「病院は“治療の場”じゃない——発達凸凹児の問いが教えてくれたこと」【頭の中の左利きさんシリーズ②】
前回の記事です↓
病院といえば「病気を治療する場所」。
多くの人がそう考えています。
では、発達凸凹のある子どもたちは
どうでしょうか。
彼らは“病気”なのでしょうか。
それとも、ただ“違い”を持って
いるだけなのでしょうか。
もし後者だとしたら、
なぜ病院に足を運ぶのでしょうか。
この問いに真正面から向き合ったとき、
病院の役割は少し違って見えてきます。
今回は、その再定義について考えてみます。
ある時、病院に来た患者さん
(凸凹系のお子さん)
の保護者さんから言われました。
「うちの子、病院に来たがらないんです。
『病気じゃないのに何でいかなきゃ
ならないの?』って。どうやって
連れてくれば良いんですかね?」
それを聞いて、ハッとさせられました。
確かに。
病気じゃないのに病院に行くって
よく考えたら変ですよね。
他の保護者さんで、
お子さんからこの手の質問を
投げかけられたら、
何て答えるのでしょう?
今まで、当たり前に
病院でお子さんと接して
来ましたが、
その子たちは全員
自分が病気だと思って、
それを治しに来院していた
のでしょうか?
多分、違いますよね。
「福祉制度を活用したいから」
「特性の有無を診て欲しいから」
「学校の先生に勧められたから」
「発達の遅れが気になるから」
「就学に向けて特別支援学級を
検討したいから」
たしかにそれも大切なこと。
環境を整えていくことで
しなくても良い辛い思いをせずに済むから。
でも、
ちょっとだけ先回りをしようとして、
大人の希望やニーズが先行して。
肝心の子どもたちの気持ちが
追いてかれてないかが
気になったのです。
この件があって以来、
私は新しくかかってきた凸凹系
のお子さんには
予診時にお話を聞きながら、
「ここの病院は精神科っていうんだ」
「精神科っていうのはね、こころの
病院なんだよ」
「○○くん(さん)は、病気じゃ
ないのに今日病院に来て、
変なのって思わなかった?」
と聞くようにしています。
そうすると、だいたい皆
うなづきます。
「じつはね、こころの病院は病気を
治すところでもあるんだけど、
もう1つできることがあるんだ。」
「それはね、みんなにどんな力が
あるかを調べる、能力の発見所なんだ」
と伝えると、
たとえばポケモン好きのお子さん
なんかだと
「え、みずタイプとか
くさタイプみたいなの?」
なんて聞いてきます。
「そうだよ~、
〇〇くん(さん)は何タイプかな?」
というと、みんな目をキラキラさせ
ながら、検査に臨むことができます。
検査時も集中して取り組んでくれたり
するので、すごく助かっています。
やっぱり伝え方次第で
検査のモチベーションも違いますよね。
何のための検査なのかをお子さんに
伝えているかどうかで、きっと結果も
変わってくるはず。
これも大切な
「検査についてのインフォームドコンセント」
だと思っています。
検査の結果を伝える時にお子さんに
どうお話しているかは、
また別の記事でまとめたいと思います。
今回もお読みいただき、
ありがとうございました。
(※ちなみに小児うつや
不安症などで受診されたお子さんは
しっかりとした「こころの病気」なので、
また別の対応となります)
次の記事はこちら↓
