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プロットなしでラストまで書ける天才は、一万人に一人。
あとの9999人はどうすればいいのか……?
その答えが、この「ストーリー工学」にあります。


1. 感覚で書くことの「限界」

「書きたいシーンはあるのに、そこに行くまでの間が書けない……。」

「中盤でキャラクターが迷子になって、エピソードが中だるみする……。」

「結局、ラストまで書ききれずにエキサイトブログの肥やしになってしまった……。」

創作をしたことがある人なら、一度はこんな絶望を味わったことがあるのではないでしょうか。
まぁ……私もそうなんだけれど……。

多くの人は、小説を「感覚」や「パッション」で書こうとします。
もちろん、熱量は大事です。それがないと始まりませんからね。

しかし、感覚だけに頼って書くのは、地図を持たずにエベレストへ登山に行くようなものです。
ほぼ確実に、途中で遭難します……。

そもそも、一万人に一人の天才(=プロットなしで頭から一気に傑作を書ける人)と同じ書き方をしてはいけないのです。
天才ではない我々には、別の戦い方があります。

それが、物語を「工学(設計)」として捉え、再現性のある設計図に基づいて組み立てる方法です。

材料をパパッと見ただけで、サクサク、トントンと料理を始めて完成させてしまう。
アミューズ  ➔ 前菜 ➔ スープ ➔ 魚料理 ➔ 口直し ➔ 肉料理 ➔ チーズ ➔ デザート ➔ コーヒー ➔ プティフールが次々と出てくる。
そんなシェフは超天才!! 又はその道10年以上の修行を経た大ベテランだけです。

私は、そんな天才パンチャーではありませんでした……。
そして公募にチャレンジして一次審査落ちを繰り返してでも「折れない魂」は持っていなかったのです。

自転車にも乗ったことのない少年に、いきなりツール・ド・フランスにエントリーさせるようなものです。絶対事故ります。
再起不能の怪我を負ってしまうかもしれません……。
やっぱり自転車は、最初は車の来ない裏路地で、補助輪付きから始めたいですよね。

レストランのフルコースには提供順序があります。そして、それは物語にも似た構造を持っています。

  • アミューズ  ➔  最初の風景(フック)

  • 前菜  ➔  物語への導入

  • スープ  ➔  世界観の説明

  • 魚料理  ➔  第一の試練

  • 口直し  ➔  転換点

  • 肉料理  ➔  クライマックス

  • チーズ・デザート  ➔  エンディング

  • コーヒー・プティフール  ➔  エピローグ

ストーリー工学とは、読者をいかに心地よく楽しませるのか?
また、来店していただくための構造研究の末に体系化された概念です。

そして未だに研究が続けられています。
この座学では、基本と言われる3幕15場40シーンを徹底的に解説します。
ハリウッド式脚本術というフワッとした感覚的なものではない。物語の構造を理解していただきます。
だってストーリー工学ですよ。『工学』なんですよ! 構造も計算で出せる程にしっかりと定まってないとおかしいでしょ。

「型にはまった物語では、つまらない。読者を驚かせることはできない?」
それは構造への理解がまだ十分ではありません。
世界中のレストランではフルコースの約束に従い、旬の食材、地元のお酒、その他すべてを使った趣向が凝らされているのです。
フルコースが出される順番を理解しているといって、世界中の全てのシェフが同じ食材を使って、同じ料理、同じ味を提供はしないでしょ?

お客様である読者は、とても我儘です。
「前食べた料理と同じものをくれ! ただし、違う味のやつを出せ!!」

2. 商業作家に求められる「本当の力」

第一認識として、知っておいてほしい現実があります。

日本のライトノベルや大衆小説は、一冊あたり「約10万文字~12万字」で構成されています。

そして、プロの現場(出版社)が本当に求めているのは、一発限りの「奇跡のホームラン」を打つスター選手ではありません。

「10万文字の小説を、同じ面白さ、同じテンポ、同じ読了感で、締め切りを落とさずにクオリティを保って書き続けられる作家」です。

常に打率3割をキープして安打(ヒット)を量産できる「再現性のある作家」こそが、商業の世界で生き残り、愛され続けるのです。

ここで少し残念なお知らせがあります。
ことライトノベルの多くは、キャラクター小説です。
可愛かったり、健気だったり、ツンデレだったり……いや、ツンデレもメッチャ可愛いのですが……海外の兄貴たちには難しい文化のようだ……。

