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『レジェンド・オブ・エンブレム』第1話 【#創作大賞2024】【#漫画原作部門】


《あらすじ》

かつて、戦争が絶えなかった七つの国を一つにし、冨、名声、領地、人脈すべてを手に入れた英雄がいた。「私の元へくれば、私の全てを渡そう。待っているぞ。」と全大陸へ向けて言った後、英雄は突如姿を消した。
統率がとれなくなった各地では、また戦争が起こり始めた。

七つの国には代々紋章を持つ者が各国で一人現れる。紋章は誰にでも発現する可能性があると言われていた。

その中の国の一つ、「火ノ国」に一人の少年がいた。少年に家族はなく、奴隷として働く日々が続いていた。

とある日、火ノ国の王様は誰もが参加できる大会を開催し、その優勝者に紋章が現れると考えた。

自分の夢を叶えるべく、大会に出場する少年であったが…

《補足:キャラクター設定》

【主人公】
リアム=クラレス
年齢:12歳
身長:145cm
目は赤く、髪をおろした黒髪の少年である。奴隷のため十分な食事はとれておらず、とても痩せている。
「かつての英雄のように国の統一を目指す。奴隷をなくし、誰も悲しむことがない国をつくる。」という夢をもっている。

ベルナルド=ロアン
年齢:15歳
身長:170cm
目は青く、髪は逆立ち金髪である。目つきは悪く、相手を馬鹿にした表情でニヤっとすることが多い。力づくでいつもリアムをいじめている。
奴隷の中では最も力が強い。

ジルバ=アームグレット(火ノ国の王様 ジルバ王)
年齢:55歳
身長178cm
アームグレット家の長。「火ノ国」の王様。かつては、『火ノ国最強の剣士』と呼ばれていた。妻と三人の息子がおり、三人の息子も本国では最高位になるほどの戦士である。
『強きものが上をつくる』を掲げ、奴隷制度をつくった。強き者と弱き者には、分け隔てが必要であると考える。

ギール=アームグレット
年齢:21歳
身長180cm
アームグレット家の三男。長男、次男とともに火ノ国最強の三剣士と言われている。しかし、勝つためや手に入れたいものがあれば卑怯なことでもなんでもする極悪非道である。火ノ国でも悪名高いが、実力は折り紙つきである。

《本作のみどころ》

社会的地位も力も何も持っていない主人公のリアムが少しずつ自分自身で力をつけていくとともに、能力の『覚醒』を経て強くなっていく物語です。能力頼りではなく、自身の修行で強くなっていく姿を見て頂きたいです。また、紋章や能力が関係するバトル漫画になりますが、今までの漫画などには出てこない様々な能力があるため、新鮮な感覚でバトルが楽しめるかと思います。
リアムの優しさや驕らないといった部分に出会った人は惹かれていきます。謎の人物が出てくることや様々な伏線があるので、考察しながら見て下されば楽しく読めるかと思います。
リアムの成長を見ていきながら、伏線や結末はどうなるのかなど想像しながら見て頂けると嬉しいです。

《第一話 覚醒の光》 (本文)


「レディース&ジェントルメン!さあー!第一回戦はじまるぞー!まずは左!立ち塞がる者は顔の原型がなくなるほど何度も殴り、最後には場外へ投げ飛ばしてしまう!闘技場常連!バリー=ラリアンー!続いて右!奴隷からの出場!なんと痩せこけているのだろう!まずはしっかりと食事をとってから出場してほしいものだ!奴隷ながらの夢を抱いての出場か!奴隷に夢はつかめるのか!リアム=クラレスー!では、試合開始ぃぃぃーーー!」

