見出し画像

【アマノ文筆クラブ】丸刈りーだ|ショートショート


タイトル:丸刈りーだの伝説

雲より高い場所に、「風の王国」があった。

その国では、強い魔法使いほど長い髪を持つと言われていた。

だから誰もが、美しい髪を自慢していた。

そんなある日、一人の旅人が現れる。

名前は、丸刈りーだ。

その名の通り、頭はつるりと丸刈りだった。

「えっ、髪がないのに魔法使い?」

王国中が笑った。

けれど丸刈りーだは気にしない。

「髪がなくても、風とは友達だからね。」

そう言って両手を広げると、一陣の風が吹いた。

風は鳥を空へ運び、枯れた花を咲かせ、干ばつでひび割れた大地へ雨雲を連れてくる。

人々は息をのんだ。

長い髪の魔法使いたちでも、こんな奇跡は起こせない。

王様が理由を尋ねると、丸刈りーだは笑って答えた。

「風はね、飾りじゃなくて心を見てるんだ。」

その日から風の王国では、髪の長さで強さを決める者はいなくなった。

年に一度開かれる「風祭り」では、子どもたちが憧れを込めて頭を丸める者まで現れたという。

そして今も風が強く吹く日には、どこからともなく笑い声が聞こえる。

「今日も風と遊ぼうぜ!」

それはきっと、伝説の魔法使い、丸刈りーだが世界のどこかを旅している合図なのだ。


*下記企画に参加させて頂きました*


☆次の作品はこちらです↓↓↓

前回の作品はこちらです↓↓↓


最後までお読みくださり、ありがとうございます😊すず

いいなと思ったら応援しよう!

鈴蘭 読んで下さりありがとうございます!励みになります!