話を戻して、読者の記憶として残るのは『愛すべきキャラクター』たちだけです。
シリーズものをいくつか出版し続けられ、コミック化、幾つかのアニメ化作品の原作に名前を連ねるようになって初めて原作者の名前が、読者の記憶に残るのです。

そして、現在はWeb小説全盛期を経て大混乱期。
生き馬の目を抜くようなレッドオーシャン。乱立した出版社もこれからどうなるのか? 暗中模索の現状です。

それならば、一般小説のコンテストに応募してみませんか?
10万字なんてあっという間です。2500文字の短編を40作品書けば10万字です。
ストーリー工学に基づいたプロットを完成させると、すべてのパーツが揃った箱書きも完成します。
この箱書きを完成させるプロセスがストーリー工学によって定められたのです。

出版社は金と人と知恵と人脈……それらすべてをかけて『売りたい本の宣伝のためにコンテストを開催する』のです。

近道として、ストーリー工学を学び、作家脳を手にして『プロット至上主義者』になりませんか?

業界に使い潰されるライターではなく。コンテスト一発屋でもなく。読者からも、出版社からも愛される作家になりましょう。

絶対になれるとは約束できません。
しかし、最短距離である事は確かです。

そして、「守破離」という言葉がありますよね。
ストーリー工学は、まさにこの「守(型を守る)」の極みです。

この型をマスターして商業的に安打を打ち続けられるようになってから、初めてあなたの本当に書きたい尖った世界(破・離)を市場に投下すればいいのです。順番を間違えてはいけません。

3. ストーリー工学とは「面白い」の物理法則

ストーリー工学とは、一言で言えば「面白さを科学的に設計する技術」です。

物語が面白いと感じる時、読者の脳内では特定の感情の変化が起きています。
この感情の変化を、物理法則のようにあらかじめプロットに組み込んでおく。
組み込みやすいパーツを最初に用意して、ストーリーを構築していくのです。

シェフがコースのメインに何を据えようと考えると同時に、前後の料理が組み立てられていく感覚に近いかもしれません。

家を建てる時に設計図が必要なように、物語にも「どこに柱を立て、どこに窓を作るか」の正確な図面が必要です。

すべては読者というお客様を楽しませるために!

日本の作家先生の中には、全てが頭の中に浮かんでいる。それをタイプするだけだ!! という天才パンチャーの方々が多いようで……羨ましいですね。
しかし、私は凡人です。感覚で書くことと、設計図で書くことの違いを知ってしまいました。
そして、こじれて『プロット至上主義者』になってしまったかもしれませんが……実際に精密なプロットはとても有効なんですよ。

4. これから学ぶ「10の設計図」

明日から、このストーリー工学の座学シリーズが本格的にスタートします。
これから皆さんに、物語を設計するための「10の武器」を順番にお渡ししていきます。

  1. 【導入】感覚vs設計(今回の講義)

  2. 【構造】三幕構成(黄金比率と守破離)

  3. 【核心】物語をジャンルではなく「型」として捉える

  4. 【開幕】フック(最初の一ページの魔力、離脱防止)

  5. 【変容】キャラクターの内的欲求と言動プロセス

  6. 【中盤】ミッドポイント(イベントカレンダーによる中だるみの排除)

  7. 【危機】ピンチポイント(エスカレートの法則)

  8. 【骨子】5大マイルストーン(プロット破綻を防ぐ背骨)

  9. 【解決】伏線回収とカタルシス(計算された感動)

  10. 【総括】ストーリー工学実践への道(テンプレート活用)

感覚の檻から脱出し『プロット至上主義者』となり、狙って傑作を書けるようになりましょう。

難しそう?

しかし安心してください。
難しそうに見えますが、一つずつ順番に進めていけば、誰でも設計図を引けるようになります!!

と言うことで。
次回は、物語の最も基本となる骨組み、「三幕構成(黄金比率と守破離)」について図解します。
お楽しみに!

全10回ストーリー工学入門では、質問を受け付けています。
・ なんで (・・?
・ ここはどうなっているの?
・ もう少し、ここを掘り下げて!!
などの疑問がありましたら、お気軽にコメント欄にお声をお寄せください。
「任せろ! 全部丸ッと解決だぁ!」とはいかないかもしれませんが……。
皆様のご意見が『全10回ストーリー工学入門』をより良いものにしていきましょう!
(*´▽`*)



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