時は遡り一年前…

「カン!カン!」ツルハシの音が鳴り響く。今日も奴隷たちは建造物を造ったり、掘り当てられるかもわからない金や銀を掘るように命令される毎日を過ごしている。リアムもその中の一人で、火ノ国にあるコロッセウムのような闘技場の改修作業をしているのであった。
火ノ国の従者「奴隷ども!今日の労働は終わりだ!部屋へ戻って飯を食え!また明日に備えろ!お前らに自由な時間などないぞ!」
奴隷たちの部屋は牢の中にあり、4人部屋になっている。奴隷たちは部屋へ戻って、従者が運んでくるご飯を待つ。しかしご飯は、ひときれの食パンと何が入っているのかわからないドロっとしたスープと腐りかけたリンゴのみ。少しメニューは変わるが、こういう食事が毎日続く。

「ドゴッ!」今日もリアムが生活している牢屋の中では腹を蹴られる鈍い音がする。
ベルナルド「おいリアム!今日もお前の飯をよこせ!お前が食べられる飯なんかねーんだよ!」ベルナルドはリアムの食料を奪いとろうとする。
リアム「やめてくれ…俺の飯…」リアムは手を伸ばして食料を奪い返そうとするが、その手は細く、力強さが全くないため、食事は簡単にとられてしまう。
ベルナルド「お前が俺に勝てたら、飯はとらないでやるよ。ま、一生かかっても無理だろうがな。ワーッハッハッハー!」ベルナルドの家来で同じ部屋の2人も笑いながらリアムを見ている。

ベルナルド「さあ今日はどうするか。そうだ、後ろを向け。」
ベルナルドの家来2人がかりで両手を抑えられ後ろを向かせられる。
ベルナルド「お前には生きる価値はないという意味のバツを背中に刻んでやろう。奴隷最強の俺の剣を背中で味わえるんだ。感謝しろ。気絶するなよ〜。燃えよ!青炎剣!」ベルナルドはにやにやしながらリアムの背中に剣先をあてる。
リアム「ぐあーっ!やめろー!!!ジュー…(剣で背中を焼く音)ぐわーっ!」

リアムは背中を炎で焼かれ、屈辱的な大きなバツを背負って生きていくことになった。
リアムは毎日食事をとられ、ベルナルドたちのストレス発散の道具になっている。今にも餓死しそうだ。

リアム(心の声)「ここの生活にももう限界だ。何か考えなければ。俺は死んでしまう。」

ジジー…ジー
牢屋内の放送音がなる。

門番の従者「おーい!奴隷ども!これから国王様から放送で大事なお話しがある!よく聞け!」

ジルバ王「皆の者ご機嫌よう。ジルバ王じゃ。この度、火の国の最強を決める、火炎闘技場トーナメントを開催することに決定した!今回のトーナメントは火の国の誰もが参加できることにした。大人から子ども、奴隷まで参加できるようにしている。ただし、トーナメントは降参するか死ぬまでの勝負じゃ。自分に自信がある強き者だけ出場せよ!存分に戦うがよい。優勝者には、なんでも望むものを授けよう。戦いは一年後。それまで日々精進するがよい!人生を変えたい者よ。集え。」

リアム(心の声)「これだ。これしかない。勝負は一年後。それまで死ぬ気で鍛えるしかない。」

ジルバ王「ああ。それと、特別に今回だけ奴隷にも火ノ国の外での魔物狩りを許す!そこで鍛えるがいい!ただし死んでも関係なしだ!誰も助けてはくれん!午前中は奴隷の仕事、午後は魔物狩りを許そう。魔物狩りをしない者はいつもどおり働け!以上!健闘を祈るぞ皆の者。ワーハッハッハー!!!あっと…余談ではあるが、ワシの息子たちも出る予定だ。くれぐれも自信のある者だけ出るように!ぬわーハッハー!」

放送終了後

国王の側近「国王様、失礼ながらお聞きしても良いですか。なぜこのような大会を急遽開催されようとお考えになったのでしょうか。」

ジルバ王「なぜだと?決まっておろう。火の紋章持ちをこの国から出すためじゃ。5年以上前から我が国で紋章の持ち主は出ておらぬ。紋章持ちが出なければ、他の国との戦争や魔物にも勝てん。あの力は国において絶大じゃ。それを前の紋章持ちのジジイは国から去り、挙げ句の果てに知らない地で殺されたと聞く。まあ紋章持ちがいなくなれば、新たな紋章持ちが出現するからかえってよかったがな。前みたいに紋章を持ってこの国から去るようなやつがいれば次はその場で拘束しろ。紋章をワシが有益に使ってやる。あの魔法帝国みたいにな。」

