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bxl_angie
【風まかせ文芸部】サンタさん|エッセイ
子どもの頃、サンタさんは本当にいると信じていた。
クリスマスの朝、枕元に置かれたプレゼントを見るたび、
世界はちゃんと優しいんだと思えた。
大人になって、サンタさんの正体を知った。
それでも、クリスマスは特別な日であり続けた。
ケーキを買って、少し背伸びをして、
何かを「信じる」気持ちだけは手放さなかった。
ある年、ケーキの横に小さな箱が置かれていた。
中には、指輪。
映画みたいな展開でも、完璧な言葉でもなかったけれど、
胸の奥がじんわり温かくなった。
真実は、サンタさんはいない、ということかもしれない。
でも同時に、
誰かを喜ばせたいと思う気持ちは、確かに存在する。
それがサンタさんなんだと思う。
姿を変えて、年を重ねて、
それでも毎年、ちゃんとやってくる。
今年もクリスマスが来る。
私はケーキを食べて、少し笑って、
世界の優しさを、もう一度信じてみる。
了

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