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【崩壊フロストパンク】厳しすぎた市長、生存率93%のために人間性を捨てる

生存率93%。
人間やめました。

前回:優しさで崩壊
今回:厳しさで倫理崩壊

単発でも読めますが、前回の記録はこちら。

人に厳しく自分に甘く。


前回、極寒の世界で優しさを発揮したところ、死亡率96%を達成してしまった。

終盤は連日飯抜き、寒さで四肢切断、危篤患者が危篤患者を治療する相互看取りが発生していた。

優しさは食えない。

フロストパンクとは、寒さから逃げるゲーム(たしか)。
でかいヒーター(ジェネレーター)がある穴蔵に大急ぎで避難。✨
そして私はそのリーダー。

そうだ。優しさなど、この世界では無用。
生き残りを最優先にし、頼れるリーダーになるんだ!(鼻息)


自信

攻略情報を検索する。

記事候補が出る。
目を通すこと0分。

ゲーム早くやりたすぎる。

即タブ閉じる。

ドパガキ。


2日目
労働至上主義

今回の私はひと味違う。

全ては皆を守るため。
お前ら、わかってくれるよな。

深夜3時、児童労働と24時間労働を迷いなく立案。
全ては労働から始まるのだ。

労働!👊
労働!💪
労働!👊

市民「24時間労働?あいつはぬくぬくチョコ食ってるくせに?狂ってる……」

不満が爆増した。


3日目
不満対策

やばい。
初手から不満ゲージが伸びまくってる。

このままでは私の身が危ない。

……。

スチャッ(メガホン)

「えー、まだ穴蔵に逃げて3日目ですが……」

市民が一斉にこちらを向く。

「闘技場を設置します!汗水垂らし、体をぶつけあい、現実から目を逸らしましょう!✨」

( ᐕ)📣

( '-' )

( ˙-˙ )

無事、満場一致で闘技場設立が決定した。


5日目
不満対策2

法律一覧を眺めていると、素晴らしいものを発見した。

『決闘法』

個人的な喧嘩あり、というやつだ。
最悪の場合帰らぬ者になるリスクはあるが、不満はかなり下げられる。

しかし……いいのか。
私は、あんなにも優しい……。

……。

( ᐕ)📣

「ニューローディサイド!✨喧嘩あり!だから私に文句は言うなよ!!🍫」


20日目

いいぞ、思ったより順調だ。


21日目

市民「市長、人が〇くなりました!墓つくってください!」

ああ、いいよ。
そこに置いておきなさい。

市民「え……でもここ、ただの雪の穴じゃ……」

(^_^)

( ˙-˙ )

……。

市民「狂ってる」

ゲーム画面「褒められたものじゃありません」

ゲームも現実も厳しい。


27日目
違和感

おかしいな。
炭が足りない。
それに、どういうわけか家のアプデが間に合わず、皆猛烈に寒がっている。

飯を食わせろ?
食ってるじゃん。

スープだ、
スープを食えば腹は膨れる。

固形物?
……まあ、そのうちね。

調理場を見に行くと、ストックしすぎた肉が腐りかけていた。

( 👁‿👁 )

……。

スッ…(食紅)

これでスープを綺麗な色にしましょう。✨

スープの色が良くなった。

市民の顔色は悪くなった。


28日目
鎮圧

氷の彫刻に転身するものが続出している。

これ、かなりまずいぞ。

希望が下がり、不満がぐんぐん上昇。

……。

……いいのか、これ。

いや、……でも……!

ポチ。

『秩序法律最終案』

「ヘイガイズ!私に逆らうものはすべて反逆者と見なし粛清される!私を信じておけばいいのだ!!👍」

市民は猛反対。

ゲーム画面「本当にやりますか」

( '-' )

( -᷅_-᷄ )


圧政

私は押し切った。

ここで心を鬼にしなくては、また離脱者96%の二の舞である。
同じ轍は踏まない。

『希望』ゲージは『服従』ゲージとなり、私に反発するものは"いなくなった"。生き残りは、もはや希望を抱かない。
考える必要も、機会もないからだ。

すごい。
これで気にするべきは不満ゲージだけだ!