側近「さすがは国王。お話しお聞かせ頂き感謝致します。拘束の時は我ら側近にお任せ下さい。」

牢屋内

リアム(心の声)「国王の息子達だと…あの三兄弟は、火ノ国三剣士とも言われている、この国では最強格の剣士だ。この大陸全土には魔物を狩る者や冒険者達にはそれぞれ適正な魔物を狩るためのランクが付けられている。噂によると、長男は各国に一人か二人しかいないSランク。次男もそれにつぐAランク。三男も次男には劣るが強く、極悪非道だと噂で聞いた。誰に当たっても最悪だが、ここで優勝しなければ俺は生き残る道はない。俺の夢を叶えるためにも…」
トーナメントでの優勝を誓ったリアムは、翌日から魔物狩りに出るのであった。

リアムは奴隷の仕事が終わった後、初めての魔物狩りに出た。
リアム(心の声)「魔物にもランクがある。Sランクなんかに出会えば一瞬で殺されるだろうが、森にいる魔物はせいぜいGランク〜Eランク程度だという。今の俺ならGランクを倒せるか倒せないかのレベルだろう。はじめは小さい魔物から倒していってとにかく慣れていこう。」

リアムが森の中を歩いていると早速、グールラビット(Gランク)が出てきた。
リアム「見た目が腐食している小さいうさぎ…?これは魔物だな!やるぞ!」
リアムは国から支給された銅の剣でグールラビットを迎えうつ。グールラビットの飛びつきや噛みつきを間一髪で避けながら、死に物狂いでようやく倒すことに成功する。
リアム「ハアハア。あと何匹かグールラビットを倒して今日は帰ろう。」
リアムはそのあともグールラビットを倒し、毎日ふらふらになりながら牢屋にもどる日々が続いた。
皆が寝静まってからも腕立てや腹筋、懸垂などできることは全てしていた。

半年後

リアム「おっと。またFランクのハニービー(蜂型の魔物)だな。こいつはもう慣れたぞ!」
Fランクの魔物を次々と倒していくリアム。
すると、同じく魔物退治をしているベルナルドたちに遭遇する。
ベルナルド「おいアレンじゃないか。最近お前部屋にいないなと思ったらそうか、魔物を殺しにきてやがったのか。調子はどうだ?まあいい俺が少し手合わせしてやろう。剣を構えとけよ〜いくぞ〜青炎剣!」
ベルナルドはにやにやしながらまたリアムをいじめるような顔で見ている。

カキーン!剣同士がぶつかる。しかし、アレンは押され右肩に傷がつく。ベルナルドの猛攻にとうとう背中が地面につき、剣先を首に当てられる。ジュー…(首に剣が当たり皮膚が焼ける音)ぐ、ぐわー!

ベルナルド「ハハハー!情けない声だな!お前まさかこんな力でトーナメントに出るわけじゃないよな?当たったら容赦なく殺すからな!それまでせいぜい森の主に食べられないことだな。ハッハッハー!帰るぞお前ら!」

ベルナルドは仲間を連れて帰っていった。
リアム「くそっ…!俺がもっと強ければ…なんとしてもあと半年でベルナルドに勝てるくらいには強くならないと…そういえば、あいつが言っていた森の主ってなんなんだ?そいつに勝てばベルナルドも倒せるようになるかもしれない。魔物狩りを続けていればそのうち出会うかもしれないな。」

