経営者がしんどいのは、能力不足ではなく『背負いすぎ』なだけかもしれない
売上を作ること。
支払いを止めないこと。
スタッフや家族に迷惑をかけないこと。
お客様に応えること。
先を読んで、判断して、決め続けること。
会社やお店を続けていると、
外からは見えない重さを、
身体に乗せ続けることがあります。
経営者がしんどい時、
それは能力不足ではなく、
背負いすぎているだけなのかもしれません。
以前の私は、
苦しくなるたびに、
自分に何かが足りないのだと思っていました。
もっと経営力があれば。
もっと集客できれば。
もっと売上を作れれば。
もっと判断が早ければ。
もっと強ければ。
そうやって、
しんどさの理由を、
自分の能力不足として見ていました。
でも、もしかすると本当に見た方がよかったのは、
能力の不足ではなく、
身体が握っていた前提だったのかもしれません。
「自分で何とかしなければならない」
そう感じる時、
足りないのは努力や意志の強さではなく、
自分でも気づかないうちに使い続けている古い見方があるからかもしれません。
責任感が強い人ほど、自分を責めやすい
経営者や店主は、
責任を持つことが当たり前になりやすいです。
自分が決める。
自分が何とかする。
自分が売上を作る。
自分が支払いを守る。
自分が止まれば全部止まる。
そう思っていると、
身体はいつも緊張しています。
そして、身体が疲れてきた時、
人はそれを「疲れている」とは受け取れないことがあります。
「自分が弱い」
「自分が足りない」
「自分の能力が低い」
「もっとできるはずなのに」
そうやって、
背負いすぎていることよりも、
自分の足りなさを見てしまう。
でも、本当にそうなのでしょうか。
もしかすると、
身体はずっと、
「自分で何とかしなければならない」
という前提を使い続けていただけなのかもしれません。
経営をしていると、
いつの間にか、自分で何とかすることが普通になります。
困ったことが起きても、
まず自分が考える。
売上が足りなければ、
自分が動く。
支払いが近づけば、
自分が計算する。
スタッフが困れば、
自分が対応する。
お客様に何かあれば、
自分が責任を持つ。
もちろん、それは大切なことです。
経営には、
責任を引き受ける場面があります。
でも、その状態が長く続くと、
身体はいつも「次に何が起きるか」を見張るようになります。
少し休んでいても、
本当には休めない。
売上が入っても、
次の支払いを見ている。
ひとつ問題が終わっても、
次の問題を探している。
誰かに任せても、
結局どこかで気になっている。
そうやって、
身体はずっと働き続けているのかもしれません。
外から見れば、
休んでいるように見える日でも、
身体の中ではまだ経営が続いている。
数字を見ている。
責任を見ている。
先の不安を見ている。
失敗した時のことを見ている。
この状態で、
さらに新しいことを始めようとすると、
身体が重くなるのは自然なことなのだと思います。
しんどさの奥にある前提を見てみる
経営者がしんどい時、
すぐに能力不足として片づけなくてもいいのかもしれません。
動けない。
考えられない。
発信できない。
新しい仕事に向かえない。
休んでも疲れが抜けない。
そんな時、
自分を責める前に、
身体が何を背負っているのかを見てみる。
今、本当に全部を自分で何とかしようとしていないか。
今の一歩に、
過去の売上や支払いの重さを乗せていないか。
今の仕事を、
また一人で背負うものとして見ていないか。
対価を受け取ることを、
重すぎる責任として見ていないか。
そこに気づくだけでも、
少し距離ができます。
「私は能力がない」ではなく、
「私は今、自分で何とかしなければならないという前提を使っているのかもしれない」
「私は弱い」ではなく、
「身体はまだ、背負ってきた責任の重さを見ているのかもしれない」
そう見えるようになる。
その距離ができると、
少しだけ呼吸が戻ります。
今すぐ全部を解決しなくてもいい。
今扱うのは、目の前のひとつでいい。
全部を背負うのではなく、
必要な責任と、もう持たなくていい重さを分けていけばいい。
そういう見方が、
少しずつ入ってくることがあります。
能力不足ではなく、背負いすぎていただけかもしれない
経営者がしんどいのは、
能力不足だからとは限りません。
それだけ真剣に守ってきたから。
それだけ長く考え続けてきたから。
それだけ多くの責任を、
自分の身体に乗せてきたから。
だからこそ、
簡単には軽くなれないのだと思います。
しんどい自分を責める前に、
一度見てあげてもいい。
今、私は何を背負っているのか。
それは本当に、今も全部必要なのか。
昔の責任を、
今の一歩に乗せていないか。
そう問いかけた時、
身体は少しずつ、
今の現実を今の重さで受け取れるようになっていくのかもしれません。
経営者がしんどいのは、
能力不足ではなく、
背負いすぎかもしれない。
そう見えた時、
自分への責め方は少し変わります。
もっと頑張れ、ではなく、
何をそんなに背負ってきたのだろう。
そうやって見ていくところから、
次の一歩は少し軽くなるのだと思います。

「分かっているのに、なぜか動けない」
「変わりたいと思っているのに、また同じところに戻ってしまう」
そんな時、足りないのは努力や意志の強さではなく、
自分でも気づかないうちに使い続けている「古い見方」があるからかもしれません。
私は、それを「前提」と呼んでいます。
私自身、何を学んでも、何を試しても、
「どうすれば変われるんだろう」と長い間答えを探してきました。

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