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その通知は昨日を知っている

『昨日、2人の恋人とデートでしたね』

通知を見て、体が跳ねる。
スマホを開くと、知らない送信先からメッセージが届いていた。

は?なんで知ってんの?
誰?

サトルかナオキに、二股がバレていたら……。

2人のトーク画面を開く。

2人は怒っている様子はない。
二股はバレて無さそう。

では、一体誰が?

真面目な女を演じる私は、誰にも相談できない。そもそも、こんなことを話して誰が信じてくれるのか。


『昨日、寝つきが悪かったですね』

体がこわばった。
次の日も、メッセージが来た。

確かに寝れなかった。

それに、昨日から、誰かが見ている気が。


『昨日、歯ブラシをとられましたね』

「……っ!?」

スマホを落としかける。

私は急いで洗面台に向かい、何本も歯ブラシを入れてあるコップを確認した。

1、2、3……

4本。1本足りない。

空気が重い。


『昨日、ベッドの下に、人がいましたね』

は?

全身が震える。血の気が引いた。

ベッドの下を、恐る恐る覗き込む。

「……っ」

……誰も、いない。

私は、そこに私よりも短い髪の毛が落ちていることに、気づかなかった。


『昨日、彼といることを、もう1人の彼に、見られました。1度目ではありません』

「……は!?……っ、はっ!」

やばい。
あ、これ。

早く、別れ。


『昨日、部屋から、包丁が、なくなりましたね』

あ!

いや!
いやだ!!

無理。
無理、引っ越、

スマホも、解約、解約。
スマホ。
早く。


『昨日、あなたは』

「ーー。」

……。


『昨日、あなたはもう、起きませんでした』

ーー

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