大会前日

リアムはまた森の中で最後の狩りをしていた。
リアム「よし、Eランクのブルーベアーを倒せるようになったぞ。2.3匹が限界だけど、この一年間で少しは強くなったと思う。新しい技も練習してきたし、トーナメントを絶対に勝ち上がるぞ。」
リアムの身体はまだ細身ではあるが、筋肉がつき絞れている身体のようになった。
リアム「さ、明日は大会だし帰るか…んん?なんの音だ?」
リアムの辺りでは木々が揺れているほどに地鳴りがする。大きな影がリアムの正面に見える。
リアム「こっちに向かってくる…!な、なんだこいつ!でかすぎる!」
出てきたのは、リアムよりも4倍以上もある大きさの熊型の魔物で森の主であるCランクのレッドアイベアーであった。
リアム「こいつ森の主か…?こんなやつ絶今の僕じゃ絶対に勝てない。助けを呼ばないと。でも助けなんて…周りには誰もいない。」
腹を空かせたレッドアイベアーはリアムを捕食対象として見ており、襲いかかる。「グオアー!!!」
レッドアイベアーの突進、引っ掻き、噛みつき攻撃。噛みつき攻撃はなんとか避けるが、突進や引っ掻き攻撃を受けリアムは身体全身から血が出てボロボロな状態となった。今にも気を失いそうになり、地に大の字に倒れる。
リアム「もうだめだ。俺はここで終わりなんだ。こんなやつ勝てるわけがない。まあこれまでよく頑張ったかな。俺なりにできることはやった…あとは…」

回想シーン

ジルバ王「自分に自信がある強き者だけ出場せよ!存分に戦うがよい。優勝者には、なんでも望むものを授けよう。戦いは一年後。それまで日々精進するがよい!人生を変えたい者よ。集え」

ベルナルド「お前まさかこんな力でトーナメントに出るわけじゃないよな?当たったら容赦なく殺すからな!それまでせいぜい森の主に食べられないことだな。ハッハッハー!帰るぞお前ら!」

回想終

リアムは膝に手をつき立ち上がりながら、
リアム「こんなとこで負けるわけにはいかない。俺はベルナルドにも国王の息子たちにも勝つんだ。そして、俺の夢を果たす。こんな不条理な世界を一つにするんだ!うおーーー!!!」
リアムの胸の辺りが突如光輝く。この絶望の最中、リアムの第一の覚醒がはじまる。
リアム「なんだ?この光は…力が身体から溢れるみたいだ…」
覚醒の光は同じ覚醒者にしかみることはできず、一般の人間や魔物には見えない。
「グア…グオオー!!!」
レッドアイベアーは獲物にとどめを刺そうと鋭利な爪をたててリアムに向けて突進する。
リアム「こんなところで俺はやられていられないんだー!お前を倒し、こんな不条理な世の中を変えてやるんだ!うおーーー!!!」
リアムもレッドアイベアーに剣を向けて突進する。
リアム「くらえ!俺が練習してきた技を!火剣・炎(ほむら)の舞!」
剣に火を纏い、華麗にレッドアイベアーの攻撃を舞うように避け、斬ろうとしたが剣が届かず避けられてしまった。
リアム「くそっ!届かない!」レッドアイベアーが避けた勢いで攻撃をしようとした瞬間のことだった。
リアム「俺の剣よ!思いよ!届けー!」
次の瞬間リアムの剣に纏った火の刀身が伸び、レッドアイベアーの上半身と下半身を真っ二つにした。
「グオアー…アア…」ドーン!レッドアイベアーは一瞬で絶命し地に転がった。
リアムもその場に片膝を立てて座り込む。
リアム「ハアハア。たお…せた…かな。真っ二つにしたからさすがに起きてはこないか…。そういえばこいつのランクはなんだったんだろう。とてもEとは思えない。Dだったのかな…それにしても強かった…もう何も考えたくない。帰ろう。」
リアムは自身が光り輝いたことは覚えていたが、それが第一の覚醒だたいうことは知る由もなかった。
ボロボロで疲れきったリアムは森をあとにし、明日の大会に備えて牢屋にもどるのであった。

火炎闘技場トーナメント当日

奴隷控室

リアム(心の声)「ようやくこの日がきた。昨日の戦いの傷は完全に癒えてはないが、この日のために身体を鍛え、魔物狩りを続けてきた。厳しい日々だったけど、この日に自分のすべてを出す。そろそろ始まるな。いくか。」