「私はタフ!私は強い!我に着いてくれば良いのだ!!🍫」

市民「そうだ!市長バンザイ!希望など、弱者が気にすることだ!!」

『バンザイ!バンザイ!バンザイ!』


33日目

市民たちは穏やかだ。

市民「市長は素晴らしい。神だ」

その通り。

労働だ!気合いだ!ハピネスだ!

今日も市民たちは身を粉にして働いている。

正義!正義!正義!


37日目

順調だ。
何もかも上手くいっている。

テントも多めに用意しておいた。

ん?なんか軍団が来たな。

難民100人「助けて❄。仲間に入れて」

ああ、いいぞ。
正義に従うならば。

難民「まじ?やったー!」

市民が監視の目を向け合っている。
正義、タフ、を連呼して働く者たち。

難民「……なんかここ、異様じゃ……」

市民がやってくる。
何やら言い淀んでいる。

市民「……市長、働けない病人を、100人も。……正直、やりすぎです。都市が回りません」

……。

(^_^)

( ˙-˙ )

市民「……市長、バンザイ」

絞り出されたその声は小さい。

ああ、そうだ。
それでいい。


40日目

皆もう、静かだ。


42日目
究極の労働

📣「お前ら!大寒波が、すぐそこまで来ている」

市民の目がすわっている。
私の顔を見て、何やらボソボソと呟いている。

市民「市長……大寒波、バンザイ……」

📣「私が何を言いたいか……わかるな?」

市民が虚ろな目で私を見て、黙り込む。

「24時間労働!👊✨炭を!スープを量産しろ!研究者はクソデカヒーターを強化しろ!生き残るぞ!」

(⊙⊙)

「返事!」

……。

『ば……』

『バンザァァァイ!!』


45日目

大寒波が来た。
マイナス150度。

流石のタフな私も、これはきつい。

断熱も、医療も、ヒーターも完璧だ。

そのはずだった。

住宅を見回る。

……!

市民たちが肌を寄せあって座り、目を閉じ、そのまま帰らなくなっている。

……。

布団をかけようとして、やめた。

目を逸らす。

逃げ?違う。

これは"平等"だ。


現実

私の素晴らしい政策。

おかげで、以前より離脱者が圧倒的に少ない。

しかし、医療設備は寒さのあまり、徐々に凍結している。

真綿に首をしめられるように、じわりじわりと追い詰められていく。

医療施設を覗き見た。

……!

フリーズドライされてる……!

市長として、見てはいけないものを見てしまった。

私は何も見てない。

市民の受け入れ人数は、過去最大級の590人。

医療施設には、ギチギチに市民を詰めて入れるようにしていた。

市民達は、何も言わない。

ただ、ぎゅうぎゅうに敷き詰められている。

バンザイの声は、もう聞こえない。


最後の試練

びゅうびゅうという猛吹雪の音。
ヒーターの騒音。

人の声は、聞こえない。

ただ、身を寄せあって、マイナス150度の中を、生きている。


リザルト

生存率、約93%(ざっくり)。
離脱者、約7%(ざっくり)。


エンディング

……。

画面が切り替わる。
ゲームの言葉が浮かび上がる。

『難民たちは、弱っていた』

『秩序で、強さを手にした』

『監視し合う人々、威圧感のある守衛』

『洗脳』

『児童労働により、親は子を失った』

『我々は、一線を超えた』

『我々は、やり過ぎた』


……。

コントローラーを置く。

生存率は確かに、格段に上がった。

私は強かった、強くなった……はずだ。

ーー。

人として生き抜くか、人を捨てて身を残すか。

私は、正しかったのか。

……。

考える。
暖かい部屋で、チョコをつまむ私は、人を捨てても生きたいと思っている。

だけど、私がもしこの世界にいたら……。

答えは、まだ出そうにない。


ーー

ほかにも、少しずつ壊れていく話を置いています。
もし気に入っていただけたら、覗いてみてください。
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