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