時は戻り現在

トーナメント司会「レディース&ジェントルメン!皆様長らくお待たせしました!国王様の決定から1年。ようやくこの日がやってきました!」

闘技場出場者100人ほどの全員の顔がそれぞれ切り抜かれる。

司会者「まずは国王様からの開催宣言です!」

ジルバ王「皆の者ご機嫌よう。これまでに着実に力をつけてきた者、多くの魔物を屠ってきた者、惜しくも魔物討伐で死んでしまった者。様々なことがあったと思う。しかし、今日は自分の人生を変えることになるかもしれない日!全ての力を振り絞り、それぞれの思いを背負って戦うのだ!優勝者には望むものをなんでも渡そう。それでは火ノ国闘技場トーナメント開催じゃ!」

闘技場には1000人以上の観客がおり、歓声で場が盛りあがる。

ジルバ王「おっと最後に。わしの息子たちが出る予定じゃったが、第一王子と第二王子は敵国へ戦いに出向いているため参加ができなくなった。そのため第三王子だけ参加することとなった。では、皆の健闘を祈るぞ。」

司会者「国王様ありがとうございました!では時間も限られているので、早速はじめていきましょう!第一回戦!まずは左!立ち塞がる者は顔の原型がなくなるほど何度も殴り、最後には場外へ投げ飛ばしてしまう!闘技場常連!バリー=ラリアンー!続いて右!奴隷からの出場!なんと痩せこけているのだろう!まずはしっかりと食事をとってから出場してほしいものだ!奴隷ながらの夢を抱いての出場か!奴隷に夢はつかめるのか!リアム=クラレスー!では、試合開始ぃぃぃーーー!」

バリー「おおい?おチビさん。悪いことは言わない。降参しな?降参しなければしぬことになるぞ?それでもいいなら俺はいいがな!」
約2mもの身の丈で筋骨隆々のバリーは鉄球に繋がった大きな鎖を振り回しながらリアムに言う。
リアム「俺は大きい相手にも屈しないと決めた。こい…!」
バリー「忠告はしたぞ!ぐらーっ!」
バリーはリアムに向けて鉄球を投げつける。
リアムは瞬時に構え、目に見えない速さで剣に火を纏い鉄球を半分に斬ったのであった。
バリー「おい…こいつは鋼の鉄球だぞ…そんな銅の剣で斬れるわけがない…くそっ!しねー!」
バリーはリアムを殴ろうと飛びかかる。
リアムはバリーの突進を華麗に避け、バリーの首に剣先を当てた。
バリー「何者だお前は…命だけは助けてくれ!降参だ!」
司会者「…バ、バリー選手が降参!勝者!奴隷出身リアム=クラレス!」
闘技場では奴隷が勝つほうが珍しく、観客はどよめき、ざわざわしている者や拍手している者、喜んでいる者様々であった。
フードをかぶる謎の男「見つけたぞ。」
ガスマスクをつけている人物「この子は…」

司会者「少々番狂せがありましたが、次々いきましょう!続いての試合です!」

奴隷出身のリアムの勝利に皆が驚いたが、試合は続行され、リアムはその後の試合の二回戦、三回戦も圧倒的な力で相手を降参させ、トーナメントを勝ち続けるのであった。

司会者「さあ続きまして準決勝になります!まずは左!まさかの番狂せ!圧倒的な力で相手を降参させ続けてきた!奴隷の新星!リアム=クラレスー!続いて右!まさかのこちらも奴隷出身!奴隷の中では最強の声と名高い、奴隷最強!ベルナルド=ロアンー!まさかの奴隷対決!決勝戦に駒を進めるのはどちらか!レディーゴー!」

