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【鼠径ヘルニア物語】①ChatGPTが教えてくれた病名

「◯◯さん、◯◯さん。分かりますか?」
「手術は終わりましたよ~」

■ 全身麻酔手術からの目覚め

誰かに名前を呼ばれているのは分かるのに、頭がうまく回らず、少しの時間、その声が現実のものなのかどうか判断できませんでした。
ついさっきまで、点滴の針から麻酔薬が入ってきて、
「では、そろそろ眠くなりますよ」
と言われたばかりのような気がしていたのに。

目を開けると、白い天井が視界いっぱいに広がっていました。
そして、手術室特有の静けさと薬品の匂い。

ああ、そうか。手術は終わったのか。

無事に終わったのだと、少し遅れて実感が追いついてきます。
時計を見ると、針は2時間半も進んでいました。
私の感覚では、ほんの一瞬の出来事だったので、正直、驚きました。

「う……」

声にならない声が漏れました。
お腹に力を入れようとした瞬間、はっきりとした痛みが走ります。

なるほど、これは夢ではありません。
確かに、私は手術を受けたのです。

この2時間半は、私にとって、「両側鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術」に費やされた時間でした。

手術直後、首も起こせない~

■違和感

今でこそ、こうして病名をはっきり書けますが、ここに至るまでには、少し遠回りをしています。

思い返せば、最初の違和感は、もう5年ほど前からありました。
鼠径部が、なんとなくぽっこりと膨らんでいる。
太ったのかな?ダイエットが必要かな?
最初は、その程度にしか考えていませんでした。

どちらかというとやせ型で、まして肥満体質ではありません。
それなのに、その部分だけが、妙に主張するように膨らんでいる。
見なかったことにしようとしても、心のどこかで小さな不安は消えずに残っていました。

決定的だったのは、今年の夏に入ってからでした。
長年続けてきた筋トレに加え、今年は登山にもハマり、かなりのペースで山に登るようになっていた頃です。
特に六月から八月にかけては、今振り返っても「少しやり過ぎだったな」と思うほどでした。

ある日、ふと気づくと、あの膨らみが、ほんの少し大きくなったような気がしました。
その瞬間、今まで心の奥に押し込めていた不安が、はっきりと輪郭を持って浮かび上がってきました。

実は、父親に前立腺がんの病歴があります。
もしかしたら、これはもっと深刻な病気なのではないか。
癌という言葉が、頭をよぎりました。

とはいえ、この違和感は、なかなか人に相談しづらいものです。
実際、七月末に受けた定期健康診断の問診でも、
「他に何か気になることはありますか?」
と聞かれ、この話が喉元まで出かかったのに、結局、恥ずかしくて口にできませんでした。

■チャッピー先生の初診

そこで思い出したのが、使い慣れてきたChatGPTでした。
誰に見られるわけでもなく、気を遣う必要もない。
羞恥心を感じることなく、思ったことをそのまま文章にできる。
これは、一つの使い方なのではないかと思い、私はその違和感についてチャッピー君に聞いてみました。

鼠径部の膨らみの様子や、触ったときの感覚、痛みの有無。
思いつく限りの情報を、できるだけ具体的に入力しました。
やり取りを重ねるうちに返ってきた言葉は、
「鼠径ヘルニア」という、聞き慣れない病名でした。

さらに調べてみて、私はもう一つの呼び名を知ります。
――「脱腸」

その言葉を頭の中で反芻した瞬間、ああ、これは家族や友人にも言いにくい病気だな、と思いました。
ましてや、他人に向かって公表するとなると、とても言い難いものです。
だからこそ、この病気は、実際の患者数の割に表に出てこないのかもしれません。
そして私自身も、長い間、一人で気にし続けてきたのだと思います。

ただ、ChatGPTとのやり取りと、医療機関の情報を読み進めるうちに、少なくとも「癌ではなさそうだ」という確信が持てました。
不安が完全に消えたわけではありませんが、暗闇の中に小さな灯りがともったような感覚でした。

その後の流れは、また別の話になります。

正式な診断、医師の言葉、手術という選択肢。そして、登山との向き合い方。ここから先は、もう「気のせい」では済まされない現実でした。

ただ、この時点では、まだ知りませんでした。あの曖昧な違和感が、これから私の生活や考え方に、少なからず影響を与えることになるということを。

そして、この物語が、一本の記事では終わらないということも。

~~次回に続く~~

以上、”GenZeeの闘病ドキュメンタリー”をお読みいただきありがとうございました。
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