ベルナルド「リアム…お前どんな手をつかってここまできた?」
リアム「ベルナルド…この大会に優勝するために必死で生きてきた…それだけだ…」
ベルナルド「ふん。まあどうでもいいか。これから俺にころされるからな。俺には勝てないぞ〜!ハハッ!青炎剣!」ベルナルドは笑いながらリアムに斬りかかる。
リアム「うおー!火剣!」
ガキーン!ガキーン!剣と剣が何度も衝突し、鈍い音が闘技場に響き渡る。ベルナルドはリアムの剣を避けきれず、何度も身体に傷がついていく。リアムも2、3回ベルナルドの剣を避けきれず身体に傷がつく。
ベルナルド「何度も俺の剣を止めやがって。終わりにしてやる。狂え!青炎剣ンンー!」
ベルナルドの剣の青炎が激しく燃え上がる。
ベルナルド「お前を黒焦げにして、あの世へ送ってやるよ。あの世で家族と仲良くな!お前に家族なんていなかったか!ハハーッ!これが俺の最強の奥義…青剣・青熊(あおぐま)!!!」ベルナルドはリアムに向けて剣先を真っ直ぐ突き立て突進する。
リアムは静かに構える。
リアム「俺も奥義で立ち向かう。奥義!火剣・火焔龍星(かえんりゅうせい)!」
リアムは華麗にベルナルドの剣をかわし、ベルナルドの首に剣に纏っている火の刀身を突きつける。その刀身は激しく燃え、リアムの剣の3倍以上の大きさになっていた。レッドアイベアーを倒したリアムにとって今のベルナルドはもはや敵ではなかった。
ベルナルド「お前…いつのまにこんな力を…」
リアム「ベルナルド。これで終わりだ。斬りたくはない。降参してくれ。」
ベルナルド「……。降参だ。」
ベルナルドもこれまで幾度となく強い相手と対峙し、倒してきている。リアムが想像以上に強く、勝てない相手だと理解したのであろう。潔く降参をした。

司会者「奴隷VS奴隷!この戦いを制したのは〜勝者!奴隷の新星!リアム=クラレスー!」

観客もレベルの高い戦いに今日一番に盛り上がる。
観客A「おおー!すごいぞー!奴隷も侮れないなあ…!」
観客B「ただ決勝は厳しいだろうな…悪名高い三男だぞ…」

司会者「さあ次は決勝戦です!決勝戦は国王様の息子であり、アームグレット一族の三男!ギール=アームグレットぉぉぉ!VS奴隷の新星!リアム=クラレスぅぅー!勝利をおさめるのは誰か!まあ決まっているであろう!決勝戦までしばしの休憩時間を設けます!」

リアム「ベルナルドとの戦いで、身体と剣ともに消耗したな。回復施設があったが回復させてくれるだろうか。」
リアムは闘技場内部の回復施設に初めて向かう。ベルナルドと戦うまでほとんど傷つかなかったリアムはいく必要がなかったのだ。
リアム「すみませーん。トーナメント出場者の者なのですが、身体と剣を診てもらいたいのですが…」
回復施設の者「申し訳ないのですが、奴隷は回復するなと言われておりまして…」
リアム「??? 誰にですか?」
回復施設の者「それは言えません。」
リアム「そうですか…わかりました。」
リアム(心の声)「誰の仕業か知らないが、回復をさせてくれないなんて酷いことをする人もいるもんだ。そりゃベルナルドみたいなやつもいるもんな。ん〜でもどうするか。さすがにこの身体とこの剣じゃ決勝戦は厳しい。とりあえず奴隷控室にいくか。」
リアムは奴隷控室に戻るが誰もおらず、回復もしてもらえなかったので、決勝戦まで疲れを癒すため少しでも寝るのであった。
「とことこ」と奴隷控室に入ってくる誰かの足音がするが、リアムは剣を抱きかかえ、地べたに座って寝ていて気付いていない。
ガスマスクをつけている人物「ボロボロじゃない。回復もしてもらえなかったのね。可哀想に。私にできることはこれくらい。」
ガスマスクはリアムの身体と剣を元通りに回復させて、奴隷控室を去っていった。

司会者「さあー!!!お待たせしましたー!!!決勝戦が始まります!皆様観戦のご用意をして下さい!」

リアム「ん!もうこんな時間か!寝過ぎてしまった。闘技場まで急げ!間に合うか…!」

司会者「レディース&ジェントルメン!お待たせしました!決勝戦が始まります!さあ、まずは左から!ここまでこの人間が勝ち上がることなんか誰が予想できたでしょう!奴隷の新星!リアム=クラレスー!!!」
リアム「よかった。間に合った。それにしても妙に身体が軽かったな。ん!身体も剣も元通りになってる!誰かが回復させてくれたのかな?とりあえずよしとして、この戦い絶対勝つぞ!」
司会者「続きまして右!火ノ国最強の三剣士の一人!ここまで無傷で勝ち上がっているのは流石の一言。悪名高いとも言われているが、その強さは紛れもなく本物!アームグレット一族の三男。ギール=アームグレットぉぉぉ!!!」
ギール「ここに一つ宣言しておく!決勝戦はどちらかがしぬまで戦い続ける!最強は一人で十分だからな。さあ、早く勝負の合図をしろ!」
司会者「どちらかがしぬまでですね…今そのようなルールが決められました!どちらかがしぬまで勝負は続きます!皆さん心して見てください!では、いざ尋常にレディゴー!」
リアム「俺の許可なしで勝手にそんなこと…!でももうここまで来たからにはやるしかない…!」
ギール「さあ…いくぞ!!!」
ギールとリアムの剣が激しくぶつかり合う。はじめは同じ力かと思われたが、ギールが着々とリアムを追い詰めていき、しだいにリアムの身体と剣が傷ついていった。
ギール「どうしたどうした!威勢がいいのは最初だけか?ああ!?しかしなぜお前は回復している?回復施設は俺が機能させないようにしたのにな。まあいい。そろそろ楽にしてやる。」
リアム「あれは…!お前の仕業だったのか!許せない!そんな卑怯な手を使ってまで勝ちたいのか!この臆病者め!」
ギール「なに?この俺様が憶病者だと…?許せねえ。今すぐ殺してやる!終雷炎剣ンンン!!!死ねー!」
ギールの剣は雷と炎が入り混じった雷炎を纏い、リアムを斬ろうとしていた。
リアム「火剣・炎の舞!」
リアムはギールの剣を避けようとしたが、避けきれず腕や上半身を斬られてしまう。
リアム「くそっ…!避けきれなかった。今までの相手と格が違う…!身体が痺れる…!もうあれを使うしか…」
ギールの剣は雷炎を纏っていたため、斬られた相手は一定時間麻痺を起こすような能力を持っていた。
ギール「身体が痺れて動けないだろう?雷には気が付いているよな?殺すかわりに教えといてやるよ。これは俺の覚醒の能力だ。俺はいつでも雷を出して操ることができる。人間ってのは俺のように選ばれた者だけが覚醒できる。覚醒できるやつは大陸全土でみても5%ほど。火ノ国でも2〜3%ほどだ。殺されるのが嫌ならお前も覚醒してみろ。まあ無理だろうがなー!!!」
ボロボロのリアムにギールが剣を振り上げて斬ろうとしたその時、リアムの胸の周辺が光輝く…!
リアム「力が溢れる…!最後の技が出せる…!」
リアムの光にギールは目を瞑らないといけなくなり、一瞬の隙ができる。
ギール「ここにきて覚醒か…!?覚醒は早くても18歳くらいからだぞ!?1番上のあの最強の兄貴でも18の誕生日の時だぞ!?俺だって覚醒したのは20歳の頃だ。こいつまだ10歳ちょっとだろ…何者だこいつ…覚醒したということは能力に目覚めるか…!こいつが紋章に選ばれるようなことだけはなしだ!早いとこ始末しなければ…!」

第二話へ続く…

《補足説明》
第二話、第三話のURLは後ほど載せます。

《第二話 第一の覚醒と紋章》
https://note.com/rom4603/n/n217c5c8c553d?sub_rt=share_b

《第三話 風の谷 フウラン》 


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